大西つねきについて - 2021年度衆議院選で惨敗した今 -



最近、大西つねきの姿を見かけないと思ったら、いつの間にか、れいわ新撰組から除籍され、2021年衆院選では、惨敗していたようである。


大西つねきは、2020年7月8日にtwitterで、「高齢者の命の選別をしないとダメ。この国は情緒的すぎなので冷徹にやらなければいけない」と発言し、れいわ新撰組から除籍されていたのである。


そして、今回の衆院選では、フェア党、神奈川4区から出馬し、立憲民主党の早稲田夕季と浅尾慶一郎が、66,841票と63,687で接戦を繰り広げるものの、7790票しか獲得できずに惨敗した。


以前、一度だけ街頭演説をしている所を見たが、誰も立ち止まって話を聞く人はおらず、マイクを持って、独りで、主張を繰り広げていた姿が印象的であった。


私は以前から大西つねきの主張自体には好感を持っていて、特にお金とは負債のことであり、信用創造でいくらでも生み出せるといった話、国家の富とは、国民と国民の経済活動であり、財政出動しなければ、人々の貴重な時間や創造性が失われるといった主張には共感して関心して聞いていた。


大西つねきによれば、政府がこれだけ財政赤字を拡大し、国債を発行し続けたのは、そもそも世の中に流通するお金は、そのほとんどが信用創造による借金であり、1990年代前半までは銀行の民間への貸出によりお金を作りだしていたが、1990年代後半以降、バブルが崩壊したら民間に借り手がいなくなり、民間に貸出して、信用創造出来なくなったので、代わりに政府が、借金をして、お金を市中に供給しているという話である。


政府の借金は、政府が民間に仕事を発注することで、巡り巡って、私たち一般国民の預金口座に入るのであり、例えば、政府が900兆円借金があれば、我々の預金口座にはほぼ同額の1000兆円の残高があることを意味している。


もしこの政府の財政赤字を解消するために我々の預金から税金を徴収して返済すると、政府の借金は消えるが、我々の預金も消えて、国民に流通するお金が全てなくなってしまうことを意味している。そうしたら国民の経済活動が成り立たない。


我々の預金口座にお金がある為には政府が借金をしていないといけないということで、この国民が銀行から借金をした時にお金を供給される仕組みを何とかしなければならないということである。


これは現代貨幣理論(Modern Monetary Theory:MMT)で言われていることで、「政府の赤字は国民の黒字、国民の赤字は政府の黒字」という意味である。


政府に900兆円の財政赤字であるから、国民の預金に1000兆円のお金が存在するということである。


政府が財政赤字だから国民から税金を取り立てて政府の借金を減らさなければならないという議論はそもそも嘘であるという話である。


政府が借金したままの状態でなければ、国内にお金が流通しなくなってしまうということである。


このお金の真実の話を最初に聞いた時には、人生観がひっくり返るような衝撃を受ける。


私自身は、2010年前後に安部芳裕氏の『これがロスチャイルドが知って隠した金融システムの全貌だ』、『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った』といった本やウェブの記事を通して知った。


その時の衝撃は忘れられない。啓示をうけたような感覚である。


この議論は、最近、現代貨幣理論(MMT)という形で体系化されて広く知られるようになって来ている。


おそらく、大西つねきのフェア党などに加入したり、講演会に参加した人は、こうしたお金の真実を初めて聞かされて啓示を受けたようになるのではないかと思われる。


その為、大西つねきや安部芳裕は、こうした信用創造の仕組みはおかしいので、日銀を廃止し、政府が直接、お金を発行することが必要だというのである。



然し、これは世界を実質支配している国際金融資本家に逆らうことになる為、これを覆すのは難しいのである。


この銀行家が持つ信用創造の権力を日本が廃止して、政府紙幣を発行するなどは現実的ではない。



然し、大西つねきは、政府が政府紙幣を発行すればいいと実現困難な主張を口にしている点で、現実的、実際的ではない理想主義者である。


その点は、社会活動家で、日本銀行を廃止し、日本政府が通貨を発行することで、通貨発行権を国民の手に取り戻すことを主張している安部芳裕氏と共通しているが、日銀を廃止するなど、日本だけの問題ではなく、国際金融資本家の意向に逆らって、日本が単独で行なうのは不可能に思える。


従って、政府紙幣を発行するというアイデアは、陰謀理論を信じるスピ系の理想主義と同じように非常に現実感に乏しい。


おそらく大西つねきの政治団体フェア党に集ってくる人々というのは、そうした政治経済の現実を見ないスピ系の理想主義者ではないかと思われる。


ここで、スピ系=魚座という図式で考えると分かりやすい。


以前、読者の方の投稿で、大西つねきの出生時間は、6:24だと伺った。


この出生時間で、チャートを作成すると、ラグナは水瓶座ラグナである。





ラグナはシャタビシャーに在住している為、頭の回転が速く、世俗には興味を持たない精神世界の住人である。


ラグナと月から見た5室と10室の支配星に太陽がコンジャンクトしている為、政治学を専攻し、また政治団体を起ち上げ、政治家になることを志した。


ラグナである水瓶座に惑星が集中していることは、自分自身や自分の自己実現に関心が高いことを表している。


それは「私が総理大臣ならこうする」と題する本を出版したことでも分かる。


10室の支配星がラグナに在住している為、自分の才能で仕事をしたいと考えるタイプである。


大変に自意識が過剰で、自分の力で日本を変えたいと考えている。



特に火星、土星、水星、太陽が集中しており、月から見て6室に惑星集中していることは過激な運動スタイルを取る戦闘的なリベラル左翼的なスタンスを表わしている。


然し、水瓶座に太陽、火星、土星などの3つの凶星が在住している為、組織化、管理の才能があり、それでフェア党という政治団体(プラットフォーム)を上手く運営していると考えられる。






ただ水瓶座に凶星が集中している所が山本太郎と違う所で、同じリベラルでもお年寄りや社会的弱者に優しい水瓶座に木星を持つ山本太郎とは意見が食い違ってしまったようである。


「高齢者の命の選別をしないとダメ。この国は情緒的すぎなので冷徹にやらなければい」などと、共産主義圏のような冷酷な全体主義的な管理体制を連想させるような冷たい意見を吐露した。


これは冷たい水瓶座の支配し、管理する思考である。


これが山本太郎率いるれいわ新撰組に問題とされ、結局、党から除籍されるに至った。



このように大西つねきは、月から6室に3つの凶星を含めた4つの惑星が集中し、非常に戦闘的なリベラル左翼であると同時に自分をアピールしたい自己主張が強く、また2室に定座と高揚の座にある木星と金星が在住している。


これは大西つねきが抱えているスタッフを意味し、あるいは、フェア党などに集結する信者の人々を意味している。


これは魚座で、しかも木星と金星は強いため、スピ系のかなり上品な良い人たちに囲まれている印象である。


魚座は宗教の星座であり、献身的で自己犠牲的だが、水星が減衰する為、現代の金融やマネーの仕組みに疎い人々である。


そういう人たちから見ると、大西つねきは、J.P.モルガン銀行で、為替ディーラーとして働いて、マネーの仕組みを知り尽くしている為、神のような存在なのかもしれない。




然し、結局、大西つねきは、そういう人たちに対して、何も具体的なことはしてあげられないのである。



出来ることは、心よい響きを持つ理想主義的な甘いメッセージであり、現代の間違ったマネーシステムに惑わされないで、よりよく精神的に生きるための教えである。


人々は、そうした大西つねきの説法を聞きに集ってくるのであり、中には心が救われる人もいるかもしれないが、それは宗教的な効果である。



実際の宗教家でも同じような配置の人がいるはずである。



2室の木星と金星は、心よい甘い理想主義的な教えの説法(スピーチ)を意味しており、魚座の理想主義的なスピ系の人々を魅了することになる。




大西つねきの経歴


今に至るまでに歩んできた道のりを辿ると、1982年に巣鴨学園高校を卒業し、1986年に上智大学外国学部英語学科を卒業しているが、在学中にシアトル大学へ政治力学先行で留学している。


そして、1986年にJ.P.モルガン銀行に入行し、資金部為替ディーラーとして活動している。


そこで、10年ぐらい為替ディーラーを勤めたようである。






1986年は、マハダシャーラーフ期でラーフは双子座(アールドラー)5室(投資)に在住し、ディスポジターの水星は5、8室支配で、ラグナである水瓶座で、3、10室支配の火星、1、12室支配の土星、7室支配の太陽などと、1-5、5-7、5-10のラージャヨーガを形成している。



従って、水瓶座は、銀行業界を表わし、双子座はウォール街を象徴する星座である。


そして、投資銀行で、為替ディーラーをしていたというのは、5室のアールドラー(ラーフ)に在住するラーフで示されている。





ナヴァムシャでは、ラーフは水瓶座12室に在住し、6室支配の太陽や2、9室支配の火星とコンジャンクトして、外国で仕事をしていたことを示している。


ディスポジターの土星は9室に在住し、2、9室支配の火星と9-12の星座交換をしている。



月から見ると、2-11室での星座交換である。



このラーフ期は、利益の為に貪欲にトレードをしていたことを示している。



その後、1996年のラーフ/金星期に株式会社インフォマニアというIT系の会社を起ち上げており、2004年にピッツェリア・マルターノというピザの店を開業している。


2004年は、既にマハダシャー木星期に入っており、木星/木星 or 土星期の頃である。



木星は出生図でもナヴァムシャでも水の星座である魚座に在住している。



従って、この頃に飲食サービス業というこれまでの経験とは全く違う新しい分野に参入したことが分かる。



そして、2011年に政治団体(現フェア党)を設立している。



この政治団体フェア党を設立した2011年は、木星/金星期である。




ナヴァムシャのラグナ

ここで大西つねきのナヴァムシャのラグナを見ると、魚座で、木星、金星が在住していることが分かる。


つまり、木星と金星はヴァルゴッタマで定座と高揚の座にいて、強力であり、しかもラグナは魚座である。


従って、大西つねきの本質は、宗教家である。






実は、「美しい国、日本」をスローガンにした日本会議-安倍晋三とあまり変わらないのである。


木星/金星期にフェア党を起ち上げたということは、おそらくフェア党は宗教団体のような性質があると考えられる。


フェア党では、大西つねきの講話を行ない、お金に支配されない理想社会の建設を夢見る人々が集っている。


そこでは毎回、大西つねきの希望に溢れたメッセージが聴けるが、おそらく、理想主義的な心地よい一体感に包まれた後、何一つ現実的な成果を上げることができないのではないかと思われる。


つまり、大西つねきがお金に関するリテラシーを高めるような教えを提供する勉強会であり、教育、啓蒙団体である。


2011年頃からそうした政治団体を起ち上げて、理想的なお金の仕組みなどを論じている段階ではよかったのだが、木星期最後のアンタルダシャーである木星/ラーフ期に第48回衆議院選挙に神奈川8区から出馬して、現実的な行動を取り始めてからが試練の連続である。


2019年第25回参議院選挙に山本太郎のれいわ新撰組から比例区で立候補した時は、土星/土星期に入っており、土星期に入っても試練は続いている。


まだ一回も政治家として当選出来ていない。





これはダシャムシャに描かれており、ダシャムシャでは、木星は5室支配で12室で高揚し、ラグナロードの太陽とコンジャンクトする配置は、あまり目立たない形で、教育啓蒙活動をフェア党の信者たちに向けて行ってきたことを表している。


大西つねきのフェア党の政治パンフレットは、非常にコンパクトに現在の金融システムの問題点などがまとめられており、教育、啓蒙ツールとしては、よく出来ている。


これが大西つねきの頭の中に入っている理論であり、それが一枚のパンフレットにコンパクトにまとめ上げられている。



然し、それを実際に選挙で当選して、国政に進出するなどの具体的な活動で考えた場合には、それらは単に言葉にされた理想に過ぎなかったことが分かる。


実際には、その理想は現実にするのは難しく、美しい理想のままで終わるのである。





理想と現実が伴わない傾向は、特に木星が強いが、土星が木星と絡んでいない人にありがちである。



そうした人は、あらゆる理想論を流暢に語るが、行動が伴わず、理想を具体化させることが難しく、理想を中々、現実のものに出来ない。



現在、土星/水星期だが、土星も水星もダシャムシャの8室に在住しており、大西つねきの政治活動には挫折や苦難が考えられる。



今回の2021年のフェア党から衆議院選挙へ出馬して惨敗して、今、大西つねきは、ちょうど挫折や苦難を味わっている状況である。




トランジットを見ても土星はラグナから見て12室(隠遁、引退)を通過し、月から見て5室(10室からの8室:仕事の中断)をトランジットし、2021年10月31日の衆議院選挙の時は、木星も12室に逆行し、ラグナから12室、月から5室にダブルトランジットが生じていた。




このことは、ダシャーの観点からは、土星/水星期の象意の表れであるが、マハダシャー土星期は今後も続くため、大西つねきは、前途多難である。







土星/金星期


一つ期待が持てるのは、2025年4月からの土星/金星期である。



大西つねきの場合、出生図ではラグナから見ても月から見ても土星や金星はトリコーナの支配星であり、土星と金星の位置関係も悪くはない関係性である。


ナヴァムシャの配置も悪くはなく、ダシャムシャでは金星はラグナに在住している。







従って、この頃には、土星が水瓶座を通過して、水瓶座を抜けるタイミングだと思われるが、リベラルな政治理念が育ってきた段階で、大西つねきにも出番が生じるかもしれない。



然し、それは政治家として当選するというのではなく、啓蒙活動家、教育者として、あちこちで講演依頼を受けるといった形においてであるかもしれない。


大西つねきの場合、ウェブ上の情報によれば、2021年度衆議院選で落選して、法定得票数に達しなかった為、600万円の供託金も没収されたようであり、今、大西つねきは、どちらかと言えば、乞食の状態である。



土星/金星期には、王は乞食になり、乞食は王になると言われている為、2025年4月~2028年6月は、期待できるかもしれない。







法定通貨のデジタル化


因みに冒頭で、国民が銀行に借金をするとその時にマネーが生み出されるという話を書いたが、もし法定通貨がデジタル化されると、政府が直接、銀行を経由せずに国民にマネーを供給する仕組みが出来上がる可能性がある。


そうすると、そのマネーは銀行に対する政府の借金でもなく、銀行に対する国民の借金にもならない。



銀行に利子を支払う必要もなく、中間マージンを支払わずに法定通貨という仕組みを運営管理できるのである。



政府は、インフレにならない程度に国民の生産力に応じたマネーを供給することができる。



法定通貨のデジタル化というものが、一つの鍵になりそうだである。



今、様々な企業が、独自のデジタル通貨を発行し、デジタル通貨のプラットフォームを作り、独自の経済圏を作りつつある。



それが最終的に政府が国民に対して、そうした法定通貨をデジタル通貨にしたプラットフォームを提供する段階が来るかどうかである。






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