12月16日、学校が休みの為、渡し船で磯に釣りに行くことにした。
これまでの数日間は教習の学科、技能と、全く簡単ではなく、久しぶりにマニュアル車に載った為、クラッチ操作などに慣れず、余裕がなくて釣りに行く所ではなかった。
偶々であるが、無事故、無違反で表彰されているような学校で、厳しいことで有名な学校であった。
部屋に閉じこもって学習しなければならず、空いた時間に少し周辺の海を散策したり、浅瀬でちょっとした軽い釣りをするぐらいで、遊んでいられる状況ではなかった。
然し、教習も後半に入り、まもなく卒業できるかといった段階に到達したので、休日、渡し船で磯に行き、釣りをするぐらいの心の余裕が生まれた。
民宿を兼業している渡し船屋に連絡をすると、朝6時に出航するので、5時頃、車で迎えに来てくれるということになった。
福江島の港から最も遠い最西端の港町である。
小さな商店のようなものがぽつぽつあって、近くに温泉などもあるようである。
宿に着くと、私の他に既に台湾から来たという3人組の常連客もいた。
毎年、年に何度か訪れていて、10日ほど滞在するという。
まだ暗い中、船に乗り込んだ。
磯にはそれぞれの釣り人を各々ポイントに卸していって、船はいったん港に引き上げる。
そして、夕方また迎えに来るというシステムである。
私をポイントに降ろした後、船は次のポイントに向かっていった。
日が昇ったばかりの朝方の磯は非常に気持ちがよかった。
早速、私はルアーを海へ向けて投げ始めた。
今回の釣りは、主にルアー釣りで、ルアーを何度も岸から投げて、アクションを付けながら引いていくといった忙しいもので、スポーツに近いものである。
私がイメージしていたのは、ブリやカンパチ、ヒラマサなどの青物と呼ばれる巨大な回遊魚たちが、うじゃうじゃと泳いでいる磯で、巨大な魚が何匹も入れ食い状態で、釣り上げるといった映像である。
それが幻想に過ぎないことは、初めてから数時間で分かった。
投げては引くの繰り返して、いっこうに成果は上がらなかった。
すると、11時ぐらいからか私がいたポイントに地元の人がやって来て、隣で釣り始めた。
慣れているのか、撒き餌を撒きながら磯竿で何匹もメジナ(グレ)を釣りあげている。
私は全く釣れなかったが、磯に上陸してまもない朝方、まだ一人で磯にいた時に小魚の大群が岸辺りを回遊してきた後を数匹のブリ(後で聞いたら、そうだという)が、捕食の為に追いかけて岸すれすれを悠然と泳いでいるのを目撃した。
とっさにルアーをそのブリの回遊する真ん中あたりを通過させてみた所、おそらくブリがルアーに食いついたのか、竿先が強烈に海に引き込まれた。
私は興奮してリールを巻いたが、リーダー(ハリス)が細すぎたらしく、糸はぷっつりと切れてしまった。
興奮冷めやらぬ中、魚は逃してしまったが、私はその一部始終に大満足した。
大型の青物の回遊する魚影が目視で岸から確認できて、私のルアーに食いついただけでも満足だった。
もしこれが魚との格闘となり、実際に魚を釣り上げるとなれば、その興奮はマックスに達するはずである。
釣り人がやみつきになり、やめられなくなるのは、このクライマックスを味わう為である。
一度、体験したら、もう一度、体験したくなることは間違いない。
その後、何度もルアーを投げたが、もうその体験は終わりまで得られなかった。
チャンスは一度切りだったのだ。
午後1時前後に現地の人が「おじさん」と呼んでいる魚が一匹釣れた。
ルアーで釣れた記念すべき初の魚である。
これが私の素人の釣り体験である。
射手座に土星が入室してから私の頭をとらえて離さなかった釣りへの憧憬(巨大な青物たちとの格闘)は、今回、成功とは言えるものではなかったが、とにかく経験として、しっかりと現象化はした訳である。
そこで話の伏線として、面白いことがあったが、この経験から私は射手座と身体性について考えるきっかけとなった。
それは私が釣っていたポイントにもう一人別の釣り人が、午後2時ぐらいに現れたのである。
その人はしばらくは私の隣で磯竿で釣っていたが、暫くして私のルアーの投げ方がこうした方がいいとか、色々アドバイスして来たのである。
糸と糸の結び方はこうした方がいいとか、ルアーと糸の接点となる金具の選択とか、ルアーの選択方法とか、リールのスプール(巻き)が緩すぎるとか、色々なアドバイスをしてくれて、私の竿を取り上げて投げ方の指導や、糸の結び方の実演などが始まった。
まさに釣りの教習のような感じとなったのである。
私が揃えていた釣り道具がやたらといいものであったので、最初は熟練者だと思ったが、だんだん様子が違うことが分かったので、声を掛けたということであった。
釣り人:「五島に来るためにこれらの道具を揃えたのですか?」
私:「はい、道具だけは揃えましたが、全く素人です(苦笑)」
それで親切にも色々と教えてくれることとなった。
前の週に隣の岩場で、5kgのタイをルアーで釣り上げたという話であった。
私が渡し船でやっとのことで来たポイントは、”嵯峨の島”という島の岩場で、何故、地元の人が私のポイントに来れたかというと、福江島から定期船が出ていて高い渡し料を払わなくても実は安く来れるようなのである。
それで地元の人は、島にバイクなどを置いて、船着場から磯まで、大分、距離があるようだが、バイクを走らせて釣りに来るらしいのである。
私がいたポイントの後ろの岸壁から突然、人が現れたのでびっくりしたが、そういうことだったのだ。
後ろの岸壁はかなり急な斜面で、転落すると確実に死ぬのではないかと思える危険な崖となっている。
そこから割と足場がしっかりしている場所を軽いロッククライミングのように伝って、磯に下りて来れるようである。
磯で一人で夕方まで釣っているのが本来だったのだが、私の経験は、思わぬ隣人が訪れることでユニークなものとなった。
夕方、16時頃、船が迎えに来て、出発した港に戻った。
小さな港町があって、地元の人が行く温泉があったので、そこに寄ってから帰りの路についた。
非常にいい所で、隠遁した人は、こうした小さな港町で暮らすのもいいかもしれない。
海が近いので、毎日、磯に行って、釣りが出来る。(釣り好きな人にはたまらない場所だ)
この日、私は金星/土星/土星/金星/ラーフ期だった。
プラーナダシャーのラーフが、スークシュマダシャーから見て5室の射手座に在住しているが、そのプラーナダシャーのラーフに現在、木星、土星、太陽、ケートゥがトランジットしている。
金星/ラーフというパターンは、私が豪快に遊びをするタイミングであり、今までもいつもそうだった。
磯で出会った釣り人から色々釣りについて教えを受けた体験から色々考えていたが、木星が11月5日から射手座に入室してから、私の射手座9室に土星と木星がダブルトランジットしている。
9室は師匠(教師)のハウスである。
それで、私はこのタイミングで自動車学校に入り、安全運転の為の矜持を唱える宗教団体のような学校で運転について教わることになった。
そして、こうして磯に来ても地元の釣りの達人のような人から釣りの技術について教わったのである。
これらの体験は明らかに9室の体験である。
そして、射手座9室に在住する惑星は3室(スポーツ、踊り、パフォーマンス)にアスペクトしている為、身体の使い方や運動技能に関する訓練(3室)を受けたのである。
考えてみると、典型的な射手座の象意とは、パラグライダー、ロッククライミング、トライアスロン、スキューバダイビングなどのアウトドアスポーツであり、アスリートとして高い運動能力を持っている人も多い。
従って、射手座とは、身体を使うスポーツや技芸の教師であるというパターンが多いのではないかと思う。
例えば、射手座といえば、自己啓発セミナーだが、そうした自己啓発セミナーの内容は、体験型だったり、参加者が実際に体を使って身に着けるようなものが多いのである。
決して、頭だけで思弁的に考えているようなものではない。
そういう意味で、射手座と身体性というのは切っても切れない関係性がある。
だから私もそうした9室射手座にダブルトランジットが生じている間、運転技術や釣りの技術について学んだのである。
これは私の場合、3室がダシャーやトランジットで絡んでいるからということもあるが、決してそれだけではなく、射手座そのものに身体性があり、身体運動と関係があるのである。
私の場合、射手座9室にラーフが在住し、ラーフ/ケートゥ軸が双子座/射手座軸にある。
そして、射手座には3、6室支配の水星と10、11室支配の土星が双子座からアスペクトしている。
従って、私の射手座の体験というものは、決して楽なものではなく、しんどいものである。
この1ヶ月という生活は、特に対人関係面において、決して、楽なものではなかった。
それは、この双子座/射手座軸で、形成されるハウスの絡みそのものである。
更に言えば、射手座に土星がトランジットした2017年頃からの生活というものは決して楽なものではなかった。
例えば、ビットコインなどの資産運用についても屈辱的な経験をした。
それらはまさにチャートに描かれたそのものであり、寸分の狂いなくその通りである。
チャートに描かれていないことは全く体験しておらず、チャートに描かれたことをまさに正確に体験している。
コメント
コメント一覧 (2件)
沖縄の魚屋でしか見たことなかったです。
釣れちゃうなんて羨ましいです。
現地の人が「おじさん」「おじさん」と言うので、何のことかと思いました。