学生投資家・造船太郎 ースポーツくじ「MEGA BIG」で2億円当選-



スポーツくじ「MEGA BIG」で、巨額当選金を手にした学生投資家・造船太郎氏のことが、話題になっている。


スポーツくじに全財産7350万円投じた学生投資家、驚きの当せん金額「人生変わりましたね」
2024/9/3 9:59 日刊スポーツ

大学生投資家の造船太郎さんが3日までにYouTubeチャンネルでライブ配信を行い、スポーツくじ「MEGA BIG」で巨額当せんしたことを報告した。

 造船太郎さんは8月31日にアップした動画やSNSで、全財産だという7350万円を費やし、「第1476回MEGA BIG」で24万5000口購入したことを報告。MEGA BIGはサッカー12試合の結果を予測するくじで、全てを的中させるには通常、確率が1680万分の1だが、今回は台風の影響で4試合が中止になったことで確率が跳ね上がり約6万5000分の1に。「1本も当たらなかったら破産します」としながらも「理論上は3.6本くらい当たる計算。2本当たればトントンくらいかなっていう感じで、かなり分の良い勝負かと思った」と説明していた。

 今回のライブ配信で、集計した結果、当せん数が8本だったと発表。当せん金は2~6等の見込み金額も合わせて2億2190万円程度になると報告したが、表向きは感情をむき出して歓喜するでもなく「人生変わりましたね」と静かに喜びをかみしめた。

 視聴者からは「スゴイ!スゴイ!スゴイ! 天才!天才!天才!!!!」「おめでとうございます!運を掴みましたね!」「社会人になる前に人の生涯年収稼いだんか すご」などと驚きと祝福コメントが相次いだ。

両チームの合計得点が、1は「1点以下」、2は「2点」、3は「3点」、4は「4点以上」の4通りから選択し、それを12試合分で全部当たる場合に1等となる。


4分の1の確率を12回掛けると、1/4 × 1/4 × 1/4 ・・・× 1/4 = 1 / 16,777,216 となり、1等の当選確率は、16,777,216分の1となる。


16,777,216枚(約1680万枚)のくじを買って、初めて1回1等が当たる計算である。


そうすると、くじは1枚300円のため、50億3千3百万円分のくじを買わなければ1等は当たらない。



これが台風の影響で、4試合が中止になったことで、全8試合となった。


4分の1の確率を8回掛けると、1/4 × 1/4 × 1/4 ・・・× 1/4 = 1 / 65,536となり、約6万5千枚買って、1枚当たる計算となる。


1枚300円として、6万5千枚買うと、19,660,800円となり、約1966万円分のくじを買えば、1枚当たる計算となる。



この造船太郎氏は、全財産7350万円分のくじを買った為、3.73回、つまりは、3回~4回1等が当たる確率となる。


735,000,00 ÷ 196,608,00 = 3.7384033203125



実際は、1等が8本当たったそうであり、確率論的に言っても、かなり幸運であったことが分かる。



「MEGA BIG」は、1等が出ないと繰り越し(キャリーオーバー)され、賞金額が12億円の5口分に近い58億円以上に達していたという。


つまり、造船太郎氏は、1等を8本当てたが、他にも1等を当てた人がかなりいて、それらの人たちで分け合った結果、2億円程度の賞金を得たようである。


8本当選して、2億円であるため、1本あたり2500万円の配当であり、1等が232本出た計算になる。



MEGA BIGは、1等がなかなか出ずにキャリーオーバーされ、賞金額が積み上がり、還元率も上がって、期待値が跳ね上がっていた。


2020年頃にそのことに注目するアナリストもいたが、キャリーオーバーが58億円にも積み上がった「第1476回MEGA BIG」に注目した人は造船太郎氏に限らず、多かったようである。



期待値の計算とは実は誰でも知らず知らずのうちにやっている。


頭で具体的に数字を使って計算しなかったとしても直感的に本能的に期待値の計算を行っている。



分母の数が小さい方が、期待値が高くなるというだけの話である。


今回の「MEGA BIG」の場合、台風で4試合が中止となり、全12試合が、8試合となったことで、分母が約1680万から約6万5千に減少した。


1680万を6万5千で割ると、258.46・・・といった値が出てくるが、通常よりも258倍当たりやすくなることを意味していた。



「258倍当たりやすくなる」とはどういう意味なのか分かりにくいが、要するに分母が小さくなったということである。



分母が小さいものにはチャンスが大きい。



例えば、レストランに入った時にその店が混んでいたら、店員からあまり丁重にもてなしてもらうことは難しい。


他に客が大勢いてライバルが多いからである。


しかし、雨などで天候が荒れていて、人が少なかったら、店は暇な為、店員はより多くの時間を客に割くことができ、店員も余裕があるので、ちょっとした会話を交わすこともできるかもしれない。



コロナの時に皆、外出を控えていたが、私は大喜びで、旅行に出かけたものである。


どんな旅館に行っても人はすいており、貸し切り状態で、非常にいい気分だった。



なるべくライバルが少ないところに行くのが得策である。



それは大衆とは別の道を行くということでもある。


ゴールデンウィークの混雑する時にディズニーランドに出かけて、乗り物に乗るのに何時間も行列を作って待ち、帰りの道が渋滞だったり、満員電車で帰ることは最悪の経験となる。


サラリーマンだったら、その休みを選択するしかないが、もし平日に行ける人であれば、空いているディズニーランドで、アトラクションを楽しむことができ、帰りも渋滞などには巻き込まれない。



確率論というのは、厳密な数学のテクニックというよりも分母と分子の数の大きさを検討し、ざっくりとしたパーセンテージを出す能力である。



学生投資家・造船太郎氏は、小学5年生だった頃、親から100万円を借りて、最初の2回は全て吹き飛ばしたものの、合計300万円を借りて、その元手を1億6千万円まで増やすことに成功したそうである。



元々期待値の計算が得意なのである。



特に売りと買いのどちらも行うことができる株式市場などでは、大衆とは逆のより人数の少ない選択をすれば勝ちなのである。



より分母の少ない所により早く自分のポジションを取り、大衆が後から遅れてやってきた時に自分が先に退場するというのが、勝利の方程式である。



(「MEGA BIG」も期待値など分からない人たちがくじを外して積み上げた当選金を期待値をよく理解した人が持っていくゲームである為、株式市場でのトレードなどと本質的に同じである)




期待値を計算しているというよりもそれを本能的にざっくりとした分子と分母の把握によって直感的に行っているのである。





最悪なのは、ゴールデンウィークの一番混んでいる時に行列に並ぶといった大衆的なセンスである。



あまり目的もなく、大学などを出て、普通にサラリーマンになるという選択もかなり数の多い大衆的な選択かもしれない。



そうすると、それは分母が大きく希少性がないので、成功しにくいのである。



医者、弁護士、会計士といった高度な資格を取得し、専門職に就くというのは、一つの分母の小さい希少性の高い道だが、高学歴でなければならないということでもない。



(最近では、弁護士が余ってしまっており、全く希少性の高い道とも言えなくなっているようであり、弁護士としての資格以外に例えば、特許に詳しいとか、ITに詳しいとか、更なる得意な専門分野を持ち、光るものがなければならないようである)



何か職人になって、何らかの希少性の高い技術を身に着けたりした場合、分母の数が少ない為、非常に確率論的に成功する可能性が高くなる。




この学生投資家・造船太郎氏の出生データを本人がXに公開しており、それによると、2004年6月27日生まれだそうである。





早速、12時でチャートを作成してみると、双子座に水星、土星、太陽が惑星集中していた。




双子座は期待値の計算が得意である。




双子座でダナヨーガが形成されていたら、まず、株式市場や為替市場(FX)などで利益を得る可能性が高くなる。



典型的な投資家向きのチャートとなる。




月ラグナは乙女座で良さそうである。



月は乙女座28度28’付近で、乙女座と天秤座の境界付近にあるが、そこはチトラーの領域内であり、チトラーの範囲は、双子座23°20’~天秤座6°40’である。



ちょうど双子座と天秤座に6°40’ずつまたがっているが、12時でチャートを作成した時に月がそのチトラーの中央付近にあるため、月はチトラーで確定で良さそうである。



チトラーは、目がピカピカ輝いているという特徴があり、ネット上で見ることのできる造船太郎氏の写真からは、アーモンド形のチトラーに特徴的な輝く目が確認できる。



チトラーは磨けば光る原石という象意があり、どのような道であれ専門職人、技術者になる運命を持っている。



おそらく、期待値を計算して、スポーツくじ「MEGA BIG」で巨額の当選金を得たことも彼にとっては、職人的な緻密な期待値の計算によって行なった仕事だったのである。



当選したとしてもそれほど歓喜したする様子もなく、当選するのは当然であるかのように静かにその当選を受け止めていたようである。



チトラーには、乙女座側と天秤座側があるが、おそらく、乙女座側にあって、10室でダナヨーガを形成していると考えられる。



何故なら、これだけ有名になることもそうだが、10室はアルタハウス(仕事、お金)である為、関心が実業やお金を稼ぐ、実利的なことに向かうからである。



もし天秤座ラグナで、9室に水星、土星、太陽などが在住する場合、もっと学問探求とか運命学の探求とか、関心が、神や科学や哲学の探求など、法則の探求に向かうはずである。



月が乙女座ラグナの場合、ナヴァムシャの月は獅子座か乙女座の2通りあり、月は乙女座にある可能性は高い。





何故なら、ナヴァムシャで月ラグナが乙女座の場合、ラグナロードで10室支配の水星が8室に在住し、3,8室支配の火星がラグナに在住し、1-8の星座交換をしているからである。



8室が強い為、不労所得、特に株式投資などにおける配当金やキャピタルゲインに恵まれている。



小学5年生の時に母親に株式投資をする為に300万円を借りられたというのが、この配置を物語るものである。



水星が8室に在住する場合、他人のお金や労力を利用して、ビジネスを行う能力を発揮し、ジョーティッシュにおいても8室の水星は良い配置と言われている。



銀行やファンドから資金調達して、事業を拡大する現在の資本主義社会においては、この配置は良い配置と考えられる。




従って、この造船太郎氏は、月が乙女座ヴァルゴッタマで、月ラグナから見た10室双子座で、1-5のダナヨーガを形成しているのではないかと思われた。




更におそらく、通常のラグナから見ても双子座でダナヨーガを形成していると考えられる。



出生時間を00:00:01に設定すると、月は乙女座の21°40’になり、魚座ラグナになるが、出生時間を進めていくと、14:40:20以降だと月は天秤座(ラグナも天秤座)に移動してしまう。



つまり、出生時間は00:00:01~14:20:19の範囲であり、ラグナの取り得る範囲は、魚座~天秤座の8通りになると考えられる。




このようにして、ラグナを絞り込んでいくが、私が日頃、行っているラグナ修正の作業も本質的に期待値の算出と同じである。



12通りあるラグナから絞り込んでいく訳だが、ナクシャトラの象意と性格の一致や不一致を検討して、月のナクシャトラを推測し、そのことで、ラグナの可能性の範囲を狭めていく。


つまり、分母の数を小さくしていくのである。



そして、期待値が高まったところで、最終的に妥当なラグナを可能性のある範囲の中から、検討していく。



期待値を高めておけば正しいラグナが当たりやすくなり、また結婚のタイミングや子供の誕生のタイミングなどが分かれば、いくつかのラグナの中から正しいラグナを選び出すことはより容易である。



私も双子座惑星集中である為、期待値の計算はそれなりにできるものと思うが、どうも、それが占星術のラグナ特定の作業などに応用しているのみで、全く投資など実利を伴う分野においては生かされていない。



いや生かされていないというよりも、そうした分野で、生かそうとしても結果を出してくれないのである。




ビットコインと初めて出会った時もビットコイン関連本を読み漁り、ビットコインという仮想通貨の期待値を計算したものである。



世界全体で流通しているマネーの総量が、一部、ビットコインに置き換わったとする場合、それが、仮に10%~20%置き換わるとして、今、どのくらいのビットコインが流通しているのかを検討し、その流通量が、マネー全体のまだほんのわずかに過ぎないことが分かった時、ビットコインの期待値は高いと判断した。



特に期待値という言葉は意識しなかったが、そうしたことは普通に考えたのである。



しかし、期待値が計算できたとしても結果を出せるかはまた別の話である。



そこにはカルマ、運命の約束といったものが関係してくる。




結局、学生投資家・造船太郎氏は、スポーツくじ「MEGA BIG」で8本の当選を出したが、確率論からすると、期待値から算出される予想当選数は3~4本だったはずである。



しかし、実際には8本当選したのである。



これは驚くべきことで、やはり、もともと不労所得運、棚から牡丹餅運がある人が、期待値の高い所で勝負をするからこそ、高いリターンが得られたのである。



カルマ的に何の約束もない人が、同じことをしても当選数はもっと少なく、場合によっては1本も当たらないといった統計学上、最も可能性の低い、あり得ない不幸な結果を出すことも考えられる。



私も考えてみれば、2017年という早期の段階で、ビットコインの可能性に気付き、そのタイミングでエントリーした人の期待値は、非常に高かったはずである。



ただ買ってとりあえず、持っているだけで、一晩で、2~3倍になっているとか、後から参入してくる人々が大勢いて、限りなく期待値の高いゲームのはずだった。



しかし、それでも結果が出せなかったのは、統計学上あり得ない、最も可能性の低い不幸な結果であったと言わざるを得ない。



つまり、損することにかけて天才的な才能を発揮したと言うべきである。



それは具体的には、私の双子座に集中している惑星群が、何もダナヨーガを形成しておらず、月から12室で、損失の象意を携えているからである。



株式市場などで何も成功できないからこそ、モクシャの実践として、運命学に夢中になっているとも言える。




統計学、確率論は、現象の世界の表面をなぞっているだけで、実際には形而上の世界の方が上位に位置している。



実際には、カルマ的な約束がなければ何も成し得ないのである。




大事なことは、例え期待値を用いたとしても、一切、何も期待しないことである。



幸福も不幸も神から与えられた経験であると考え、全ての経験を楽しむことである。




MEGA BIG 1等はいつ出るか?-1等最高12億円の期待はますます高まる
2020年09月02日ニッセイ基礎研究所

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也

今年は新型コロナの影響で、春に野球やサッカーなど、さまざまなスポーツの試合が止まっていた。夏に順次再開された後、最近、ようやく各競技で頻繁に試合が開催されるようになった。

サッカーの試合観戦に花を添えるスポーツくじも本格的に再開している。今年2月に発売されたMEGA BIGも6月に再開されており、現在は、試合の開催に合わせて、毎週1、2回のペースで、くじが行われている。

ところが、MEGA BIGは、これまで一度も1等が出ていない。そのことについて、少し考えてみたい。

なお、あらかじめお断りしておくが、筆者はスポーツ評論家ではなく、サッカーについても一般的な知識しか有していない。したがって、特定のチームの戦力やチーム間の対戦成績などをもとに専門的な予想を述べることはできない。あくまで統計的な確率だけを頼りに考えることにする。

◆MEGA BIGの1等当せん確率

まず、簡単にMEGA BIGの仕組みについてみておこう。MEGA BIGは、今年2月15日から販売されている、スポーツくじの1種だ。スポーツくじにはいろいろな種類がある。大きくは、コンピュータがランダムに試合結果を選択するBIGのタイプと、くじを買う人が試合結果を予想するtotoのタイプに分かれる。

MEGA BIGは、BIGと同じくコンピュータがランダムに試合結果を選択するタイプだ。指定されたサッカー12試合の90分間の試合結果が、くじの対象となる。ただし、試合結果といっても、BIGのように、ゲームの勝敗が対象になるわけではない。対戦する両チームの合計得点数が対象となる。

1つのゲームの合計得点数に基づいて、「1点以下=【1】」、「2点=【2】」、「3点=【3】」、「4点以上=【4】」の4通りに試合結果を分けている。12試合すべてについて、コンピュータの選択した結果が実際の試合結果と一致した場合、1等当せんとなる。MEGA BIGは1口300円で、1等の当せん金は、キャリーオーバーがない場合、最高7億円。キャリーオーバーがある場合は、最高12億円となる。

このキャリーオーバーがある場合の12億円という当せん金は、公営競技を除いて、これまでの日本くじ史上最高額となっている。

MEGA BIGなどのスポーツくじが宝くじと異なる点は、1口の当せん確率が必ずしも同じではないというところだろう。宝くじならば、何組の何番であろうと、当せん確率は変わらない。どの番号のくじでも当せん確率は同じだ。

2019年のJ1のリーグ戦の結果をみてみると、全306試合のうち、【1】は80試合(26.1%)、【2】は85試合(27.8%)、【3】は63試合(20.6%)、【4】は78試合(25.5%)であった。そこで、今年も両チームの合計得点数が【1】【2】【3】【4】となる確率はこの割合のとおり、26.1%、27.8%、20.6%、25.5%であると仮定してみよう。

こう仮定すると、当せん確率が一番高いくじは全試合が【2】のくじで、1等当せん確率は、0.0000211%となる。逆に当せん確率が一番低いくじは全試合が【3】のくじで、1等当せん確率は、0.00000058%となる。このように、くじによって当せん確率は大きく異なる。

1等の当せん確率は、平均的には0.000006%となる。1試合には4通りの結果がありうるので、12試合では、その12乗の「1677万7216通り」の結果が考えられる。この中から1通りだけ1等が出るという確率だ。これは、2000万枚に1枚の1等当せんが出る「年末ジャンボ宝くじ」よりも高い、1等当せん確率となる。
◆これまでの販売口数からすると、1等が出ていてもおかしくない?
MEGA BIGは2月に販売開始してから、何度かくじが中止された。中止となった回を除くと、8月30日までに全部で18回開催されて、合計2177万51口分の投票が行われた(スポーツくじオフィシャルサイト/独立行政法人日本スポーツ振興センターの「くじ結果」より)。

ところが、まだ一度も1等が出ていない。どう考えたらよいだろうか。

ここで、徹底的に簡略化して考えてみよう。まず、サッカーの試合とか合計得点数とかという要素はすべて取り除く。そのうえで、コンピュータによる1口の試合結果の選択はランダムに行われる。ある1口と別の1口の間で、試合結果の選択はまったく無関係に独立して行なわれる。そして、最後に当せんとなる試合の結果もランダムに決まるとしてみよう。

すると、これは1677万7216回に1回当たりが出る「仮想のくじ引き」を考えることに行き着く。そして、この仮想のくじ引きを2177万51回引いたときに、1回も当たりが出ない確率はどれくらいか? という問題として捉えることができる。

実は、計算上この仮想のくじ引きで、くじを2177万51回引いたら、約73%の確率で1回は当たりが出ることになる。これだけくじを引いても、まだ当たりが出ないのは、約27%の確率となる。ちなみに、1回は当たりが出る確率が50%を超えるためには何回くじを引いたらよいかを計算すると、1162万9080回という結果が導かれる。

つまり、2177万51口分の投票で、まだ1等が出ていないという現在の状況は、仮想のくじ引きによると約27%の低確率のケースに相当する。
◆ギャンブラーの誤謬には要注意!
このような話をすると、「そろそろ、1等が出そうだ」という感じがしてこないだろうか。しかし、ここで1つ注意しておかなければならない有名な話がある。「ギャンブラーの誤謬」だ。

コイン投げで「表が出たら勝ち」「裏が出たら負け」というギャンブルを何回も繰り返すとする。裏が続いて負けが込んでくると、プレーヤーは「そろそろ表が出そうだ」という感じがしてくる。そして、ますますこのギャンブルにのめり込んでしまう。ところが、冷静に考えてみれば、コインで表が出る確率は、常に2分の1だ。過去に裏が出続けていたとしても、次回に表の出る確率が上がるわけではない。

この話は、MEGA BIGにもあてはまる。これまでに1等が一度も出ていないからといって、次回の1等の当せん確率が上がるわけではない。1等の当せん確率は、平均的に0.000006%(=1677万7216分の1)のままで、変わっていない。

変わっているのは、キャリーオーバー(当せん金の繰越額)の額だ。MEGA BIGは1等が出ていないため、キャリーオーバーが積み上がっている。現在、その額は22億8千万円に達している。1等当せんに対する人々の期待が高まっている表れといえるだろう。

人々の期待という点では、MEGA BIGを含めて、どんなくじでも、1つはっきりしていることがある。「買わなければ、絶対に当たらない」ということだ。くじのワクワク感を味わうためには、くじを買うしかないわけだ。

冷静にギャンブラーの誤謬の話を踏まえつつ、くじを買って次節のサッカーの試合と、MEGA BIGの結果をワクワクしながら見てみる。これがウィズコロナでの新しいスポーツ観戦のあり方なのかもしれないと思われるが、いかがだろうか。

(2020年09月02日「研究員の眼」)

あれ、もうかってしまう? 大盛況のMEGA BIGで起きた珍事
2024年9月7日 12時00分 朝日新聞デジタル (大牟田透)

「宝くじの日」の9月2日、マニアを大興奮させたスポーツくじの結果発表があった。注目されたのは、年末ジャンボの「10億円」を上回る「1等賞金最高12億円」を売りにするサッカーくじ「MEGA BIG」(メガビッグ)。売値が1口300円なのに、購入1口あたりの賞金の期待値(受け取れる額の平均)が300円を超えるという、極めてまれな状況が起きていたからだ。売り上げは過去最高を記録し、7千万円以上をつぎ込んだとして照合の様子をネットで実況中継する人も現れた。大騒ぎはなぜ起き、どんな結末を迎えたのだろうか。

MEGA BIGは指定の12試合について、それぞれ両チームの合計得点が「1点以下」「2点」「3点」「4点以上」のいずれになるかを当てる。全部当たれば1等、1試合外れが2等、2試合外れが3等……と、5試合外れの6等まである。ただ、自分で予想して買うことはできず、コンピューターが1~4の数字を12試合分割り当てるので、実質は運任せの宝くじだ。4の12乗(4を12回掛けた数)通りの組み合わせがあり、どの組み合わせも等しい確率で売られるならば、1等当せん確率は理論上、1677万7216分の1ということになる。

売値より高い期待値 過去最高の売り上げに
 注目を集めたのは、8月24~31日に販売された第1476回のMEGA BIG。1等の繰り越し賞金(キャリーオーバー)が12億円の5口分に近い58億円以上に達しており、これは過去2番目に多かった。

 加えて、台風10号で指定試合(8月31日と9月1日に開催)の一部が中止になると予想されていた。5試合以上が中止になると、くじ自体が不成立になるが、4試合までであれば成立する。しかも、中止になった試合は、1~4のどれでも当たりと判定される。つまり、1試合中止になるごとに当せん確率は4倍になるので、4試合中止ならば1等当せん確率は6万5536(4の8乗)分の1と、普段の256倍に跳ね上がる。

 キャリーオーバーが膨らんでいる上に、試合中止による当せん確率急上昇も見込めるとあって、気づいた人たちがネットでの購入やtoto売り場に殺到した。売り上げは過去最高の47億1326万円と、昨年度の平均6億1880万円の7.6倍にも達した。

4試合が中止 普段の256倍当たりやすく

 そして、実際に4試合が中止になった。「全財産7350万円を投じた」とSNSで明かす「大学生投資家」の男性も登場。「購入が非常に多く、システムでの集計に時間がかかった」(主催の日本スポーツ振興センター)として、結果発表は1日遅れの9月2日になった。その結果と照合する、この男性のYouTube実況中継は、一時2万人以上が見つめた。

 結果は――。

 男性は「24万5千口の購入で、1等が8口当たった」と報告した。スポーツ振興センターによると、同センターの公式サイトだと1回10口、銀行口座からの購入でも1回に最大999口までしか買えないので、少なくとも246回以上、購入作業を繰り返したことになる。SNSを通じて取材を申し込んだが、まだ返答は得られていない。

(略)

運営元の大誤算!?  台風とキャリーオーバーが引き起こしたサッカーくじMEGA BIGの異常事態
2024/9/4 6:13 デイリー新潮

 9月2日に当選結果が発表されたサッカーくじで異例の事態が起きた。お祭り騒ぎとなったのは第1476回の「MEGA BIG」。売上金額が約47.1億円だったのに対し、払い戻しの総額が約81.9億円と、“胴元”が大幅赤字という結果になったのだ。SNSではこうした結果を見越し「数千万円分くじを購入した」と報告する人も飛び出した。一体なにが起きていたのか――? 

 ***

売り上げが過去最高に

「MEGA BIG」は先に販売されていた「BIG」から派生し、2020年2月にスタートしたサッカーくじだ。試合結果でくじの当落が決まる点は、試合結果を自分で予想する「toto」と同じだが、BIGやMEGA BIGの場合は、予想は完全にコンピュータ任せ。どういう予想の組み合わせになっているかは、購入した後でないと分からない。

 BIGは、対象となる複数の試合の「勝ち」「負け」「引き分け」の組み合わせなのに対し、MEGA BIGは両チームの合計点数が「1点以下」「2点」「3点」「4点以上」の組み合わせがランダムで割り振られる。

 組み合わせが多い分、当選確率もMEGA BIGの方が低い。ちなみにBIGの1等確率は4,782,969分の1で、MEGA BIGは16,777,216分の1となる。どちらも一口300円で、BIGの最高6億円に対し、MEGA BIGは倍の最高12億円という高額当選がウリとなっている。

 この高額当選を可能としているのが「キャリーオーバー」という仕組みだ。これだけ当選確率が低いと、1等が0口という回もしばしばあり、その場合は集まった掛け金が次回以降の当選金額として繰り越される。そうして膨れ上がったMEGA BIGのキャリーオーバーは実に58億円を超えていた。

 そこに、台風10号によるサッカーの試合中止が重なったことで、「多額のキャリーオーバーが発生しているにも関わらず、的中の必要な試合数は少ない」という、購入者側に有利な状況が生まれたのである。

いつもより256倍当たりやすかった

 MEGA BIGの対象試合は、通常「最大12試合」と決まっているが、今回は悪天候で4試合が中止となり、対象試合は8試合のみとなった。そのため1等の当選確率が12試合の時と比べ256倍も高い、約65,000分の1まで上がったのだ。

 このチャンスに気付いた人がXなどにポストした結果、普段はくじを買わない人たちまでMEGA BIGの購入に走ったことで、売上は過去最高の約47.1億円を記録。1等の当選口数も269口と正に「当たりまくり」の事態となったのである。

 当選口数に応じ、1等の当選金額も約2400万円と通常時よりも安くなったものの、還元率は約170%に。期待値(掛け金に対して確率的に得られる平均値)の上では1億円買えば1.7億円になって返ってくるという“バグ”とも言える状況が生まれたのだ。

 ただ、いくら当選確率が上がったとしても「くじはくじ」。1口300円のくじが2400万円になる確率は約0.0015%と、決して高い確率ではない。

 しかし、これが100万円分買った場合では、1等の当選確率が約5%、1000万円分では約50%にまで跳ね上がる。つまり、賭ける金額が高ければ高いほど「期待値」に収束するというわけだ。

「くじ」と言うより「マネーゲーム」? 

 この期待値の特性に目をつけたのが、普段から大金を投じてマネーゲームを繰り広げる「個人投資家」たちだった。

 真意のほどは定かではないが、Xには総額で数千万円超をMEGA BIGに投じたというアカウントが複数現れたほか、500万円分の購入で1等当選を射止めた、などの勝利報告ポストも相次いだ。

 今回の出来事について、ただひたすら「期待値を追う」といういかにも投資家らしい行動に、「分かっていても真似できるものではない」とその潔さを称賛する声があがる一方、「これは果たして、くじと言えるのか」と疑問を口にする人もいる。

 たしかに、特殊な状況下だったとは言え、多額の余剰資金を投じることのできる「特別な人」の方が勝ちやすい仕組みは、「くじ」と言うよりも「マネーゲーム」と呼ぶ方が近いと言えなくもない。

 特に、毎回コツコツとくじを買ってきた人たちにとっては、その“夢”の蓄積とも言える「キャリーオーバー」を、普段はくじを買っていない「金持ち」が掻っ攫っていく、という構図に見えて興醒めした人もいるかも知れない。

MEGA BIG運営元の見解は

 夢を見て楽しむためのスポーツくじで、いささか夢のない事態が起きてしまった。今後のルール変更の可能性などを、MEGA BIGを取り扱う独立行政法人日本スポーツ振興センターの広報担当に尋ねると――。

「非予想系くじのうち、BIGや100円BIGの指定試合数は14試合で、最低成立試合数は10試合。MEAG BIGは指定試合数が12試合で、最低成立試合数は8試合です。これは“スポーツ振興投票の実施等に関する法律”で定められたもので、今回はそのルールに則り、5試合が中止となったBIGは非成立となり、中止が4試合だったMEGA BIGは成立となりました。皆さんにスポーツくじを楽しんで頂けるよう、決められたルールに沿って運営しておりますが、今後もより多くの人に楽しんで頂くため、努力してまいります。くじの在り方についてのご意見は、真摯に受け止めます」(広報担当者)

「キャリーオーバー」×「台風待ち」のゲーム性は今後も続くのか、それとも何らかの改善策が実施されるのか、今後の動きに注目したい。

デイリー新潮編集部


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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 秀吉先生、

    >幸福も不幸も神から与えられた経験であると考え、全ての経験を楽しむことである。

    私も、この考えに賛同しますね。

    私も、4室、8室、12室に表示体を持っているからか、モクシャの考え方は日常においても存在します。

    ネットなんかで、自己肯定感がどうのこうのと、悩み相談している人たちを見ると、

    この人たちは、自己矛盾に気付いてない、と、思うのですよね…

    つまり、自分は自己肯定感が低い、等と、悩んでいる時点で、心の奥底では、自分を否定しきってない、どこかで自らを肯定したい、という、気持ちがあるのであって、
    それがあるからこそ悩むのだ、ということに気付いてないのですよね。

    本当にモクシャの考え方が身に付いている人間というのは、そんな浅ましい自己肯定感への期待感で揺れ動いたりせずに、

    人は、この世は、人生は、全てかりそめのものであると、割り切っていて、自分の価値に悩んだりしないものだと、

    そう、私は思うのです。
    • 確かに悩んでいる人は、その悩んでいること自体が、欲望の対象、満たされない欲望の存在を明らかにしているかもしれません。


      欲望の対象を諦めていないということでもあると思います。


      諦めていて欲望がなければもはや悩みませんが、欲望を捨てられないで、諦められない人間が悩み苦しむと思います。


      仏陀の教えの本質は、欲望があるとき人は悩み苦しむのであり、欲望がなければ幸福になれるということだと思います。


      ただ欲望は簡単に捨てられるものでもなく、欲望を捨てたように振舞ってみせても欲望はあり続けます。


      欲望がない聖人のふりをしても無駄であり、欲望は消えません。


      欲望を諦めるには、欲望が満たされなかったという挫折の経験によって強制的に欲望を削ぎ落されるか、あるいは、別の高貴な活動(瞑想、科学や宗教の探求など)に没頭して、欲望が昇華するとか、そうした経験が必要だとは思います。


      意志の力で欲望を捨てるといったことは不可能かと思います。


      普通の人は、欲望を抱いても結局は満たされなかったという苦い経験によって、欲望を徐々に諦めることになると思います。


      またこれは年齢を積むということでもあると思います。


      年齢を重ねると様々な可能性を諦めることになり、人生は思い通りにならなかったことだらけで、それまでに沢山のことを諦めることになっていると思います。


      モクシャの境地に近いと思います。


      年寄りになってまで、若者みたいにあれこれの欲望を抱えていたら、みっともないということになりかねません。


      自己肯定感とか、自己についての悩みは、やはりひとかどの存在、理想の自分になりたいということで、欲張りで、図々しい印象になってきます。


      若いうちは許されたとしてもある程度の年齢になって来てもまだ自己肯定感とか言って、理想の自分になろうとして、自我に集中しているようでは、人生で何を経験し、学習してきたのかと思われかねません。

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