ゴルバチョフの死について -革命家の死-



ミハイル・ゴルバチョフが、8月30日に91歳で亡くなった。


ゴルバチョフは、ペレストロイカ、グラスノスチによって、ロシアに民主化をもたらし、東西冷戦を終結させ、核兵器の削減に取り組むなど、偉大な業績を残したが、現在の民族主義、ナショナリズムが吹き荒れる世界情勢においては、全く評価されていない。


特にプーチンが大統領に就任し、過去のツァーリ(皇帝)の時代を理想として、独裁を強めて来た中で、全く省みられない存在で、忘れられた存在となっていた。


最近、ロシアのウクライナへの侵攻が起こってから、ゴルバチョフにスポットライトが当たり、日本のメディアもインタビューなどしたが、その時が、ゴルバチョフを公的に見る最後の姿だった。


ゴルバチョフの登場がもたらした歴史的政治的意義などについては、前回の記事で述べた為、今回は、ゴルバチョフが死去したタイミングのダシャーやトランジットが、どう死を説明できるかだけ、チェックしてみた。





まず、ゴルバチョフが亡くなった2022年8月30日は、木星/ラーフ/月/土星/土星期である。


木星は、マラカの7室の支配星で、6室支配の土星や逆行した3、8室支配のマラカの火星から傷つけられている。


ディスポジターの水星は、ラグナロードで6室に在住し、12室の支配星とコンジャンクトし、3、8室支配のマラカの火星からアスペクトされている。


木星は、アールドラー(ラーフ)に在住しているが、ラーフはマラカの7室に在住している。


そして、ディスポジターの木星は、やはり、マラカの傷ついた7室の支配星である。


ラーフもマラカの7室に在住しているが、ラーフ期は世界の政治の舞台で活躍した時期で、東西冷戦を終結に導いた。


プラティアンタルダシャーの月は、3、8室支配のマラカで蟹座で減衰する火星とコンジャンクトしているが、ナヴァムシャでも2室支配のマラカで、6、11室支配の火星、8室支配の土星からアスペクトされて傷ついている。


プラティアンタルダシャーが重要である為、このナヴァムシャで月が2室支配のマラカとなり、更に6室支配の火星と8室支配の土星からアスペクトされている配置は重要である。


この配置が死をもたらすことに大きな影響を及ぼしたと考えられる。






そして、スークシュマダシャーやプラーナダシャーの土星は、土星自身が無条件のマラカと呼ばれ、また月から見て、7、8室支配のマラカにもなっている。


ナヴァムシャでは、8室の支配星で、マラカの7室に在住している。


従って、マハダシャーから第5レベルのプラーナダシャーまで、全てマラカに絡んでいることが確認できる。


そして、木星はマラカの7室をトランジットし、土星は山羊座で逆行し、7室魚座にアスペクトして、マラカの7室にダブルトランジットを生じていた。


また土星と木星は、蟹座に在住する3、8室支配のマラカの火星と月の絡みに対してもダブルトランジットを形成している。


これは、プラティアンタルダシャーの月が含まれる絡みである。


つまり、ダシャーで言えば、アンタルダシャーのラーフもプラティアンタルダシャーの月もマラカと絡んでおり、そして、そこに木星と土星のダブルトランジットが形成されている。


更に言うと、魚座を通過中の木星は、現在、逆行している為、一つ前の水瓶座に影響している。


そして、土星は山羊座で逆行している為、やはり水瓶座にアスペクトして、水瓶座にもダブルトランジットが形成されている。


そこには病気の6室であり、マラカの3、8室支配の火星からアスペクトされた傷ついたラグナロードが在住している。




ラーフ期の革命行為 


ゴルバチョフは、ペレストロイカ(再建、再革命)とグラスノスチ(情報公開)を行って、ソビエト連邦に民主化と自由をもたらし、ソ連を崩壊に導いた。


そして、ラーフ期には東西冷戦を終わらせた。


以前の記事『革命家とラーフ -重信房子、バイデン、ソロスのチャートの共通点-』で、双子座のアールドラーが革命と関係していることに言及したが、ゴルバチョフのチャートでもまさにそれが言えることが確認出来た。


まず、ラーフ期はラーフのディスポジターである木星は、双子座のアールドラーに在住しているのである。


木星は出生図でもナヴァムシャでも10室に在住していることを考えると、その行為は、慈善事業、社会奉仕活動であったと言ってもいいかもしれない。


ゴルバチョフのペレストロイカ(再建、再革命)とグラスノスチ(情報公開)は、西側諸国に好意的に受け止められ、西側の民主主義陣営からは、自分たちの仲間であると認識された。




ダシャムシャ(D10)


ダシャムシャを見ると、ラーフは双子座9室に在住しているが、ここでもアールドラーに在住している。






これはジョー・バイデンのナヴァムシャやダシャムシャと比較すると分かるが、バイデンの政治思想は、国際自由主義である。



民主主義や資本主義を推進する立場であり、フリーメーソンの思想であると言ってもいいかもしれない。



バイデンが、ウクライナを使って、着々とロシアを戦争に導き、体制崩壊に導くという深慮遠謀を実行していたとする意見があるが、おそらくその通りである。



老獪で狡猾だが、最終的な革命の目的の為にはその過程での手段は選ばないという過激な思想が、イルミナティー(フリーメーソンが政治に特化したような勢力)の特徴である。



封建的で、独裁者(皇帝、ツァーリ)が支配する国民に自由や民主主義がない国家を何としても打倒しなければならないというのが、フリーメーソンの立場である。



バイデンのナヴァムシャでは9室双子座に土星、ラーフ、月、水星が集中しており、これが過激にフリーメーソンの理念、国際自由主義を推進する理由である。







然し、過激な所があるが、9室への集中であり、それは理想主義であり、彼にとっては慈善事業であり、社会奉仕活動なのである。



宗教的、精神的使命といってもいいかもしれない。



ただ9室のラーフは過激で狂信的な双子座の宗教思想を意味しており、まさに自由や民主主義といった理念の為に政府の転覆を狙って、武力行使をしたり、破壊工作などを行なう過激派のイメージである。



おそらく、ゴルバチョフのダシャムシャの9室双子座のラーフは、同じく、ソビエト連邦を内側から内部崩壊させたという意味では、革命行為なのである。



ゴルバチョフが書記長に就任したというのは、革命家が、国家指導者のポジションに就いてしまったようなものなのである。







ゴルバチョフの出生図のラーフのディスポジターが、双子座のアールドラー(ラーフ)に在住する配置や、ダシャムシャの9室双子座アールドラーに在住する配置から、そのような分析が可能である。



アールドラーは、涙の滴の象徴であり、苦難や悲しみ、波乱をもたらすのである。


またアールドラーは、「古くなったものを吐き出し、来るべき新しいものの為の革命という仕事が宿命づけられている」と言うが、まさにその通りである。



アールドラーはシヴァ神を象徴しているが、シヴァ神は破壊と創造の神であり、パワーを持っている。


革命には、破壊するパワーが必要である為、アールドラーでなければ出来ないのかもしれない。


然し、ラーフはそのやり方が過激であるだけに悪と混同されることがしばしばである。



多くの人が陰謀論で、フリーメーソンやイルミナティーを悪の組織とし、またバイデンを悪と評価するのはその為である。






私自身、バイデンは悪の政治家だと考えていたが、ナヴァムシャを注意深く観察して、おそらく、フリーメーソン的な国際自由主義に仕える崇高な使命から行動していると結論付けざるを得なかった。



もしチャートを吟味することが出来なければ、やはり、表面上の判断で、バイデンは悪党であると評価してしまったかもしれない。



因みに何度も書いていることだが、フリーメーソンとかイルミナティーというのは、歴史上の実際の組織を意味していない。



それは双子座-天秤座-水瓶座の風の勢力に関して、象徴的に述べたものである。



例えば、現代のフリーメーソンとしては、外交問題評議会、ダボス会議、三極委員会、ビルダーバーグ会議などがそれに当たる。



そうした現代のフリーメーソンが、魚座、蟹座、蠍座の水の勢力、すなわち、封建的で、無知と蒙昧に支配された宗教的原理主義などと、対立し、それを打倒していくという過程が、歴史である。



日本も封建的で独裁的な魚座、蟹座、蠍座の水の勢力の筆頭であったのだが、第二次世界大戦で敗れてから、日本国憲法が与えられ、アメリカの子分になり、西側陣営に組み入れられた。


戦前のフリーメーソンの最大の戦略とは、対日封じ込め戦略である。



そして、日本は石油の禁輸措置などが取られ、ハルノートなどで明らかになったが、米国の策謀により、真珠湾攻撃に踏み切るように仕向けられていく。



プーチンのウクライナ侵攻も全く同じような形で、米国によって巧みに軍事侵攻するように仕向けられたとする意見があるが、実際、そうかもしれない。



目的は、戦前の日本と同じように政治体制の転換である。



そのように老獪で狡猾に独裁的な封建国家を陥れて、転覆させ、体制崩壊に導き、世界に民主主義や自由主義、資本主義を広めようとするのが、現代のフリーメーソンなのである。



非常に深慮遠謀に手段を選ばずに理想主義を追求しているのである。







因みにゴルバチョフは、ダシャムシャではラーフが9室に在住している為、宗教的精神的使命を遂行し、世界的に高い評価を得たが、2006年から木星期に移行している。



木星はダシャムシャでは、3、6室支配で2室に在住して、土星や火星から傷つけられている。



この頃は、プーチンが独裁体制を固めて、ロシアが全体主義国家に先祖返りしつつある時期であった。



ゴルバチョフのかつての業績は、批判され、蔑まれ、ソビエト連邦が崩壊した責任をロシアの保守勢力、民族主義者から暗に追及されて来たのではないかと思われる。



それはこのゴルバチョフの傷ついた蠍座の木星が象徴している。



これはゴルバチョフの敵対者が蠍座であることを意味しており、この蠍座の批判的な6室支配の木星は、プーチンの象徴であると言ってもいいかもしれない。



プーチンは、ソビエト連邦を崩壊に導いたゴルバチョフを西側諸国に取り入った行為だと認識しているはずである。




ゴルバチョフ氏に最後の別れ 大統領不在、モスクワで葬儀
2022年09月03日 20時44分 JIJI.com

8月30日に91歳で亡くなったゴルバチョフ元ソ連大統領の葬儀が3日、ロシアの首都モスクワで営まれた。市中心部の歴史的なホールで告別式が行われた後、政治家や著名人が多く眠るノボデビッチ墓地で、ライサ夫人(1999年死去)の隣に埋葬。ソ連崩壊による自由を懐かしむ市民らが列をつくり、最後の別れを告げた。

 葬儀は連邦警護局(FSO)などが支援し「国葬的な要素もある」(ペスコフ大統領報道官)と説明されたが、プーチン大統領は他の国内日程を優先させるという理由で参列しなかった。タス通信によると、日本の上月豊久駐ロシア大使のほか、米英独仏とスペインの各大使、ハンガリーのオルバン首相が姿を見せた。



マハダシャー木星期に移行してから、ゴルバチョフは、長い間、深刻な病を患った上で、木星期の終わりに亡くなったのである。



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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 秀吉先生、

    You Tubeでインド占星術の人が、木星逆行の時は死ぬ人が沢山出てくると言ってましたが、先生はどう思われますか?
    • 木星逆行している場合、社会的に見て、木星の象意である道徳、倫理、精神性といったものに関して、後ろ向きなことが起こる可能性はあると思います。死ぬ人が沢山出て来るかは調べてないので分かりません。

      そうした話をしている方がいたら、その理論のエビデンスとなる社会的事件が何であるかを確認し、その時のトランジットを調べてみて下さい。

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