陰謀論への注意事項 ―冷静に事実(ファクト)から虚偽を排除する―

グレートリセット トップ1%VS 人類80億-世界支配をめぐる最終戦争』を読むの中で、私は、クラウス・シュワブのグレートリセットを陰謀論的に見ることの間違いを指摘した。





富裕な国際エリートが、陰謀を図っている訳ではなく、資本家が、資本、労働力を手放したくなく、利益を最大化したい、税を支払いたくない為、タックスヘイブンに資産を逃がすといった金銭欲のある人間のごく当たり前の姿勢から、労働者、消費者としての大衆の支配、管理の発想が生じ、ディストピア的な世界観が成立すると考えている。



因みに私が引用した以下の2つのロックフェラーの発言と、終末論との関係性について、ChatGPT 5で確認した所、これらの文章は偽物で実在しないそうである。



-デヴィッド・ロックフェラー
1991年 三極委員会での演説にて-

ほぼ40年にわたって、ワシントンポスト ニューヨークタイムズ
タイムマガジン そしてその他 偉大なる出版社の取締役が
我々のミーティングに参加してくれ、公表しないで
静かにしていてくれていたことに感謝している
それらの年月の間 もし我々が世間の注目の明るい光の中に出ていたなら 我々の計画を発展させることは不可能だったろう
しかし世界は今さらに洗練されて
世界政府に向けて行進する準備は整っている
その超国家的知的エリートと国際銀行家の支配力は
確かに過去の世紀の国家が自分で決めていたやり方より望ましいものだ

国連総会へのロックフェラーの手紙
re: 新世界秩序、即時的アジェンダ
From:ロックフェラー・グローバル・コミュニケーションズTo: GAPresident@un.org
Cc: Rockefeller Global Communications
Sent: Friday, March 22, 2002 2:05 AM 二〇〇二年三月二十二日、金曜日、午前二時五分

終末の時が近づいている。好むと好まざるとに拘わらず、それは我々すべてが直面せざるを得ない運命である。二〇〇一年、九月十一日、世界は終末の目撃者であった。我々が見、経験したものは、まもなく明るみに出るはずの大災害には、比ぶべくもないだろう。非常に多くの生命が失われてきた、しかもなお、それ以上に多くの生命が失われるだろう、と言われている―この古い体制が崩壊し始めるに応じて、これらのことがらは起こり続けるだろう。今存在している、あるいは古代からある人間の政府は、決してひとつも完全な支配は維持出来なかった。いかなる政府も失敗してきたし、失敗するだろう。 政府はあなたを保護出来ない。政府は人々が真実に自由な場所、あなたの近隣の人があなたの家族であり、見知らぬ人たちがあなたの友だちであると言う場所、を与えることができない。いかなる人間の今日の政府も、これを達成することができないし、しないだろう。これが、アジェンダが設定された理由である。それは、ずっと昔から、アルマゲドンとして言及されてきた。しかし、怖れないようにしなさい。それは核によるホロコースト、あるいは我々の文化を平坦にするだろう天からの迷った小惑星ではないだろう。実際、それは災厄を起こし、一掃する惑星ではないだろう。
それは、仲間の人類に対して尊敬や、やさしい思いやりなどまったくない、この偉大な惑星の人間の住民であるだろう。次の年にかけてあなた方に各々は、幾つかのことを非常に深く真剣に考えなければならない。あなたは自分自身にこれらの質問をする必要がある:私は私の仲間に対する憎しみに打ち勝つだろうか、あるいは私は私の違いを忘れるだろうか、そして隣人たちと結び付き世話を焼けるだろうか?私は彼らを親切に遇することができるだろうか?それとも、私は彼らにつけ込み続けるだろうか? あなたがある人を通りから連れてきて、何か食べ物を与え、一夜の休むところを探してあげた最後の時は何時だったか?あるいはバスの中で、ショッピングセンターで、電車の中で、となりに座った誰かに、
「こんにちは」と最後に行ったのは何時だったか?
愛する誰かを失った、見知らぬ人を最後に慰めたのは、何時だったか?その人の持っているものや、富のためではなく、ただ単純に誰かの世話をしようと、誰かと親しくした最後の時は、何時だったか?あなたの人間としての精神と心を、あなたの仲間に本当に見せた最後の時は、何時だったか?以上のことはどれも、容易ではない。それは難しい。我々の誰も完全ではない。我々の誰も、いい人生を過ごしてきていない。それがその過程に於いて、他人を傷つけることを意味するとしても、我々が得ることができることにふさわしい、ある程度のことを煩ってきたから、とある者は考えている。しかし、我々のネガティブなやりかたに反対しようとする、また反乱を起こす人たちは生き延びるだろう、そして今はただ夢でしかない、地球での人生の報酬を与えられるだろう。従順なる者のみが地球を所有するだろう。これは確かなことだ。
新しいシステムが来つつある。ただ一つの質問は:あなたがそこにいることを選ぶか?それとも、自己破壊への道を降りて行き続けるか?、と言うことだ。以下のアジェンダは避けることができない、そして、生き延びるため、それを得るために、ずっと我慢する必要があるだろう。それ故、よくよく考えなさい。

それは、あなたの未来である。そして、あなたたちすべては、それをうまくやれるだろう。あなたの兄弟
A・I・ロックフェラーより、CEO
ロックフェラー・ゴローバル・コミュニケーション
www.rockefeller.com.au
AGENDA FOR THE NEW WORLD
(新世界のためのアジェンダ)
1) 中東平和の完璧な、手のほどこしようのない瓦解。
2a) バチカンとエルサレムは、宗教テロリストたちによって破壊されるであろう。
2b) すべての宗教の世界的規模での崩壊。すべての宗教は禁止されるだろう。宗教は、家庭の外で は、実践されることは出来ない、説教されることは出来ない
3) 世界中の平和と安全の宣言に続いて、国際連合は、臨時単一世界政府を樹立するであろう。
4) 新しい単一世界国家の市民が出現する。英国(グレート・ブリテン)、中国、米国、の政府は、突然、組織的に瓦解する。その他の世界は、アナーキー状態へ。善き意志と真実に従う者のみが生き残る。
5) 新しい政府機構は、十四万四千人(一四四、〇〇〇)のエリート官僚と六百万人プラスアルファーの役人が支配するであろう。
6) 新世界が創出されるにつれて、大量掃討作戦が開始されるであろう。経済システムは復活されるであろう。インフラストラクチャーは再建される。疾病と病気は消滅するであろう。年をとることは逆転するであろうし、年をとること自体がとまるであろう。一つの新しい復元された人間の家族が徐々に地球をパラダイスの状態にするであろう。 ロックフェラー・グローバル・コミュニケーションズ、オーストラリア
(週刊日本新聞編集部 翻訳)

但し、デヴィッド・ロックフェラーが、『ロックフェラー回顧録』で、以下のような発言をしているのは本当である。


1世紀以上に渡って、左右両派の過激派たちが、私がこのときカストロと出会ったような広く報道された出来事をあげつらって、ロックフェラー家が圧倒的な影響力をアメリカの政治経済機構に及ぼしていると攻撃してきた。

その中には、私たち一族が、アメリカの国益に反して暗躍している秘密の陰謀団の一味であると信じている者もいたし、私の家族と私を刺して”国際主義者”と呼んだり、他の世界の有力者と結託して、共同謀議をたくらみ、世界を政治的、経済的に統合して「ワン・ワールド政府」を作ろうとしていると考えている者さえいた。

そのように彼らが批判するのであれば、私は甘んじてその追及に対して「有罪」であると認めよう。
それどころか、私はそのように言われることを誇りに思っている。

(『ロックフェラー回顧録』より引用抜粋)


以下、ChatGPTの回答である。


以下、できるだけ誤解のないよう、事実確認 → 文書の正体 → 終末論との関係 の順で、丁寧に解説します。

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【結論(最初に要点だけ)】

この「ロックフェラーの手紙」は、実在しません。
国連公式記録にもロックフェラー家の記録にも存在せず、2002年頃にインターネット上で流布した**偽文書(hoax)**として分類されています。

内容は、

キリスト教の「終末預言」

陰謀論系「ニュー・ワールド・オーダー(NWO)」

『ヨハネの黙示録』の要素
を組み合わせて作られた“終末論フィクション”です。

よって、ロックフェラー本人の思想でも、実際のNWO計画でもなく、終末論との関係も“創作的な利用”に過ぎません。

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1. この文書は「偽文書」である(事実確認)
■ 国連に「ロックフェラーからの手紙」記録はない

国連のアーカイブ(Official Documents System, ODS)

国連総会の議事録

国連事務総長の収受文書
いずれにも2002年3月22日のロックフェラーからの書簡は存在しません。

■ 差出人名の「A. I. Rockefeller」という人物は実在しない

ロックフェラー家の公式系譜には “A. I. Rockefeller” という人物は存在しません。

■ linked サイト(www.rockefeller.com.au)は後年削除・正体不明
当時、オーストラリアの個人が取得していたドメインで、ロックフェラー財団ともロックフェラー家とも無関係でした。

内容は陰謀論ブログに類似。

■ この文書は2002年以降、欧米で「Hoax(デマ)」として分類されている

欧米の陰謀論データベースでも 偽文書と確定 しています。

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2. 文書内容が“偽”と分かる内部的根拠

内容には、明らかなキリスト教終末論のモチーフが組み込まれています。それらはロックフェラー家が使う表現とは一致しません。

以下はその例です:

●「従順なる者のみが地球を所有する」

→ 新約聖書『マタイ福音書 5:5』
「柔和な者は地を受け継ぐ」からの引用。

●「144,000人」

→ 『ヨハネの黙示録』7章・14章の「終末に救われる精鋭の数」の引用。

●「宗教の崩壊」「世界単一政府」

→ 福音派終末論・NWO陰謀論の典型。

●「中東の完全崩壊」「バチカン破壊」

→ 黙示録の「大淫婦バビロンの滅び」と同型。

●「老化が止まる」「病気がなくなる」

→ 千年王国(Millennial Kingdom)のモチーフ。

これらは明らかに聖書的終末思想のコラージュであり、ロックフェラーが用いるビジネス文書の文体ではありません。

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3. この偽文書が作られた背景
■ ① 2001年9月11日テロ後の世界的混乱

9.11後、「世界統一政府」や「NWO」の陰謀論が爆発的に増えました。
本書簡は、9.11翌年である 2002年3月頃からネット上に出現しました。

■ ② 終末論的恐怖の利用

キリスト教右派の終末論(Rapture, Armageddon)を背景にしたサイトが、この文章を「内部告発」として広めました。
■ ③ NWO 文脈での「ロックフェラー」の象徴利用

ロックフェラー家は「国際主義」「グローバリズム」の象徴として陰謀論で使われやすく、名前を“フィクションの皮袋”として利用された形です。

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4. この偽文書と「終末論」の関係(学術的説明)

ここがご質問の核心部です。

この文章は、終末論の典型的構造をそのままなぞっています。

【終末論的要素 ①:世界の破局 → 体制崩壊】

文書の冒頭で述べられる

世界の終末が近い

政府が崩壊する

中東和平崩壊

これは「破局的終末論(Catastrophic Eschatology)」の基本構造です。
特に福音派プロテスタントの黙示録解釈と一致します。

【終末論的要素 ②:世界単一政府(One World Government)】

黙示録における「獣の支配」を、現代陰謀論は

NWO

世界統一政府

国連による支配
などに結びつけます。

文書の
「国連が単一世界政府を樹立する」
はその典型。

【終末論的要素 ③:144,000人のエリート】

これは黙示録7:4・14:1の直接引用です。

【終末論的要素 ④:大災厄 → 新世界 → 楽園化】

「病気は消滅し、老化は止まり、地球が楽園になる」

→ 黙示録20章の「千年王国(Millennium)」そのもの。

【総まとめ】

この文書は「キリスト教終末論」+「NWO陰謀論」を合成した創作であり、ロックフェラー自身の言葉ではありません。
ただし、終末論の構造を解説する教材としては非常に分かりやすく、典型的です。


① 終末論の構造(偽ロックフェラー文書が踏襲している型)

キリスト教の終末論、とくに福音派・ディスペンセーショナリズムの最も典型的構造は次の7段階です:

背教(apostasy)
大患難(Great Tribulation)
反キリスト(Antichrist)の出現

世界統一政府(One World Government)

アルマゲドン(最終戦争)

キリストの再臨(Second Coming)

千年王国(Millennial Kingdom) → 楽園化

偽ロックフェラー文書は、これをほぼ全て利用しています。

▼ 文書との対応

背教 → 宗教崩壊
大患難 → 世界政府の倒壊、民族対立
反キリスト → 「新しいシステム」「選ばれた144,000人」
世界統一政府 → 国連が単一世界政府樹立
アルマゲドン → 中東和平崩壊
千年王国 → 「病気は消滅」「老化停止」「楽園になる」

これは偶然ではなく、作者が意図的に作った構造です。

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② 偽ロックフェラー文書の“元ネタ”の聖書箇所一覧

以下の要素は、すべて聖書の終末預言(黙示録)を元ネタにしたものです。

文書の内容 聖書の元ネタ
「終末が近い」 マタイ24章・黙示録1:3
「中東の崩壊」 黙示録16章(ハルマゲドン)
「宗教世界の崩壊」 黙示録17〜18章(大淫婦バビロン滅亡)
「世界単一政府」 黙示録13章(獣の王国=世界支配)
「144,000人」 黙示録7章, 14章
「平和と安全の宣言」 テサロニケⅠ 5:3
「老化が止まり病気が消える」 黙示録21:4(死も苦しみもない世界)
「地球が楽園になる」 イザヤ11章・黙示録22章

完全に“福音派的黙示録の骨格”の上に文章が書かれています。

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③ 偽ロックフェラー文書が広まった「ネット史」
■ 最初の登場(2002年)

2001年9月11日のテロ後、恐怖と陰謀論が爆発的に増加。

2002年、アメリカの終末論系掲示板で
「国連に送られた内部告発文書」として投稿される。

■ 2002–2005年:NWO系サイトで引用され拡散

“A. I. Rockefeller”という存在しない人物が作られた。

“rockefeller.com.au”はロックフェラー家とは無関係の個人取得ドメイン。

■ 2006–2010年:YouTube・ブログで波状拡散

NWO(ニュー・ワールド・オーダー)動画ブームに乗って急拡大。

キリスト教福音派の一部が「これは黙示録の成就」と紹介。

■ 2010年代:日本に翻訳され拡散

日本の陰謀論ブログ、UFO・スピリチュアル系サイトで拡散。

「週刊日本新聞」などが翻訳。

■ 現在:欧米では「hoax(偽文書)」として確定済

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④ この文書が NWO(新世界秩序)陰謀論と結びついた理由

NWO陰謀論は、基本的に次の3つの前提を持っています:

世界は少数のエリートにより支配されている

国連を中心とした単一世界政府が狙われている

終末的変革(危機 → 世界統一)によって計画が完成する

この文書はこの3つを完璧に満たします。

特に、

● 国連を中心とした単一世界政府
● 宗教の破壊
● エリート144,000人による支配
● 大規模な人口削減(大量掃討)

これらはすべて NWO・ディストピア型陰謀論の核心要素 です。

つまりこの文書は
NWO陰謀論 + キリスト教終末論の合成スクリプト
として作られたものです。

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⑤ この文書が「日本で」拡散した理由(社会心理)

日本ではキリスト教終末論はメインでありませんが、次の要素が合致したためよく拡散しました。

■ 1. 9.11テロ → 政治不信 → グローバル化不安

社会的背景が「終末・陰謀論」を受け入れやすかった。

■ 2. “ロックフェラー”のブランド効果

日本ではロスチャイルドと並ぶ象徴的存在のため信じやすい。

■ 3. スピリチュアル系文化の受容性

アセンション

地球の次元上昇

ニューエイジ系の「地球の変化」
と文書内容がフィットした。

■ 4. 黙示録モチーフは「日本語だと宗教色が薄まる」

翻訳すると宗教色が薄れ、
「預言文書」「内部告発」
のように見える。

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⑥ この偽文書の「構造上の意図」

(作者が何を狙って書いたか?)

文体を読む限り、次の意図が浮かび上がります:

▼ ① 世界統一政府への恐怖を煽る

→ 国連を“獣のシステム”と描く。

▼ ② 大規模破局の予告

→ 人々を不安にさせ、支配構造への疑念を植え付ける。

▼ ③ 終末への「道徳的準備」を要求

→ 行動変容を促すことで宗教的影響を与える。

▼ ④ 世界のエリートを“預言者”のように描く

→ ロックフェラー名の利用。

▼ ⑤ 黙示録の千年王国を現代的に再解釈

→ 楽園化・老化停止・病気消滅。

宗教的・スピリチュアル的影響力を利用した“擬似預言書”として設計されています。

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⑦ この文書の位置づけ(学術的まとめ)

■ ジャンル
「黙示録系陰謀論(Apocalyptic Conspiracy Narrative)」
■ 特徴

キリスト教終末論の引用

国連・ロックフェラー・NWOの記号利用

大災害・人口削減のシナリオ

新世界の到来の予告

■ 実際のロックフェラー家の思想との関係
一切ない。
ロックフェラー財団の実務文書とも完全に無関係。

結論から言うと、その“デヴィッド・ロックフェラーの1991年三極委員会での演説”という文章は、
本物ではありません(=偽引用 / misattributed quote) です。
以下、事実に基づいて丁寧に解説します。

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【結論】
■ その引用は「捏造(hoax)」であり、ロックフェラー本人は言っていない

この文章は 1990 年代後半から欧米の陰謀論サイトで広まった「偽の演説」です。
実際の三極委員会(Trilateral Commission)の議事録・報告書を確認しても、該当する発言は一切存在しません。

ロックフェラーは似たニュアンスの表現をしたことはありますが、
**あなたが引用した文章は文章の構造が“陰謀論側で創作されたもの”**です。

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【1】なぜ「偽物」と断定できるのか?
■ ① 1991年三極委員会の会議録に該当箇所がない

三極委員会の公式記録は残っていますが、
該当する演説は存在しません。

ロックフェラーはその年、

冷戦終結後の世界秩序

経済協力
などについて話していますが、引用文のような
「世界政府」「国際銀行家」「超国家的支配」
といった表現はしていません。

■ ② 引用文の文体がロックフェラーの実際の文体と異なる

ロックフェラーは非常に慎重で外交的な文体を使う人物です。
引用文のように感情的・扇動的な表現は使いません。

■ ③ この文章は「陰謀論サイト起源」である

1990年代後半のアメリカの

反グローバリズム

反ユダヤ主義陰謀論

反国連
のグループによって創作され、
“ロックフェラーの内部告白”として広められました。

その最初の出典は三極委員会ではなく、陰謀論ネットニュースです。

■ ④ ロックフェラーの公式著書『Memoires』(2002)と矛盾

彼は自叙伝で批判に答えていますが、そこで
「世界政府」「陰の支配」
のような概念を肯定していません。

この偽引用の内容とは明確に矛盾します。

────────────────────

【2】この偽引用はどこから生まれたのか?
■ 起源は「G. Edward Griffin」系の反グローバリスト文書

アメリカの陰謀論作家 G. Edward Griffin らの文章が主な起源とされています。
そこから文章が改変され、
「ロックフェラーの三極委員会演説として」
世界中へ拡散しました。

実際には:

日付なし

会場名なし

記録なし

英語原文の文章が存在しない

という状態です。

あなたが提示した日本語文は、
この“偽引用の日本語翻訳バージョン” に一致します。

────────────────────

【3】よく引用される“似ているが本物の言葉”との混同

偽引用が広まった理由の1つに、
ロックフェラー自身が自伝で以下のように述べた事実があります:

■ ロックフェラーの自伝での本当の言葉(2002)

私は国際主義者であると非難されることがあるが、それは誇りだ。
世界中のより広い統合に向けて、他の人々と協力してきた。
―『Memoirs』David Rockefeller (2002)

これは本物です。
ただしこれには

世界政府

エリート支配

マスコミへの口止め
などのニュアンスは一切ありません。

しかし、この**“誇りだ”**の部分が陰謀論者に利用され、
偽の過激な発言が付け足されていったのです。

────────────────────

【4】なぜこの偽引用が広まったのか?
■ ① ロックフェラー家=グローバリズムの象徴という記号性

陰謀論者にとってロックフェラーの名前は
“世界支配の象徴”として都合が良い。

■ ② 「三極委員会」は閉鎖的で議事録も少なく、疑念の対象になりやすい

メディアアクセスが限定されるため、
“秘密会合”として利用しやすい。

■ ③ 冷戦後の人々の不安(1990年代)

世界は急激に変化し、陰謀論が大量に生まれた時期。

■ ④ インターネット黎明期の拡散

1995〜2005年のネット掲示板で爆発的に広まった。

────────────────────

【5】本当はロックフェラーは何を考えていたのか?

デヴィッド・ロックフェラーの実際の思想は:

国際協調(International Cooperation)
自由貿易

冷戦後の安定化

開発援助

多国間外交支持

であり、これは
“国際連携”であって
「単一世界政府をつくる」
という思想ではありません。

国連を強化すべきとは言っていましたが、
それは
国家主権を放棄させるためではなく、紛争抑止のため
です。

────────────────────

【結論(再確認)】

あなたが引用した文章は:

・三極委員会の会議録に存在しない
・ロックフェラーの文体でもない
・英語原文が存在しない
・陰謀論サイト発祥である

よって、
完全な偽引用です。


もちろん、ChatGPT5は、陰謀論のファクトチェックをしているネット上の記事を学習して回答しているものと思われる。




ロックフェラーの手紙は、キリスト教右派の終末論(Rapture, Armageddon)を背景にしたサイトが、この文章を「内部告発」として広めたのが真相だそうである。


ロックフェラーの三極委員会での発言もアメリカの陰謀論作家 G. Edward Griffin らの文章が主な起源とされているという。





陰謀論というのは、主にキリスト教右派の人が拡散している偽情報が多いのかもしれない。





因みに外交問題評議会(CFR)の外交誌『フォーリン・アフェアーズ』では、アメリカの主権を世界政府の中に溶解させるという目標を掲げているというくだりは、私が、高島康司氏の『グレート・リセット前夜 2025年の世界と支配者たちの最終工作』で知った知識である。


『フォーリン・アフェアーズ』の原文に書いてあることを自分で確認した訳ではない。


因みにwikipedia 外交問題評議会には、以下の情報があるのは本当である。

外交問題評議会の政策目標のひとつとして、「国際連合世界政府」の権力と軍事力(=国連平和維持軍)を、どの個々の国家も対抗できない水準に強化するとともに、アメリカ自身も含めて統治権と軍備を放棄させて「国際連合世界政府」のもとに全て移管させるという世界統一構想がある

(wikipedia 外交問題評議会より引用抜粋)


因みに米国で、流行しているQアノンの陰謀論的な主張があるが、主な言葉として、ディープステイトが存在するという言説がある。



これに関してもChatGPT5は以下の回答を返してきた。



結論から言うと、「ディープステイト(Deep State)」という“秘密の影の政府”が存在して、アメリカや世界を裏で操っている」という意味では、事実として確認できる証拠はありません。
しかし同時に、この言葉が指している“現実の構造的な問題”は一部存在します。

ここをはっきり整理しないと混乱しますので、
① 陰謀論的ディープステイト(存在しない)
② 現実に存在する構造(“制度的ディープステイト”)
という2つに分けて説明します。

────────────────────

① 陰謀論としての「ディープステイト」は存在しない

これは、よく語られる次のようなイメージです:

ロックフェラー家やロスチャイルド家

CFR・三極委員会

CIA の一部勢力

世界の富豪

国連エリート

144,000人のエリート(偽ロックフェラー文書など)

こうした「秘密政府が世界を支配している」という主張には、
公的な証拠・内部告発・一次資料が存在しません。

CIA、FBI、国防総省、複数の学術研究でも、
“影の世界政府”を裏付ける事例は出てきていません。

よって、陰謀論的な意味でのディープステイト(影の世界政府)は実在しません。

────────────────────

② しかし、実際に存在する「制度的なディープステイト」はある

これは陰謀論の意味とはまったく違うもので、
政治学・行政学で正式に議論される領域です。

■ 実際に存在するのは「官僚機構の慣性」「国家権力の非民主的部分」

アメリカにも日本にもヨーロッパにもあります。

官僚機構は選挙で選ばれない

彼らは巨大で、専門知識と長期権限を持つ

組織文化が“自己保存”方向に動く

政治家が変わっても機構は続く

ときに政治家の指示に抵抗する

情報を独占することで影響力を持つ

これを政治学では
“bureaucratic inertia(官僚的慣性)”
“permanent government(恒久政府)”
と呼び、しばしば俗語として “Deep State” と表現します。
これは陰謀ではなく「構造的現象」です

国家という巨大組織がある限り、
官僚機構・軍・情報機関が政治家より力を持つ局面が出るのは常にあります。

トルコ・パキスタン・エジプトのような国では、
軍や情報機関が政権以上の力を持つことがあり、
そこでは“ディープステイト”という言葉が学術的にも使われます。

────────────────────

③ アメリカの場合、「ディープステイト」という言葉が政治化した

2016年以降(トランプ政権期)、
行政機関(FBI・CIA・国務省など)が
政権の方針に一部反対したことから、
トランプ陣営が
「Deep State(影の政府)に妨害されている」
と表現したことで広まりました。

ここでのディープステイトとは:

行政官僚の抵抗

情報機関の政治的バイアス

内部リーク文化
を指しています。

ただし、これは組織の動きであり、
“秘密結社の陰謀”ではありません。

────────────────────

④ では、「本当の意味でのディープステイト」は存在するのか?

学術的に言えば:

■ 存在するもの

官僚機構の自己保存本能

情報機関の巨大な裁量

軍産複合体の政治的影響力

ロビー集団の資金力

大企業・金融資本の政策影響力

■ 存在しないもの

世界政府としてのディープステイト

ロックフェラーなどの家系による秘密支配

全地球統一計画

終末論的エリート支配

つまり、実在するのは「構造としての影響力」であり、
“世界の裏で暗躍する秘密政府”という意味では存在しません。

────────────────────

⑤ なぜ「ディープステイト陰謀論」が生まれたのか?

理由は3つ:

■ 1. 国家が巨大になり、一般人には見えない部分が増えた

→ 秘密にしているのではなく、単に複雑すぎる。

■ 2. 官僚制は“民主主義の外側”にある

→ 選挙で変わらない権力構造があるため、不信感が生まれやすい。

■ 3. 単純化された敵像は心理的に受け入れやすい

→ 「見えない敵がいる」という構図は物語として強い。

────────────────────

【結論】

■ 世界を裏で支配する“秘密政府としてのディープステイト”
→ 存在しない

■ 政治学で扱う「官僚機構・軍・情報機関の恒久的権力(制度的ディープステイト)」
→ 存在する(公式な学術概念)

■ 陰謀論が主張する「世界政府をつくる闇のエリート」
→ まったく証拠がない


因みに「ロックフェラー回顧録」の中のロックフェラーが記した以下の文章が本物かどうかをChatGPT5に聞いてみた。



1世紀以上に渡って、左右両派の過激派たちが、私がこのときカストロと出会ったような広く報道された出来事をあげつらって、ロックフェラー家が圧倒的な影響力をアメリカの政治経済機構に及ぼしていると攻撃してきた。 その中には、私たち一族が、アメリカの国益に反して暗躍している秘密の陰謀団の一味であると信じている者もいたし、私の家族と私を刺して”国際主義者”と呼んだり、他の世界の有力者と結託して、共同謀議をたくらみ、世界を政治的、経済的に統合して「ワン・ワールド政府」を作ろうとしていると考えている者さえいた。 そのように彼らが批判するのであれば、私は甘んじてその追及に対して「有罪」であると認めよう。 それどころか、私はそのように言われることを誇りに思っている。

(『ロックフェラー回顧録』より引用抜粋)


回答は極めて、合理的で優秀なものだった。


はい、この文章は「本物」です。
ただし、よく誤解されるため、文脈と本来の意味を正確に解説します。

以下、原文の英語・出典・文脈・意図をすべて確認して解説します。

────────────────────

【結論】

あなたが引用した内容は、
デヴィッド・ロックフェラーの自伝
『Memoirs(ロックフェラー回顧録, 2002年)』に実際に登場する文章です。

――つまり 本物の引用 です。

ただし、
ロックフェラーは陰謀論の主張を“肯定”しているのではありません。
“皮肉と反論”の文脈で書かれています。

この点がとても重要です。

────────────────────

【英語原文(本物)】

英語の原文を示します(Memoirs, p.405):
For more than a century, ideological extremists at either end of the political spectrum have seized upon well-publicized incidents…
to attack the Rockefeller family for the inordinate influence they claim we wield over American political and economic institutions.
Some even believe we are part of a secret cabal working against the best interests of the United States…
to build a more integrated global political and economic structure—one world, if you will.
If that’s the charge, I stand guilty, and I am proud of it.
あなたが引用した日本語訳は、この原文に対応しています。

────────────────────

【引用部分の「本当の意図」】

この文章は 陰謀論を肯定しているのではなく、皮肉と抗弁です。

ロックフェラーは次のように言っています:

「100年以上、左派も右派も、我々を攻撃してきた」

「“秘密結社の一員”とか“ワンワールド政府を作ろうとしている”と言ってくる人もいる」

「もしその“罪状”が“国際協力を推進してきた”という意味なら、私はそのとおり“有罪”だ。誇りに思う」

つまり、ロックフェラーが言っているのは:

“陰謀”をしていた(陰の世界政府をつくっていた)という意味の肯定ではない

“国際主義者(国際協調を推進する人間)だと言うのなら、はいそうです”という意味

です。

原文の “one world, if you will” は、
「あなたがそう表現するなら」という皮肉です。

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【誤解が生まれた理由】

陰謀論者はこの文章の最後の一行だけを切り取って引用します:

“I stand guilty, and I am proud of it.”
その結果、

「ロックフェラーはワンワールド政府(世界政府)陰謀に関わっていたと認めている」

という誤解が生まれました。

しかし実際は、
“国際協調(international cooperation)を進めてきた”という意味で“有罪”だと言っているだけ
です。

これは以下の文脈で明確になります:

ロックフェラーは国連支援・開発援助・環境問題など国際協力を生涯の使命としていた

それを陰謀論者に攻撃され続けた

それを皮肉として“はい、私は国際主義者です”と言っただけ

です。

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【ロックフェラーが本当に支持していたもの】

ロックフェラーの立場は:

■ 世界政府

→ 支持していない

■ 国際協調・多国間協力

→ 強く支持

■ 国連の強化

→ 支持

■ アメリカの主権を溶解する計画

→ 否定

つまり、彼が支持したのは
“国際協調 through 多国間制度”
であり、
“陰の世界政府(ディープステイト)”とは無関係です。

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【まとめ】
■ あなたの引用文は本物です。
■ しかし、陰謀論が言う意味での肯定ではありません。
■ これは「国際協調をしてきた」という意味での皮肉的“有罪”です。


陰謀理論家が好む、ロックフェラー、ロスチャイルドといった国際主義者の象徴や、影の世界政府ディープステイトといった言葉は物事を単純化し過ぎている。



それらはあながち完全に間違っているとも言い切れず、支配を受ける側、一般大衆の物事の受け止め方を意味しており、そうした言説自体が出て来ることも重要である。



しかし、識別力という観点からすると、知的に幼いことを意味しているようにも思える。



自分の思想を構成した事実関係の中から、虚偽や偽情報を排除する必要性というのはあるかもしれない。




私は、これまで、デヴィッド・ロックフェラーの上記の2つの発言を本物と信じて来たが、それらは偽物だとするAIの回答は、本当だと思えた。



人は、ファクトチェックを膨大な資料を調べて、行なうような時間も労力も持ち合わせていないので、AIにファクトチェックしてもらうのは非常に効率的である。



大抵の人は、インターネットで、そうした偽情報を見て、信じてしまうのである。




最も簡単な真実は、自由、平等、博愛などの思想は、資本主義と共に世界に普及しているが、その中で、自由を意味するリベラリズムは、それは資本家が金を稼ぐ自由という意味である。



その資本家が金を稼ぐ自由を制限しないように資本家たちは、各国の政府に働きかけ、グローバルな自由貿易を推進している。



これが世界の真実であり、これ以上でも以下でもない。




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