テッド・バンディについて -連続殺人犯の研究-


(映画『テッド・バンディ』より)


最近、映画『テッド・バンディ』が公開上映中であるが、テッド・バンディーは、『羊たちの沈黙』のレクター博士の犯行の手口のモチーフともなったと言われる猟奇殺人犯で、逮捕後、弁護士を雇わないで自己弁護する程、IQが高く、容姿端麗で、多くの女性は、テッド・バンディーの無実を信じ、バンディーの容姿端麗で、頭脳明晰である姿にカリスマ性を感じた。




wikipediaによれば、『死刑が執行された後も亡くなったことに深く落胆していることを手紙に書いたり、電話で伝えてくる「感受性豊かで、知性的で、心やさしい若い女性」が大勢いた』という。



ここでは陰鬱になるので、その犯行の詳細については記さないが、今、話題となっている人物である為、出生図を作成して、その特徴について検討してみた。






まず、テッド・バンディーのホロスコープを見ると、ケンドラに4つの生来的凶星が在住し、ウパチャヤに2つの生来的吉星が在住している。


これはチャートを保護する要素と全く逆である。


チャートを保護する要素としては、ケンドラに吉星が在住し、ウパチャヤに凶星が在住していなければならない。


ケンドラに在住する惑星はその影響が強まるため、凶星よりも吉星が在住した方がよく、ウパチャヤには凶星が在住した方が、欲望を破壊するからよいのである。


ケンドラに4つの凶星と書いたが、実際には、条件付きで生来的吉凶が決まる水星や月は、この場合、生来的凶星化していると考えるべきである。


水星は、太陽、ケートゥ、火星などの凶星と絡んで傷ついており、更に月は太陽に近すぎて新月で暗い月だからである。


従って、実際にはケンドラの4室に6つの凶星が在住している。


テッド・バンディーが何故、あれ程の冷酷な犯行を犯せたのか、それを理解するにはこの6つの凶星によって傷つけられた4室の解釈が重要である。


月は12室を支配して4室で減衰し、不安定な心を表わしており、そこにケートゥがコンジャンクトしているが、ケートゥと月のコンビネーションは、霊媒体質とか、霊感などを表わし、またケートゥは変化を表わすので、急な心変わりや失望などを表わしている。


しばしば猟奇殺人鬼は犯行から快感を得るが、それは期待していたほどのものではなく、失望が生じて、更に次の犯行を重ねるというパターンがあるというが、それを表わしているかもしれない。


減衰した月に定座で強い蠍座の粘着質の火星がコンジャンクトして、チャンドラ・マンガラヨーガを形成しているが、月と火星のコンビネーションは通常は、瞬間湯沸かし器のように急激に怒りを爆発させる配置である。


強い火星は実行力を表わしており、弱い月と絡むことで、心の不安定さから軽率な素早い行動に結びつく配置である。


この火星には、全く土星も絡んでいないし、木星も絡んでいないので、この火星を押さえたり、保護することの出来る影響が全く見られない。


従って、この火星は、心の不安定さなどから、軽率な行動に即座に結びついてしまう。






この蠍座での月と火星のコンビネーション、特に減衰する月と定座で強い火星の組合せは、強い情動を伴った粘着性のある執拗な行動に結びつく配置である。



そして、ケンドラに6つの生来的凶星が在住していると記したが、ケンドラには1つも吉星が在住していないということも重要である。



生来的吉星である金星と木星は、3室のウパチャヤハウスに在住しており、月から見ると、ドゥシュタナハウスの12室に在住している。



3室は食欲、性欲、睡眠欲などの肉体の欲望を表わすハウスで、12室はベッド上の快楽を表わすハウスである。



wikipedia テッド・バンディーを見ると、制御できない性的欲望というものが、その犯行の動機の一部を形成している。



この3室に吉星が在住する配置は、しばしば芸能人に多い配置であるが、芸能に携わる業界人は、しばしば欲望を抑えることが最も出来ず、過度の性交や薬物中毒などに陥る人間も多い。


ウパチャヤの凶星の場合、欲望を抑えて、トレーニング、訓練を積み重ね、大成していくが、ウパチャヤの吉星の場合、最初からたいした忍耐をせずに成功し、欲望が即座に満たされる堕落した生活の末に最後に身を滅ぼすというパターンもあり得る。



wikipedia テッド・バンディーを見ると、身の回りの所持品が、ほとんど盗品であったというように全く欲望を抑えることができない性格であったことが分かる。



然し、この3室の金星と木星は、5室支配の木星と3、10室支配の金星であった為、5-10、3-5の絡みなどを生じて、バンディーの犯行疑惑などはテレビで大々的に報道され、容姿端麗で甘いマスク、IQ160の頭脳明晰な話が、多くの人々を惹きつけ、一大エンターテイメントと化した。



つまり、メディアで成功することを表わしていた。



裁判の模様もテレビ中継され、多くの女性たちは、テッド・バンディーは犯行をしたようには見えないと口々に語った。



裁判では、自ら自分を弁護して、弁舌巧みに観衆を魅了して、まさにこの一大エンターテイメントの主演俳優として振る舞った。



この映画の監督ジョー・バーリンジャーも語っているが、この事件が極めてアメリカ的なのは、テレビ映えや公衆の面前で自らをプレゼンテーションする能力や外面的な印象が、アメリカでは重要であり、人々はそれを信じるという、このアメリカ文化の暗部を映し出しているからだという。(おそらくそれは物質に偏った物質文明であることを意味していると言えるかもしれない)







金星は月から見ると、7、12室支配で、2、5室支配の木星と12室天秤座に在住しており、金星は定座で非常に強い。



これは若くて美しい女性たちが、テッドバンディーとの密室での個人的なつながりで恋に落ちるという配置である。



繰り返しになるが、wikipediaによれば、『死刑が執行された後も亡くなったことに深く落胆していることを手紙に書いたり、電話で伝えてくる「感受性豊かで、知性的で、心やさしい若い女性」が大勢いた』というが、多くの女性がバンディと文通をして『それぞれに自分は彼にとって唯一の存在だと信じていた』ようである。また、『バンディーが亡くなったことでノイローゼになったという女性も複数いた』という。



つまり、テッド・バンディーは、女性を一対一の関係に持ち込み、相手に自分を夢中にさせる強力な手腕があったのである。



これはまさに月から見た12室に在住する金星と木星で表されている。




テッド・バンディーは、1974年から1978年の間に7つの州で30人を殺害していることが明らかになったが、その時期は、主に金星/土星期、そして、金星/水星期にも渡っている。





土星は暴力の6室とパートナーの7室を支配して、12室蟹座のプシュヤに在住しているが、逆行し、また逆行する冥王星とコンジャンクトしている。




土星は強い敵対星座に在住し、ディスポジターの月は蠍座で減衰して新月である為、非常に不吉である。




但し、この土星はプシュヤ(土星)に在住している為、強いとも考えられる。




これはナクシャトラに関する海外文献を調べていて分かったことだが、プシュヤに凶星が絡んでいる場合、黒魔術に関わるという可能性が指摘されている。




プシュヤ自体が、祭祀の執行者として、祭祀への深い造詣を表わし、元々魔術に関する才能があるのかもしれないが、凶星が絡む場合、特に黒魔術に関係するのである。




例えば、ネットフリックス(Netflix)の『殺人鬼との対談: テッド・バンディの場合』 予告編 では、








「テッドの脳は普通と違った」
「彼は頭の中で”声”が聞こえ-」
「その声が女性の話をする」


とか、


「青い目だったが-」
「おかしくなると真っ黒になった」



といった証言が登場する。



何か正気でない印象であり、月とケートゥがコンジャンクトして、霊感が強く、霊媒体質でもあることから何かに憑依されているのではないかという疑いも浮上する。




私などもプシュヤに月と太陽が在住しているが、木星のアスペクトもあるため、吉星の影響が優勢である。




その為か、私はアリスベイリーの著作などをこのブログの中で度々引用するように白魔術に関心が強い。




元々そうした素質があると思われる。




但し、私は西洋魔術の例えば、エリファス・レヴィーといった類いの黒魔術の世界も半分のぞかせるような魔道書について、どうしても不潔感があって、中々読む気になれない。




おそらく凶星の影響が働く場合、こうした世界への参入につながっていくのではないかと推測することは出来る。






このテッド・バンディーの犯行時のダシャーが主に金星/土星期であったことを考えると、この土星が大きな役割を果たしていることが考えられる。




そして、その土星には外部からの強制的な意志を表わす冥王星がコンジャンクトしている。




この土星と冥王星のコンビネーションが不吉な配置である。










ナヴァムシャでは、牡羊座ラグナで、ラグナロードで8室支配の火星が10室で高揚して、冥王星とコンジャンクトし、10、11室支配の土星が8室に在住して、8室と10室で8-10の星座交換をしている。




更に月から見ると、3、10室支配の火星が12室で高揚し、1、12室支配の土星が10室に在住して、10室と12室で、10-12の星座交換をしている。




この辺りが犯行を推測させる配置である。




因みに水瓶座から見て、12室で3、10室支配の火星が高揚する配置は、レオナルド・ダヴィンチの出生図と同じ配置であるが、レオナルド・ダヴィンチは、人間の肉体の解剖図を描く為に死体を死体置き場から拾ってきて、地下室で、解剖していたような人間である。



科学の為とはいえ、普通の基準から考えると、狂気に近いことをしていた訳で、その配置が、テッド・バンディーにもあることは注目である。




そして、もう一つは、高揚する1、8室支配の火星は、3、6室支配の水星と4-10室で相互アスペクトしているということである。




ここで、6-8の絡みが生じていることが分かる。




因みにこの火星と水星の絡みは、中国の建国図のナヴァムシャにも見られる配置であり、マハダシャーが水星期になった中国の当局が国民に対して、犯罪的暴力を行なうことを推測させる配置である。




これと同じ配置が、テッド・バンディーのナヴァムシャに存在するが、おそらくこれは暴力を意味する配置である。











因みにダシャムシャを見ると、金星は3、10室支配で12室で敵対星座に在住し、同じく敵対星座に在住するラーフ、そして、敵対星座に在住する水星とコンジャンクトし、火星からアスペクトされ、木星のアスペクトは受けていない。



この火星からアスペクトされる敵対星座の金星、水星、ラーフはディスポジターの月が一時的に敵対の座にあるため、強い敵対星位で弱く、火星によって激しく傷つけられている。




そして、土星は6、7室支配でラグナに在住しているが、通常は、ラグナに在住する時期は、仕事上の上昇の時期であると解釈する。




バガファッド・ギータでは、サットヴァ、ラジャス、タマスというプラクリティ―の混合割合によって、その人の行為(仕事)が決定されるとしているが、その観点から、テッド・バンディーを殺人鬼として定義し、殺人鬼の仕事(行為)が殺人であると考えると、テッド・バンディーのアンタル土星期は、まさにその殺人を遂行するタイミングであったと考えられる。



ダシャーの観点からは、マハダシャーの金星とアンタルダシャーの土星は絡んでおらず、主に金星の配置の象意が顕現したはずである。



マハダシャーの金星で考えた場合でも12室で、強い敵対星位で、他に強い敵対星位の惑星2つの同室し、火星からアスペクトされる金星は十分に不吉であると言える。













出生図に戻るが、土星は6室支配で12室に在住しているため、これはヴィーパリータラージャヨーガ(逆転のラージャヨーガ)であり、通常は、本人にとってメリットをもたらすはずである。




これはおそらく、テッド・バンディーが密室(12室)で犯行に及んだものの中々、それが公に暴露されず、警察も中々犯行の足取りを掴むのが、難しかったことを意味していると思われる。



これはジョーティッシュの不思議さと言えるものであるが、例えば、金正恩のチャートでも獅子座ラグナで6室に火星が在住しているが、これは凄まじい暴力を表わしており、北朝鮮の高官たちの粛清などを意味する恐ろしい配置である。然し、これは本人が無敵で、自分の政敵を全て破壊することを意味しているのである。



このようにヴィーパリータラージャヨーガなど、特別な配置は、道徳などには関係なく、本人にとって有利な働きを表わす場合がある。




このテッド・バンディーの12室に見られるヴィーパリータ・ラージャヨーガも、テッド・バンディーは警察に捕捉されずに犯行を重ねることが出来たという負の側面として現れたと考えられる。






犯罪者のチャートの特徴




以上のように見て来て、犯罪者のチャートの特徴というものをあえて挙げるとするならば、健康的で守護されたチャートに見られる配置がまず、全く見られないということである。






ケンドラに吉星が在住し、ウパチャヤに凶星が在住するという条件が全くなく、ケンドラに1つの吉星も在住しておらず、そこに対して、金星や木星といった吉星のアスペクトもない。



そして、ウパチャヤに吉星が在住しているが、芸能界でも薬物汚染や闇営業問題、また芸人が良く口にする所の『女(男)遊びは芸の肥やし』といった感覚が普通のものとなっており、通常の一般社会と比べて、モラルがゆるい印象である。



それと同じようにテッド・バンディーの所持品はほとんど盗品だったというように通常の意味で行動を自制させるようなモラルがほとんど働いていないという点も注目点である。



そして、ドゥシュタナハウスが強調されていたり、極めて弱い惑星があると同時に凶星が極めて強い星位にあったりする。



例えば、テッド・バンディーの場合は、火星がルチャカヨーガで、ラーフやケートゥも高揚していることが、異常な行動力(暴力)を発揮する一方で、月が非常に弱くて、弱点となっているといった形で現れている。



そして、最後は、不吉なナクシャトラに惑星が在住していることである。



例えば、蠍座のジェーシュタにケートゥ、火星、月の3つの惑星が在住しているが、火星の星座の中に火星とは敵対惑星である水星のナクシャトラが入っており、これはちぐはぐな面がある。


ジェーシュタは、古い魂と呼ばれ、世俗的な物事を溜め込んでいて、経験豊富で、老獪なナクシャトラであり、通常、不吉なナクシャトラとされる。




そして、ディスポジターとしての繋がりも重要である。



テッド・バンディーが犯行に及んだのは、金星/土星期であるが、土星は12室で蟹座に在住しており、ディスポジターの月に土星の負のエネルギーを送っていると考えることができる。



土星のディスポジターの月は蠍座で減衰して、更に新月で非常に暗い月で、しかもチャンドラ・マンガラヨーガなどによって、異常に怒りなど感情的な高ぶりやを実行力を刺激された月である。



この土星のアンタルダシャーの時期にこの月の弱点というものが、噴き出したと考えるのは理にかなっている。





そして、テッド・バンディーのそれ以外の弱点とは、出生図でもナヴァムシャでも3室に金星が在住し、ナヴァムシャではラーフも在住して、これを強めている。



犯罪者の犯行は、しばしば抑えられない欲望から始まるのであるが、3室は食欲、性欲、睡眠欲を表わすハウスであり、3室に在住する金星は主に性欲を表わす為、他に条件が揃えば、性犯罪を招きやすい配置であると言える。



また3、6、11室という、トリシャダヤハウス(3つの欲望のハウス)自体が、ドゥシュタナハウスなどと絡みあうことによって、欲望が満たされない苦しみから更にカルマを積み増してしまうという結果が生じるのである。




このように見てくると、犯罪者のチャートとは、健全な守護されているチャートの正反対で、その度合いが極端に激しいチャートである。





このように犯罪者としての特徴をチャートの中から導き出すことが出来ても、今生でのこのようなチャートと犯罪をもたらした深いカルマ的理由などは全く分からない。





ただカルマには過去生のカルマを清算するという側面と、過去生から習慣的に繰り返してきた行為の結果として生じる行動傾向という側面など、いくつか種類があると考えられる。





テッド・バンディーの場合、月が激しく傷ついているのが特徴である。




従って、母親との関係が上手く行かないとか、母親に問題があったということが考えられ、そして、自分の中にも母親から本来、受け継ぐはずの母性や慈悲や慈愛、幸福感、喜びといった性質を統合していないかもしれない。




またテッド・バンディーの強い火星は、ラグナから見ても月から見ても7室にアスペクトしている。




7室にアスペクトする火星は、妻(配偶者)虐待の配置である。




wikipediaによれば、テッド・バンディーの父親は、はっきりしておらず、3歳までフィラデルフィアにある母方の祖父の家で生活し、『祖父のサミュエルと母のルイーズは、当時社会的に不名誉とされていた婚外子だと後ろ指をさされないようにテッドを育てており、幼いテッドは祖父母のことを両親、母のことを姉だと教えられていた。』ということで、父親との関係、母親との関係が、正常ではないのは確かだが、こうした発達心理学的な生育環境の問題という解釈では説明しきれない。




このようなチャートの元に生まれて来るだけの深いカルマ的な理由があるはずである。




然し、その理由について知ることは困難である。



















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