新庄剛志について -日本ハム新監督に就任-



先月、2021年10月26日に新庄剛志が、退任する栗山英樹監督の後任として、北海道日本ハムファイターズの新監督に就任した。


監督に就任してから、「優勝は目指さない」と発言したり、襟の高いシャツに赤いスーツというあたかも「南蛮趣味」の派手な服装の織田信長のような出で立ちで現れて、物議をかもした。


それ以来、あたかも現役時代のように奇抜な発言や言動が常に注目される新庄劇場が復活した印象である。


こうした奇抜な格好での就任会見などに苦言を呈した清原和博が、「お前が言うな」と逆に批判を受けるなど、周囲の人間を巻き込んで話題を振りまいている。





現役時代の新庄は、阪神⇒巨人と渡り歩き、その後、メジャーリーグに挑戦し、メッツに移籍し、最後の球団が日本ハムファイターズだった。



2006年4月18日に現役引退を表明した後、タレントに転身し、エアブラシアートや、2011年より2016年ごろまではモトクロス競技の練習にも取り組んでいたようだが、何をしているのかその動向はあまり公にはなっていなかった。


2008年1月に会社を設立し、2010年にバリ島に移住して、暮らしているといった情報もあったが、最近の動向はうかがい知れない状態であった。


最近では、2017年2月20日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』の中で、引退後のバリ島移住の際に、現役時代から自身の金銭の管理を担当していた母親の知り合いの実業家から約20億円を使い込まれていたことが発覚したと明かし、8000万円しか戻ってこなかったといったことも報じられていた。


2019年11月13日に現役復帰宣言をして、これまであまり表に出てこなかった新庄が、再び、公に姿を現すようになり、各球団からのオファーがなかった為、現役復帰を断念したが、こうした動きがきっかけとなって、今回の監督就任のオファーに結びついたと考えられる。



新庄剛志は、出生データが、出生時間が分かっている為、早速、チャートを作成してみると、ラグナが水瓶座でヴァルゴッタマで、現在、水星/金星期である。


新庄の出生データは、ネット上の情報では、「1972年1月28日 9:00 長崎県対馬市」となっている。





非常に興味深いことはパッと見では、水星が出生図とナヴァムシャで、12室に在住している為、何故、監督に就任したのか理解できないのである。


再び、プロ野球球団監督という公的立場に就任したからには、やはり10室の象意などが際立ってくるのではというのが普通の考えになる。



然し、よくよく見ると、水星は8室支配で12室に在住して、ヴィーパリータラージャヨーガを形成し、ヴァルゴッタマで強力であることが分かる。



出生図では7室(10室の本質のハウス)支配の太陽とコンジャンクトしており、水星はウッタラアシャダー(太陽)に在住していることから、この7室の支配星の象意が顕現したと考えられる。


ディスポジターの土星はヨーガカラカの金星と星座交換して強力であり、また水星は、金星、木星から挟まれて、シューバカルタリヨーガを形成して強い。




ダシャムシャ


そして、目を引いたのが、ダシャムシャである。



ダシャムシャでは水星は、ラグナロードで4室支配で、4室で高揚して、バドラヨーガを形成し、7、10室支配の木星と、9室支配の土星のアスペクトを受けている。



土星と木星は、星座交換して、7-9、9-10のラージャヨーガを形成し、その為、木星は減衰しているが、ニーチャバンガラージャヨーガを形成している。





そうした水星は、そうしたニーチャバンガラージャヨーガの木星からのアスペクトを受けている。



また水星は、月と金星から挟まれて、シューバカルタリヨーガ、シューバサンキャヨーガを形成している。







出生図、ナヴァムシャ、ダシャムシャで、月と木星は、ケンドラの位置関係にあり、ガージャケーサリヨーガを形成している。





日本ハムの新監督に就任した理由


こうした強い水星の配置があるからか、マハダシャー水星期は、再び、監督として頭角を現したことが分かる。



現在のダシャーは、水星/金星期だが、金星は出生図では、4、9室支配でラグナロードの土星と1-4の星座交換をしており、金星が水瓶座に在住していることや9室の支配星であることを考えると、組織の中で、監督として、選手を指導したり、育成する仕事に就任したということで納得できる。


また就任早々、メディアからの注目を浴びて、新庄劇場がスタートしたのは、金星が月から見て5室支配で3室(メディア)にアスペクトしていることや、ナヴァムシャで、4、9室支配で3室(メディア)に在住していること、そして、ダシャムシャで、5室支配で3室(メディア)に在住していることと関係しているかもしれない。



こうしたアンタルダシャーの金星の影響で、メディアの注目を浴びているとは言っても、マハダシャーの水星がダシャムシャで、顕著な強さを持っている為、それで球団の監督に就任出来たのである。


この水星には10室支配の木星(教師)の影響や、9室(教師)支配の土星の影響がある為、球団で指導者としての仕事に就いたのである。



このようにダシャーの支配星がダシャムシャで強いことがキャリア上の上昇というテーマにおいて決定的なのであり、出生図とナヴァムシャでは、水星は8室支配で12室に在住して、ヴィーパリータラージャヨーガを形成していることが、それを示している。


但し、出生図上だけで、それを読み取るのは、かなり難しい。



出生図やナヴァムシャで、ヴィーパリータラージャヨーガを形成していることに気づいたら、その後、ダシャムシャでの強い配置を確認し、もう一度、出生図やナヴァムシャでのヴィーパリータラージャヨーガを見返して、再評価して、初めて、この配置の意味が分かる。





ヴィーパリータラージャヨーガ

8室支配で12室に在住する水星の象意は、8室が自分にお金を支払ってくれるオーナー側を表わしており、12室は損失を表わしている。


つまり、通常、監督はオーナーの意向を気にして振る舞い、窮屈さを経験することも多いが、新庄の場合は、自分に君臨する支配者としての8室の支配星が12室(損失)に入っている為、二重否定の効果で、オーナーの管理が存在せずに自由に伸び伸びと振る舞えるという配置ではないかと考えられる。


その為、「監督」と呼ばずに「ビッグボス」と呼んで欲しいなど、様々に自分の好きなようにやりたい放題に振舞うことができる。





知り合いの実業家から約20億円を使い込まれた配置


知り合いの実業家に20億円を使い込まれて、8000万円しか戻ってこなかったという損失経験は、バリ島に移住した2010年に発覚したという。



この時は、土星/ラーフ期である。



新庄は、この実業家に過去17年間、お金の管理を任せて来て、一度もチェックしなかった自分が悪かったと後悔している。


2010年から17年間遡ると、1993年ぐらいである。


1993年というと、木星期の終わり頃、土星期の直前から始まって、マハダシャー土星期を通して、土星/ラーフ期に至る時期であり、大部分がマハダシャー土星期である。







土星は、出生図やナヴァムシャで、12室の支配星であり、ラグナロードで4、9室支配のヨーガカラカの金星と星座交換して、1-4、1-9のラージャヨーガを形成しているとは言っても、4-12(財産の損失)、9-12(幸運の損失)といった象意も表わしており、12室(損失)の象意は、間違いなく出たと考えられる。



ナヴァムシャでも土星は12室の支配星で、ラグナで6室支配の月とコンジャンクトして傷ついている。





土星はラグナロードで、機能的吉星として考えたくなるが、12室の象意が確実に出ていることには注目すべきである。


理論上は、敏感な中立ハウスの12室を支配していてもトリコーナの1室を支配している為、12室は1室の吉意に引っ張られて、機能的吉星化し、また土星がムーラトリコーナとなるのは、山羊座ではなく、水瓶座の方であるから、1室の象意の方が強調されるはずであるが、然し、それでも12室の損失の象意は、確実に表れている。



また土星は、月から見た8、9室の支配で、12室に在住しており、9-12の星座交換をしていることにも注目である。



8室の支配星が12室に在住する配置は、パートナーのお金が損失するという配置であり、つまり、パートナーに預けたお金が損失したということである。



パートナーの7室をラグナとすると、2室支配の土星が6室に在住して12室にアスペクトしており、2室はお金を稼いだり、事業活動などを表わす為、それが奮闘(6室)の状態になって、借金まみれ(6室)になることを示している。



結局、この知り合いの実業家は、新庄のお金を使って、事業を運営していたが、その事業が上手くいかず、自己破産してしまい、それで8,000万円しか戻ってこなかったという結末だったのである。


完全に騙そうとした訳ではないが、新庄のお金で事業を行なったが、それが全く上手く行かず、返済不能になったということである。



これは、8室の支配星が12室に在住する場合のありがちなストーリーかもしれない。



おそらく1993年~1997年の木星期の間は、知り合いの実業家は、不正なことはしていなかったが、1997年に土星期に移行してから、新庄のお金の使い込みが始まったのではないかと考えられる。





マハダシャー木星期



木星期は新庄にとって経済的には素晴らしい時期で、2、11室支配の木星が11室でムーラトリコーナの座にあり、2-11のダナヨーガを形成すると共に月から見ると、7、10室支配で、7室で、ハンサヨーガを形成し、月との間で、ガージャケーサリヨーガを形成している。


ナヴァムシャでも2、11室支配の木星が7室支配の太陽と共に4室に在住しており、富や財産、不動産の取得といった象意においては非常に良い時期である。





この時は、結婚生活も普通に順調であったことが分かる。





離婚


新庄は、現役引退した直後の2007年12月28日に夫人との離婚を自身の公式サイトにて連名で発表している。



この時は、土星/月/月期である。



土星は、出生図でもナヴァムシャでも12室の支配星(7室から見た6室の支配星)であり、月は6室の支配星である。



ナヴァムシャでは、ラグナで、12室の支配星と6室の支配星がコンジャンクトしており、土星/月期に離婚したというのは納得できる。






因みにセシャドリアイヤーの理論によれば、ラグナの在住星というのは、結婚をもたらす配置である。



セシャドリアイヤーは、在住星を重視して、支配星というものはあまり重視していなかった。



然し、このケースでは、マハダシャーの土星とアンタルダシャーの月は、ナヴァムシャのラグナに在住してはいるが、然し、12室の支配星や6室の支配星である。



この土星や月が、12室の支配星や6室の支配星であることが、離婚をもたらしたと考えられる為、アイヤーの在住星だけに注目する理論について否定される事例と言ってもいいかもしれない。


私自身は、当初からセシャドリアイヤーの在住星だけに注目する理論は間違いであると考えていたし、いくつかの事例においてもそのような経験をしていた。



この場合、土星はラグナで定座にあり、シャシャヨーガを形成しており、ダシャーの解釈としては、土星と月の吉凶が混合する為、決して、悪い象意ばかりではない。



然し、土星/月期に離婚したということは、12室支配の象意や6室支配の象意が確実に働いたことを示している。



この新庄の離婚のケースは、非常に分かりやすい形で、アイヤーの在住星だけに注目する理論を否定している。




数々の受賞と高い評価



新庄は、2007年3月1日、2006年度のゴールデン・アロー賞・スポーツ賞を受賞し、4月25日に前年に行った寄付について紺綬褒章を受章している。



この時が、土星/太陽/ラーフ期である。



現役時代を通して、新庄は、多くのゴールデングラブ賞などを受賞しているが、土星/太陽期に何故、高い評価や称号を受けたのか、出生図からは理解しにくい。






ナヴァムシャでは土星は、ラグナと月から見てラグナで、シャシャヨーガを形成し、太陽は11室の支配星と共に4室に在住しているが、この配置はヨーガは形成していないものの、良い配置である。


ヨーガは形成していなくとも例えば、4室や10室に在住することは、他の凶星から傷つけられていないことなどは重要である。





そこで、他に強い要素はないか探してみた所、シャシティアムシャ(D60)を見ると、太陽が10室で、高揚し、5、10室支配のヨーガカラカの火星と、4-10軸で相互アスペクトしていた。



月ラグナから見ても太陽はラグナロードで9室で高揚し、4、9室支配のヨーガカラカの火星と相互アスペクトしている。



11室との絡みは見られないが、こうした配置も強さの源として注目に値する。




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