18世紀末から19世紀前半にヨーロッパで勃興したロマン主義にどのような占星学的な影響があったのか考えていた。
世界史を考える上で、最も重要な観点は、春分点が魚座から水瓶座に移動しているという事実である。
この春分点が在住している星座が、世界史的な文明や文化の基調を作り出すのである。
例えば、西洋文明の歴史の中で、ルネッサンス→近代科学の誕生→産業革命→自由、平等、博愛(民主主義)といった歴史の流れは、皆、水瓶座の力が徐々に顕現している結果であると思われる。
そうした流れの中で、18世紀末から19世紀前半のロマン主義運動とは、魚座から水瓶座への歴史的な運動には逆行しており、一時的に魚座の影響への揺り戻しのように見えるのである。
ロマン主義は、主として18世紀末から19世紀前半にヨーロッパで、その後にヨーロッパの影響を受けた諸地域で起こった精神運動の一つである。それまでの理性偏重、合理主義などに対し感受性や主観に重きをおいた一連の運動であり、古典主義と対をなす。恋愛賛美、民族意識の高揚、中世への憧憬といった特徴をもち、近代国民国家形成を促進した。その動きは文芸・美術・音楽・演劇など様々な芸術分野に及んだ。のちに、その反動として写実主義・自然主義などをもたらした。 (wikipediaより) |
ロマン主義とは、ヨーロッパの理性偏重、合理主義などに対し、感受性や主観に重きをおいた一連の運動であるということから、これは明らかに魚座などの水の星座の影響力が拡大した結果ではないかと思ったのである。
「恋愛賛美」、「民族意識の高揚」、「中世への憧憬」といった特徴をもち、「近代国民国家形成を促進した」というのが、ロマン主義の特徴であるという。
「恋愛賛美」、すなわち、男女の恋愛という理想は、キリスト教がもたらした理想主義であり、教会で結婚式を挙げて、永遠の愛を誓い合うという形で文化的に引き継がれている。
また「民族主義の高揚」とは、自分を自分が所属する民族に同一視するという半ば感情的、情緒的な投影の心理的機構を意味している。
例えば、ワールドカップサッカーなどで、日本が勝った負けたで大騒ぎして国民が熱狂し、それが日本国民としてのプライドや誇りに大きく影響する。ナショナリズムは感情的な現象である。
従って、「民族主義の高揚」が、「近代国民国家形成を促進した」のであり、もし人間が理性的で合理的であったら世界共和国や世界連合を形成するのである。
「万国の労働者よ、団結せよ!」と叫んでも、大衆は、最終的には国民国家への忠誠に傾くのは、大衆は感情に左右される存在だからである。
感情的、情緒的な動機づけが強い大衆には、世界共和国や世界連合といった遠い存在ではなく、自己を投影しやすい身近な共同体が必要であるということである。
また「中世への憧憬」というのは中世はキリスト教会が力を持って無知や迷信がはびこった暗黒時代であったが、封建的諸侯が群雄割拠して自由自在に振る舞ったその時代の個人主義に憧れを抱いているということかもしれない。
日本で言えば、ちょうど戦国時代に徳川が天下統一するまでの諸侯が群雄割拠した時代である。現在において戦国大名たちの歴史物語が大河ドラマなどで人気になったり、またゲームになったりするのは、その時代へのロマン主義的な憧憬であると言える。大衆向きなのである。
このようにヨーロッパで勃発したロマン主義運動とは、明らかに魚座の影響力への揺り戻し運動である。
春分点が魚座から水瓶座に移動しているため、感情的、情緒的な理想主義と、科学的、合理的な水瓶座の合理主義の影響が拮抗して、行きつ戻りつしているのである。
従って、ロマン主義運動が、近代国民国家の成立を促進したといった歴史現象は、魚座の力の顕現である。
然し、このロマン主義運動が生じる1世紀前にヨーロッパでは、カトリック(旧教徒)に対するプロテスタント(新教徒)の反乱で始まった30年戦争が終結し、ウェストファリア条約が締結された。世界史の中での重要な出来事として位置づけられている。
この条約によって、それまでの封建諸侯が主権国家として自立することとなった。
ヴェストファーレン条約は、1648年に締結された三十年戦争の講和条約で、ミュンスター講和条約とオスナブリュック講和条約の総称である。ラテン語読みでウェストファリア条約とも呼ばれる。近代における国際法発展の端緒となり、近代国際法の元祖ともいうべき条約である。 この条約によって、ヨーロッパにおいて30年間続いたカトリックとプロテスタントによる宗教戦争は終止符が打たれ、条約締結国は相互の領土を尊重し内政への干渉を控えることを約し、新たなヨーロッパの秩序が形成されるに至った。この秩序をヴェストファーレン体制ともいう。 (wikipediaより引用抜粋、一部編集) |
このウェストファリア条約とは、近代国際法の元祖として位置づけられており、その条約を生み出したウェストファリア会議とはヨーロッパの各勢力が一同に集う国際会議であった。
つまり、現在で言う所の国際連合のような国民国家を束ねる国際的な共同体である。
このようなウェストファリア会議やウェストファリア条約を生み出した力は水瓶座の顕現であることは間違いない。
然し、同時にこのウェストファリア条約は国民国家形成の端緒となったのである。
これは後の絶対主義王政につながる獅子座(個人)の顕現ではないかと思われる。
つまり、このウェストファリア条約という歴史現象は、水瓶座-獅子座軸の顕現であることが分かる。
旧教徒(魚座)に対する新教徒(水瓶座)の反乱とは、魚座の旧秩序に対する水瓶座の顕現による反抗であり、国際的秩序の再編成をもたらした。
従って、水瓶座の力が徐々に魚座の封建的旧秩序を破壊し、主権国家(獅子座:国王)が成立したが、これらの主権国家(獅子座)から見ると魚座は8室目(支配者)である。
従って、主権国家が成立した後、再び、各主権国家は、ロマン主義(魚座)によって影響され、民族意識の高揚やナショナリズム(国家主義、愛国主義)が喚起され、それが近代国民国家の成立を促すような大衆的な愛国主義、国家信奉(宗教的熱狂)を生み出したと言うことが出来る。
因みに「フランスのロマン主義運動はオノレ・ド・バルザック死後の1850年代以降勢いを失い、シャルル・クロス等の小ロマン派を除いては、その座を写実主義、自然主義、高踏派等に譲る」とwikipediaに書いてある。
写実主義や自然主義は、事実や客観を重視する科学的立場であり、ロマン主義が衰退して、今度は合理主義が推進されているのが分かる。
またフランスにおいて、「1851年のルイ・ナポレオンのクーデターによりブルジョアジーの関心は急速にロマン主義からはなれ、科学的経済的進歩の競争に向けられるようになった」とある。
つまり、ロマン主義への熱狂から覚めると、再び、合理的、科学的な発想が優位となり、魚座の影響から再び、水瓶座の影響が強まっているのが感じられる。
アメリカの哲学者・アーサー・ラブジョイによれば「ロマン主義の時代」は1780年から1830年であるという。
wikipediaには以下のように記されている。
「ロマン主義は教条主義、古典主義の対概念としてとらえられるもので、アメリカの哲学者・アーサー・ラブジョイ(en:Arthur Oncken Lovejoy)は「ロマン主義の時代」を1780年から1830年としている。また、ロマン主義は産業革命の大きな原動力となった。」 |
ロマン主義が産業革命の原動力となった理由というのは、個人主義により、ブルジョア階級(資本家)が台頭し、その資本家が労働者を囲い込んで、資本主義的生産を拡大発展させたということである。
そこには民族主義的高揚により民族の英雄の元に国民が集って国民国家が形成されたのと同じメカニズムが働いたと思われる。
因みにロマン主義の対概念である教条主義、古典主義は何を指しているかと言えば、wikipediaの以下の所を読むと良く理解できた。
「ロマン」の語源 ローマ帝国時代のラテン語には文語としての古典ラテン語と口語としての俗ラテン語が存在したが、その差はさほど大きくなかった。衰退期にはいると文語と口語の差は徐々に広がってゆく。やがて、一つの言語の変種とはもはや呼べないほどにまでその違いは大きくなり、古典ラテン語の知識のない庶民にはもはや理解困難なほどにまでなる。その時代の口語をロマンス語と呼んだ。そのロマンス語で書かれた文学作品が、ロマンスと呼ばれるようになり、ギリシャ・ローマの古典文学の対立概念とされるようになった。ロマン主義(ロマンティシズム)の語源は、ここにある。したがってロマン主義の「ロマン」とは、「ローマ帝国の(支配階級、知識階級ではなく)庶民の文化に端を発する」という意味である。 |
上記で分かるようにロマン主義とは、ギリシャ・ローマの古典文学に代表される支配階級、知識階級の正統派の教義や知識が、感情情緒によって素朴に反応する大衆によって捨てさられるという現象であると分かる。
例えば、ニーチェは、キリスト教のことを世俗化されたプラトン哲学であると言っている。
この場合、世俗化とはプラトン哲学がカトリック神学によって体系化されたことを意味している。
つまり、ギリシャ・ローマの古典哲学が、キリスト教のカトリック教会に受け継がれて厳格な教義、教条(神学)として西洋世界に君臨した。
例えば、ドイツにおいては、ヘーゲルによってキリスト教神学の哲学版が、ドイツ観念論哲学という形で完成を見ており、ロマン主義がドイツに入ってきた時に哲学界から黙殺され、ヘーゲルやシェリングはロマン主義を浅薄なものと非難したそうである。
しかし、このロマン主義は、ゲーテの後期の作品やニーチェが古代ギリシア研究の中でアポロンと対置されたディオニュソス的な存在を見出したことの中に影響として現れているという。
このことから、ロマン主義はプラトン→ヘーゲルで完成を見た哲学体系に疑問を呈したニーチェ、キェルケゴール、サルトル、ハイデッガーといった実存主義の哲学者に影響していると考えられる。
実際、実存が本質に先立つという考えは、本質が教条、古典だとすれば、今生きている個人、今生きている個人の選択(実存)というものに焦点を当てている。
実存主義とは、個々人にはその人それぞれの真理が存在すると説き、個人に力を取り戻すという点で、個人主義的である。
つまり、イエスキリストが始めた愛の教え自体は魚座的であったが、それが水瓶座の影響で、システマティックなものとなり、神学、教義として体系化され、カトリック教会として組織化されるが、水瓶座の影響は同時に対向の星座である獅子座の影響ももたらすため、個人の確立や自己主張(獅子座)をもたらし、獅子座は魚座(8室)に影響され、魚座を求めるため、再び、魚座の理想主義や個人主義に回帰するのである。
プラトン哲学=カトリック神学=ヘーゲル哲学(ドイツ観念論哲学)= 理性主義=支配者階級、権威主義 VS 個人主義=情緒感情=民族意識=実存主義=ロマン主義、大衆 |
フランスにおけるロマン主義の推移として、
「1848年の総選挙によるラマルティーヌの失敗と、1850年のバルザックの死、及び1851年12月2日のルイ・ナポレオンのクーデタを通じ、ロマン主義は幻滅の中で写実主義・自然主義にその座を譲ることになる。(wikipediaより)」と書いてあり、
またイギリスにおけるロマン主義の推移として、
「バイロンの死去した1820年代以降、イギリスにおけるロマン主義は急速に後退していった。(wikipediaより)」と書かれているため、おそらく、ロマン主義が終わった時期は、1850年頃である。
アメリカの哲学者・アーサー・ラブジョイは「ロマン主義の時代」を1780年から1830年と考えたようであるが、フランスやイギリスでロマン主義が終わったのは1850年と記されているため、実際にはロマン主義の時代は、1780年~1850年の間であると考えられる。
ロマン主義が力を発揮した期間がおよそ70年間であることから、木星や土星のトランジットではロマン主義運動を説明することが出来ない。
従って、ロマン主義運動はトランスサタニアン(冥王星、海王星、天王星)のトランジットで説明できるのではないかと思い、これらの惑星の公転周期を検討してみた。
冥王星の公転周期が248.5年で、一つの星座を通過する年数が20.7年であるため、ロマン主義の70年間を最も説明できる可能性が高い。
惑星の公転周期 水星 公転周期:87.97日 自転周期:58.65日 金星 公転周期:224.7日 自転周期:243.0日 地球 公転周期:365.26日 自転周期:1日 月 公転周期 27.3217日 自転周期:27.3217日 火星 公転周期:686.98日 自転周期:1.026日 木星 公転周期:11.86年 自転周期:9.8時間 土星 公転周期:29.46年 自転周期:10.2時間 天王星 公転周期:84年 自転周期:17.9時間 海王星 公転周期:164.8年 自転周期:19.1時間 冥王星 公転周期:248.5年 自転周期:6.4日 (2006年迄) 【一つの星座を通過するのにかかる年数】 天王星 7年 (84年÷12星座=7年) 海王星 13.7年 (164.8年÷12星座=13.7年) 冥王星 20.7年 (248.5年÷12星座=20.7年) |
1780年頃、冥王星は、山羊座の15°付近にあり、天王星は双子座の0°付近、海王星は乙女座の13°付近にあったようである。
1830年頃は、冥王星は、魚座の15°付近、天王星は山羊座の13°付近、海王星は射手座の28°付近である。
1850年頃は、冥王星は、牡羊座の5°付近、天王星は牡羊座の0°付近、海王星は水瓶座の11°付近である。
1780年から1816年の間に冥王星は山羊座から水瓶座を経由して、魚座に到達し、1816年~1842年にかけて約26年かけて(逆行も含めて)冥王星は魚座を通過している。
ロマン主義の終わる1850年頃に冥王星が魚座から牡羊座に移動していったので、ロマン主義は、冥王星が水瓶座と魚座を通過した時期に生じたことが分かる。
然し、ロマン主義は理性と反対に感情を重視したにも関わらず、ロマン主義の初期は冥王星は、水瓶座をトランジットしていた。
魚座に入るのは、1810年代に入ってからである。
これではロマン主義の興りを冥王星のトランジットで説明できるかよく分からない。
因みに1780年~1850年と言われているロマン主義の期間から前後に10年ずつを引くと、1790年~1840年となる。
このようにしてこの1790年~1840年をロマン主義のコアタイムと考えると、トランジットの冥王星が魚座を通過した1816年~1842年にかなり近い数値が得られる。
従って、おそらく、ロマン主義の時代をもたらしたのは、冥王星が魚座を通過した影響によるものであると考えられる。
冥王星が一つの星座を通過するのは、約20.7年である。
この20.7年という期間においてその時代の考え方や流行を特徴づける時代精神が顕現するものと考えられる。
因みに冥王星が蠍座から射手座に入室したのが2005年2月である。
堀江貴文のライブドアが2005年2月にニッポン放送の株を35%取得、同社最大株主となっている。
そして、堀江貴文が証券取引法違反容疑で逮捕されたのは2006年1月である。
2007年から2009年にサブプライム・ショックが生じ、サブプライムローンの不良債権化とその価格暴落によって、株式市場が大混乱に陥った。
つまり、この直前にサブプライムローン証券を証券会社が大量に売りさばいたことを示している。
射手座とは成功哲学の星座であり、誰もが経済的に豊かになることを夢見て、猫も杓子も投資に乗り出すのが、今の時代精神である。
おそらく新自由主義の市場原理の精神が最も猛威を振るうのが、今の時代精神であると思われる。
冥王星の射手座への通過は射手座の象意についての肯定的な面と否定的な面の両方を顕現させるかもしれない。
因みに各惑星の公転周期を調べていて、面白いことが分かった。
水星 公転周期:87.97日 自転周期:58.65日 金星 公転周期:224.7日 自転周期:243.0日 地球 公転周期:365.26日 自転周期:1日 月 公転周期 27.3217日 自転周期:27.3217日 火星 公転周期:686.98日 自転周期:1.026日 木星 公転周期:11.86年 自転周期:9.8時間 土星 公転周期:29.46年 自転周期:10.2時間 天王星 公転周期:84年 自転周期:17.9時間 海王星 公転周期:164.8年 自転周期:19.1時間 冥王星 公転周期:248.5年 自転周期:6.4日 (2006年迄) (wikipediaより) |
水星と金星は公転周期が地球よりも短いにも関わらず、自転周期は地球よりも遅く、58日や243日かけて1回自転する。
一方で、木星や土星、そして、天王星、海王星などは公転周期が地球よりも遥かに長いにも関わらず、自転周期が地球よりも小さいのである。
地球が1回転する間に土星や木星は2回や2回半自転しているのである。
地球の直径よりも遥かに木星や土星などが大きいことを考えるともの凄いスピードで自転しているのである。
地球の1日を考えてみればよく分かるが、惑星の自転とは一つの区切りである。
1日活動して、次の日また活動するが、1日1日が地球の自転周期で区切られており、それが活動のリズムを作り出す。
つまり、それは活動、不活動の周期であると考えられる。
木星や土星は、物凄い速度で自転しており、働き者である。
一方で、金星は公転周期が224.7日で、自転周期が243.0日なので、1回公転する間に1回と少し自転しているだけである。
金星はそういう意味では非常に変化の少ない惑星である。
毎日太陽がほとんど同じ場所に位置して1日中昼間なのである。
月は地球に対する公転周期が27.3217日で自転周期が27.3217日で、自転周期と公転周期が同じである。
従って、月は地球の周りを公転しながら、同じ速度で自転するので、月の表側しか地球からは見えなくなっている。
月の裏側は、常に地球から見えない。
金星も太陽に対して、公転周期が224.7日で、自転周期が243.0日なので、ほとんど毎日金星の一方の側を太陽に向けている。
従って、夜が中々来ない。一方で、太陽に面していない側は常に夜である。
金星は変化の乏しい惑星である。
土星が奴隷、すなわち、現代のサラリーマンを表すとすれば、一日中働いている働き者である。
木星は奉仕者であり、やはり、いつも人を救ったり教えたりするために忙しくしている。
金星は芸術家であり、サロンでお茶を飲んだり、一日中楽器を演奏したり、絵を描いたりしている。
金星は働くのが嫌いなようである。
因みに冥王星のことを調べていて、冥王星が命名された時のエピソードが面白いと思った。
命名 発見された新天体を命名する権利は、ローウェル天文台と所長のスライファーにあった。名前の提案は世界中から殺到すると考えられ、トンボーは他の誰かに提案される前に早く新天体の名前を提案するようにスライファーをせきたてた。ローウェルの妻コンスタンスは、ゼウス (Zeus)、次いで「パーシヴァル」 (Percival)、さらに「コンスタンス」 (Constance) を提案したが、どれも支持は得られなかった。 「Pluto プルート」という名前を最初に提案したのは、イングランド、オックスフォード出身で当時11歳の少女ヴェネチア・バーニーである。天文学と同じぐらいローマ神話とギリシア神話にも興味があった彼女は、オックスフォード大学のボドレアン図書館で以前司書をしていた祖父ファルコナー・マダンとの会話の中で、ギリシア神話のハデスに対応するこの名前「Pluto」を選び、それを提案した。プルート(プルートー)とはローマ神話に登場する冥府の王である。マダンはこの提案をハーバート・ターナー教授に伝え、ターナーはこの提案をさらにアメリカにいた同僚に電報で送った。 1930年3月24日、ローウェル天文台のメンバーにより、ミネルヴァ (Minerva) 、クロノス (Cronus) 、プルート (Pluto) の3つの候補への投票が行われた。同じ名前の小惑星があることが指摘されるまではミネルヴァが最有力と思われたが、最終的にプルートが満場一致で選ばれ、正式に「Pluto」と命名された。「Pluto」の最初の二文字がパーシヴァル・ローウェル (Percival Lowell) のイニシャルであることもプルートに有利に働いた。この名前は1930年5月1日に公表された。(略) |
いろいろ他の名前も提案されたが、支持は得られず、結局、ギリシャ神話に詳しい11歳の少女が提案したという。
そして、最終的に「プルート」に選ばれたが、これは冥王星が人間にそのように選ばせたのだと考えられる。
そして、冥王星が、2006年に惑星の地位から準惑星の地位に格下げされたのだが、これも象徴学的に意味があると考えられる。
(そもそも通常の惑星よりはるかに小さい冥王星が惑星として定義されたこと自体が冥王星の凄まじい自己主張する力によるものかもしれない)
同じ語源を持つ、プルトニウムが、これからの時代、もはや重要ではないことを象徴しているのである。
原子爆弾の原料であり、原子力発電の廃棄物であるプルトニウムは人間の役には立たない。
プルトニウムが準惑星とされたことは人間の力によって、冥王星が重要度を格下げされ、コントロールされたことを象徴している。
それでは天王星から名前を取ったウランはどうなるのかといった疑問も生じるかもしれないが、ウランを使用する原子力でさえ危険であるのにプルトニウムを再処理するプルサーマル計画はもはや復活することはあり得ないと思われる。
こうしたことから冥王星が準惑星に格下げされたのにはやはり訳があるという感じがするのである。
コメント
コメント一覧 (10件)
長文で失礼
ロックンロールが獅子座に冥王星や天王星がトランジットしていた
時期に起きたことや、アフリカの国々が独立したというのは面白いと思います。
1993年から2004年に蠍座に冥王星がトランジットした時にインターネットが
発達していったというのも面白いですが、確かにケートゥが高揚する星座だからという
こともあるかもしれません。
また蠍座の場合、水瓶座からみた10室であるということも重要であると思います。
水瓶座の行為のハウスであるという意味で、インターネットの中で人のつながりや共同体が
育まれたと思います。
私は乙女座ラグナで、水瓶座のハウスが6室にあたりますが、その分野については注意が向きにくいきらいがあるせいか気がつきませんでした。そして何故水瓶座に一体感の星座という性質があるのか。風星座である他に、土星が4,9室支配星金星のハウスで高揚し力を得るから、また感情を表す月は4室で高揚し、6室支配生敵をも尊重するからではないか、そして1室、7室支配星が各々の対向のハウスで高揚するからと理解しました。これは水瓶座特有の配置でもありますね。
何故こうなったのか、わかりませんが、思い出してみて、
あまりにもタイミングが一致してるので
それが何か関係している気がしたので。
私のラグナロードの水星は射手座に在住し、
火星、土星、ラーフと生来的凶星のアスペクトが集中して傷つきが多いからこうなったのだと思います。
コメント頂けたら、幸いです。
その時にトランジットの木星や土星の影響が1室にも1室の支配星にもなかったのであれば可能性としてはあり得ます。但し、ジョーティッシュでは冥王星はあえて使わなくても予測が出来るはずですから、冥王星を使わないで、まず考えることが優先であるとは思います。基本的に身体に何かが起こる時は必ず、ラグナやラグナロードが関係しているとラオ先生が言っています。従って、その線で理由を考えてみることが出来ると思います。
ラグナロードの傷つきはその理由になるとは思います。
木星と土星が1室にトランジットしていた時期からでした。
お久しぶりです。
7月初頭に天王星が魚座を抜けて牡羊座に入ります。
以前から思っていましたが、その頃に具体的にはわかりませんが
何か画期的、革新的な動きがワールドワイドの範囲で出てくるのでは
と思います。
また、牡羊座とは火星を支配星に持ち、移動や戦闘に主に集約されるので
戦乱の動きが激化するのではないかと思います。
今現在は29度の位置ですが
つい最近
安倍晋三内閣総理大臣が内閣の各ポストの反対を押し切って
消費税増税延期を決定しましたが
これもまた、天王星のトランジットにおける影響かもしれません。
そうですね。
これについては私は自分のラグナに天王星が入室するということで楽しみにしていました。
天王星がナチュラルゾーディアックの牡羊座(1室)に入るということは新しい水瓶座の時代の幕開けにふさわしいと思います。
天王星が牡羊座を通過する数年間は天王星の革新というテーマについての出発点だと思います。
牡羊座は最初の星座ですから、技術にしろ、政治や経済にしろ、何か新しいものが生まれるかもしれません。
因みにこのことについて色々考えが浮かびましたが、長くなりそうなので、ブログの本文の記事の方に投稿します。