瀬戸内寂聴について - 芸術と愛欲の為に家出する、自己実現を求めて -【更新】



瀬戸内寂聴が、先日(11/9)、京都市内の病院で亡くなったとニュースが伝えている。


瀬戸内寂聴のチャートは、以前、ラグナを蟹座アーシュレーシャに修正したが、瀬戸内寂聴から直接、出生データを聞いた知人によれば、ラグナは蟹座アーシュレーシャではないということだった。


その為、今回、全く初めからラグナの検証をやり直した。


出生時間が分からない為、チャートを00:00:01で作成すると、ラグナが山羊座で、月は射手座のムーラであり、23:59:59で作成すると、月は射手座のプールヴァアシャダーになる。


つまり、出生の月は、ムーラか、もしくはプールヴァアシャダーのいずれかである。


瀬戸内寂聴は、夫と見合い結婚し、その教え子と恋愛関係に陥った後、夫にそのことを告白し、その後、夫と娘を捨てて、上京して作家になり、作家の仲間と不倫して、愛欲に嫌気が指して、出家までした人であり、人生において愛欲の問題、煩悩の問題などを深く考え続けてきた人である。


仏門に入って愛欲を完全に断ち、仏教関連の小説を表わしたり、自身の不倫体験を小説(『夏の終わり』)にしたりした。


瀬戸内寂聴のインタビューを見たことがあるが、瀬戸内寂聴にとって出家とは、美味しいものは食べるし、普通に人生を楽しむが、愛欲だけは断つということであったようだ。


それが瀬戸内寂聴にとっての出家の定義である。







それは、彼女が、出家前に愛欲に振り回された生活を送っていたことと関係があるかもしれない。


そうした自分の欲望に向き合い、深く考え続けた人である。



そのように出家までして深く考え続けた人である為、月は、ムーラではないかと思われたが、但し、月がムーラになるのは、出生時間が00:00:01~00:35:17の間にある場合だけである。


00:35:18~23:59:59の間であれば、月は、プールヴァアシャダーになってしまう。



従って、可能性の範囲は非常に狭く、またもし月がムーラであれば、出生のラグナは、山羊座のダニシュターで決定である。



もしプールヴァアシャダーであれば、支配星は、金星であるため、欲望や快楽に流されやすく、快楽主義者になると考えられる。



プールヴァアシャダーの性格とは、木星の性質と金星の性質が、上手くブレンドするからなのか、愛情あふれて情に厚く、自分よりも弱い人や自分に従う人には、思いやりをもって面倒をみる姉御肌ということである。







ムーラの支配星はケートゥであり、哲学的で、物事の根本を追及する為、こちらの方が正しいように一瞬思えるが、然し、瀬戸内寂聴の場合、愛欲に振り回されたというのは、おそらく、月がプールヴァアシャダーに在住して、金星の支配を受けるからこそで、普通の人々の煩悩を理解し、それに親身になれるという所があったのではないかとも思える。



また文学を通しての芸術表現に生涯取り組んだということもプールヴァアシャダーで、金星を影響を強く受けていたからではないかとも思える。



そうすると、月のナクシャトラは、ラグナ修正にはほとんど使えないということになった。




当初、こうしたことを考えながら、文筆家として、物語を生み出す才能があり、多作であることを考えると、5室にヨーガカラカの金星が在住し、9室支配の水星も在住し、木星が3室支配の木星がアスペクトする山羊座ラグナではないかとも考えたが、然し、山羊座ラグナでは過去の出来事が上手く説明出来なかった。



そして、今回、ラグナ修正は非常に苦戦したが、最終的に紆余曲折した挙句に辿り着いたのは、蠍座ラグナである。







これは最初の直感とは全く異なるものであり、直感が当てにならないことが、改めて分かった。



蠍座ラグナに設定すると、瀬戸内寂聴の人生に起こった出来事をだいたい説明することができる。



特にトランジットで、ダブルトランジットの推移と、人生の出来事が上手く一致し、ダシャーも過去の出来事を説明できるため、少なくとも出生図のラグナは蠍座ラグナで間違いないと思われる。



ナヴァムシャのラグナは、今回は、蠍座に設定したが、こちらは更に検証を続けたいと思っている。





結婚


wikipediaによれば、瀬戸内寂聴は、東京女子大学在学中の1942年に20歳で酒井悌(1913-1992 徳島市生)と見合いして婚約し、1943年2月に結婚している。


見合いして婚約したのは1942年で、月/金星 or 太陽期辺りである。



月は結婚生活の2室に在住し、ラグナロードの火星とコンジャクトし、金星は7室の支配星で7室に在住し、太陽は7室に在住している。








そして、実際に結婚したのは、1943年2月であり、火星/火星期に結婚している。



火星はラグナの支配星(7室から見た7室の支配星)である。



ナヴァムシャのラグナがもし蠍座ラグナであれば、月はラグナに在住し、金星は7室の支配星、火星はラグナロード(7室から見た7室の支配星)である。






婚約した時、トランジットの木星は牡牛座7室で逆行しており、土星は牡羊座6室で逆行し、7室にダブルトランジットしていた。



結婚した時は、土星は牡牛座7室で逆行し、木星は双子座8室で逆行して、やはり7室にダブルトランジットしている。







出産


1944年8月1日に、女の子を出産しているが、この時は、火星/木星期である。





サプタムシャを見ると、火星は9室支配で5室に在住し、木星は5室の支配星で5室にアスペクトバックし、9室の支配星と相互アスペクトしている。



トランジットを見ると、この時、土星は双子座を通過し、木星は獅子座を通過していたが、2ヶ月前の6月2日の時点で、土星は双子座、木星は蟹座を通過し、ラーフ/ケートゥ軸も蟹座/山羊座軸にあったことが確認できる。







つまり、土星と木星は5室にアスペクトし、木星は9室に在住し、土星は9室の支配星にアスペクトしている為、5室と9室にダブルトランジットが成立している。



更にラーフ/ケートゥ軸は、3-9の軸にあり、9室に絡んでいる。





夫の教え子と不倫三角関係


1945年6月に夫が召集をかけられ、8月終戦と共に帰宅したため、1946年8月に一家3人で徳島に引き揚げるが、その時に夫の教え子の文学青年と不倫し、それを夫に打ち明けている。



この時、ダシャーは、火星/水星期で、火星はラグナロード(7室から見た7室)だが、水星は8室支配で7室に在住し、7、12室支配の金星とコンジャンクションしている。







ここで7-8の絡みや、8-12の絡みも生じている。



7-8の絡みは、パートナー関係に溺れる配置であり、8室は中毒症状を表わすため、あたかも麻薬中毒のようにパートナーとの性的関係に執着し、のめり込む配置と言えるかもしれない。



田代まさしや太宰治のチャートを検証した際もやはり、蠍座ラグナで7室の支配星が8室に在住したり、7室と8室で星座交換していたりしていたのを確認している。





田代まさしも太宰治もパートナーである女性に依存し、振り回されたり、実際に薬物中毒などに陥っている。



おそらく、瀬戸内寂聴もこの配置から考えると、同じような体験をしているものと思われる。



その為、おそらく、そうしたパートナーとの恋愛や性的関係などに溺れて破滅しやすい自分を変える為、出家して、禁欲することにしたのである。



この時、トランジットの惑星を見ると、ちょうどラーフが7室に入室したタイミングである。



つまり、1-7軸にラーフ/ケートゥ軸が絡み、土星は蟹座、木星は乙女座を通過して、2室、5室、3室、4室にダブルトランジットが生じていた。



この時、2室は、7室から見た8室であり、若い青年を囲う配置であり、5室は恋愛のハウス、3室は食欲、性欲、睡眠欲などの低次の欲望を表わすハウス、そして、4室は住まい、引っ越しのハウスである。



この時、瀬戸内寂聴は、夫の任地北京に渡っていたが、戦争が終わり、家族3人で、徳島に戻ってきたタイミングである。



従って、土星は蟹座から4室にアスペクトし、木星は乙女座で4室の支配星とコンジャンクトし、4室の支配星にもアスペクトして、4室にダブルトランジットが生じていることが分かる。



この時、火星/水星期で、水星は7室(4室から見た4室)に在住し、7室の支配星とコンジャンクトして、引っ越しを表わしており、月から見ても7室の支配星である。





夫と3歳の長女を棄て家を出て京都で生活


1947年秋に一家3人で上京し、1948年に夫と3歳の長女を棄て家を出て京都で生活する。



1947年秋は、火星/金星期であり、金星は12室の支配星であるが、7室で定座に在住しており、不可解である。








但し、この時、瀬戸内寂聴は、正式には離婚しておらず、ただ家を出て、一人暮らしを始めたということである。



金星は7室(4室から見た4室の支配星)であるため、この時期に再び、引っ越ししたことが分かる。



トランジットを見ると、1947年秋に一家3人で上京した時は、土星が蟹座から木星が乙女座から4室にアスペクトして4室にダブルトランジットしている。



この時は、まだラーフ/ケートゥ軸は1-7軸にあったが、家出をした1948年には、ラーフは6室、ケートゥは12室に移動している。



木星はラグナを通過して、何かをスタートさせるタイミングであることを物語っている。



木星は5室にアスペクトし、土星は5室の支配星にアスペクトすることで、5室(作品、創作)にダブルトランジットしており、wikipediaによれば、『大翠書院などに勤めながら、初めて書いた小説「ピグマリオンの恋」を福田恆存に送る』と記されており、活発に創作活動に打ち込んでいたことが分かる。


おそらく、この時期、火星/金星期であるとすれば、瀬戸内寂聴は、家庭を出て、育児を放棄して、もっと自由に恋愛をしたいということではなかったかと思われる。



この辺りで、木星とラーフがコンジャンクトすることによるグルチャンダラヨーガの発現とも考えられる。



既存の妻としての役割の中に留まるという世間の常識、道徳観念に逆らって、自分の創作活動や自由(自由恋愛)の為に家を飛び出したということである。





離婚


そして、1950年に正式に離婚しているが、この時は、ラーフ/ラーフ期である。



ラーフは11室(6室から見た6室)に在住しており、ディスポジターの水星は、月から6室に在住している。



そして、ナヴァムシャではラーフが7室に在住しており、離婚の時期に思えないが、ディスポジターの金星が12室の支配星であることで、相手から退いた時期だと考えることができる。








元々マハダシャーの火星期を通して、火星は、ナヴァムシャで6室に在住していることで、パートナーとの意見の不一致があったと考えられる。



離婚した時、木星は山羊座を通過し、土星は獅子座で逆行していた。またラーフ/ケートゥ軸は、5-11室の軸にダブルトランジットしていた。



土星と木星はラグナから見た7室、月から見た6室にダブルトランジットし、5室の支配星に対して、木星と土星がダブルトランジットし、11室(受賞)にもダブルトランジットしていた。




創作活動と受賞


このラーフ/ラーフ期に正式に離婚をした瀬戸内寂聴は、東京に行き、本格的に小説家を目指し、少女小説を投稿し、「ひまわり」誌の懸賞小説に入選したという。



これは創作活動の5室と、受賞の11室にダブルトランジットが生じ、マハダシャーとアンタルダシャーのラーフが11室に在住しているからである。







ラーフは、ケンドラの4室支配の土星とトリコーナの5室支配の木星とコンジャンクトすることで、ラージャヨーガを形成している。



瀬戸内寂聴は、これ以外でも小説を完成させて世に発表するタイミングには、必ず5室にダブルトランジットが成立しており、受賞する時には11室にダブルトランジットが成立している。



そのことから今回、瀬戸内寂聴のラグナを蠍座ラグナに修正することが出来た。





・1963年 女流文学賞を受賞



例えば、元夫の教え子との不倫(三角関係)の恋愛体験を描いた『夏の終わり』で1963年に女流文学賞を受賞しているが、これは毎年6月に発表されており、ダシャーは、ラーフ/金星期である。



ラーフは11室に在住して、ラージャヨーガを形成しているが、金星は月から11室の支配星で、ラグナから見た11室の支配星とコンジャンクトしている。



トランジットの木星は魚座5室で逆行し、土星は射手座で逆行しており、5室(創作)と11室(受賞)にダブルトランジットしている。





・1957年 「女子大生・曲愛玲」で新潮同人雑誌賞を受賞


1957年のラーフ/土星 or 水星期には、新潮同人雑誌賞を受賞しているが、土星は11室で5室支配の木星との間で、ラージャヨーガを形成し、水星は11室の支配星で、吉星である金星とコンジャクトし、5室支配の木星からのアスペクトを受けている。


但し、受賞第一作「花芯」が、ポルノ小説であるとの批判に晒され、批評家より、「子宮作家」とレッテルを貼られている。


そして、数年間は、文芸雑誌からの執筆依頼がなくなってしまう。








この時のトランジットを見ると、木星が乙女座11室を通過し、土星がラグナから11室の支配星にアスペクトし、ラーフ/ケートゥ軸も1-7軸にあり、11室の支配星に絡んでいた。



つまり、11室に木星と土星のダブルトランジットが形成されていたが、11室の支配星にラーフ/ケートゥ軸が絡み、土星がアスペクトして傷つけており、更に11室には火星もアスペクトして傷ついていた為に
批判も同時に受けやすい状況にあったと思われる。


木星が天秤座12室に移動したタイミングで、批判を受け始めるような状況であったと考えられる。


アンタルダシャーの土星は11室で5室支配の木星との間で、ラージャヨーガを形成しているとは言っても3室支配の機能的凶星でもあり、アンタルダシャーの水星は、8、11室支配で、まさにラーフ/ケートゥ軸と土星によって傷つけられていた。





・1988年 「寂聴般若心経」が1年で43万部を売るベストセラーになる


これは受賞をしたことではないが、この1988年に出した「寂聴般若心経」という本が大ベストセラーになっている。



ダシャーは、土星/水星期で、土星は11室で、5室支配の木星とラージャヨーガを形成しており、水星はやはり、11室支配で生来的吉星の強い金星とコンジャンクトし、5室支配の木星のアスペクトを受けている。


トランジットを見ると、ラーフ/ケートゥ軸は、5-11軸にあり、木星は魚座から11室にアスペクトし、土星は射手座から11室にアスペクトして、11室にダブルトランジットすると共に5室にもダブルトランジットしている。


やはり、創作の5室と受賞、称号、高い評価の11室が強調されていることが分かる。




・1992年 一遍上人を描いた「花に問え」で谷崎潤一郎賞を受賞


そして、1992年の土星/金星期にも谷崎潤一郎賞を受賞しているが、土星は11室で、木星とラージャヨーガを形成し、金星は月から見て11室の支配星で、9室支配の太陽と9-11のダナヨーガを形成し、木星からのアスペクトを受けている。


またラグナから見ても7室でマラヴィアヨーガを形成し、11室の支配星とコンジャンクトして、5室支配の木星からのアスペクトを受けている。








トランジットを見ると、木星は乙女座11室を通過し、土星は山羊座で逆行して、11室にアスペクトし、11室(受賞、称号)にダブルトランジットすると共に5室(創作、作品)にもダブルトランジットしている。





・1997年 文化功労者の称号を授与される


最も大きな受賞、称号としては、1997年に文部科学省から文化功労者の称号を授与されている。





ダシャーは、土星/ラーフ期であり、土星はやはり11室で木星との間で、ラージャヨーガを形成し、アンタルダシャーのラーフも11室で、ラージャヨーガに接続し、自らもラージャヨーガとなっている。


トランジットを見ると、木星が山羊座から11室にアスペクトし、土星が魚座5室から11室にアスペクトし、5室(創作)と11室(称号)にダブルトランジットが生じていることが分かる。


またラーフ/ケートゥ軸も5-11軸にあり、11室に在住する出生のラーフにトランジットのラーフがリターンしていた。






・2006年 文化勲章を授与される


そして、文化人にとっての最高の栄誉となる文化勲章を2006年に授与されているが、この時は、水星/金星期である。(毎年11月3日文化の日に授賞式)






ここも同じロジックの繰り返しになるが、水星は11室の支配星で、生来的吉星でマラヴィアヨーガの強い金星とコンジャンクトし、5室支配の木星からのアスペクトを受けている。


アンタルダシャーの金星もまた同じロジックになるが、月から見て11室の支配星で、9室支配の太陽と9-11のダナヨーガを形成し、ラグナから見て11室支配の水星とコンジャンクトし、マラヴィアヨーガを形成して、5室支配の木星からのアスペクトを受けている。








トランジットを見ると、木星が蠍座1室を通過し、11室の支配星にアスペクトし、土星が獅子座10室から11室の支配星にアスペクトして、11室にダブルトランジットしていた。


またこの時は、土星が獅子座10室を通過して、木星は10室の支配星にアスペクトしていた為、10室にダブルトランジットし、更にラーフ/ケートゥ軸も4-10軸にトランジットしていた。


文化勲章を授与された文化人の名前は、ニュースでも報じられるなど、全国的に大きな扱いになる為、注目を集めるという意味で、この時、10室にダブルトランジットが生じていたことは納得できる。





このように瀬戸内寂聴は、多くの賞を受賞し、国からも称号を授与して、11室の象意が際立っている。



そしてダシャーとトランジットで、11室が強調されるタイミングで、受賞したり、称号を受けている為、これらのことから、蠍座ラグナであることが分かる。



その場合に多くのケースでは、作品を創作した直後であり、5室の象意も強調されており、5室(創作)と11室(称号)がセットで、強調されるというパターンが多い。






このように瀬戸内寂聴は、精力的に創作活動に取り組み、高く評価されたが、晩年は、病気にも苦しんだ。






加齢黄斑変性のため右目の大部分が見えなくなる


瀬戸内寂聴は、2007年8月11日に徳島で行なった講演中に加齢黄斑変性のため右目の大部分が見えなくなったことを明らかにしている。



この時は、水星/金星/ラーフ期である。



右目を表わすのは2室だが、水星は、機能的凶星で、蠍座ラグナにとってはマラカとしても働く惑星である。


金星もマラカの7室を支配し、マラカの7室に在住し、ラグナや月から見て傷ついた2室の支配星からアスペクトを受けている。


また身体の表示体である太陽から見て水星は、2室の支配星で逆行の土星からアスペクトされており、また金星も太陽から見た2室の支配星とコンジャンクトして、逆行の土星からアスペクトされて傷ついている。







プラティアンタルダシャーのラーフは、ラグナから見た2室支配の木星とコンジャンクトして、月から見た2室支配の土星とコンジャンクトして傷つけている。



因みに瀬戸内寂聴のチャートでは、6室支配の火星が2室に在住して2室を傷つけ、2室支配の木星もラーフ/ケートゥ軸と土星によって激しく傷つけられている。



月から見た2室の支配星もラーフ/ケートゥ軸によって傷つけられており、また身体の表示体である太陽から見た2室には土星と火星がアスペクトして傷つけている。



従って、2室が激しく傷ついているチャートである。



従って、右目の視力に問題が出たことが納得できる。




この時、木星が蠍座1室を通過し、土星は獅子座10室を通過し、火星は牡牛座7室を通過して、7室(マラカ)と8室(不治の病、致命傷)にダブルトランジットが生じていた。



ラグナロードの火星は、マラカの7室を通過して、土星と火星が7室と8室の支配星を傷つけている。



ラーフ/ケートゥ軸は、4-10軸をトランジットしていた。(ケンドラ関係:ケンドラサンバンダ)






脊椎を圧迫骨折し、半年間、寝たきりとなる


2010年には、脊椎を圧迫骨折し、半年間寝たきりの生活を余儀なくされているが、この時は、水星/月期である。



水星は、蠍座ラグナにとってマラカとなり得る8、11室支配の機能的凶星で、マラカの7室に在住し、月はマラカの2室に在住している。








この時、ラーフは射手座2室、ケートゥは双子座8室を通過し、マラカの2室や急所や致命的な疾患を表わす8室を傷つけている。



土星は乙女座11室から8室にアスペクトし、木星は水瓶座4室から8室にアスペクトして、8室にダブルトランジットしていた。






胆嚢ガンの手術を行なう


2014年、2度目の圧迫骨折治療中の検査で、胆嚢ガンが見つかった為、手術をして成功し、回復した後は「哲子の部屋」にも出演している。



この時、水星/ラーフ or 木星期である。



水星は既に述べているように蠍座ラグナにとってはマラカとして働く8、11室支配の機能的凶星で、マラカの2室に在住している。









アンタルダシャーのラーフは、2、5室支配の木星とコンジャンクトして傷つけているが、木星は肝臓や胆嚢の表示体である。



木星は2室支配だが、5室も同時に支配している為、本来はマラカとして働かないと考えるが、3室支配の土星とコンジャンクトして、トリシャダヤハウスの影響を受けている為、マラカとしての凶意を発揮したと考えるべきである。



つまり、マラカの2室を支配する木星を傷つけているラーフ期に胆嚢ガンの手術をしたことになる。



木星は更に土星とコンジャンクトして傷ついている。





この時のトランジットが、ラーフが天秤座12室、ケートゥは牡羊座6室で、土星も天秤座12室を通過し、木星は双子座8室を通過し、12室の土星にアスペクトしていた。



そして、土星と木星は、2室にもアスペクトして、2室にもダブルトランジットが生じていた。



つまり、ラーフ/ケートゥ軸が6-12室の軸にあり、木星は8室、土星は12室で、12室にダブルトランジットである。



このトランジットの配置から考えて、この時期は12室が強調されている為、入院していたことが分かる。





心不全のため、京都市内の病院で逝去


そして、2021年11月9日6時3分に心不全で、京都市内の病院で逝去している。


wikipediaによれば、亡くなる約1か月前から体調不良のため、入院療養していたという。








この時は、ケートゥ/月/火星期で、ケートゥのディスポジターはラーフ/ケートゥ軸と土星によって傷つけられた2室の支配星で、月は2室に在住し、火星も2室に在住していた。



2室の支配星や2室の在住星は、最も強力なマラカであり、ダシャーの支配星はマハダシャーが2室の支配星、アンタルダシャーとプラティアンタルダシャーが2室の在住星であった。







井上光晴との恋愛関係と出家


因みに瀬戸内寂聴が作家として活動していく中で、出家を決意するきっかけとなった重要な出来事がある。


wikipediaによれば、1963年に夫の教え子との不倫(三角関係)の恋愛体験を描いた『夏の終り』で女流文学賞を受賞し、作家としての地位を確立し、作家活動を続けていたと思われるが、その後、1966年に同じ作家である井上光晴と高松へ講演旅行に行き、恋愛関係に陥っている。

井上光晴は、日本共産党に入党して、内部批判をして離党した経験があり、作家として、「炭鉱労働者や被爆者、被差別部落民、朝鮮人など、社会の底辺にある差別と矛盾、彼らへの共感をテーマにした力作を発表した」(wikipedia)という。

瀬戸内寂聴が、リベラル思想の持ち主で、原発反対や死刑制度反対などを訴えていたことを考えると、こうした交友関係は納得できる。









この時、ダシャーは、ラーフ/月 or 火星期辺りである。



ラーフのディスポジターである水星は、8、11室支配で7室に在住しており、7-8の絡みが見られるため、この配置からは、相手との恋愛関係、性的関係などに溺れたことが分かる。



7-8の絡みとは、パートナーへの依存や執着、パートナーからの支配を表わしている。



月は9室支配で2室に在住しているが、7室をラグナとすると、3室(食欲、性欲、睡眠欲)を支配し、8室(性器、性的合一)に在住している。



そして、火星も7室をラグナとすると、7、12室支配で、8室に在住しており、12室(ベッド上の快楽)や8室(性的合一)の絡みもあることを考えると、瀬戸内寂聴はこの恋愛関係にのめり込み、溺れたことが分かる。



ナヴァムシャのラグナが蠍座であれば、ラーフは7室に在住し、月はラグナに在住し、火星はラグナロード(7室から見た7室)で6室に在住し、12室や8室支配の水星にアスペクトしている。




そして、wikipediaによれば、「1973年、井上との関係を絶つために出家」と記されている。


つまり、この出家するまでの7年間、瀬戸内寂聴は、井上光晴と恋愛関係を続け、性的関係などに溺れていたことが分かる。



この7年間の麻薬患者のように愛欲に溺れた関係を通して、瀬戸内寂聴は、男女関係というものがほとほと嫌になったようである。



そして、この愛欲の関係を断つ為に出家を決意したのである。



瀬戸内寂聴にとって、愛欲に溺れることは、苦しみ(8室)と一体であったと思われ、それが7-8の絡みの意味である。



8室は深い精神的苦悩のハウスであり、その苦悩から解放されたいと願ったのだと思われる。



そして、出家をした1973年は、木星/水星期である。



1973年、51歳で、今春聴(今東光)を師僧として中尊寺において天台宗で得度(イニシェ―ション)を受け、法名を寂聴としたという。







因みに得度(イニシェ―ション)とは、師匠との濃密な関係性を伴う儀式を意味しており、エネルギー的な伝授を意味する為、8室の象意である。



木星は、師匠の表示体であり、8室の支配星にアスペクトし、水星は8室の支配星で、木星からアスペクトを受けている。




因みに瀬戸内寂聴が出家をした翌年の1974年に比叡山横川の行院で60日間の行を経た時のことを以下のように記している。



この時もやはり、木星/水星期である。




(略)1974年、比叡山横川の行院で60日間の行を経て、京都嵯峨野で寂庵と名付けた庵に居す。尼僧としての活動も熱心で、週末には青空説法(天台寺説法)として、法話を行っていた。満行後の行院の道場の板の間での記者会見に臨んだ時、初めて尼僧になったことを実感したという。

40人余りの行院生の中で尼僧は寂聴を含め5人であった。うち2人には夫があり、髪があった。5人の尼僧の中で霊感のないのは寂聴だけであった。得度に際し、今春聴より髪はどうするのかを聞かれ、即座に「落とします」と答えた。次に「ところで、下半身はどうする?」と聞かれ、「断ちます」と答えたところ、今は「ふうん、別に断たなくてもいいんだよ」とつぶやいたが、その後2人の間ではその話が交わされることはなかった。寂聴が頭を剃り、性を絶つと答えたのは、自信がなく将来に不安があったためで、その時は多分に気負っていたと後に書いている。

寂聴にとって、護摩焚きは非常にエロティックなものだった。密教の四度加行での護摩焚きの際には、印をエロティックな型だと思い、観想のための文から不動明王の怒張した男性器を連想するなどする。仏教の目指す究極の境地、至境は、いずれも秘教であることは寂聴に勇気を与えた。密教の行では、再生する命を感得し、先の1か月の顕教の行では味わえなかった宇宙の生命の輝き、それに直結し一体化する自己の無限の拡充、恍惚を味わう。寂聴はかねてより、岡本かの子の晩年に小説を花開かせたものが、浄土真宗でも禅宗でもなく密教の宇宙の大生命賛歌の思想ではないかと睨んでいたことを、横川で確認できた。

密教の行に入り10日くらいした頃、風呂場の掃除のために湯殿の戸を開けた途端、誰もいないと思っていた脱衣場に濡れた全裸の男が寂聴の方に向いて仁王立ちしていた。行院生の中でもずば抜けて背の高く、誰よりも大声でお経を怒鳴る若者であった。寂聴の目に臍下の黒々とした密林とその中からまさしく不動明王の如くにそそり立つ怒れる剣のごときものがまともに目に入る。次の瞬間、顔を真っ赤にした男と寂聴は声を合わせて大笑いした。精力の有り余る男は、早朝の作務に入る一時を盗んで全身に水を浴びていたのだった。寂聴がその裸体に動じなかったのは、枯れていたわけでも修業で心が澄んでいたわけでもなく、そのもの自体がグロテスクなだけで、美的でもかわいいものでもなかったということだったと書いている。

(wikipedia 瀬戸内寂聴より引用抜粋)



水星は8室の支配星である為、性的なニュアンスを持つが、密教の修行というものが同じ8室の象意であることがこの文章からよく分かる。


8室は性的エネルギーであり、密教の奥義とは、性的エネルギーを変性する修行なのである。



例えば、ヨーガを習い始めるような人が、8室の在住星や8室の支配星の時期に始めるのは、その為である。



因みにこのくだりでは、瀬戸内寂聴が、脱衣場で全裸の男と出くわすというエピソードまでが付いてくる。



修行中の身であってもやはり、こうしたエピソードに遭遇するのは、8室支配の水星が、7室で7室支配で定座に在住する金星とコンジャンクトしているからである。



但し、瀬戸内寂聴のこの時のダシャーでは、マハダシャーの木星がアンタルダシャーの8室支配の水星に一方的にアスペクトしており、マハダシャーの木星が優勢に働いていることが分かる。



だから、通常は、性的体験となりやすい8室支配で7室に在住する水星の象意が、木星のアスペクトによって、密教の修行という形に変化したのである。










瀬戸内寂聴の人生


このように見て来て、瀬戸内寂聴は、確かに蠍座ラグナであるが、7室に金星が在住し、マラヴィアヨーガを形成しており、これは恋愛関係において常にロマンスを感じていたいという配置である。



そして、そうした金星に8室支配の水星が絡む配置は、そうしたパートナー関係に溺れて依存していく配置である。



瀬戸内寂聴は、見合い結婚という形で、家庭に入り、妻という役割を受け入れたが、その役割に満足できず、作家として表現者として活動したいという欲求が高まり、また自分の愛欲への想いも自由に表現したいという気持ちがあったと思われる。



それで、その麻薬患者のような欲求は、夫の教え子の文学青年と不倫するという形で、早くも噴出した。



そして、作家として自己表現したい欲求と、決まりきった妻の役割から逃げ出したのである。



それは一般的な世間の常識に逆らうという意味では、グルチャンダラヨーガの発現であると言える。









グルチャンダラヨーガを形成するラーフと木星のディスポジターの水星は、8、11室支配で、7室支配で7室でマラヴィアヨーガを形成する金星とコンジャンクトしている為、まさにグルチャンダラヨーガの発現は、愛欲にのめり込むという形で現れたと考えられる。



この7室の水星と金星の配置は、月から見ると、7室支配の水星が6室に在住し、6室支配の金星とコンジャンクトしており、これはアナイス・ニンと同じように次から次へとパートナーを変えながら関係を繰り返す配置である。




この配置が女性にある場合は、むしろ、女性の方が肉食系で、男性との関係を積極的に求める人間であったと思われる。



但し、その関係性は、長続きせずに終るため、次の相手を求めることになる。



つまり、瀬戸内寂聴は、愛欲と芸術のために家庭や妻としての役割を捨てたということになる。



然し、これは、ハリウッド映画などでもよく描かれるテーマであり、自分の欲求がよく分からないうちに結婚してしまい、子供も生まれてしまったが、後から自我が目覚め、自分の本当の欲求や理想、目的などに気づいて、夫の元から家出をするというパターンである。



瀬戸内寂聴は大学在学中の20歳で、見合いして婚約して結婚したのであり、モラトリアム期間を得ずにおそらく自分のアイデンティティなどが定まらないうちに結婚してしまったと思われる。



その為、自分を取り戻すために家から逃げ出す必要があったのである。



然し、その後、愛欲に十分に溺れた後は、再び、自分を取り戻すために出家をしたのである。



出家は、第二の誕生にも例えられ、それまでの人生を一掃し、新たに人生の始まりでもある。




従って、瀬戸内寂聴の人生にとって重要だったのは、夫と娘を捨てて、家出をした時と、井上光晴との関係を断つために行った出家の時である。



そのようにして、一人の人間の一生であるにも関わらず、人生で生れ変わるような大きな変化を経験して、2人分の人生を経験したと言えるかもしれない。




普通の人の場合は、最初の妻の役割からも逃げられないまま一生、不満を抱えながら生きるケースもあるかもしれない。



そうした意味では、瀬戸内寂聴の人生は、パワフルで、その都度、自分の好きなように全力で生きた人生であったと言えるかもしれない。



瀬戸内寂聴は、愛欲に関心が高かったため、小説のテーマはやはりそのような内容が多かった。



受賞第1作が、ポルノ小説であるとの批判にさらされ、批評家より「子宮作家」とレッテルを貼られもしている。




小説を通して、自分の願望を昇華させていた面もあったかもしれない。





瀬戸内寂聴を追悼する人々


瀬戸内寂聴は、月が射手座のプールヴァアシャダーに在住し、仏教を通じて、生き方を説く、典型的な自己啓発の教師であった。






堀江貴文とコラボレートした本なども出版されているが、堀江貴文は、蟹座ラグナでメディアの3室が強く、そこは瀬戸内寂聴の交友関係を表わす11室で、堀江貴文にとっては、9室支配で射手座6室に在住する木星の表示体になっていたと思われる。



堀江貴文氏、瀬戸内寂聴さんを悼む 過去に対談「さまざまな良い影響も与えられた」
2021.11.11 デイリースポーツ

 実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が11日、ツイッターを更新。この日訃報が発表された作家で尼僧の瀬戸内寂聴さんの死を悼んだ。

 堀江氏はツイッターに「瀬戸内寂聴さん、ありがとうございました」とつぶやきYouTube動画をアップ。「先ほどすごく残念なニュースが飛び込んできた」と切り出した。

 堀江氏は10年以上前に寂庵で何度か対談をしたことがあったといい、「ダブルスコアで50歳以上年上と聞いてびっくりして」の年齢差に驚いたことや、対談後にドンペリが出てきて「さあ、飲もうか」とシャンパンをたしなんでいた姿などを振り返った。

 「100歳の誕生日のお祝いしようかなと思っていた矢先の残念な出来事」などと残念がり「過去には色々あったかもしれないが、様々な良い影響も与えられた。どちらかというとそちらの方の功績の方が大きかったと思う。天国で安らかにお眠り下さい。お疲れさまでした」と結んだ。


あまり感謝の言葉など口にしない堀江貴文が珍しく、瀬戸内寂聴には感謝の言葉を口にしている。









美人秘書・瀬尾まなみさんとの出会い



瀬戸内寂聴は、2011年3月から女性の秘書を採用して、身の回りの世話をしてもらっている。



この女性は、瀬戸内寂聴が小説家であることも知らず、瀬戸内寂聴の小説を読んだこともなかったそうだ。



だが、その辺りに新鮮さを感じ、瀬戸内寂聴は、秘書として採用したという。








この秘書は、非常に単純で、裏表がなく、深刻さがなく、明るく爽やかな性格をしており、典型的に射手座の性格である。



この女性が来たのは、水星/月期で、マハダシャーの水星は、ローヒニー(月)に在住しており、支配星の月は射手座プールヴァアシャダーに在住している。



アンタルダシャーの月は、射手座のプールヴァアシャダーに在住している。



それで、水星期の途中で、特にアンタルダシャーが月の時期に秘書としてやってきたのである。



月は9室の支配星である為、瀬戸内寂聴とは良い師弟関係であり、信頼関係が深いため、お互いにタメ口で話す仲のようである。



最初はぱっと見では、瀬戸内寂聴に近づいて、世に出ようと思っている下心のある人物かと思ったが、全くそうではないようである。



人生とは面白いが、どんな年齢であってもダシャーがやって来て、運命が発芽すれば、自分が出会うべき人は必ずやってくる。



瀬戸内寂聴にとって、この10年間は、この秘書の瀬尾さんとの共同生活が非常に楽しかった様子である。



ある意味、人生の晩年に最愛の弟子に出会ったような感じにも思える。









若い頃の瀬戸内寂聴



今回、私は瀬戸内寂聴のラグナを蠍座アヌラーダ第4パダに設定した。







若い頃の瀬戸内寂聴は、見た目からして、アヌラーダの印象で、銀座のホステスを務めることもできそうな円満で社交的で官能的な印象である。




雰囲気からして、人が良くて騙されやすく、相手の男性に振り回され、洗脳され、支配されそうな印象である。




以前、蠍座アヌラーダで全く同じように8室支配の水星が7室に在住している方が、やはり男性にのめり込んで、相手の男性に二股かけられて愛人のように支配される経験をしていたことから、この配置のパターンはよく熟知している。




一通り、蠍座アヌラーダでの検証を終えた後、この写真を一目見たことで、私は、アヌラーダで正しかったことを理解した。




瀬戸内寂聴の元に芸能人をはじめとして、あれだけ多くの人々が集ったのは、やはり、アヌラーダが社交界の華であり、銀座のホステスのように人間関係の潤滑剤となり、人と人の関係を取り結ぶ才能、対人スキルが抜群に優れていたからである。




つまり、癒しの才能があり、瀬戸内寂聴のそばにいるだけで癒されてしまうような所があったと思われる。









【2021/11/20 追記】

コメント欄に見られるように検証した結果、牡羊座ラグナで正しいことが判明した。

蠍座ラグナでも過去の出来事の多くが、ダブルトランジットで説明できる所があり、まぎらわしいが、瀬戸内寂聴を小説家、また教育者としてみた場合、牡羊座ラグナでこそ、小説家の才能や、教育者としての仕事のカルマをより強く表している。

また牡羊座ラグナで、過去の出来事をよりシンプルに説明することができる。


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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 瀬戸内寂聴は一見すると、確かに蠍座ラグナに見えるんですよね。
    やはり、秀吉先生の仰る通り、木星や土星が結婚した時期に牡牛座ー蠍座軸にトランジットし、受賞した時期に乙女座にトランジットかアスペクトしているところを見ると、蠍座ラグナに見えます。

    しかし、私が検証したところ、牡羊座ラグナなのではないかと思われます。
    秀吉先生が指摘された、結婚時の牡牛座ー蠍座軸での木星・土星のトランジット、受賞時の乙女座に対する木星・土星のトランジットは重要です。
    これは結婚時は、牡羊座ラグナから見た2・7Lの金星に対するダブルトランジットを示しており、受賞時は10・11Lの土星に対するダブルトランジットで示されていると思われます。
    つまり、牡羊座ラグナでも、7Lが牡牛座に、11Lが乙女座にある為、7Hや11Hにダブルトランジットが成立したかのように働いたと思われます。

    結婚や出産した時のマハダシャーは太陽期ですが、太陽は結婚の2Hに在住し、出産の5Lです。

    また、1950年の離婚時は月ー土星期で、土星は11Lです。
    それまでの家を飛び出した時期は1948年で、月ー土星、月ー木星期でした。

    また、瀬戸内は1966年〜1973年まで井上と言う者と不倫しています。
    この時のダシャーはラーフー木星期・ラーフー土星期・ラーフー水星期です。
    得度・出家したのはラーフーケートゥ期で、ケートゥは12Hに在住しています。

    また、瀬戸内は2007年の土星ー太陽期か土星ー月期に目の病気、2010年の骨折時は土星ーラーフ期、2014年のガンの時は土星ー木星期になります。

    つまり、何が言いたいかと言うと、ラーフ・木星・土星がアンタルダシャーで連続して来る時に6Hの現象である不倫や病気として出ていたのではないかと言うことです。

    また、死亡時は水星ー金星期か水星ー太陽期であり、いずれもマラカの2Hに在住し、水星は3・6L、金星は2・7Lのダブルマラカです。

    また、7Lの金星が3・6Lの水星が近い度数で接合しているので、男性関係で不倫が抑えられなかったと思われます。

    各受賞時の運勢

    1957年 火星ー土星期
    土星は11L。

    1961年 火星ー金星期か火星ー太陽期
    月・火星から見て、金星と太陽は9-11のダナヨガ形成。

    1963年 ラーフーラーフ期
    ラーフに10・11Lの土星と9Lの木星が接合。

    1988年 木星ーケートゥ期か木星ー金星期
    木星は土星と9-11のダナヨガ形成。
    金星は太陽と2-5のダナヨガ。

    1992年 木星ー月期。
    木星は土星と9-11のダナヨガ形成。
    月は火星と1-4のラージャヨガを9Hで形成。
    木星から見て、月は11L。

    1997年 土星ー土星期
    土星は11Lで木星と9-11のダナヨガ形成。

    2006年 土星ー金星期か土星ー太陽期
    土星は11Lで木星と9-11のダナヨガ形成。
    金星と太陽は2-5のダナヨガ形成。

    瀬戸内のラグナ修正で重要な論点は、乙女座自体が11Hなのか、乙女座に11Lが在住しているかだと思われます。
    • 牡羊座ラグナのようですね。

      1950年(月/土星)に正式に離婚した時、牡羊座ラグナであれば、6室と6室の支配星にダブルトランジット(DT)してますが、

      蠍座ラグナでは、6室にはDTせず、7室、8室、12室などにDTします。

      この辺りはおかしい訳ですが、12室(7室からみた6室)へのDTで説明出来ると考えました。

      牡羊座では、土星は11室の支配星で、6室に在住の方がシンプルに説明出来ます。


      1944年8月1日(太陽/ケートゥ)の出産も木星5室、土星3室から5室へアスペクトで、5室にDTで説明できます。

      D7で、太陽が5室の支配星、ケートゥが9室で、9室支配の木星で説明出来ます。


      1957年(火星/ラーフ or 木星)に新潮同人雑誌賞を受賞してますが、その後に書いた作品がポルノ小説と批判され、

      批評家より「子宮作家」とレッテルを張られたのが、ラーフや木星が11室支配の土星とコンジャンクトして、9-10、9-11のラージャヨーガ、ダナヨーガの効果を体感したものの、木星やラーフは6室に在住している為、批判を受けたということが分かります。

      その時、ラーフと土星は8室を通過しており、そうしたことは蠍座ラグナでは説明出来ません。


      当初、瀬戸内寂聴は小説家であるので、金星、水星、太陽の絡みが5室に絡んでいなければならないという観点で、

      蟹座ラグナ、山羊座ラグナなどを検討した訳ですが、蠍座ラグナだと、5室の支配星が、ラーフと土星によって傷つけられており、

      全く水星や金星の影響を受けていません。ですから蠍座ラグナはあまりピンときませんでしたが、

      創作や受賞をしたタイミングが、DTで説明でき、結婚や出産なども説明できたために蠍座ラグナなのかと思いました。

      5室のケートゥは古典の素養を表わし、5室支配の木星が5室にアスペクトバックは、古典文学の素養と考えました。


      牡羊座ラグナであれば5室の支配星に金星、水星が絡み、また3室や5室の絡みなども生じて来るので小説家としての才能が説明できますが、

      牡羊座ラグナの可能性は全く検討しませんでした。


      瀬戸内寂聴をそういうタイプの人間だとは考えていなかったからです。


      もし牡羊座ラグナであれば、私が妄想していたのとは全く異なったパーソナリティーで、

      全くアヌラーダなどではなく、竹を割ったような性格で、

      2室に金星、水星、5室支配の太陽、9室支配の木星からのアスペクトで、ユーモアを交えた面白い説法ができ、

      10室の支配星に9室支配の木星が絡んで教育者であり、6室に惑星集中で、かなり支配的な強いキャラクターであったと思えます。


      おそらく牡牛座に在住する太陽、水星、金星が蠍座にアスペクトする為、そうした性質が多少、似たような性質を作りだしたかもしれません。


      父が従祖母・瀬戸内いとと養子縁組したため、徳島高等女学校時代に三谷から瀬戸内姓に改姓したというのがポイントかもしれません。

      父親の9室の支配星が、ラーフや土星とコンジャンクトして、養子縁組したということは、実際の父親役が変わった可能性もあり得ます。

      傷ついた9室の支配星、特に8室と絡む9室の支配星は、父親が変わるという象意です。


      ラグナの支配星が9室に在住しているので、仏門に入ったということです。

      ここから見える瀬戸内寂聴像は、全く私が想像していたのとは違う人間像です。


      より健全で力強いと言えるかもしれません。

      聴衆を集めて、青空説法会のようなことをしていたのも6室に惑星集中で、より目下の者たちに対して、上から目線で説法を説くような形になります。

      案外その方が当たっていると思えました。


      9室支配の木星が10室の支配星と10室にアスペクトしているので、聴衆に教えを説くのが仕事であったということです。

      著作の多くも自己啓発のような内容でした。


      私の頭の妄想の中で、不倫三角関係に溺れて、そればかり考えていた人というイメージがあり、そこから7室惑星集中というストーリーを作り出し、

      DTで、過去の出来事が説明出来たので、蠍座ラグナでよしということになりましたが、牡羊座ラグナで考え直してみると、そちらの方が当たっていると思います。

      DTが生じる時、ハウスそのもの、あるいは、ハウスの支配星にDTが出来るかどうか(11室か11室の支配星か)で、複数のラグナが機能する場合があり、それが今回のケースだったと思います。


      特に晩年に病気になった時のダシャーが水星期でしたが、それが、牡羊座ラグナでも蠍座ラグナでもマラカの支配星で、マラカに在住し、蠍座ラグナでもダブルトランジットは、8室や12室に形成されており、それで健康問題が生じるタイミングとして、非常によく説明出来たという所があり、蠍座ラグナでもほとんど説明できてしまう所があったと思います。

      必ず、DTで説明出来そうなラグナが1つに定まらず、2つとか3つ出てくる場合があると思います。



      然し、牡羊座ラグナということであれば、あまりにも当たり前過ぎて、面白くない印象です。


      私のイメージの中では、不倫や三角関係に溺れ、欲望を断つ為に出家をした小説家という経歴から出てきたイメージは、まさに蠍座ラグナで7室惑星集中のものでした。


      牡羊座ラグナで検討すると、10、11室支配の土星期に移行した1997年(土星/土星)に文化功労者、2006年(土星/金星 or 太陽)に文化勲章をもらっており、


      やはり、10、11室支配の土星に9室支配の木星がコンジャンクトする方が、11室の吉意として強いと思います。


      11室の象意を11室の在住星で考えるのは、基本的に間違っており、11室の象意が強くなるのは、11室の支配星が、ヨーガを形成した時です。


      その為、牡羊座ラグナで正しいと思います。


      私が色々書いたものは、瀬戸内寂聴に関する私の妄想として残しておきます。

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