D150の神秘 ―北九州にて高次分割図の価値を意識する―

今回の北九州のセミナーで現地に到着してから知人の紹介で2日目にファミレスで鑑定させて頂いた方の二人のお子さんの鑑定が極めて興味深いものになった。

そのお子さんは二卵性双生児で、出生時間が1分しか違わないのである。

出生図を作成してみるとD1〜D60まで全部同じラグナであった。そのため、人生で起こる出来事がほとんど同じになると思えるが、双子のAさんとBさんで、かなり人生に違いが生じている。

Aさんは高校時代に進学校に進んだが、学校で人間関係が上手く行かず、学業も挫折して、学校を中退などしている。そして中途退学のお子さん達が通うフリースクールに通うなどしている。またアルバイト先でヤクザまがいの不良の人物に因縁が出来てしまい、何かと稼ぐために利用されそうになったり、薬物などの悪習を進められたり、拉致されそうになって母親が警察に通報して相談し、Aさんを救うなど、かなり手がかかる印象なのである。そうしたヤクザまがいの人物から拉致されそうな危機を何度か繰り返している。

一方で、Bさんは普通の公立高校に進学し、人間関係には何も問題なく、女性にもモテたり、楽しく人生を送っている。高校時代には、テレビのクイズ番組の企画に応募し、幸運にもいい所まで進み、特に学校を中退するようなこともなく平穏無事に学生生活をエンジョイしている。

この違いが何故、生じているかをD1〜D60までの分割図では説明出来ないのである。

そこでD150を参照して比較した所、このチャートでラグナに違いが生じていることが分かった。



Aさんは双子座ラグナで、ラグナに水星が定座に在住しており、バドラヨーガを形成しているが、ラグナが土星、天王星、海王星などによって挟まれている。

冥王星、海王星、天王星のようなトランスサタニアンは通常、ジョーティッシでは使わないが、生来的凶星的に使用すればパーパカルタリヨーガ的な否定的な象意が生じていると思われる。

また4室目と10室目のようた対となるハウスに同じ数の惑星が在住する場合、バンダナヨーガと言って、逮捕監禁など身体の拘束を表す配置である。太陽、火星、ラーフ、ケートゥなどが対となるハウスに在住していることが分かる。
これが拉致に関係したのではないかと思われる。

これはセシャドリアイヤー言う所のパーパサンキャヨーガであり、対となる配置にある凶星のダシャーが来た時には悪いという解釈になる。従って、太陽、火星、ラーフ、ケートゥのマハダシャー、アンタルダシャー、プラティアンタルダシャーの時期は悪いのである。実際、拉致されそうになったり、学校を中退した時のダシャーを見るとこれらの惑星のダシャーの時期か、あるいはこれらの惑星と絡む惑星、これらの惑星に挟まれてまさに影響を受けている水星のダシャーの時期などであった。



一方のBさんのD150はラグナが蟹座になり、パーパカルタリやバンダナヨーガを免れており、パーパサンキャヨーガも形成していない。また凶星がウパチャヤハウスに在住して、チャートを保護する要素が十分に働いており、凶星が凶意を発揮する度合いが圧倒的にAさんと比べて少ない。


従って、AさんとBさんのチャートをD150で解釈すると人生に違いが出た理由がよく説明出来るのである。

(エピソード)
水星/月⇒水星/火星・・・・自主退学
水星/火星/月・・・・・・・不登校、自主退学
水星/ラーフ/土星・・・・・拉致
水星/木星/木星⇒土星⇒水星⇒ケートゥ・・・・・自主退学
水星/木星/ケートゥ・・・・・・・・・・・・・・高校編入 ※木星はラグナにアスペクトしてラグナを保護している
水星/木星/金星・・・・・・大学入学 ※木星も金星もパーパサンキャヨーガやバンダナヨーガを形成していない




Aさんの場合、火星が6、11室の支配星で、太陽が3室の支配星で、これらの惑星がラーフやケートゥにもアスペクトして傷つけており、バンダナヨーガ、あるいはパーパサンキャヨーガを形成して、ラグナを激しく傷つけ、身体の拘束の象意を生み出しており、更に2室支配のマラカの月がマラカの7室に在住し、6、11室支配の火星からアスペクトされて傷ついているが、月から見てもバンダナヨーガとパーパサンキャヨーガを形成している。このAさんが現在、バンダナヨーガ、及びパーパサンキャヨーガを形成する太陽期であるため、苦しんでいるが、例外的に過去の金星のダシャーの時期には比較的平穏に過ごしていた為、来るべきマハダシャー金星期の20年は良くなるという鑑定になった。



一方で、Bさんにとっては同じ火星が5、10室支配のヨーガカラカになり、太陽は2室支配の中立星で、同室する火星から吉意を与えられている。また月はラグナロードで6室に在住し、献身的な性格にすると共にヨーガカラカの火星がアスペクトしていてもそれほど傷ついているとは言えない。



またAさんは金星が5室の支配星で6室に在住しているが、これは失恋の配置である。一方で、Bさんは女性からモテるそうだが、7室の表示体である金星が5室に在住しているため、恋愛の配置である。

この辺りの違いがポイントである。

D150のラグナを一つ変えただけで、大きな違いが生じてしまうことが分かる。

これまでD60を検討するぐらいでも凄いことだと考えて来たが、こうした事例を見てしまうとD60以上の高次分割図の役割、価値についても更に研究して行かなければならないと分かった。ジョーティッシはまだまだ奥が深く、探求すべきことは多いようである。

地元に戻ったらシュリジョーティスターで、D81やD144などのD60以上の分割図でもラグナに違いが出ていないか更に調べたいと考えている。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 久々の新規投稿ありがとうございます
    お変わりないようで良かったです

    この記事のお話を今度のマスターコースでより更にお伺いできたらと思います

    自分は有料ソフトを購入していないので自前の分割図はD60までしか知りません

    また新たに興味深い所見にジョーティッシュの当為を強く実感し自分もやる気が戻ってきました

    土曜日を楽しみにしております

コメントする

CAPTCHA