元CIA職員エドワード・スノーデン氏について

米国の元CIA職員エドワード・スノーデン氏が、国家安全保障局(NSA)がプリズム(PRISM)というシステムを使って、市民の個人データを大規模に収集していることについて告発した。告発後、香港に亡命している。

このような諜報の世界のニュースが伝わってくるたびに私は興奮する。

このエドワード・スノーデン氏がどのように感じて、どのように行動したかについて想像できるからである。

諜報に関係あるナクシャトラは、バラニー、プールヴァパールグニー、プールヴァアシャダーである。

そのうち、属する星座の支配星が生来的凶星の火星で、最もハードなのが、バラニーである。

私はラグナが、バラニーなので共感できるのだ。

彼がどのような気持ちで行動したかが。

このバラニーの特徴については、27の誕生星(隠された「心」をときあかす月の占星術」)で確認して欲しいのだが、
バラニーは、「正義の心を授けられた裁判官」という呼び名が付けられている。

このバラニーのナクシャトラの人は、正義感から時々、諜報の世界において、世間に政府の陰謀を暴露したり、大きな行動に出る。

それが、このナクシャトラの宿命である。

秘密を知るが故に、そしてその秘密が、非常に社会への悪であるとするならば、それを明らかにすることに強烈な責任感を感じるのである。
そして、時には命をかけてまで、それを暴露する。

『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』という映画で、ソ連の秘密警察で市民に自由がない社会を転覆させようとして西側に情報を流したKGBの幹部、セルゲイ・グリゴリエフ大佐もそのような人物である。

二重スパイの行動心理というものは、こういった正義感が根本にあるのである。

そうした動機付けが、利益や報酬などといったものよりも優先される。

彼らは十分な報酬を得ているのだから、正義感ぐらいしか、そうした情報をリークする動機づけは存在しないのである。

そして、彼らの最後というものもまた悲惨である。

セルゲイ・グリゴリエフ大佐はKGBにばれて銃殺されている。

ウィキリークスのジュリアン・アサンジもそのような人物の1人である。

wikipediaに以下のように書かれている。


1歳のときに母クリスティーヌが舞台演出家ブレット・アサンジと結婚し、現在の姓を得る。両親は舞台の巡回興行を始める。最初の「本当の父」と呼ばれた彼の継父はジュリアンのことを「善悪に対して鋭い感覚を持った」、「非常に切れる子供だった」と話している。「常に弱者をかばおうとしていた。誰かが誰かを集団で攻撃することに対して、常に激しい怒りを抱いていた」


ジュリアン・アサンジも幼少時から正義感が強い子供だったという。

私は、諜報に携わる人間が、時に個人的な独自の正義感から行動するケースが非常に多いことに気づいていたが、それはそういう訳である。

諜報に携わる人間は時に敵の中枢部の真っ只中に潜伏し、敵の指揮命令を司るまでの地位に昇進し、幹部として信頼を受けさえもし、時には敵の信頼を得るために敵の価値観の振る舞いをすすんでしさえもする。そのように行動して敵の高官にまで上りつめた上で、その敵の中枢を破壊するような工作をする。

最初はそうした気持ちではなかったのが、途中で、自分が所属する味方が、おかしな価値観で動いているのを知り、正義感が沸き起こってきて、その時に敵の諜報部の接触を受け、二重スパイとしてスカウトされ、味方を裏切る行為を自らの理想主義や正義感によって行う。

中には何年もの長い人生をかけてこれを行う。

これは単なる利益といった浅はかな動機付けでは無理なのであり、正義感とか遠大な理想主義があるからこそ可能なのである。

しかし、バラニー、プールヴァパールグニー、プールヴァアシャダーのうち、バラニーのナクシャトラについての解説を、ヴァラーハミヒラ著の「占術集大成1 古代インドの前兆占い」(ブリハットサンヒター)矢野道雄・杉田瑞枝訳 平凡社 p.89-93 第15章 星宿の分野から抜粋すると以下のように書いてある。



バラニー宿には、血のついた肉を食べる人、残酷な人、殺戮、捕獲、破壊を好む人、籾のある穀物、低い家系に生まれたもの、精神の弱い人が属する。


因みに他のプールヴァパールグニー、プールヴァアシャダーはこうした過激で不運な低い評価の解説にはなっていない。

従って、CIAなどの諜報部で暗殺などの汚い工作活動の仕事をして、最後に証拠隠しのために抹殺されてしまうような人物はこうした諜報に適したナクシャトラの中でも特にバラニーの影響を受けていると考えられる。

以前、ケネディ大統領暗殺事件の時にオズワルドの身柄が拘束され、後にマフィアに暗殺され、真相が闇に葬られたが、この事件に関わった人物の出生チャートを作成すると、皆、バラニーに惑星が在住している。

例えば、昔、連合赤軍などで、ある狂信的な理想主義から殺人などを行った活動家の中にもいるのではないかと思われる。
暴力革命を目指す急進的な共産主義者というのも、非常に強い歪んだ形の理想主義者であって、資本主義の悪や現行の政府に対して、激しい歪んだ正義感を行使する人々である。

今でも、政府や官僚の秘密をかぎつけて暴くのは、しんぶん赤旗などの共産党系の機関誌によるのは、彼らにはそのような人材がいるからである。

話が飛んでしまったが、このエドワード・スノーデン氏も、もし米国にスパイ行為などの罪で身柄拘束されたら、酷い目にあいかねない。

その危険を覚悟で、行った今回の行為は、エドワード・スノーデン氏の厳格な正義感がもたらしたものである。

然し、バラニーの星宿の分野の解説をもう一度、読むが、非常に問題点の多い人物像である。



バラニー宿には、血のついた肉を食べる人、残酷な人、殺戮、捕獲、破壊を好む人、籾のある穀物、低い家系に生まれたもの、精神の弱い人が属する。


バラニーは、非常に正確な情報を把握する場合もあるが、時に全く曲解された偽情報などによって、大きな幻惑に陥る場合もある。

ネット上で広く流通している陰謀理論がそうである。

私も、当初、こうした陰謀理論に熱中したが、今では、それらの情報には真実性はあるものの、全てを信じるのではなく、識別が必要であると考えている。

陰謀理論に熱中している人は、内田樹著「私家版・ユダヤ文化論」を読むといいかもしれない。

 
今回の件は、NSAやCIAといった諜報組織にとっては予想外の打撃なのである。

これは、現在、バラニーにトランジットのケートゥが在住し、対向から土星がアスペクトしているからである。

米国の諜報組織にとって試練であるし、エドワード・スノーデン氏にとっても試練である。

 
因みにCIAというのは、米国の国防総省(ペンタコン)に陣取る米国の支配者階級の人々が利用する手駒なのである。

日本の江戸時代で言えば、忍者のような組織である。

だから結局、CIAのような諜報組織は権力の意志と考えることができる。

高揚する土星が、天秤座から牡羊座にトランジットするケートゥにアスペクトして、牡羊座を傷つけている配置は、

権力者(牡羊座)への批判として考えることができる。

権力者が、一般市民の個人情報を桁違いの規模で収集していたとする違法行為を、土星が象徴する大衆が監視しているということなのである。

それが牡羊座に在住するケートゥへの土星のアスペクトである。

ケートゥは、スパイや諜報の人間を表わし、そのケートゥがバラニーに在住して、土星からアスペクトを受ける。

これは、まさに今、国家安全保障局(NSA)と、エドワード・スノーデン氏が繰り広げているドラマに違いないのである。

 
 

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 秀吉先生、こんにちは。

    スノーデンの記事、興味深く読ませて頂きました。

    バラニーの性質、ようく分かります…
    私は木星がバラニーで、土星と火星に傷付けられていますが、牡羊座在住、火星がアスペクトバックしているので、多分、キャンセルの効果でプラス面マイナス面どちらも強く発揮されていると思うのですが、悪を暴くことに強い動機を感じます。
    悪を暴く、というか、自分が許せない!と思ったことを暴く、という感じなので、後から振り返って独りよがりだったな…と思うこともありますね…

    私も裏の顔を持ってるマンションの理事長の悪を暴くために、マンションに告発文を大量コピーして配ったりしましたから(笑)

    まぁ、私はケートゥが10室で、しかも蠍座で高揚、それにナクシャトラで一番老獪、古い魂を持っているとされるジェーシュタなので、そこの知恵が働くので、そこと相乗効果の部分も有ますが…
    • コメントありがとうございます。
      まさにそれはバラニーの反体制的活動そのものだと思います。
      国家転覆を企むテロリストや独裁国家の指導者を打倒するためにCIAが工作活動を仕掛けるような感じですね。
      ただし、やり方が強引なため、バラニーも犯罪者と一緒に扱われたり、捨て駒のように扱われる場合があるので、注意が必要です。
      バラニーは表の世界では活躍できず、裏の世界で活躍するダークヒーローです。
  • バラニーは裏で諜報活動等をするんでしょうが、やはり、牡羊座の、直線的、直進的、単純さが中心原理にある気がしますね…

    勇み足だったり…

    気を付けないともっと裏の裏まで手を回す人たちにうまく使われて終わるんでしょうね…
    • 牡羊座が操られるということで言えば、牡羊座は8室の蠍座に操られる為、今、まさにロシアのプーチンがFSBを操っているように操られると思います。
      蠍座から見て、牡羊座は6室で、そこにプーチンの木星(バラニー)が在住しており、まさにそうした事実を表わしています。
      蠍座にとって、そうした牡羊座の直線的、直進的、単純さというのは馬鹿に見えるのかもしれません。痛い真実です。
  • 私は水星がバラニーなんですけど、
    主流の考えに合わないという形で出てると思います。
    例えば、コロナワクチンは打たないとかです。
    日本政府は信用してませんし、そういう話を調べるのは好きです。
    • バラニーやプールヴァパールグニーでもプールヴァアシャダーでもそうですが、金星を支配星とするナクシャトラは、諜報向きで、陰謀論に興味があり、ワクチンは支配者階級の人間が大衆を管理する為に行っている陰謀だとする考えを好みます。

      ある程度、本当ですが、極端に解釈し過ぎている面もあるかもしれません。

      単に製薬会社のロビー活動が強力で、アメリカの政治家を通じて、日本の政府にワクチンを買うように圧力がかかり、それに抗えないだけかもしれません。またワクチンも新しい仕組みのワクチンで、短期間で、大量に製造することが出来ましたが、それはおかしいことで、十分に試験が出来ておらず、ワクチン接種は人体実験だとする話もあります。それも製薬会社が儲けたいので、短期間で製造したと思います。

      陰謀というよりも単に経済(金儲け)や政治の話かもしれません。製薬会社が公然と金儲けを推進していて、単に製薬会社が儲けようとするのを政府でも抗えないということだと思います。
      そこにワクチンには、ナノミリグラムのロボットが仕込まれていて、ワクチンを打つと、操られるとか、そうしたファンタジーも入ってくると、かなり複雑怪奇になってきます。

      バラニーは真実を嗅ぎ付けて、真実を知りますが、真実を正確に知るわけではなく、少し曲解や偏見、狂信的な考えなども含まれる場合もあると思います。

      それは陰謀論の性質そのものです。陰謀論はある程度、正しいですが、物事の原因と結果などを単純化し過ぎており、かなり曲解が入っていると思います。

      バラニーがそうなってしまうのは、おそらく、バラニーに関する古典に「バラニー宿には、血のついた肉を食べる人、残酷な人、殺戮、捕獲、破壊を好む人、籾のある穀物、低い家系に生まれたもの、精神の弱い人が属する。」と記されている中に「精神の弱い人が属する」と書いてあり、精神が完全に澄みきっていて健康的ではないということだと思います。

      真実を嗅ぎ付ける嗅覚はあっても、そこに激しい欲望、猜疑心、狂信性がもたらす曲解、偏見などが加わるのだと思います。

      ですから私は、陰謀論は、そういう性質のものだと理解し、ある程度までは参考にしても完全には信じません。

      陰謀論好きな人は、ワクチンを打った人は、いずれおかしくなると考えている人もいますが、おかしくならないかもしれません。

      それは、ワクチンを打たなかった人の偏見かもしれません。

      製薬会社が金儲けをしたことは確かですが、そのワクチンを打ったとしても特に問題ないかもしれません。

      ニュースで報じてましたが、ウクライナ戦争で、ロシアを応援する人の中には、ドナルド・トランプを応援するとか、ワクチンを打たないといったいくつかの共通点があったようです。

      おそらく、バラニー、プールヴァパールグニー、プールヴァアシャダーなどの金星を支配星とする諜報に強いナクシャトラを持つ人が、更に水の星座に在住する惑星の強い影響を受けて、ファンタジー(空想、幻想)と結びつくと、精神世界コーナーなどにあるようなスピ系陰謀論の主張のようになるのではないかと思います。

      バラニーは基本的に猜疑心が強く、人を信じません。

      牡羊座は、水星が3、6室支配で、6室の支配星である為、知性(水星)に偏見(6室)、曲解(6室)、狂信(6室)が入ってしまう所があります。

      猜疑心がある為、物事を事実ありのままに見ることができないようです。


      プーチンも5室の支配星が6室でバラニーに在住しているので、世界に対する見方が偏っていると思います。

      長年、諜報の世界で、他国を敵国と認識し、疑うことが癖となっているマインドです。

      プーチンを見ていると、猜疑心が強い人間の偏見という性質がよく理解できます。

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