テリーザ・メイ首相の後を継いで、ボリス・ジョンソンという人物が英国の新首相に就任した。
欧州懐疑派のジャーナリストとしてキャリアを積んで、ロンドン市長などを経て、メイ首相の下で外務・英連邦大臣を務めたが、穏健なEU離脱方針に反発して辞任した。
そしてメイ首相の退陣後、保守党党首選に出馬して当選し、英国の新首相に就任した。
EUとの合意があってもなくても10月31日の期限までに必ず離脱すると約束する離脱強硬派の新首相である。
チャートを作成して見て、ブレグジット強硬派で英国のトランプと言われるような人物であるなら、蟹座や牡羊座が強調されていると思ったが、実際は、土星が水瓶座、太陽、金星、ラーフが双子座、月が天秤座に在住しており、風の星座が強いため、むしろ、リベラルで、欧州との統一を望むような配置に見える。
然し、実際は頑固な保守で、人種差別、同性愛差別、排外主義的なコメントを繰り返してきたようである。
何故、そうなのかと考えると、一つは風の星座に在住している土星や金星が逆行していることが原因かもしれない。
牡羊座には木星が在住しているが、土星が牡羊座にアスペクトして、逆行している為、天秤座にもアスペクトして、土星と木星が、牡羊座と天秤座にアスペクトしている。
牡羊座は、民族主義、国家社会主義(独裁主義)的な星座であり、天秤座は、天秤座から見た10室が蟹座である為、意外に個人主義的な行動を取る星座である。
欧州懐疑派であることは、土星や金星が水瓶座や双子座で逆行しているためにそれらの勢力に対して、単純には賛成できないからである。
何らかの挫折や後退などの経験を表わしている。
つまり、ボリス・ジョンソンは非常にリベラルな人々と関わりが深く、ジャーナリストとして、そうした人々と関わってきたのであるが、否定的な経験をしていることで、それらを信用していないのではないかと思われる。
それが欧州懐疑派という肩書なのである。
ドナルド・トランプのように10室の支配星が蟹座に在住し、土星とコンジャンクトして蟹座が強調されている配置とは違うようである。
12室支配の太陽がラーフと共に10室に在住しているが、これも双子座での否定的な経験を表わしている。
またダシャムシャで、蟹座に太陽と金星、蠍座に木星、魚座に火星など、水の星座に惑星が集中していることなども関係しているかもしれない。
このボリス・ジョンソンであるが、D60を見ると、王者の貫録を表わすチャートとなっている。
獅子座ラグナで、ラグナロードの太陽が9室で高揚し、3、10室支配の金星とコンジャンクトし、5室からムーラトリコーナの木星がアスペクトしている。
このD60こそ、ボリス・ジョンソンの本質なのではないかと思える。
王族の血筋
wikipediaで経歴を調べると、父方の先祖にジョージ2世がいて、完全に王族の血筋を引いている。
オスマン帝国末期の内務大臣だったアリ・ケマルの子孫である(父方の祖父であるオスマンは、第一次世界大戦中にイギリス国籍を取得、自らの母親の旧姓であるジョンソンを姓に定めた)。父方の先祖にはイギリス王ジョージ2世がいる。ジョージ2世の玄孫であるヴュルテンベルク王子パウルが女優である愛人との間にもうけた庶出の娘が、ジョンソンの玄祖母にあたる(ド・プフェッフェル (de Pfeffel) は玄祖母の嫁いだ男爵家の家名である)。ただし庶子を通じての血筋を引くに過ぎないため、英国王位継承資格は認められない。母方の先祖には、ユダヤ系ロシア人で、アメリカで古文書学者となったイライアス・ロウ(英語版)がいる。彼は多国籍にわたる先祖(キリスト教徒、ユダヤ教徒、ムスリムからなる)についてふれ、自らを『るつぼからなる人間』(one-man melting pot)と称している。 (wikipedia ボリス・ジョンソン) |
出生図を見ると、3、8室支配の火星が牡牛座のクリティッカー(太陽)に在住し、ラグナロードの水星とコンジャンクトしている。
また月から見ても2、7室支配の火星が8室で、牡牛座のクリティッカー(太陽)に在住し、2室(両親、先祖、家系)にアスペクトしている。
8室は遺産相続などを表わし、前世からの深い因縁を表わすハウスであることから、クリティッカー(太陽)に在住する火星は、王族の血筋を表わしているように思われる。
この8室支配の火星が1、10室支配の水星とコンジャンクトしている為にテリーザ・メイ首相が辞任した結果として、突然、当選したのである。
9室と10室での星座交換
非凡な配置として、1、10室支配の水星と、2、9室支配の金星が9室と10室で星座交換しているが、乙女座ラグナにとっての最高のコンビネーションの一つが形成されている。
この配置がジャーナリズムの世界での活躍を表わす配置ではないかと思われる。
然し、この水星と金星は、それぞれ3、8室支配の火星によって傷つけられ、ラーフや12室支配の太陽によって傷つけられている為、外務・英連邦大臣を務めたが、穏健なEU離脱方針に反発して辞任したり、色々キャリア上の地位における変化が激しいのである。
このことから分かることは、10室で逆行する金星に12室支配の太陽と、ラーフが絡む配置は、リベラルや穏健な政策と全く妥協できないという、非常に否定的な象意を表わしているということである。
火星と太陽のナクシャトラレベルのエクスチェンジ
また3、8室支配の火星がクリティッカー(太陽)に在住し、12室支配の太陽がムリガシラーに在住している為、ナクシャトラレベルの支配星の交換が生じている。
この太陽と火星の絡みによって、8-12の絡みが生じているが、これがヴィーパリータラージャヨーガ的な働きをしている可能性がある。
何故なら、ボリス・ジョンソンは、メイ首相の下で外務・英連邦大臣を辞任した(12室)が、メイ首相の辞任を受けて(8室)即座に新首相として就任したからである。
この絡みが9室と10室の中で生じている。
また10室に在住する太陽と、10室に在住する金星、そして、10室支配の水星はムリガシラー(火星)に在住している。
従って、3、8室支配の火星が強調されるため、キャリア上の突然の変化が生じる配置である。
そして、この火星は、12室支配の太陽とナクシャトラレベルのエクスチェンジをしているのである。
欧州懐疑派の理由
こうした配置が、キャリアに反映されているかどうかは、wikipediaの以下の部分に示されている。
欧州懐疑派のジャーナリスト 大学卒業後の1987年、アレグラ・モスティン=オーウェンと最初の結婚をしている。同年L.E.K.コンサルティングに就職するが、退屈のあまり1週間で退職、家族のコネで保守系紙『タイムズ』で働き始めるが、考古学関係の記事で学者の発言を改竄したため、すぐ解雇されている。続いてやはり保守系紙の『デイリー・テレグラフ』記者となり、1989年から1994年まで同紙のEC特派員となった。ブリュッセルに駐在していたジョンソンは反EC色の強い記事を書き続け、特に欧州統合の強力な推進者であったジャック・ドロールを厳しく批判、ECの首都たるブリュッセルの地にあって、数少ない欧州懐疑主義のジャーナリストとして知られるようになっていったが、当時の彼を知る記者たちの多くは、彼の記事はECの信用を傷つけるために虚偽の事実や誇張を交えていたと批判的に振り返っている。 こうした記事によって、彼は欧州懐疑派の代表的な人物として知られるようになり、また以前は左派によって主張されることが多かった欧州懐疑主義を、右派にとって魅力的なものに変貌させるのに大きく貢献、1990年代前半のイギリス独立党の出現に一役買ったとされている上、保守党内における親欧州派・懐疑派の軋轢を刺激することにもつながったという。首相としては欧州と距離を置きがちであったマーガレット・サッチャーもジョンソンの記事の愛読者であったとされるが、マーストリヒト条約の締結に尽力するなど欧州との関係修復に尽力した後任首相のジョン・メージャーにとっては、ジョンソンは煙たい存在であり、当時の外務・英連邦省ではジョンソンの記事に対応する特別チームが設けられるほどであった。1997年総選挙における保守党大敗・政権転落の大きな原因の一つは党内における欧州懐疑派の台頭に伴う混乱とされているが、ジョンソンの記事はそうした混乱の一因とみなされたため、その後しばらく保守党の政治家たちの不信を買うことになった。 (中略) 1994年にロンドンに戻ると政治コラムニストとなり、ユニークなスタイルで評価を得る一方、黒人・ゲイへの差別的な記事や植民地支配を賞賛する記事で物議を醸した。『スペクテイター(英語版)』誌の政治コラムニストを経て、1999年から同誌の編集者となり、政界入り後、2005年に影の内閣の高等教育大臣に任命されるまで務めた。 (wikipedia ボリス・ジョンソン) |
上記を見ると、保守系紙『タイムズ』で働き始めたが、考古学関係の記事で学者の発言を改竄したため、すぐ解雇されているといった興味深い事実が記されている。
この出来事などは、まさに3、8室支配の火星が10室の支配星に絡むことによる出来事である。
1989年から1994年まで保守系紙の『デイリー・テレグラフ』記者として、EC特派員として活動した旨が記されている。
※欧州諸共同体(EC)は、同一の機構で運営されてきたヨーロッパの3つの共同体である、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(Euratom)の総称(wikipediaより)
双子座や水瓶座、天秤座などの風の星座に惑星が集中している為にEC特派員として、まさに欧州統合の現場に立ち会ったのである。
※因みに欧州統合とは、世界共和国というフリーメーソンの一つの理想であり、水瓶座、双子座、天秤座などで示されるリベラル左翼勢力を表わしている。
但し、ここで『欧州統合の強力な推進者であったジャック・ドロールを厳しく批判、ECの首都たるブリュッセルの地にあって、数少ない欧州懐疑主義のジャーナリストとして知られるようになっていった』と記されている。
つまり、EC特派員として、欧州諸共同体(EC)に関わったが、それの最大の批判者となったようである。
これが風の星座における惑星の逆行や傷つきの意味である。
因みに月は、スヴァーティー(ラーフ)に在住し、土星はシャタビシャー(ラーフ)に在住し、ラーフはアールドラー(ラーフ)に在住しており、風の星座に在住する惑星は、ラーフのナクシャトラに在住して傷ついている。
そして、そのラーフは10室で、ラーフのナクシャトラに在住して強く、12室支配の太陽とコンジャンクトして傷つき、逆行の金星とコンジャンクトしている。
ナヴァムシャ
因みにボリス・ジョンソンの出生データは、アストロデータバンクで、Aランクとなっている。
結婚のタイミングや離婚のタイミング、再婚のタイミングなどを調べると、ナヴァムシャのラグナが正しいことが分かる。
例えば、1987年に最初の結婚をしているが、この時、木星/水星期で、木星はD9の7室の支配星で、水星はラグナロードである。
月からみた場合でも木星はラグナロード、水星は7室の支配星となる。
そして、この最初の結婚相手(アレグラ・モスティン=オーウェン)とは、1993年の木星/月期に離婚し、直ぐに同じ木星/月期に再婚(マリーナ・ホイーラー)している。
木星はD9で、7室の支配星で、月は、2室支配(結婚生活)で7室に在住している。
おそらく、太陽がD9の3室の支配星で6室に在住している為、その前の木星/太陽期に離婚が事実上決まっていたと思われる。
そして、このマリーナ・ホイーラーとは4子をもうけたが、2018年9月に離婚している。
離婚したのは、おそらく、水星/水星/土星期(2018/9/19~)である。
水星はD9の3室に在住し、土星は8室に在住している。
因みにwikipediaには、『2000年以来『スペクテイター』の記者と恋愛関係にあり、2度妊娠(1度は流産、1度は中絶)させていたことを暴露された。ジョンソンは当初否定していたが、事実と判明した後、党の役職を解かれた。』と記されている。
2000年以降とは土星/土星⇒土星/水星への移行期であり、主にマハダシャー土星期である。
また『2009年に芸術コンサルタントのヘレン・マッキンタイアとの間に女児をもうけていたことが後に暴露された。』と記されている。
2009年は土星/月期であり、やはり、マハダシャー土星期の間の出来事であり、アンタルダシャーの月は2室支配で7室に在住している。
土星はナヴァムシャ(D9)では、8室の支配星で8室に在住し、月から見て2室の支配星であり、また出生図ではラグナから見て6室の支配星である。
6室や8室の支配星となっている為、この時期に愛人関係、不倫関係などを経験したことが理解できる。
マリーナ・ホイーラーとは、1993年の木星/月期に再婚しているが、木星は出生図で、7室支配で8室に在住し、月は2室に在住しており、木星と月は2-8軸でアスペクトしあっている。
これは主に安定した結婚生活が目的となりやすい結婚である。
ナヴァムシャの10室と10室の支配星への土星と火星の絡み
ナヴァムシャのラグナが分かった所で、改めて、ナヴァムシャを見てみると、6室支配の火星が10室に在住し、8室支配の土星が10室にアスペクトしている。
また10室の支配星にも6室支配の火星と8室支配の土星がアスペクトしている。
この10室と10室の支配星への土星と火星の絡みは、悪名を轟かし、また強引に物事を進めて物議を醸すことを表わしている。
従って、EU離脱を強引に推し進めるなどして反対派との間に摩擦をもたらすことを表わしている。
今後の状況
現在、水星/ケートゥ期だが、2020年2月2日から水星/金星期になり、また2022年12月3日から水星/太陽期になる。
金星や太陽は、ダシャムシャ(D10)で、10室に在住しており、特に金星はラグナロードで10室に在住して人気を得る時期である。
但し、金星、太陽には8室から土星がアスペクトして傷つけている。
出生図では、水星と金星は1、10室支配の水星と2、9室支配の金星が星座交換して、9-10の強力なラージャヨーガを形成している。
従って、首相になった今後もジャーナリスト時代の批判精神を発揮して、欧州懐疑派としてEU離脱を推し進めていくと考えられる。
但し、金星や水星、そして、太陽は出生図でもナヴァムシャでも傷つけられている為、批判に耐えなければならない。
コメント
コメント一覧 (2件)
2年ほど前の7月に都内のジョーティッシュ初心者向けセミナーに参加した者です
月に数回本サイトを拝見しておりますがこの記事には個人的に驚きがあったので初コメントします
他方のインド占星術専門サイトでも4年前に自分のD1とD9を鑑定してもらっていますが、自分はラーシもナヴァムシャもこのボリス・ジョンソンと同じ乙女座と双子座です
この1年の間でイギリスのEU問題行き詰まりで有名になったボリスを、自分は獅子座的な人物だと思い込み個人的に嫌っていました(D60はまさに獅子座ラグナでしたが)
記事中にもあるように、Wikipediaを調べるといかにもイギリスの高等遊民らしい尊大さを体現していて、まさか自分と同じラグナとは思いませんでした
容姿や実際の言動は月と2室やその支配星の状態にもよりますが乙女座特有の堅苦しさがボリスにはまるで見受けられません
やはりラグナロードが自室から12室目に在って乙女座最大の天敵である火星とコンジャクトし太陽と関わらないことが大きいのでしょうか?
水星と金星の星座交換は確かに政治家そのものといった配置ですが、両惑星とも定座止まりの強さであり、しかもそれらは機能的にも生来的にも二重の凶星(太陽/火星)とコンジャンクションしています
D60では5室でガジャー・ケーサリヨーガを持っていても月と木星がウパチャヤ支配で凶意だけ強くなっています
正直、そのような配置ではここまで高位な権威に昇りつめるほどの可能性を感じられない印象です
自分にとって純粋に疑問を感じるのは「D60さえ強ければ他の全ての不幸を補ってしまえるのか否か」という点です
例えばボリスはD1でもD9でもD60でも5室(子供運)や7室(結婚運)が傷ついています
これは自分の各チャートでも似たような配置があるため強く興味を惹かれる点です
自分はD1(乙女座ラグナ)で木星が6室に在りますがボリスは8室に木星が在ります
自分のD9(双子座ラグナ)では木星に火星が1室-7室の軸で対向アスペクトしグル・マンガラヨーガになっています
その火星はD1で同じ星座(射手座)に在るためヴァルゴッタマとなりとても強い威力を帯びています
自分のD9で土星は木星にアスペクトしませんが5室で高揚し火星にアスペクトします
つまり自分のD9は早い話が「結婚運のないチャート」です
なおD9の水星と金星は星座交換しています(この点がボリスと似ているように感じ驚きました)
金星は5室支配で12室目の乙女座に住むため子供運もどうやらないようです
またD1ではボリス同様に太陽がディグバラで、対向の4室から二重の凶星である火星と相互アスペクトしています
自慢ばかり書いているようで恥ずかしいのですが、正直に言って自分はかなり幸福感が薄い人生です
D1でラグナロード(水星)は10室定座のマハープルシャ・ヨーガでスーリヤ・ブッダヨーガにもなりますが、金星(2室支配)が11室に在ってもそこまで頭のいい方ではないと思います(金星がそもそも減衰していて蟹座に居るからだとは思いますが)
これは乙女座ラグナにとって最悪の星である火星が水星と金星をアスペクトするためであり、11室支配の月はラグナに在ってもノーアスペクトでケマドルマの名残が強い配置です
5室支配の土星は3室の敵対星座(蠍座)で逆行し強いとも弱いとも言えません
天秤座に向かって逆行するので5室支配の良さを特定のダシャーが来るまで実感できないのかも知れません
ボリスはD1で月の配置がいい(11室支配で友好星座の2室在住)上に吉意の強い星座交換を起こし、土星(5室支配)が定座で強く、D9で5室に7室支配の木星が住むあたりは自分との大きな違いです
ラーフ・ケートゥが10室-4室であることも自分のラーフ・ケートゥ配置の悪さ(ラーフ8室/ケートゥ2室)より優れている特徴でしょうか?
自分のD60は射手座ラグナで4室に在ってディグバラとなる月から見た8室目(ラグナから見た11室)でグル・マンガラヨーガが起きています
これはボリスのD1で成立している星座交換と同じ1-2-9-10のラージャヨーガですが、それがチャンドラ・ラグナの8室目であり困難の予兆を感じます
(なおこのグル・マンガラヨーガはラグナから見ると1-4-5-12のヨーガであり自分のD9で起こる星座交換のヨーガと支配室が偶然に符合します)
しかも自分のD9におけるチャンドラ・ラグナは自分のD60と相似しており、月の住む魚座から見て4室-10室の軸で1-2-9-10のグル・マンガラヨーガとなります
また自分のD60では太陽が9室で定座となり、機能的凶星の金星(6室11室支配)とコンジャンクションしている点も、ボリスとやや似ています
自分は1986年6月16日13:10(レクティファイではマイナス40秒の)に千葉県の柏市という町で生まれています
D1でもD9でもD60でも月の両隣に惑星が不在の微弱なケーマドルマ・ヨーガを持つためか「自分は死ぬまで他人とは異なる人生だろう」という一種の諦めを持つようになりました
大変に長いコメントを垂れ流しすみませんでした
思う限り記してみたくなったので打たせていただきました
> 容姿や実際の言動は月と2室やその支配星の状態にもよりますが乙女座特有の堅苦しさがボリスにはまるで見受けられません
> やはりラグナロードが自室から12室目に在って乙女座最大の天敵である火星とコンジャクトし太陽と関わらないことが大きいのでしょうか?
> 水星と金星の星座交換は確かに政治家そのものといった配置ですが、両惑星とも定座止まりの強さであり、しかもそれらは機能的にも生来的にも二重の凶星(太陽/火星)とコンジャンクションしています
確かに10室の双子座から見て、支配星の水星が12室目に在住して火星とコンジャンクトして傷ついているという象意から、双子座10室の象意はよくないという見方が出来るかもしれません。
牡牛座は双子座から見て12室目であり、双子座を損失する星座であり、EU統合という風の星座の理念を理解出来ない部分というのは、牡牛座9室から来ているということもあるかもしれません。
9室と10室の星座交換は素晴らしい訳で、ジャーナリストとして成功する配置ですが、双子座10室をラグナとしてみると、ラグナ―ロードが12室に在住して傷ついているというのは、双子座10室にとってはマイナスというのはそうだと思います。
> D60では5室でガジャー・ケーサリヨーガを持っていても月と木星がウパチャヤ支配で凶意だけ強くなっています
> 正直、そのような配置ではここまで高位な権威に昇りつめるほどの可能性を感じられない印象です
D60の5室で形成されているガージャケーサリヨーガは木星が5、8室支配で5室に在住し、8室は敏感な中立ハウスである為、基本的に木星は機能的吉星で、自室に在住する強い木星で、月は12室支配の敏感な中立星座を支配しており、木星の吉意に引っ張られて強いです。またこの木星と月に対して、4、9室支配のヨーガカラカの火星がアスペクトしているのも良いです。
但し、土星とラーフに挟まれて、パーパカルタリヨーガを形成しているのは、傷を与えています。
従って、吉凶混合しています。
> 自分にとって純粋に疑問を感じるのは「D60さえ強ければ他の全ての不幸を補ってしまえるのか否か」という点です
D60は、16分割図システムにおいては、ナヴァムシャよりも重要度が高くなっており、ナヴァムシャとは違う意味でのその方の本質が現れているようにも感じます。
ただD60が強くても、出生図やナヴァムシャで、惑星の悪い配置があったり、弱い惑星があったりすれば、
そうした惑星は実際に困難をもたらす為、D60が強いだけで他の全ての不幸を補えるとは思いませんが、D60の配置は重要だと思います。
ボリス・ジョンソンが何故、英国首相になれたのかということですが、やはり9室と10室の水星と金星の星座交換という最高のヨーガが形成されている点が大きいと思います。
そして太陽が絡んでいるので、政治家になり、また火星が絡んでいるので、EU離脱を強引に推し進めようとしている訳です。
太陽も火星も機能的凶星であるため、色々問題を起こし、変化が激しい訳ですが、火星と太陽のナクシャトラレベルの星座交換が役割を果たしていると思います。
水星/ケートゥ期に首相になった訳ですが、水星もケートゥもナヴァムシャでそれ程、強いとは思えませんが、ダシャムシャにおいて、水星は月から見て10室で、バドラヨーガを形成し、ケートゥはラグナからみて5室に在住して、4、5室支配のヨーガカラカの土星からアスペクトを受け、ラージャヨーガを形成しています。
従って、それ程、悪い配置とも言えません。
但し、いろいろ改めて見ていると、ナヴァムシャのラグナの取り得る範囲は、山羊座~乙女座ですが、双子座ではなくて一つ手前の牡牛座ラグナでもいいのかもしれません。
ナヴァムシャを牡牛座ラグナにすれば、5室支配の水星が4室(王座)に在住する為、4-5のラージャヨーガを形成する水星期に首相になったことが説明できます。
水星のディスポジターである4室支配の太陽もラグナロードの金星と共にケンドラの7室に在住して、ラージャヨーガを形成します。
またアンタルダシャーのケートゥもディスポジターの水星が5室支配で4室に在住し、ラージャヨーガを形成しています。
そうした観点からは、ナヴァムシャのラグナは牡牛座でいいのかもしれません。
マハダシャー水星期の前は、土星期でしたが、ボリス・ジョンソンは土星期においても良いキャリアを形成してきたと思います。
ジャーナリズムの世界でも活躍しました。そう考えると、9、10室支配のヨーガカラカの土星が9室に在住し、3室(メディア)にアスペクトする配置がよいと言えるかもしれません。
ナヴァムシャのラグナが牡牛座に移動すると、ダシャムシャのラグナの取り得る範囲は、牡牛座~水瓶座ですが、一つ前の乙女座に遡り、水星は、1、10室支配でラグナに在住し、バドラヨーガを形成します。
ダシャムシャのラグナに在住する惑星のダシャーの時期は、キャリア上の上昇の時期であり、そのラグナに在住する水星がバドラヨーガであるということになれば、それは首相になれる位の上昇を意味します。
またこの水星は、月から見ても10室でバドラヨーガを形成しています。
ダシャムシャで12室に在住する水星の時期に何故、首相になったのか私も疑問に思いましたが、そのまま放置していました。
直近で、検証した立花孝志氏のチャートで、4Lと5Lのラージャヨーガ、MKとPKのラージャヨーガは、政治家になる野心や長期計画を表わすということを書きました。
そうした観点からすると、ボリス・ジョンソンは、ロンドン市長になるなどして、着実に首相への道筋を計画的に作っていた様子が見られます。
この観点から考えた時にナヴァムシャのラグナを牡牛座とすれば、5室支配の水星が4室(王座)に在住して、4-5のラージャヨーガが形成されるため、水星期に政治家としての最高のポジションに昇り詰めたことが説明できます。
然し、双子座ラグナでは、1-4室支配の水星が3室に在住する配置となり、4室(王座)が3室(4室を失う:王座を失う)に在住する配置となるため、首相の座を得たことを説明出来ません。
その為、おそらくナヴァムシャのラグナは牡牛座ラグナで間違いないと思います。
そうすると、おそらく出生時間は、13:37:52~13:46:14の間です。
13:37:52より遡るとナヴァムシャのラグナが牡羊座になり、13:46:14より後だと、ダシャムシャのラグナが天秤座に移動します。
但し、そんなに大幅に遡るとは考えられない為、おそらく13:46:14に近い所ではないかと思います。
出生時間が14:00となっていますが、このように14時ジャストとなっている場合は、出生時間が極めて疑わしいと考えなければなりません。
大抵は、出産した後、お産婆さんが、別の部屋に赤ん坊を寝かしつけたり、いろいろな作業を行った後で、時間を記録することが多いため、実際の誕生時間は5分~10分ぐらい前であることが多いため、13:46:14というのは十分あり得ると思います。
ナヴァムシャのラグナが双子座という前提が崩れましたので、ボリス・ジョンソンのナヴァムシャやダシャムシャについての考察を書いて頂いたようですが、また再度、やり直しが必要かもしれません。
また出生時間も記入頂いたようですが、この場では、個人のチャートの検証などは行なっていませんので、いろいろ記事を参考に検証してみて下さい。
ボリス・ジョンソンのチャートは、ナヴァムシャのラグナが双子座で、ダシャムシャのラグナが天秤座では、何故、この人物が英国の首相になれたか理解できません。
その辺りの洞察は正しいと思います。
おかげで、再度、じっくりと検討することにより、ナヴァムシャとダシャムシャのラグナを修正することが出来ました。
これについては後日、また記事にまとめたいと思います。
因みに13:46:14で、チャートを作成すると、D60のラグナは水瓶座になりますが、水瓶座ではなく、山羊座ラグナか、もしくは蠍座ラグナ辺りではないかと思います。
例えば蠍座ラグナであるとすると、10室支配の太陽が6室で高揚して火星からアスペクトされる為、行政の最高職に就いたことと、独裁的な政治手法などが説明出来ます。
また金星の絡みは、政治家としてのパフォーマンスや魅力を表わすと思います。
10室の水星はジャーナリズムの仕事を意味しますが、3、4室支配の土星も3室で自室に在住しますので、メディアの仕事を表わします。
また蠍座ラグナの場合、2室で5室支配の木星と9室支配の月がコンジャンクトして、最高のガージャケーサリヨーガを形成します。
従って、D60は蠍座ラグナがより説明出来そうに思います。
D60は、出生図と同じようにあらゆるテーマを見ることが出来るチャートです。
従って、水星が10室に在住しており、水星期に高い地位に就くことを意味しており、ディスポジターの太陽が高揚していることもそれを表わしています。
職業運がこのチャートから説明出来ます。
例えば、wikipediaによれば、2008年5月の土星/太陽期にロンドン市長に就任し、同時に『デイリー・テレグラフ』紙においてウィークリー・コラムを再開していますが、土星は3室(メディア)、4室(王座)を両方支配しているので、それでロンドン市長になり、ジャーナリズムも行なったと思います。
またアンタルダシャーの太陽は10室支配で6室で高揚しているため、ロンドン市長になったということです。
ダシャムシャのラグナを蠍座にする場合、出生時間が13:38前後となり、14時からかなり遡ることになります。
従って、D60のラグナを蠍座にするにはもう少し慎重に検討する必要があります。
D60のラグナについては検討の余地がありますが、出生時間が、13:37:52~13:46:14の間で、ナヴァムシャが牡牛座ラグナで、ダシャムシャが乙女座ラグナであるということは、かなり妥当ではないかと思います。
※ナヴァムシャと、ダシャムシャのラグナについては、文章をまとめている途中で、気づきましたので、冒頭の書き出しと、文末の結論が大分違っているかもしれません。冒頭の書き出しでは、ナヴァムシャのラグナが双子座で、ダシャムシャのラグナが天秤座という認識で書いているため、文章が分かりにくくなっていますが、ご了承下さい。