ジム・ロジャースについて -世界三大投資家の一人-



最近、ジム・ロジャースの著作が書店で目に付くので、手に取って読む機会が増えている。

昨年から今年にかけて、ジムロジャースは日本の読者層をターゲットにした書籍を立て続けに出版している。



危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来』 日経BP (2020年5月1日)

『ジム・ロジャース 世界的投資家の思考法』講談社 (2020年6月17日)

『ジム・ロジャース大予測:激変する世界の見方』講談社+α新書 (2020年5月8日)

日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く 』講談社+α新書 (2019年7月20日)

お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』PHP新書 (2019年1月15日)


主に主張していることは以下の何点かである。



・アベノミクスによって、日本経済は、今後、大変なことになり、少子高齢化で、日本の経済は確実に衰退していく

・朝鮮半島の統一によって、北朝鮮には莫大な富のチャンスが出来る

・これから世界的株式市場の崩壊、世界的経済危機がやってくるが、それはかつてない規模のものとなる


ジム・ロジャーズは、ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスなどと並んで、世界三大投資家の一人として数え上げられているようだが、私は以前からジム・ロジャーズの本は読んでいて、特にバイクでの冒険記などを読んだことがある。

投資家としては、予測したことが当たっていないとか、信用できない投資家といった酷評も為されているようだが、投資家としてよりも冒険家としてのジム・ロジャーズの方が魅力に富んでいる。

最近、出版している本は、年齢を重ねた為か、投資の本というよりも人生の経験談や人生哲学を披露する本となっており、日本の未来についての警鐘や、過去の株式市場の暴落時に空売りで儲けた裏話なども語られていて、非常に面白い本になっている。







チャートを作成して見ると、出生時間を00:00:01で作成しても、23:59:59で作成しても月は水瓶座に位置している。

チャンドララグナは水瓶座で確定である。

月から見て、5、8室支配の水星が8室でムーラトリコーナの座にあり、投資家に向いている典型的な配置である。

まず投資家とは、企業に資金を貸し付けて、自分の代わりに働いてもらって、その利益を配当として受け取る人々であり、不労所得の8室が強い人々である。

それに加えて、水星が8室に在住する配置は例外的に良いと言われており、ビジネスにおいて他人のお金を利用することに長ける配置である。

従って、投資家から資金を集めて株式や 債券などに投資し、運用してリターンを分配する投資ファンド事業の経営などに向いている配置である。

そして、種々検討した結果、ジム・ロジャースのラグナはおそらく射手座ラグナである。







ジム・ロジャースは3回結婚しており、現在、3度目のパートナーとシンガポールに暮らしており、子供も娘が2人誕生している。

従って、これだけ材料が揃っているので、ラグナの特定は、それほど難しくはなかった。

wikipediaによれば、ジム・ロジャースの経歴は以下のようにまとめられている。





5歳のときに初めてピーナッツを売った。

1964年 – イェール大学を卒業(学士)。夏休みのアルバイトにウォール街で働いたことで投資に興味を持つ。ウォール街で初めての仕事を投資銀行ドミニク&ドミニク社(英語版)で得る。当時、ウォール街については何も知らず、株式と債券の違いについてさえ知らなかったが、仕事にはすぐに熱中した。この後、オックスフォード大学へ留学。奨学金で株式投資を行う。(木星/水星→ケートゥ)
1966年 – オックスフォード大学を卒業し(修士)帰国。数年間アメリカ陸軍に所属する。(木星/金星)

1968年 – 見習いアナリストとしてウォール街で働き始める。(木星/金星→太陽)

1970年 – 投資銀行Arnhold & S. Bleichroeder(英語版)に入社。(木星/月→火星)
1973年 – ジョージ・ソロスとともにクォンタム・ファンドを設立。(木星/ラーフ→土星/土星)

1980年 – 仕事を引退。その後、コロンビア大学ビジネススクールの客員教授になる。(土星/ケートゥ→金星)

1989年 – WCBSの”The Dreyfus Roundtable”で司会を務める。(土星/ラーフ)
1990年 – FNNの”The Profit Motive with Jim Rogers”で司会を務める。(土星/ラーフ→木星)
2002年 – 毎週土曜日放送のFOX News Cavuto on Businessでレギュラーゲストになる。(水星/火星→ラーフ)

2007年 – シンガポールに移住した。中国の上海と香港、マカオなどで事業を開始した。親中傾向が見られるようになった。(水星/木星→土星)

(wikipedia ジム・ロジャーズより引用抜粋)


まず私はジム・ロジャースを冒険家にしたのはどの要素であるかと考えたが、ラグナが分からない状態では、特に思い当たる要素がなかった。

通常、冒険好きなのは、射手座ラグナの人であり、射手座ラグナは、身体を使ったアウトドアのスポーツを好む星座である。

マラソンやトライアスロン、パラグライダーにスキューバーダイビング、サーフィンや、スキーやスノーボーディングなど、あらゆる過激なエクストリームスポーツを楽しむのが射手座である。

そして、射手座はラグナロードが同時に4室(家、乗り物)を支配している為、人生で早期にリタイアして、豪邸(4室)を購入したり、ヨット(4室)を購入したりして、私生活(4室)や余暇を楽しむ人が多い。

そこで、ジム・ロジャースは射手座ラグナではないかと思われた。

今は老人だが若い頃のジム・ロジャースは、射手座の活動的な雰囲気を醸し出している。





ジム・ロジャースは、1980年代に中国の各地をバイクで旅行し、1990年~1992年にかけてバイクで世界6大陸を横断して、ギネスブックにも載っている。

1991年1月1日~2002年5月2日までは、メルセデス・ベンツで、116カ国を走破したそうだ。

従って、バイクや高級車などの乗り物が好きで、それらの乗り物で、冒険することが好きなようである。

実際、射手座ラグナに設定すると、人生の主要な出来事は全て説明できる。





例えば、ジム・ロジャーズは、1973年にジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを設立している。

この頃は、ちょうどマハダシャー木星期と土星期の移行期であり、マハダシャー土星期の始まるタイミングである。

射手座ラグナにすると、土星は2、3室支配で6室に在住しているが、土星は起業の2室を支配しているため、この時期に事業を起ち上げたのである。

クォンタム・ファンドでは、ジム・ロジャーズがアナリスト的な役割で、ジョージ・ソロスがトレーダー的な役割だったというが、ジム・ロジャーズがアナリスト的な役割だったというのは納得できる。

射手座ラグナで10室で水星が高揚している配置の場合、税理士とか、公認会計士、ファイナンシャルプランナーのような経理、会計に関する仕事に就く人が多いからである。

真面目なアナリストといった印象なのである。

一方で、ジョージ・ソロスは、イングランド銀行にポンド売りを仕掛けて、ポンドの切り下げを行なわせて、ぼろ儲けした伝説の山師であり、乙女座の真面目なアナリストの印象ではない。

クォンタム・ファンドは10年の間に4000%のリターンを得たというが、ジョージ・ソロスとは、スタッフの増強など経営方針で揉めて、ジョージ・ソロスと袂を分かって、そのまま引退してしまう。

まず土星は2室支配で6室に在住している為、奮闘(struggle)があり、経営方針で揉めることなどはこの配置に現れている。
そして、この頃はちょうど土星/金星期で、金星は6、11室支配で、10室で減衰している。

6室(契約、パートナーシップ解消)の支配星の時期であり、11室も6室から見た6室目のハウスであり、6室の本質のハウスである。

従って、この時期にジョージ・ソロスとのビジネス・パートナーシップを解消したことが分かる。





私がこのマハダシャー土星期が射手座ラグナにとっての2、3室支配の土星でよいと考えたのは、この引退した後の80年代に中国の各地をバイクで旅しているからである。

土星は2、3室支配の土星であるが、3室は短距離旅行のハウスであり、移動や交通を表わしており、その土星が6室から12室(海外)にアスペクトしているからである。

3室支配で12室にアスペクトする土星期とは、バイクで外国を旅して走り回るようなイメージなのである。

当時の中国での旅は、いろいろトラブルや奮闘もあったと考えられるため、それで3室支配の土星が6室に在住して12室にアスペクトしていると考えると、ちょうど困難な旅というイメージにぴったりである。

また月ラグナから見ても土星は12室(海外)の支配星で、乗り物の4室に在住している。

1990年~1992年にかけてバイクで世界6大陸を横断もしているが、この時期は、マハダシャー土星期の終わり頃で、土星/木星期である。

やはり、土星が木星に一方的にアスペクトしており、マハダシャーの土星の象意が強調される配置をしている。

木星は、ラグナロードで、4室(乗り物)の支配星で、8室で高揚しているのだが、土星にアスペクトされて傷ついている。

私は以前、『冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界バイク紀行』という本を読んだが、アフリカ大陸をバイクで横断していく時に途中の道路を通過させてもらえなかったり、賄賂を要求されたりといったことなど、様々な困難もあって、一筋縄ではいかない旅であったことが記されていた。

それらはこうした2、3室支配で6室に在住する土星が4室支配の木星にアスペクトする配置などが示していたと思われる。

土星期の前半は、ジョージ・ソロスと共にクォンタム・ファンドを運営して、4000%というリターンを上げた為、投資家として大成功を収めた訳だが、それは土星から見た5室にラグナロードの金星や2、5室支配の水星、火星が在住して、1-2、2-5、1-7、5-7のラージャヨーガを形成して、11室(利益)にアスペクトしている配置で示されている。

特にクォンタム・ファンドを去る前の1976年10月~1079年6月までの3年間は、土星/水星期は、莫大なキャピタルゲインを上げた印象である。

水星は土星から見て、ラグナロードの金星と5-11室の軸で、2つのダナヨーガを形成して、強力だからである。

またラグナロードの金星は乙女座で減衰しているが、パラシャラの例外則やニーチャバンガラージャヨーガも形成している為、かなり強力な配置と言える。

月から見ても5、8室支配で8室に在住して、棚から牡丹餅的にキャピタルゲインを得る典型的な配置をしている。

もし4000%のリターンを得たなら、主にこの土星/水星期が役割を果たしたのではないかと考えられる。

クォンタム・ファンドを辞めた後、ジム・ロジャーズは、ビジネススクールで客員教授の仕事をしたり、またメディアの司会のような仕事をしている。





1980年 – 仕事を引退。その後、コロンビア大学ビジネススクールの客員教授になる。(土星/ケートゥ→金星)

1989年 – WCBSの”The Dreyfus Roundtable”で司会を務める。(土星/ラーフ)
1990年 – FNNの”The Profit Motive with Jim Rogers”で司会を務める。(土星/ラーフ→木星)
(wikipedia ジム・ロジャーズより引用抜粋)


おそらく土星が、木星と共に月から見た10室にアスペクトしているからであり、土星/金星→土星/太陽→土星/月と推移する間にアンタルダシャーの太陽から見た10室に木星が在住し、月から見た10室に木星がアスペクトしているからである。

土星期の後半に主にメディアの仕事を行なったのは、土星が3室の支配星だからである。

1992年10月頃からマハダシャー水星期に入っていくが、それから10年間ぐらいは経歴的には空白の期間である。

wikipediaには、その時期の出来事が何も記されていない。
水星は、おそらくラグナから見た7、10室支配の水星で10室に在住している為、主に投資家として活動した時期だと思われるが、記録を見ると、あまりパッとした成績は収めていない。




商品市場

1990年代から商品市場が強気相場になることを予想するとともに投資を実践し、21世紀初めの商品相場の高騰を的確に捉えたかに見えた。原油相場が100ドル(NYMEX:WTI先物)を超えた後も、大型油田の発見が無いことをもとに強気相場の終焉を否定していた。しかしサブプライムバブル時の乱高下後、原油相場は5年以上に渡って100ドル前後を越えられず、2014年後半からは暴落を始め、2015年初頭には半値の50ドルを割り込んだ。

2008年に発生した未曾有の金融危機の際にも、ファンダメンタルズが損なわれていないとして商品投資を奨めていたが、その後5年間の商品の反発(+50%)は世界株(+150%)に比べて大きく劣後している。

(wikipedia ジム・ロジャーズより引用抜粋)


投資家としてのジム・ロジャーズに悪評が生じたとすれば、この時期である。

水星は、10室でバドラヨーガを形成しているが、逆行して、6、11室支配の機能的凶星の金星とコンジャンクトし、12室支配の火星からも傷つけられている。

5-11のダナヨーガなども形成されており、月から見ても5、8室室支配で8室でムーラトリコーナの水星、4、9室支配のヨーガカラカの金星、10室支配の火星とのコンジャンクトにより、4-5、4-9、5-10のラージャヨーガなどを形成している為、この時期にも資産は増え続けているが、予想したことが当たらなかったり、投資家として極めて素晴らしい成績を収めたとは言えないことが分かる。




シンガポールへの移住

そして、ジム・ロジャーズが、射手座ラグナだと考えるのに極めて重要なのが、2007年のシンガポールへの移住である。

この時期は水星/土星期で、マハダシャー水星期の最後のアンタルダシャーの時期であり、土星は12室に在住している為、外国に関わっていく時期だとも言える。

水星期が終わると、ケートゥ期に入るが、ケートゥは3室に在住している。

8室支配の月とコンジャンクトしており、2、3室支配の土星からもアスペクトされている。

8室や2室の支配星と絡んでいる為、パートナーとの結婚生活を静かに送る時期である。

ラーフ/ケートゥ軸自体に外国という象意があるが、ケートゥから見ると、8室に水星、金星、火星が惑星集中している為、やはり引き続き、投資によって利益を上げていることが分かる。

この移住をした2007年は、トランジットの木星は、12室蠍座を通過して、土星は蟹座を通過していた。







4室と4室の支配星にダブルトランジットが形成されていることが確認できる。

また12室は外国への移住のハウスである。

8室へダブルトランジットしていることは、配偶者との結婚生活を重視していることが伺える。





そして、シンガポールに移住した後、ジム・ロジャースは、あまりメディアにも登場せずに静かにしていた印象であった。

ケートゥ期は、2009年10月~2016年10月まで続いたが、ケートゥ期は、沈黙の時期であり、静かな内面生活の時期である。

あまり、メディアにも派手に登場せず、プライベートなパートナーとの結婚生活を送っていたことが分かる。

但し、ケートゥは、8室支配の月を傷つけている為、配偶者との結婚生活から得られるものには満足できなかったり、何らかの不足を感じている可能性もある。





マハダシャー金星期

そして、気づいた方もいるかもしれないが、ジム・ロジャースは、最近、再び派手にメディアに出演し、発言をし始めている。

これはマハダシャー金星期に移行した為である。

10室に在住する金星である為、大舞台で、派手に活躍し、人々に注目されることを表わしている。







金星は6、11室支配で10室で減衰して、パラシャラの例外則によるラージャヨーガ的な効果やニーチャバンガラージャヨーガを発揮する時期である。

6室の支配星が減衰する配置である為、ジム・ロジャーズの批判者たちも粉砕されておとなしくしているしかない印象である。

金星は5室支配の火星とコンジャンクトし、また強いバドラヨーガの水星ともコンジャクトしている。

また月から見て、金星は4、9室支配のヨーガカラカで、5室支配の水星とコンジャンクトしている。

5室の支配星との絡み、そして、強い水星との絡みが見られるため、最近になって、経済アナリスト的な見地からの啓蒙書を立て続けに出版し続けている。

現在、ジム・ロジャーズは、金星/太陽期であるが、太陽は9室支配で11室で減衰しているが、やはり太陽もニーチャバンガラージャヨーガを形成している。

(注:減衰する太陽のディスポジターである金星はラグナからケンドラに在住し、太陽が高揚する星座の支配星である火星もラグナからケンドラに在住している)

9室の支配星の時期は、奉仕や慈善活動の時期であり、教育活動や啓蒙活動を行なう時期である。

最近のジム・ロジャーズ著作は、日本の現在の危機的な状況について警鐘を鳴らし、未来にどうすべきかを提言した本で、非常に教育的な本である。

そして、9室支配の太陽が11室に在住する配置は、日本の知識人や出版界などから高い評価を受けることを示しており、5室にアスペクトしているので、出版を通じて、啓蒙活動を行っていることを表わしている。

今回、私はジム・ロジャーズのラグナを射手座ウッタラアシャダー第1パダに設定しており、ナヴァムシャのラグナも射手座に設定している。

それは、後に述べるが、ナヴァムシャで、結婚のタイミングが上手く説明できるからである。







ナヴァムシャのラグナが射手座だとやはり太陽は9室支配で11室に在住し、6、11室支配の金星と9-11の星座交換をしている。

太陽はニーチャバンガラージャヨーガを形成しており、9-11のダナヨーガを形成して、高い評価を受け、教育、啓蒙活動を行う配置である。

従って、今、ジム・ロジャーズは、日本に貴重な提言を行なう賢者として、日本のメディア、出版界から厚遇を受けている。






私生活の検証 - 結婚、離婚、子供の誕生 -


最後に結婚、離婚、子供の誕生などを検証すると、射手座ラグナの検証が完璧なものとなる。


バイオロジカルファクト(生物学的事実)である為、その出来事の意味に関して、異なった解釈の余地を与えない為である。







ジム・ロジャーズは、以下のように3回結婚して、現在、3度目の結婚相手とシンガポールに住み、2人の子供が誕生している。



 
1966年 ロイス・ビーナ―と結婚 (木星/金星)

1969年 離婚 (木星/太陽→月)

1974年 ジェニファー・スコリックと結婚 (土星/土星)

1977年 離婚 (土星/水星)

2000年 ペイジ・パーカーと結婚 (水星/月)

2003年 長女誕生 (水星/ラーフ)

2008年 次女誕生 (水星/土星)


1966年に最初の結婚をした時、ダシャーは木星/金星期で、木星はラグナロードだが、金星は6室の支配星であることに問題がある。

最初から問題を抱えた結婚であり、相手に不満を抱えた交際だったと解釈できる。







トランジットを見ると、1966年3月半ばから木星が7室に入室して、4月から8月ぐらいまでラグナにダブルトランジットが形成される。

従って、このタイミングで結婚したことが分かる。

離婚したのは、木星/太陽期だが、太陽も6室の支配星と星座交換し、またトランジットでは、離婚した1969年には6室にダブルトランジットが生じている。

前年度から6室にダブルトランジットが形成されていたことが確認できる。

結局、最初の結婚は、結婚してから3年ぐらいで離婚している。

(因みに結婚してから3年ぐらいで離婚する結婚というのは、アンタルシャーのレベルでのタイミングが来たから結婚したか、もしくは、アンタルダシャーのレベルで結婚の最初から問題を抱えており、そのアンタルダシャーの期間内に関係が終了するかのどちらかだと考えられる)

次に1974年に2回目の結婚をしているが、これは土星/土星期に結婚している。







土星はナヴァムシャで、結婚生活の2室を支配し、7室に在住している為、このタイミングも結婚のタイミングである。

然し、2室とはパートナーの7室から見た8室であり、相手がお金目当てで近づいてくる配置である。

最初の結婚もそうだったかもしれないが、ジム・ロジャーズの結婚にはそうした傾向が見られる。

ラグナから見ると3室の支配星が7室に在住している配置でもあり、結婚に問題を抱えた可能性が高い。







トランジットを見ると、土星が7室を通過して、木星が7室にアスペクトして7室にダブルトランジットしている。

ラーフ/ケートゥ軸も1-7軸を通過しており、結婚のハウスが刺激されたタイミングであるということができる。

この結婚は、1977年のやはり3年後に離婚しており、ダシャーは土星/水星期である。

土星は水星の星座に在住している為、アンタルダシャーの水星が優位に働く可能性があるが、アンタルダシャーの7室支配の水星は、土星によって激しく傷つけられている。

出生図では、土星と水星は絡んでおらず、土星は2、3室支配で6室に在住している為、このマハダシャーの土星の質として、結婚が上手く行かなかったことを物語っている。

このタイミングでの離婚は別の相手が現れて三角関係となったり、結婚生活に問題が生じた可能性を示唆している。

そうしたエピソードは経歴には書かれていないが、ナヴァムシャのラグナが、射手座で正しければそうしたことも考えられる。







トランジットを見ると、木星が8室を通過し、8室の支配星をラーフ/ケートゥ軸や土星が通過して激しく傷つけている。

おそらく結婚生活を求めたもののお互いにすれ違いが生じた可能性が考えられる。

また3回目の結婚は2000年で、ダシャーは水星/月期である。

マハダシャーの水星は7室の支配星で、アンタルダシャーの月はラグナに在住し、7室支配の水星と相互アスペクトし、ラグナロードの木星と星座交換している。







初めて相手から与えてもらえる頼れる相手を見つけたということかもしれない。

実際にこの3回目の結婚相手と、メルセデス・ベンツで、世界116カ国を走破する旅も行なっており、このように一緒に活動することに楽しみを見出せることは、結婚生活のハウスが強いことを物語っている。







結婚した2000年のトランジットを見ると、まず前年度の1999年5月に木星と土星が恋愛の5室にダブルトランジットを形成し、2000年6月に土星が7室にアスペクトし、木星が7室の支配星にアスペクトして、7室にダブルトランジットを形成したことが分かる。

次に子供の誕生だが、2003年の水星/ラーフ期に長女が誕生している。







サプタムシャを見ると、水星はラグナの支配星で、ラーフは5室に在住している。

2008年の水星/土星期に次女が誕生しているが、水星はラグナの支配星で、土星は9室の支配星である。






2003年のトランジットでは、土星が9室にアスペクトし、逆行の木星が9室の支配星にアスペクトして、9室にダブルトランジットが生じていた。

また2008年の場合、2008年1月1日から5月まで土星が9室で逆行し、5室の支配星にアスペクトし、木星は5室と9室にアスペクトして、5室と9室にダブルトランジットが生じていた。







5月以降に土星は順行に戻ってしまうが、12月まで土星と木星は9室にダブルトランジットを形成していた。

従って、ダシャー、トランジットともに子供の誕生のタイミングを示している。

おそらくジム・ロジャーズのラグナは射手座ウッタラアシャダーの第1パダであり、ナヴァムシャのラグナは射手座で、ダシャムシャのラグナは乙女座、サプタムシャのラグナは双子座である。

ジム・ロジャーズの蝶ネクタイを付けた人の良さそうな紳士的なファッションスタイルは、良い家柄の貴族的な雰囲気を醸し出しており、太陽を支配星とするウッタラアシャダーの性質が出ているのではないかと思うのである。







ジョージ・ソロスに比べると徳性があり、正直で誠実な印象が漂っており、人からの人望などもあり、ウッタラアシャダーの特徴に溢れている。

プールヴァアシャダーも似たような特徴はあるが、支配星が金星である為、バラニー、ウッタラパールグニーと同じく諜報の能力を発揮して、社会の陰謀や裏事情にも通じてくるのだが、ジム・ロジャーズの書いた著作を見ても、そのような感性は伝わってこない。

もう一つの材料として、ジム・ロジャーズは、1966年にオックスフォード大学の修士課程を卒業した後、数年間、アメリカ陸軍に所属している。

軍隊に所属したのは、出生図だけでなくナヴァムシャでも火星が10室に在住していたからではないかと考えられるのである。

ちょうど入隊した時のダシャーは、木星/金星期(1965/8~)で、次が木星/太陽期(1968/4~)である。

金星は乙女座のチトラー(火星)に在住して、チトラーに在住する火星とコンジャンクトしている。

また太陽も天秤座側のチトラーに在住している。

アンタルダシャーの金星と太陽のどちらも火星を支配星とするチトラーに在住し、火星は10室に在住している。

従って、この時期に軍隊関係の仕事に就いたということが理解できる。

また軍関係の仕事に就いたのは、ナヴァムシャでも火星が10室に在住しているからだと考えられるのである。






サプタムシャのラグナとナヴァムシャのラグナの移動を同時に見る


今回、ナヴァムシャのラグナを絞り込む際にサプタムシャが力を発揮してくれたことが大きかった。

出生図のラグナが射手座だと分かったので、後は9通りのナヴァムシャを移動して、ナヴァムシャのラグナとサプタムシャのラグナがどうなるかを確認するのである。

その際、サプタムシャは子供が誕生した時のダシャーの支配星が明確に分かりやすいため、子供の誕生を説明できるように出生図の射手座の範囲内で、サプタムシャのラグナを移動しながら、ナヴァムシャのラグナも同時に見ていくと、サプタムシャとナヴァムシャで、事象と矛盾しないラグナを見つけ出しやすいことが分かった。

ポイントは、出生図のラグナが分かったら、サプタムシャのラグナを移動しながら、ナヴァムシャのラグナの推移を同時に見ていくというやり方である。

そうすると、ナヴァムシャのラグナを絞り込みやすいことが分かった。

結婚や子供の誕生を経験している人であれば、この方法が使えそうである。






ダシャムシャ

最後にダシャムシャであるが、出生図のラグナとナヴァムシャのラグナを射手座にすると、自動的にダシャムシャのラグナは乙女座付近に設定される。







乙女座ラグナだと、ジム・ロジャースがクォンタムファンドで、4000%のリターンを出し、巨額の富を得たのが、マハダシャー土星期である。

土星は、5室支配で11室に在住し、2、9室支配の金星と相互アスペクトして、2-5、5-9、5-11のダナヨーガを形成している。

ジョージ・ソロスと共同で創業しているが、ジョージ・ソロスの方が12歳年上で、ウォール街の先輩格であったかもしれないが、一応、ウォール街で有力な人脈を築いていることから、11室の象意が該当し、5室支配の土星が11室に在住しているという配置で正しいことが分かる。

起業の2室支配の金星と5室支配の土星が5-11の軸で、相互アスペクトしているので、この時期に起業して大成功したのである。

次に水星期は自分でファンドを起ち上げて、投資を行なった時期であるが、上述したようにあまり成績は芳しくなかった。

水星は、1、10室支配で起業の2室に在住しているが、12室支配の太陽とコンジャンクトしている。

従って、水星期に利益だけがもたらされたのではないことを物語っている。

ラグナロードの水星は11室支配の月と相互アスペクトして、1-11のダナヨーガを2-8軸で形成しているので、マイナスにはならなかったが、他の優れた投資家と比べると、パフォーマンスは劣っていたようである。

土星期にジョージ・ソロスとクォンタムファンドを立ち上げる前は、見習いアナリストとして、ウォール街で働いたり、投資銀行に勤めたりしていたようである。

この頃はマハダシャー木星期である。

この時期も仕事運は悪くなかったと思われ、それは4、7室支配の木星が7室で、ハンサヨーガを形成していることに現れている。

木星期の前半は、学生時代でもあるが、ボート部に所属して、充実した学生生活を送っていたようである。

こうした学生時代の活動に関しては、サークル活動などにダシャムシャの強さが現れると考えられる。




ジム・ロジャーズの本質

このようにジム・ロジャーズは射手座ラグナであることが分かったが、ナヴァムシャもおそらく射手座ラグナで、ラグナがヴァルゴッタマで非常に強いことが分かる。

これは典型的な射手座の冒険好きなパーソナリティーをもたらしたと考えられ、また学生時代に奨学金に恵まれたり、投資家として株式のキャピタルゲインや配当による不労所得に恵まれたことは、ラグナロードの木星が8室で高揚していることに現れていると考えられる。

また月から見た8室で水星がムーラトリコーナの配置で惑星集中もしており、減衰する金星によるパラシャラの例外則が、ラグナからも月からも形成され、更にニーチャバンガラージャヨーガも形成している。

ジム・ロジャーズは、投資家でずっといたい訳ではなく、陸軍に所属したり、ビジネススクールの客員教授になったり、バイクで世界一周をしたり、著述をしたり、テレビ番組の司会者になったりと、様々な分野にチャレンジしたい性格で、投資は人生の一つの要素に過ぎなかったようである。

現在、マハダシャー金星期で、金星はダシャムシャでは、2、9室支配で5室に在住し、5室支配の土星との間で、2-5、5-9のダナヨーガを形成している。

また5室は著述や出版、イベントのハウスである為、これからジム・ロジャーズは更に活躍していくと考えられる。





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