山王・永野彰一について -全国の山を買い占めた男-




2022年1月に出版された『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)を読んで、日本全国の山物件を数百も所有して、電力会社から得られる電柱敷地料など山の賃貸料で、サラリーマンの年収ほどの巨額の利益を稼ぎ出している「山王」と呼ばれる不動産投資家がいるということを知った。



不動産投資家として、福島県猪苗代町、新潟県柏崎市、三重県津市、新潟県佐渡市、岩手県盛岡市など全国に数百の山(山林)を所有し、電柱敷地料や送電塔線下補償料などを得ており、「山王」と呼ばれている。

(wikipedia 永野彰一より引用抜粋)


私自身、不動産に興味を持ち始めた頃だった為、色々不動産の本を読み漁っているうちにこの本に辿り着いたのだ。


当時はまだ本を出したばかりだったからかあまり有名ではなく、wikipediaのプロフィールページも存在せず、出生データもよく分からなかったが、今では有名になったからか、プロフィールページに生年月日を公開しており、「1990年7月21日 時間不明」である。

場所の記載もないが、時間も分からない為、取り合えず、「1990年7月21日 12:00 東京」で、出生図を作成してみた。


何としてもチャートが見たいと思ったのは、この永野彰一氏が、何故、数百の山物件や不動産物件を所有することが出来たのかに興味を覚えたからである。


占星術的に解明しなければ、気が済まなくなった。





このことには日本における現在の特殊な経済事情も関係しているのだが、30年の不況、そして、少子高齢化、地方の人口減少で、日本で空き家問題が深刻化しており、不動産を親から相続した人々が、その不動産を賃貸で貸し出すことも売ることもできずに固定資産税だけが掛かるという状況に困っているという現状がある。


地方の不動産を親から相続した人々は、その管理に困っており、直ぐにでも手放したいのだが、折角、親から相続したこともあって、高値で売ろうとして、中々、売れないで、放置されたままになってしまっている。


不動産は放置していても傷んでいくばかりで老朽化し、固定資産税もかかっていく。


また山物件であれば、木や草が伸び放題伸びて、道にはみ出して来たら、それを伐採するなど管理しなければならない。


首都圏で暮らしていて、実家の地方の親から不動産を相続した人々は、そうした管理が大変で、0円でも手放したいし、あるいは、お金を支払ってもいいから、欲しい人に売りたいというのが本音だという。


それで、最近、地方の不動産0円物件というのが流行っているのである。


0円にまでならなくても、例えば、200万円で売りに出されている物件が、指値で、50万でどうでしょうなどと価格交渉していくと、所有者の本音は手放したいので、値下げに応じて、不動産を売ってくれるようである。


お笑いタレントの松本明子が、実家の家を相続したが、実家の維持をするのにトータルで1800万円の出費が生じたことを告白し、『実家じまい終わらせました! ~大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』(祥伝社)という著作も出版している。


(参考資料:『空き家になった実家に1800万円かけた松本明子さん 「実家を頼む」との父の言葉で維持し続けた25年』)



松本明子の場合、運良く、500万ぐらいで買いたい人が現れてくれて、最後には売ることが出来たようであるが、これが現代の日本の家の相続問題と空き家問題を象徴している。


それでこうした日本の特殊な状況を利用して、この上述した「山王」と呼ばれる永野彰一氏は、不動産を相続した人々から山や不動産を1円で買いまくっている。


いや、ほとんど0円で譲り受けているといった方がいいかもしれない。(0円の場合であっても一応、買値を1円に設定するようだが、それは買主側に贈与税がかからないのと、売主側に譲渡所得税がかからない為である。)


場合によっては、50万~100万ぐらい出すこともあるようだが、ほとんどの場合、1円で、そして、場合によっては、お金をもらって譲り受けてきたという。


その物件の8割は、賃貸で埋まっており、賃貸収入を得ているそうである。



そこで薄々気づいたことは、この永野氏は、8室が強いのではないかということである。


実際、読者が、永野氏と同じように1円で物件を譲り受けたいと思っても、中々同じように上手くいくとは限らない。


やはり、特殊な運勢の持ち主(つまりは強い8室の持ち主)こそが、不動産をただ同然で譲り受けられるのではないかということである。



それと、後で、分かったことは、永野彰一氏は、不動産投資以外でも、元々、資格王として有名人であったようである。


中学時代に悩んでいた際、自らを変える為に資格取得を開始し、高校卒業までに100の資格を取得したそうである。


ウィキペディアによれば、その資格の数々は、技術系の資格が多く、多岐に渡っている。



主な免許

第二種大型自動車免許、大型特殊自動車免許、大型自動二輪車免許、牽(けん)引免許。
1級小型船舶操縦士、特殊小型船舶操縦士(水上オートバイ)、 特定小型船舶操縦士。
甲種危険物取扱者、測量士補、毒物劇物取扱責任者、甲種(1・2・3・4・5類)乙種(6・7類)消防設備士。
エックス線作業主任者、ガンマ線透過写真撮影作業主任者、二級ボイラー技士、発破技士。
車両系建設機械運転者(整地・解体)、フォークリフト運転者、玉掛作業者、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者、酸素欠乏危険作業主任者、石綿作業主任者、ガス溶接作業主任者、石綿作業主任者、特別管理産業廃棄物管理責任者、甲種防火管理者。
主な資格・検定
日商簿記検定2級、建設業経理士2級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、アロマテラピー検定1級。
銀行業務検定(証券3級・金融商品取引3級)、証券外務員2種、情報処理技術者(初級システムアドミニストレータ)。
応急手当普及員、自動体外式除細動器業務従事者、緊急即時通報現場派遣員。
最年少資格
2012年2月1日現在、本人が取得したとしている資格の中で、自著により公開しているものは以下の通り。

14歳
特定高圧ガス取扱主任者(液化アンモニア)
15歳
東京都公害防止管理者(2種)
消防設備士甲種第4類
認定電気工事従事者
16歳
ゼネラル設備管理技士
17歳
小規模ボイラー取扱者
東京都公害防止管理者(1種)
資産査定主任者3級
特別管理産業廃棄物管理責任者
消防設備士甲種第5類
防犯設備士
冷媒回収技術者
消防設備士甲種第1類

(wikipedia 永野彰一より引用抜粋)


早稲田大学法学部を卒業し、プロ雀士とか、スーパーカー所持者といった肩書も持っている。



こうした資格や肩書の数々は11室の象意であり、つまり、11室が強くなければこのようにはなり得ない。



勝間和代が、公認会計士試験に19歳で合格し、2005年にウォール・ストリート・ジャーナル「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれ、ダボス会議の2009年度ヤング・グローバル・リーダーにも選ばれ、2005年にウォール・ストリート・ジャーナル「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれるといった経歴と同じぐらいインパクトがある。


勝間和代も蠍座ラグナで、11室に月、木星、ケートゥ、火星が惑星集中し、土星もアスペクトして、更に木星と水星が2-11の星座交換をしている。



木星は数が多いことを表す為、資格を沢山習得したというからには木星が11室に在住していることが想定され、またそこに4室も絡んでいる為、家や山などの不動産を数多く所有することになったと思うのだ。



そうした観点で、永野氏のラグナを検討してみた所、おそらく乙女座ラグナであり、おそらく、ラグナはナヴァムシャでも乙女座に在住して、ヴァルゴッタマである。







ラグナが乙女座でヴァルゴッタマになる場合、出生図のラグナは、チトラー第1か第2パダに在住することになるが、ヴァルゴッタマの場合は、第2パダに在住することになる。



何故、チトラーかと言えば、永野氏は、技術系の数々の資格を取得し、取得した不動産に関しては、自分で器用にリフォームなどもして、経費を節約して、不動産投資家として大成功したのである。



また価格交渉などで、平気で、指値で0円で交渉していく辺りのアグレッシブさが、火星を支配星とするチトラーらしさを体現している。



またスーパーカーや高級腕時計などを所有しているらしいが、ダイヤモンドを象徴するチトラーは、そうしたきらびやかな装飾品が似合うことになる。



そして、この乙女座ラグナに設定すると、11室で4室支配の木星が高揚して、不動産の獲得という象意が生じるが、11室で木星が高揚している為、その不動産は質が高く、しかも数も多いのである。



そして、ナヴァムシャも乙女座ラグナだとすると木星は再び4室の支配星で11室で高揚している為、この象意が強調されて強力である。



中古一戸建てと山物件を日本全国に数百持つといったように飛び抜けた実績は、この配置がもたらしたのである。




永野氏が、不動産投資を始めたのは、2016年9月で、長野県岡谷市に空き家を購入したのが初めてだというが、この頃は、土星/月期であった。



このマハダシャー土星期に不動産の大量取得が始まり、しかもその多くが、ほとんど0円で、贈与同然に譲り受けたのは、木星がダシャーロードの土星から見て、不動産の4室の支配星で、相続、贈与、不労所得の8室で高揚しているからである。



また不動産の表示体である火星が、不動産を表すマトリカラカ(MK:4室の支配星に相当)でもあり、8室でムーラトリコーナの座にあることも不動産を贈与同然に譲り受けることが出来る配置である。



しかも土星もナヴァムシャでも射手座に在住している為、木星は再び4室の支配星で、8室で高揚して、ヴァルゴッタマである。



4-8の絡みが尋常でないぐらい強調されて強くなり、全くブレが無く、不動産の取得という目的だけをただひたすら追求できたのである。




そして、ラグナロードの水星は、蟹座のアーシュレーシャに在住しているが、世間の常識を容易に踏み越える配置であり、マニアックに特定の分野の専門家になる配置である。



そして、ラグナロードが運動星座である蟹座に在住していることは、機動力を生かして、日本全国の空き家を購入し、更にそこを拠点にして、その周辺の不動産を買いまくるという非常に活動的な行動力をもたらした。



移動は、トヨタのプリウスの中古車を乗り回して、日本全国駆け巡っているそうである。



この辺りの動きは、リバータリアン的であり、まさに個人主義の蟹座の持ち味がよく出ている。




因みに私が不動産に興味を持ったのは、2022年の終わり頃からで、ネット上で、不動産を探し回るということを無意識のうちにやっていたのである。







空き家バンクや競売情報などを探し回った。







この直前に仮想通貨で巨額の損失を被り、失意の中にいた私は、このままでは人生が惨めなままで終わってしまうと思い、自分の夢を実現する為に離島やその中継地点である近畿地方に不動産を取得したいと思ったのだ。




私の夢は、離島の海の真ん前にある家からカヤックで、海に漕ぎ出して、ヒラマサやブリといった回遊魚を釣り上げるなどして、スポーツフィッシングで、余暇を楽しみたいというものであった。




ちょうど以前、五島列島で自動車免許の再取得で、合宿していたこともあり、五島に不動産を取得したいと思って、色々物件を内覧に行く旅などもした。




東海地方に住む不動産の所有者を訪問して、現地の司法書士に依頼して、売買契約書の作成や不動産登記手続きなどもしてもらうなどもした。




そうした目的地に行く途中の旅では、温泉に入ったり、色々楽しい旅となった。




こうした不動産取得の為の旅というプロセス自体が、非常に私にとって楽しいものだった。




この蟹座に4室の支配星が在住する永野氏の感覚に通じるところがあるかもしれないが、私も4室に4室の支配星が在住し、4-5のラージャヨーガが成立し、そこが運動星座だからか、車で不動産を調べに日本全国を走り回るということを楽しめるようである。




こうしたことをやり始めた時期に前後して、永野氏の著作にも触れて、そのスタイルに感化された。




車中泊をしながら、日本全国を旅するといったことが私の理想だったので、この永野氏の日本全国に不動産を持ち、多拠点生活を楽しむという感覚が、非常に私にも理解できるのである。



私の場合、ジョーティッシュのセミナーをする為に関西など遠方に出かけていくという感覚も全く同じである。




昨年と今年の年初は、大分や広島の呉、沖縄などにも遠征することが出来て、まさにこうした感覚を味わうことの出来る旅であった。




私はどちらかというと、長野や群馬や茨城といった地域よりも九州に魅かれる為、関西を経由して、長崎や鹿児島辺りをゴールにして、旅をするのが好きである。




その際、その中継地点に不動産があれば、そこに宿泊できるので、理想的である。







最後にこの永野氏のチャートをもう一度、見たいが、2024年10月前後からマハダシャー水星期に移行しているようで、現在、水星/水星期である。




土星期は、土星が5室支配で不動産の4室に在住している為、多くの不動産を取得したが、その時期は一段落ついたようである。




既に数百の不動産を取得した為、そこで得られたリフォームの知識を元に「永野建設」という会社をつくり、リフォーム業を始めたという。




また「永野林業」という会社も立ち上げて、沢山取得した山の木材などを伐採して、販売する事業なども行うという。




このように不動産の取得から、別の事業形態に移行しようとしているのは、1、10室支配の水星期に移行した為かもしれない。




水星は、もしナヴァムシャのラグナも乙女座であれば1、10室支配で5室に在住しており、作家の5室に在住している。




従って、マハダシャー水星期になる直前の土星/木星期辺りから、以下のように執筆活動を開始して、これまでの経験をまとめたのである。




『一生お金に困らない山投資の始め方』( クロスメディア・パブリッシング、2022年1月)
『山王が教える1円不動産投資』(自由国民社、2022年5月)
『一生お金に困らない家投資の始め方』( クロスメディア・パブリッシング、2022年11月)
『成功したければ行動しろ!永野彰一の成功哲学』(アルソス、2023年3月)
『丸わかり 実家じまい』(みらいパブリッシング、2024年1月)
『一生お金に困らない島投資の始め方』( クロスメディア・パブリッシング、2024年8月)


(wikipedia 永野彰一より引用抜粋)


これはある意味で、山物件や家物件など優良物件は、永野氏が、ほとんど買い占めてしまい、仕込みは終わったということかもしれない。




それと、台湾有事などの緊張が高まって来た為か、日本の離島(特に「国境離島」や防衛施設など近接する区域)にある物件の取得については、「重要土地等調査規制法(令和3年法律第84号)」の下で届出制が導入されて、九州地方の奄美諸島の離島物件などが、簡単には買えなくなったのである。




この法律は、2021年6月23日に公布され、2022年9月20日に全面施行されているが、私が五島に物件を買った(安く譲ってもらった)のは、ちょうどこの法律が施行された直後だった。



以前は、移住しなくてもセカンドハウスでの利用でも売ってくれたが、今は、もう移住者限定になっていて、買いにくくなっている。







永野氏のダシャーが土星期から水星期に移行したことは、そうした社会の変化も反映しているのではないかと思われた。




但し、日本には、現在、約900万戸の空き家があると言われるため、そんな永野氏一人だけで、買い占められる訳でもなく、この分野にはまだまだチャンスが眠っていると思われる。


1978年の時点では、空き家数は約267万9千戸で、空き家率は約7.6%と低水準だったが、2003年頃から空き家数が急増したという。



2003年は、空き家数は、約659万戸で空き家率は、約12.2%で、2023年は、空き家数は、約900万戸で、空き家率は、約13.8%である。



2024年と2025年の統計データはまだ出ていないが、今後も空き家は増え続け、2040年代にかけて、空き家率は25%前後まで上昇する可能性も指摘されている。




昔は住宅供給不足であり、家を得るには、銀行で高額のローンを組んだが、今後は、皆、郊外で、安い中古一戸建てに住むようになるかもしれない。



また不動産もセカンドハウスなど、2つ以上持ち、2拠点生活などが主流になるのである。



借りるにしても賃貸料はだいぶ安くなるはずである。




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