フランク・シナトラとマフィアの関係 -ジェーシュタの諸相-



アメリカのエンターテイナーで、歌手で、俳優でもあったフランク・シナトラのチャートを見る機会があった。





興味を持ったのは、フランク・シナトラが、生涯にわたり、地元のニューヨークやシカゴ、ラスベガスのイタリア系を中心としたマフィアとの黒い噂が絶えず、FBIの捜査資料では、マフィアの大物、サム・ジアンカーナやカルロ・ガンビーノ、ラッキー・ルチアーノなどのイタリア系マフィアの歴代の大ボスと交流があったという。







ウィキペディアによれば、その資料は、合計で、2,403ページにも及び、深く広い付き合いをしていたようである。


シナトラは、ニューヨーク・マフィアの5大ファミリーの一人、ジェノヴェーゼ・ファミリーの副ボスウィリー・モレッティと友人となったが、1940年代に最初に結婚したナンシー・バルバートは、その友人のモレッティと縁のある人物のいとこだったという。


1940年代に人気が出て、ファンを増やし、第二次世界大戦にアメリカが参戦した後は、慰問部隊の歌手の1人として、アメリカ全土の基地やヨーロッパ各地の前線を回ったという。


しかし、第二次世界大戦後は人気が低迷し、俳優としてもくすぶっており、黒人に対する人種差別に批判的であったことから、共産主義者の看板として行動しているとして、赤狩りなどにも巻き込まれて、そのまま消えていくかと思われたが、映画『地上より永遠に』の脇役に抜擢されて、復活を遂げた。


この時、脇役に採用されるのにマフィアの裏の力を利用したことが、映画『ゴッドファーザー』で描かれている。


『ゴッドファーザー』では、フランク・シナトラという本名ではなく、ジョニー・フォンティーンという芸名の男が、復活を遂げる為に映画の脇役が欲しいとゴッドファーザーに泣きつくシーンがある。









ジョン・F・ケネディーの父親であるジョセフ・P・ケネディは、禁止法時代に密造酒の製造・販売で成り上がったが、フランク・シナトラにジョン・F・ケネディの1960年の大統領選挙に協力するようにサム・ジアンカーナ(イタリア系マフィアの大物、シカゴのマフィア集団のボス)に頼んでほしいと依頼したという。


サム・ジアンカーナは、ショービジネス界を仕切っており、フランク・シナトラの歌手デビュー当時から、親密な付き合いがあったためにそのつてを頼って、頼まれたようである。


その後、実際にサム・ジアンカーナは選挙の支援を行ったが、後にFBI長官エドガーフーバーの忠告もあり、マフィアの協力で大統領に当選したことが表沙汰になることを恐れて、関係を断ったようである。


シナトラがマフィアと関係があることは「公然の秘密」となっており、メディアのインタビュアーが、シナトラにマフィアとの関係を尋ねることはタブーとなっており、実際に尋ねた場合は、インタビューは即中断し、以後、そのインタビュアーは、二度とシナトラにインタビューは出来なくなったという。




以上は、wikipedia フランク・シナトラに詳しく記されていることだが、こうしたシナトラとマフィアとの関係の事実に興味を持ったのは、このシナトラのチャートから、マフィアを表わすナクシャトラが、ジェーシュタであるとはっきり分かったからである。




フランク・シナトラのチャートを見ると、天秤座ラグナで、11室支配の太陽と9、12室支配の水星が2室で、ジェーシュタに在住していることが分かる。


これこそが、フランク・シナトラとマフィアとの交友関係を示している。



11室の支配星が2室でジェーシュタに在住していることは、マフィアとはあたかも家族のような親密な関係を築いたことを意味し、時には、映画の役を勝ち取るためにマフィアの大物に口利きをしてもらったことを表わしている。



一方で、マフィアが経営するカジノや酒場では、フランク・シナトラが、歌を歌ったり、マフィアの親分の誕生日などに呼ばれて、歌を披露する機会もあったと思われる。



つまり、利用し、利用される関係性である。



ジェーシュタに在住する9室支配の水星は師匠を表わしており、つまり、フランク・シナトラは、マフィアの大物と師弟関係にあったことを意味している。



太陽は9、12室支配の水星と、9-11のダナヨーガを形成している為、こうしたマフィアとの家族ぐるみの親しい付き合いは、収入をもたらし、またマフィアの親分が背後にいたおかげで、歌手としての活動が、上手く行ったことを示している。




また最初に結婚した相手の女性ナンシー・バルバートは、マフィアとつながりのある女性であり、マフィアとの交際がきっかけで知り合った女性である。



11室支配の太陽は、2、7室支配の火星と2-11の星座交換をしており、マフィアとの交友関係を通じて、結婚相手も紹介してもらったことを示している。



ジェーシュタでの9-11のダナヨーガは、スピーチ、歌唱の2室で形成されており、フランク・シナトラにとって、歌手としての活動は、マフィアとの関係なくしては成り立たないことが分かる。



私は、これまで蠍座はヤクザや暴力団、マフィアの表示体であると考えて来たが、更に一歩進んで、ナクシャトラのレベルでは、特にジェーシュタが、マフィアを示すナクシャトラであることに気づいた。




ジェーシュタの二面性 -表の顔と裏の顔-


ジェーシュタは、精神性や物質性などの二面性があり、表の顔と裏の顔を持っているとされる。



例えば、アメリカのマフィアは、組織が大きくなって来ると、巧妙に違法な活動を隠し、表向きは合法的な企業体として、活動し始める。



そして、時には慈善団体などにも寄付したり、慈善活動、社会奉仕を行い、名士として振る舞い出すのである。




しかし、いざという場面では、裏で暴力で相手を威嚇し、自分たちの意志を行使する。



裏切り者が出たら、容赦なく殺すなど、表の顔と、裏の顔のギャップが激しいのが、このジェーシュタの特徴である。



映画『ゴッドファーザーPARTⅢ』で描かれたコルリオーネ・ファミリーは、「ヴィトー・コルレオーネ財団」を設立し、バチカンとの関係を築いて、合法ビジネスへの全面的な転換を画策する姿が描かれている。



実際のマフィアをモデルにして、そのように描いていると思われ、この辺りは、ジェーシュタの象意が感じられる。




プーチンの場合 -哲人君主の顔と暗殺者の顔-


またジェーシュタと言えば、ウクライナに軍事侵攻したプーチンのラグナでもあるが、既に誰もが知っているようにプーチンがやることなすこと全ては、マフィアが行なうような行動パターンである。



自分の身辺から出た裏切り者を絶対に許さずに必ず殺すことが徹底されている。



プーチンにとって、敵を攻撃すること以上に重要なことは、身内から出た裏切り者に死を与えることであるようだ。



実際、多くの人間が、不審な死を遂げたり、窓から転落して死亡したりといったことがあまりにも多いが、マフィアの行動パターンが国家レベルで行なわれていると考えれば納得できる。



そのプーチンが、生出演する恒例のTV番組があるが、そこでは、国民からの質問や要望に応えて、その場で、国内の様々な行政機関に連絡をして、問題解決を行なうという番組で、プーチンが、国民に奉仕する寛大な名君を演じる番組である。



実際、国の内外を問わず、プーチンを国家の救世主であり、哲人君主として崇め、奉る人も多いようである。



あるいは、多いようであったと過去形にした方がいいかもしれない。



これまで、国家の救世主、哲人君主として、西側諸国と対等に渡り合い、国民にその負の面はあまり見せず、名君を装ってきたプーチンが、最近では、もはや裏の顔を隠すことが出来なくなり、露骨にその裏の顔、負の顔を暴露しているからである。



このような表の顔と裏の顔のギャップは、マフィアに特徴的なものであり、それはジェーシュタから来ているものだと分かった。



ジェーシュタは、インドラ神が司っているが、インドラは、神々の王で、英雄の中の英雄であり、征服する力を持ち、戦いにおける勝利を追求し、内に激しい怒りのエネルギーを隠している。



まさに武闘派を代表する存在である。



それであるが為に西側諸国もなるべくなら、核兵器で威嚇してくるようなインドラの化身のような人物とは戦いたくないと思っている。





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コメント

コメント一覧 (3件)

  • 秀吉先生、

    私は6室支配の月が10室蠍座で減衰し、ケートゥがジェースタで高揚して同座しています。

    シナトラやプーチンの気持ちが私には手に取るように分かります。

    私も裏切り者(信頼して打ち明けた話を関係ない他の人にペラペラ喋る奴とか)は絶対許しませんから。

    過去に何度かそういう人間と絶交し、また、徹底的に懲らしめてやりました。
    (私は法は犯してませんが、肉を切らせて骨を断つ方式が得意で、泳がせて、墓穴を掘らせた後に、大勢にそいつの本性を晒したり、償わせるのです… 月が10室ケートゥが10室の私は意図せず大衆の注目を浴びることがあるのですが、それは私の持って生まれたものなので、意図しない露出でも平気なのです…)

    私は、コウモリみたいな裏切り者が特に嫌いなのです。

    最初から最後まで敵対してこちらと戦う相手なら、まだ評価しますが、どっちにも付く奴とか、口の軽い奴は、そういう敵よりも信頼できないわけですからね…

    それに蠍座というのは、執念深くて、相手が忘れて油断した頃に仕返しをするのですよね…

    蠍座の行為の室は獅子座ですが、現実のライオンも、子供の頃から、相手が通り過ぎる時はなんでも無いフリをして、通り過ぎて背中見せた途端に襲うのですよね…

    国広富之さんがお父さんが映画関係の仕事されてた縁でライオンの子供を一時世話したことが有ったそうなんですが、そんなエピソードを話されてました。

    私はその気持ちがすごく分かります。
    そういうのを私は自然にやりますから。

    以上、卑近な例ですが、ご参考まで。
    • ケートゥが確かにジェーシュタに在住していれば自分の性格、性質としても感じられると思いますが、
      自分以外の関わる人物の性格や性質としても体験されると思います。

      KAさんの場合は、ジェーシュタが体感されるのは、D9で、LLの木星がジェーシュタに在住しているからということもあると思います。

      ナヴァムシャも度数が出せれば、ナクシャトラを検討できます。

      ジェーシュタが裏切り者が許せないという感情や内在的論理が、よく分かりました。

      安心して油断している時に毒針で刺すというのは、様々な事例で見ますが、プリゴジンが墜落事故に見せかけられて暗殺された時も、

      その前にプーチンに許されたといって、本人が喜んでいる矢先のことでした。

      ライオンの事例の話も興味深いですが、そのように油断させておいて、相手が安心しきった時に毒針で刺すというのは、ロシアの外交や軍事にも伝統的に表れていると思います。

      ロシアは停戦すると、その間に時間稼ぎをして着々と準備をして、相手が油断している時に攻め込んでくるというのは定番の話で、

      ウクライナはそうしたことを何度もロシアとの間で経験しているので、ロシアとの停戦はあり得ないと考えています。

      相手と握手をしつつ、相手が油断した時に毒針で刺して来る訳です。

      第二次世界大戦末期に日本がポツダム宣言を受け入れて武装解除したら、ロシアが日ソ中立条約を破って満州に攻め込んできた時もそうです。

      そうしたことで、占星術やそれから派生する心理学によって相手を理解することは非常に重要だと思います。

      ここ最近のロシアの動きを見て、ロシアという国が、よく分かりました。
  • 秀吉先生、

    私のナヴァムシャ12室の木星はジェースタだったのですね…ありがとうございます。

    私はジェースタの老獪な二面性がよく分かるのですよね…
    自己弁護ではないですが、生き物とか弱いものに対しては天使のように優しいのに(普通の人が気にしないような虫まで助けます…)、敵とか裏切り者には、傷口に塩を塗り込んだ上に死人に鞭打つまでする感じなんですが、別に矛盾無く自分の中にあるのですよね…

    あと、私はラーシで火星が8室、また、先生もよく性質をご存知だと思いますが、ラーシでは木星はバラニー、諜報活動に長けてるナクシャトラにあるので、人の心理や動機や裏で何してるか等読み取るのはお茶の子さいさいで、相手のことを調べ上げたり、その性質、気性を逆手に取って、敵が自ら墓穴を掘るように仕向けたりするのが得意で、失敗したことが無いんですよね…

    ま、ちょっと恐ろしい話になりますが、他の人には絶対分からないようなガスライティング(心理学用語です)を使って、敵やその味方を精神的に参らせて、オカシクさせたことも有ります…(入院してました…)

    ま、ちょっと怖い、おどろおどろしい話になってしまいましたが、ジェースタやバラニー、8室関係の話としてご参考に書かせて頂きました。

    先生が最近シャシティアムシャのことを書かれてたので、改めてそれも見てみたんですが…私はラーシ、ナヴァムシャのみならず、シャシティアムシャでも敵を粉砕する配置を持ってて、戦う運命に有るんだな…と納得しました…

    もっと穏やかな運命に生まれたかったですね…

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