小池百合子が当選した。
今回、私は6月20日付の『小池百合子の真実 - 学歴詐称疑惑を出生図から読解する - その2』の中で、小池百合子の当選を予想した。
選挙の公示日が6月18日であったため、公示の直後ということで、小池百合子が当選するかどうかというのは、メディアの下馬評などを見ても難しかった。
「女帝 小池百合子」の出版などもあって、小池百合子の学歴詐称問題なども盛んに取り上げられていて、小池百合子は落選するのではないかと考えた人もいるかもしれない。
今回の予想は、その前段階として、小池百合子のラグナ、ナヴァムシャのラグナ、ダシャムシャのラグナなどを十分に検討していたことが大きかった。
特に以前から牡牛座ラグナではないかと考えていたが、更なる検討によって確信に変わったので、その知識を用いることが出来たのである。
世間のニュースなどは全く気にせず、純粋にチャートだけを見て、数学の証明問題のようにして、答えを出すことができた。
ダシャーとアンタルダシャーのコンビネーション
今回の結果を考える上で、非常に重要なポイントもあった。
『運命と時輪』(原題:ASTROLOGY, DESTINY AND THE WHEEL OF TIME)の中に以下のように記されている重要事項がある。
第13章 ヴィムショッタリダシャーの解釈 (略) 複合的な結果 *第6原則 (a) 凶星のマハーダシャーの時期には、吉星のアンタルダシャーの時期であっても問題が起こりがちです。ただし、これは、この2つがお互いにからんでいない場合です。 (b) もしからんでいる場合は、吉凶どちらの結果も生じます。 (c) 凶星のマハーダシャーの時期に、それとからんでいないヨーガカーラカのアンタルダシャーがくることは、非常に悪いことです。 (注:これは不可解な例外です。) |
上記の原則の中で、まず疑問に思うことは、ここに凶星というのが、生来的凶星を指すのか、機能的凶星を指しているのかということである。
この記述だけではどちらを指しているのかがはっきりしない。
これについて、以前、デリーのBVBで行われたセミナーに参加した時に質問した所、生来的凶星でも機能的凶星でもどちらでもいいということだった。
小池百合子にこの原則を当てはめると、現在、木星/土星期なのであるが、牡牛座ラグナである為、マハダシャーの木星は8、11室支配の機能的凶星なのである。
そうすると、アンタルダシャーの土星は9、10室支配のヨーガカラカであり、マハダシャーの木星と絡んでいない為、上記の原則の(c)が当てはまり、非常に悪い結果となるはずであった。
またこれはナヴァムシャでも言えることで、木星は機能的凶星で、アンタルダシャーの土星は、ラグナから見て、ラグナロードで、月から見ても9、10室支配のヨーガカラカである。
そして、木星と土星は絡んでいない為、この場合でもアンタルダシャーの土星期は、「非常に悪く」なるはずである。
またダシャムシャでもマハダシャーの木星は、2、11室支配の機能的凶星で、アンタルダシャーの土星は、ラグナロードで、月から見て、ヨーガカラカであるが、マハダシャーの木星と絡んでいない。
従って、アンタルダシャーの土星の時期が、「非常に悪く」なるはずである。
木星を凶星と考えるか、吉星と考えるかで、解釈に大きな違いが生じてしまうのである。
但し、後にアイヤーの読解などを通じて分かったことは、これらの原則は、本当は、マハダシャーの生来的吉凶や機能的吉凶を問題にしているのではなく、マハダシャーがその配置によって、最終的に吉の結果を表わしているのか、凶の結果を表わしているのかを問題にしているのである。
アイヤーが提唱した原則とは、マハダシャーとアンタルダシャーが絡んでいない時、主にマハダシャーの結果が生じるというシンプルなものである。
従って、小池百合子の場合、8、11室支配の木星が12室に在住することによって、8-12のヴィーパリータラージャヨーガを形成している。
このことによって、木星は、最終的に吉の結果を表わしているので、上記の原則は当てはまらないと考えられるのである。
また木星は、月から見ると、9室の支配星でラグナロードの火星と1-9のラージャヨーガを形成しているということもあるし、木星は月との間にガージャケーサリヨーガを形成し、火星との間にグルマンガラヨーガを形成して、そこから強さを引き出しているということもある。
そのように考えると、木星は、十分に吉の結果を表わしているので、アンタルダシャーの土星が、出生図で9、10支配のヨーガカラカであったり、ナヴァムシャで、ラグナロードで、月から9、10室支配のヨーガカラカであったり、ダシャムシャでもラグナロードで月からみて9、10室支配のヨーガカラカであるということが、ある程度は、機能してくれるのである。
つまり、不可解な例外的なことは起こらないと考えることが出来る。
木星の強さ
あとは、知人からの連絡で分かったが、木星がナヴァムシャで、ムクタヨーガという非常にスペシャルなヨーガを形成していて、そこから木星が強さを引き出しているということも重要な要素であった。
ムクタとは、王冠という意味で、都知事というポストに付けるかどうかを占うには非常に適した材料である。
また木星は、ダシャムシャで、高揚した月との間にガージャケーサリヨーガを形成している。
このように木星は非常に強く、マハダシャーの木星とアンタルダシャーの土星が絡んでいない為、主にこの木星が持つ出生図や分割図での強さが結果をもたらしたと考えることができる。
そして、マハダシャーの木星が、「吉」であるため、アンタルダシャーの土星が、出生図や分割図で、ラグナロードやヨーガカラカであったりする効果も発揮して、マハダシャーの木星とアンタルダシャーの土星が、混合した結果をもたらすことになる。
この土星は、ダシャムシャでは、ラグナロードで9室で高揚し、月から見ても9、10室支配で、6室で高揚しており、注目すべき、強さを持っている。
そして、私はナヴァムシャのラグナとダシャムシャのラグナを水瓶座に修正した為、そこから考えると、ナヴァムシャでは木星が11室支配で9室に在住し、ダシャムシャでは、11室支配で、5室支配の水星と共に10室に在住して、11室(資格、称号)という意味でも良い配置が見られることも有効な材料であった。
小池百合子は、選挙の時、木星/土星/水星期になるが、マハダシャーの木星とプラティアンタルダシャーの水星が10室に在住していることも重要な要素であった。
そして、上述したように土星がラグナロードや月から見たヨーガカラカで、高揚しているということも注目すべきポイントである。
ジョーティッシュによる予測とは数学の証明に似ている
今回は、上記の観点を意識的に検討し、やまかけ的な当て推量というものは、入ってこなかった。
ロジックに自信がないと、メディアの報道などの影響を受けて、小池百合子に不利な学歴詐称疑惑が報じられていたりすると、小池百合子は当選出来ないのではないかと不安になったりもするものだが、今回は、ほとんどそれはなかった。
例えば、以前、ヒラリークリントンとバラクオバマの民主党の代表選を見ていて、ヒラリーの失速や、オバマの勝利を予想していたが、途中経過で、ヒラリーが優勢だと何度も報じられたので、途中で、不安にもなったものである。
またそれは、ドナルド・トランプの当選を予測した時もそうで、メディアは完全にヒラリーの味方で、ヒラリー優勢が何度も報じられ、選挙の当日まで、それは報じられていた。
途中で、やはり、ヒラリークリントンが当選するのではないかと不安にもなったが、そのように不安になるのは、まだ予想に用いたロジックに完全な信頼がないからである。
もしロジックに信頼があり、完全に意識的に予想した時には、メディアが報じる途中経過などには、ほとんど心理的な影響を受けないはずである。
ロジックに自信がないと、メディアで報じられる実際の情勢を横目でちらちら見ながら、予想した結果を直前になって変えてみたりすることになる。
予想した結果が途中で変更されるなら、それは科学(サイエンス)ではなくなってしまう。
それは情勢に流されているだけである。
株の売買などでもそうだが、優れた投資家は、自分の中に確固たる原理原則というものを持っていて、大衆の判断や動きには、一切流されることがない。
だから投資で成功することができるのである。
因みに小池百合子の場合、このようにダシャーから当選を予想することができたが、トランジットは、木星が射手座に逆行し、土星が山羊座で逆行して、8室の射手座にダブルトランジットが生じていた。また開票日当日(7/5)、月は8室をトランジットしていた。
そのため、小池百合子は、逆境の中で、苦しみながら当選するという予想になった。
ダシャーが、その人のカルマを表わしており、トランジットは、そのカルマが発芽の為のトリガーに過ぎず、環境や状況を与えるものに過ぎないため、今回は、小池百合子にとってあまり良さそうなトランジットの配置ではないが、10室にダブルトランジットも形成されている為、8室や10室の象意を考慮して、「逆境の中での当選」という判断になった。
ドナルド・トランプ大統領再選のロジック
因みに2020年末にドナルド・トランプが大統領に再選することを予想しているが、その予想のロジックも至ってシンプルである。
トランプは現在、マハダシャー木星期で、木星期になると同時に大統領に就任したのである。
その木星期の強さは、ダシャムシャで確認できる。
木星が3、6室支配で4室で減衰し、パラシャラの例外則によるラージャヨーガ的な効果が働いており、またディスポジターの土星が4、5室支配で、6室に在住して4-6の星座交換をしている為、ニーチャバンガラージャヨーガを形成している。
また木星は月から見て、ケンドラに在住しているので、ガージャケーサリヨーガを形成している。
このように木星がキャリアを表わすダシャムシャ(D10)において、パラシャラの例外則、ニーチャバンガラージャヨーガ、ガージャケーサリヨーガなどによって、力を得ており、更に大統領選が行われるのは、木星/土星期で、アンタルダシャーの土星は、木星との間にニーチャバンガラージャヨーガを形成して、そのヨーガを構成する一部となっており、マハダシャーとアンタルダシャーは星座交換によって緊密に結びついている。
土星は4、5室支配のヨーガカラカで、ラグナロードで高揚する金星とコンジャンクトしているが、こうした土星の強さが、マハダシャーの木星と、相乗効果をなし、マハダシャーとアンタルダシャーが混合した結果をもたらすはずである。
因みにこのアンタルダシャーの土星は、出生図では6室支配で12室に在住しているため、6-12のヴィーパリータラージャヨーガが生じている。
これも初め敵に回っていた人が最終的には味方になってしまうといった二重否定のヨーガであり、このヨーガがアンタル土星期に発揮されると思われる。
例えばトランプは、前回の選挙で、共和党の代表選を戦っていた時には、宗教右派のテッド・クルーズと激しく罵りあっていたにも関わらず、大統領になってからは、テッド・クルーズの応援演説に行くなど、かつての政敵が今日の味方となっているケースが見られる。
土星は蟹座のプナルヴァス(木星)に在住している為、宗教右派の敵が味方になったと考えられる。
出生図の木星は乙女座に在住しているが、ディスポジターの水星はラグナから見て11室支配で11室で自室に在住し、月から見ても11室支配で8室で定座に在住している。
木星から見て、10室や11室が強いことも確認できる。
木星期というのは、ジョーティッシュで見る限りでは、トランプに負ける要素はなさそうである。
確かに今年の年末は、土星と木星が山羊座をトランジットしているので、トランプにとって6室や12室にダブルトランジットが生じている為、逆境というものが存在することは確かである。
然し、木星は10室と10室の支配星にアスペクトし、土星も10室の支配星にアスペクトするので、10室にダブルトランジットが生じている。
従って、ドナルド・トランプも、小池百合子と同じように「逆境の中で当選する」ということができる。
6室支配で12室に在住するヴィーパリータラージャヨーガの土星も効果を発揮すると考えられる。
右派勢力が、最終的にトランプの支持を始めるのである。
これは前回の選挙で、共和党の主流派が当初、トランプを支持していなかったのに最終的に全面的に支持するようになったことによく現れている。
そうしたトリッキーな要素も働いて、それがダブルトランジットによって活性化されて、トランプ再選に結びつくのである。
このトランプ再選のロジックに関しては、前回選挙での当選を予想するよりも、より意識的で明確になっており、ロジックに対する信頼も強くなっている。
投資家の未来予測を越える力
因みに最近、投資家のジム・ロジャースが、来るべき経済的大不況、株式市場の大暴落を予想しているが、2008年のリーマンショックも予想を的中させて、空売りで大儲けしたそうである。
このジム・ロジャーズが米大統領選に関して、トランプが勝利すると予想はしているものの、この情勢では、民主党のバイデンが勝つ可能性もあり、どちらが勝つのか分からなくなったと率直に書いている。
ジム・ロジャーズほど先見の明があり、経済については、株式市場の大暴落のタイミング、バブルの崩壊のタイミングなどを的確に予測した人物であっても、誰が大統領に当選するかといった予測には不確かな所があるらしい。
投資家の未来予測は、数学の素養があって、経済だけでなく、政治や哲学や歴史など、あらゆることを学習して、人間や社会を理解することによって可能となる。
従って、優れた投資家というのは、賢者であり、科学者であり、物事の因果関係について深く理解した人である。
然し、そのような投資家であっても、やはり、はっきりとは断言できない不確かなことがあるようである。
やはり、そうした意味では、ジョーティッシュこそ未来予測の最強のツールなのである。
この投資家の未来予測というのは、その知識が経済だけに限定されている訳でなく、あらゆる分野に及んでいる為、非常に刺激になり、面白い。
投資家というのは実は職業でも何でもなく、生き方のことであり、人よりも先に未来を知り、賢く立ち回って、自分の資産を増やす人のことである。
占星学も、やはり同じようなインテリジェンスが必要であり、あらゆる分野に通じて、それを惑星、星座、ハウスといった言語に翻訳する作業を意味している。
株式市場は、双子座の象意であり、特に支配星の水星が関係する為、投資家の予測や考え方は、ジョーティッシュと通じるものがある。
「すべての常識は15年で劇的に変わる」の意味
ジム・ロジャーズが、最近、出版した『危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来』(日経BP)の中で「すべての常識は15年で劇的に変わる」と書いている。
歴史を学んでいたら10年~15年経つと世界が劇的に変化するケースが少なからずあることに気づいたのだそうだ。
それは非常によく分かる。
10年~15年というのは、木星の12年の公転周期のことで、あるいは土星のハーフリターン(15年)の周期である。
こうしたタイミングで少なくとも土星と木星のどちらかが、同じ星座にリターンして、一つの周期を終えるためである。
特に木星が12年に一度、山羊座に戻って来たら、それが経済崩壊のタイミングであり、そのタイミングで株式を買っていたら、大きく儲けられる。
ジム・ロジャーズは、少なくともそのくらいの時間スケールで、人生を考えているのがよく分かる。
人生に投資のチャンスは20回ぐらいしかないと考えるべきだとも書いている。
東京都知事選における枝野幸男
小池百合子の都知事選当選の話題に戻るが、立憲民主党の枝野幸男は、本来、野党第一党の党首として、野党勢力を結集させる責任があったが、全く精彩を欠いており、冴えない感じであった。
それは土星と木星が8室支配の月をトランジットし、8室にもアスペクトして、8室にダブルトランジットが生じている為である。
枝野幸男は、以前のラーフ/月期の時にも自社さの橋本連立政権で、村山富市から後継指名を受けた自民党の橋本龍太郎総裁に不本意にも投票している。
橋本龍太郎がPL法の対象から血液製剤を外すよう抵抗した厚生族のドンであり、本来、応援する相手ではない為、投票するのに躊躇し、悩んだが、結局、投票したようである。
8室の影響がある時、その人は精彩を欠き、他人の影響下にあり、不本意に何かをしなければならなかったりする時期である。
8室にダブルトランジットする今は、枝野幸男にとって、そうした時期なのではないかと思われる。
野党票が割れたのは、最大野党である枝野幸男の理想なき党利党略の為である。
私は、枝野幸男のマハダシャー土星期の成功を表現する一つの言葉を思いついた。
枝野幸男は、いち早く立憲民主党というプラットフォームを旗揚げした為、民進党が解散し、希望の党から排除された困った野党議員たちが、皆、そのプラットフォームの中に流れ込んで、皆、活動の場所を得ることが出来た。
枝野幸男の水瓶座の土星とは、プラットフォーム・ビジネスで成功する配置である。
「女帝 小池百合子」を読んだ後の小池百合子評
「女帝 小池百合子」を読んで、小池百合子が、容易に嘘をつく人間であることがよく分かった。
これは癖というか、もう染みついて治らないものである。
性格、人間性の本質的な部分である。
この本が、非常に面白かったのは、他の人も同じように論評しているかもしれないが、彼女が学齢詐称を決意して、エジプトのピラミッドの上で、カイロ大学卒業の証拠写真として撮った写真にミスがあったことから、小池百合子のトリックを暴いている所である。
それについては、「終章 小池百合子という深淵」の中に記されている。
ピラミッドの上で、「卒業を記念して撮った写真」としてメディアに公表している写真が、襟元が左前のものと右前のものがあるのであるが、小池百合子は、左前にして間違って着てしまったので、写真を現像する時にわざと反転させて、右前に見えるようにしたのだと言い訳をしている。
然し、石井妙子氏は、反転させた写真が、左手に腕時計をしているのは、おかしいのではないか、小池百合子は、通常、腕時計を左手に付けるので、「左右を反転させた」のであれば、腕時計が右手に写るのではないだろうかと疑問を付している。
石井妙子氏は、これは左前でキモノを着てしまったのでまずいと思い、後日、別の日に着物を右前に来て、撮影し直したのではないかと推理している。
このように否定しようのない論理的な証拠を突きつけて、小池百合子の嘘を追いつめていく所がこの本の見所である。
石井妙子氏は、あたかも名探偵のように小池百合子がうっかり残した証拠から嘘を暴いていくのである。
学歴詐称については、小池百合子とエジプト政府(情報部)の利害が一致しており、彼らは共犯関係にあるのである。
小池百合子はまず、裏口入学で、カイロ大学に入学したが、カイロ大学を合格したことにして、学歴詐称に手を染めた。
然し、メディア界、政界で、その詐称した学歴を利用して成り上がり、影響力を強めた為、エジプト政府はそうした彼女の存在を無視できなくなり、彼女の卒業に口裏を合わせるようになったということらしいのである。
学歴詐称疑惑について質問されると、小池百合子は、「卒業証書もあり、カイロ大学も認めております」と答えている。
確かに認めていることは認めているのだが、試験に合格して卒業を認めたのではなく、別の理由で認めているのである。
この辺りは、確かに通常の人間では考えられない奇想天外な人生である。
こうした話は、ビジネスの世界ではよくある話である。
金持ちでも何でもないのに金持ちのふりをして商談をまとめてその瞬間から本物の大金持ちになるといった物語である。
ビジネス界の超一流の詐欺師の物語であり、実際の自分よりも大きい自分を演出し、見せるという意味では、虚飾というものは常に存在する。
小池百合子の学歴詐称は、それと同じかそれ以上にインパクトのある話である。
石井妙子氏は、小池百合子が、環境大臣時代に水俣病を発症した患者の集団訴訟に対して、官僚の描いたシナリオ通りに冷たい対応をしたことについて、批判的に取り上げている。
小池百合子は、そうした弱者救済の福祉事業には全く興味がなく、代わりにクールビズなど自らがメディアの前で華やかに主役を演じられるような企画にだけ、興味を示すからである。
地味な努力を必要とする政策立案、法改正などの実務には全く興味がないのである。
然し、小池百合子のチャートを見ると、ラグナロードの金星が蟹座3室でプシュヤに在住しており、2、5室支配の水星とコンジャンクトしている。
従って、小池百合子は、自分がメディアの前でヒーローになれるような場面にしか興味がないのはよく分かるのである。
蟹座は、自己中心的な個人主義者であり、3室はメディアやヒーローイズムを表わすハウスであるからである。
彼女はあたかも女優ででもあるかのように自分がスターとしてメディアに登場する機会にのみ関心があるのである。
従って、選挙の際のメディア工作を得意としており、小沢一郎には、ゲッペルスになれると絶賛されていたのである。
このチャートからすると、小池百合子が、弱者に共感がなく福祉に熱心でないということを批判しても仕方がないような気がするのである。
彼女はそのようなパーソナリティーだからである。
また石井妙子氏は、築地の豊洲への移転問題も、移転を延期して、築地再整備案なども検討したが、結局、豊洲移転で決着したことについても批判している。
然し、これも既に豊洲にあれだけの建物が出来てしまった後では、あの移転案を白紙に戻すのは、誰であっても難しかったのではないかと思われる。
その前に計画を進めていた人々の責任である。
小池百合子も豊洲の汚染数値の高さを理由に移転延期を決定したが、それについて計画をひっくり返すような決定は出来なかったということである。
元々メディアの前で目立ちたいパーソナリティーであり、知性もある為、メディアの前で、それなりの大衆の要望に合わせたポーズも取ることが出来る。
然し、本当の意味で、計画を白紙にするだけの力を彼女に求めるのは酷と言うべきかもしれない。
小池百合子は、嘘つきで、学歴詐称であるが、政治によって何かを実現したいという考えもなく、メディアに登場して、自分が目立ち、政界で上手く立ち回り、権力を掴むことに興味がある。
あまり、弱者救済などには興味がなく、クールビズを推進したり、レジ袋を使わない為に「風呂敷」を活用するイベント「大臣の大FUROSHIKI」、イスラム諸国47カ国からの大使を招待して情報共有の共有、交換を目的とするイフタールというパーティーの開催など、メディアに露出し、自らがスターとして目立つことができ、華のある企画にしか興味がないのである。
然し、小池百合子のチャートからすると、そうなるのは、あまりにも明らかである。
ジョーティッシュで、チャートを検討すると、彼女は家庭環境で苦労し、父親の嘘に振り回され、自らも嘘をついて学歴詐称をするが、メディアを活用する才能を駆使して、書籍の出版で、才能を発揮して、テレビ東京のアナウンサーになり政界に進出して、権力者に巧みにすり寄り、メディアを使った宣伝活動が得意で、政界を転々とし、特に大臣になっても公共政策などにはあまり関心がなく、メディアに露出し、自らスターになれるような企画にしか興味がなかった。
そして、自民党に居場所がなくなると、都知事に立候補し、都民ファーストの会や希望の党の躍進など、ファシズム的な上昇気流に乗って、飛躍しそうになったが、失速して、今は、何とか都知事のポストを守っている。
基本的に個人主義的で、自分のポストや立場を上手く守ること、情勢を見極めて、ポストを得ることに関心があり、実現したい計画もあるのかもしれないが、実際的でなく、計画の実現は中々難しいということである。
このように小池百合子を見ると、チャートに描かれたそのままである。
それを良いとも悪いとも言えないのであり、このような人間なのだというしかないのである。
「女帝 小池百合子」は、こうした小池百合子の本質を明らかにしたという意味では貴重な資料である。
コメント
コメント一覧 (6件)
連日の報道を見ていると不安になり、お山の大将から大海の一滴になるであろう変化を、うまく負け組にならず乗り切れるか心配になりますが、もう後戻りはできないので、ジョーティッシュは嘘をつかない!と信じて頑張ります。
秀吉先生だったらどんな切り口で分析されるのか、もしかしたら海外の政界や歴史上の人物について調べていらっしゃるところかも知れませんが、今回の九州豪雨の読み解きをリクエストいたします。家族や友人たちが住んでいるので、案じております。
コメント欄は、知識を既に持っている方が議論したり、アイデアを共有して頂くことを想定しています。
人の質問やリクエストに応じる作業は、完全な仕事になってしまうため、それは応じる方としては、きつい仕事になってきます。
そういう場合は、有料鑑定や有料の個人レッスンなどを利用して頂くしかありませんので、ご了承下さい。
早速の解析作業ご苦労様です
ダシャーを無視した単純な疑問を一つだけ挙げさせていただきます
小池氏のD10ですが
D10では職業運に悪影響のある5室と9室の支配星がとても強くなっている配置が不思議でした
水星はラージャ・ヨーガであっても5室支配であり土星はラグナロードで高揚の9室在住は能動的な実務力が失われる(と思ってしまう)所見です
やはりダシャーの運勢法則や他チャートからの影響力をより広く大局的に俯瞰した総合評価で吉意が勝ったと考えてよいということでしょうか?
但し、やはり幸運なハウスですから、5室や9室の在住星や支配星のダシャーが来た場合、創造的な遊びのような仕事をする機会が出てきたり、教育、啓蒙的な仕事をする機会が出てきたりすると思います。
労働的ではない仕事です。やはり、5室や9室の象意がD10の中で、表現されることになり、それらのハウスの吉意が発揮されると思います。
私はそのように考えてますが、その通りかどうかは、自分で確かめてみて下さい。
ただ小池百合子のD10については私が水瓶座ラグナだと主張しているだけで、それを無批判に受け入れないようにお願いします。
私を正解を知っている人間として扱わないようにして下さい。
基本的に何が正しいかを自分で考えて答えを出して頂くしかありません。
>やはりダシャーの運勢法則や他チャートからの影響力をより広く大局的に俯瞰した総合評価で吉意が勝ったと考えてよいということでしょうか?
本文の中に書きましたが、木星が強いということを出生図や分割図の配置を通して納得しました。
小池百合子が都知事に当選したロジックについての解説は、本文の中に書いてあり、それに付け足せることはないので、それをよく読んで頂くしかないと思います。
理解出来ない場合は、まだ勉強していないことが書かれているということだと思います。
私の過去の上級セミナーなどに参加して頂いた方にしか分からないロジックを書いてますので、分からない方にとっては暗号のような感じかもしれません。
記事の内容は私が納得したことを自分に向けて語りかけているだけで全くの独り言のようなものです。
私の頭に浮かんだ思考のプロセスを記録しているだけです。
それはそれらが分かる方には意味があるものだと思いますが、分からない方には意味不明かもしれません。
現在、マスターコースに参加されてますので、本文の中に出てきた考え方やロジックは全て学習することになると思いますので、その時までお待ち下さい。
このコメント欄では質問やリクエストのようにならないで頂きたいと思っています。
書いてあることを理解するためには、セミナーの1年コースなどを受けて頂いたり、3日間の上級セミナー的なものに参加して頂く必要があると思います。
やはり自分は早合点しがちな悪い癖がありますので反復学習を大事にしたいと思います
また今月末もよろしくお願いします