9月11日の選挙結果の蓋を開けてみると、
自民公明合わせて、327議席を獲得し、与党単独で2/3の議席を獲得した。
これは参議院で法案が可決しなくても衆議院で再度、審議して法案を可決できるという、政府が自由に法案を可決できるという情勢を意味している。
一番、票を減らしたのは民主党で、本来、取り込まなければならない都市部の無党派層の票が自民党に流れ込み、誰もが予想しなかった自民党の圧勝につながったのである。
民主党は177議席から113議席に大きく議席を減らした。公明党は3議席減らし、共産党は9議席を現状維持し、社民は2議席を増やした。
郵政民営化に反対した議員は次々に敗北していった。最終的に30人いた郵政反対派勢力は13人にその数を減らし、大きく議席の数を減らしていったのである。地元に強固な地盤を持つ亀井静香氏、綿貫民輔氏らの古参の議員は何とか生き残ったが、亀井静香氏は次点のライブドアー堀江貴文の追撃を受け、亀井氏11万票、堀江氏8万票という所まで追い込まれたようだ。
また野田聖子も何とか勝ち残ったが、刺客として送り込まれた佐藤ゆかり氏は比例名簿の1位に登録されており、軽々と当選し、野田聖子が自民党に帰還できる見込みはない。
田中真紀子氏も中越地震の復興に全力をあげることを訴え、実際、地元にてボランティアに励む米山隆一氏の追撃を受け、あと一歩の所まで追い込まれたが、何とか逃げ切ったのであり、今回、田中氏は米山氏の影響で選挙の戦術まで変えて、一軒一軒の家を訪ね歩き、一人一人の有権者と語り合う戦術に変えた必死の選挙活動を展開した上での勝利であり、余裕の選挙戦ではなかったようである。
従って、郵政民営化反対議員は何とか生き残った議員達も今後の展望がなく、派閥の長を辞めた亀井静香氏をはじめ、皆、大きく叩きのめされたのである。
こうして郵政民営化反対議員と民主党が大きく負けて、自民党が票を大きく伸ばしたのである。
今回の選挙は途中まで郵政民営化に反対していた民主党と郵政民営化に反対した議員が負けたのであり、まさに小泉首相の主張する郵政民営化に反対か賛成かを問う選挙であるという主張通りの選挙になったようである。
この選挙結果には選挙前に小泉首相の10室ムーラトリコーナの火星にトランジットの火星がリターンしているため、郵政民営化反対議員達が叩きのめされることは予想していたが、これ程までに勝つとは予想はしていなかったのである。
然し、逆にこの結果を見て、インド占星術で予想した内容は必ず、当たること、占星術というものが未来を見通すことの出来る強力な技術であることを改めて、確信できたのである。
ここで小泉首相のチャートに再び注目するが、
小泉首相は蟹座ラグナで5、10室支配のラージャヨーガカラカの火星がムーラトリコーナで強く、10室最強のケンドラに在住し、方角の強さを得るというような、非常に人々の注目を浴びる大舞台で、権力を掌握し、それを振りかざす支配者の配置をしている。
そして、7、8室を支配する土星も10室に在住して、減衰しており、10室の注目を浴びる舞台には必ず、対戦相手を表す7室支配の土星がコンジャンクトしており、減衰しているので、力が弱く、火星の火によって焼かれて、弱くなっている様子が伺えるのである。その土星は8室も支配しているため、彼にとっては悩みの種であり、苦悩をもたらす存在ではあるが、火星の方が機能的吉星で品位がよく強い為、最終的には敵対勢力を打ち負かして、勝利するというストーリー(カルマ)が既にチャートに刻まれているのである。
この土星は敵対勢力を示しており、小泉首相の場合は郵政民営化反対議員を指している。
この土星的な敵対的な人物としては郵政民営化に反対した小林興起氏がいるが、彼は郵政民営化を問う衆院議院における投票で、反対票を高々と頭上に掲げたのであり、その行為が小泉首相の怒りを買い、最強の刺客、小池百合子を同一選挙区に送り込まれて、今回、落選の憂き目にあったのである。
彼は月が水瓶座に在住し、水星とケートゥが山羊座に在住しているのであるが、月が在住する水瓶座は小泉首相の8室に該当し、彼が小泉首相の苦悩の表示体であることははっきりしている。
小林氏をよくテレビのブラウン管で見るが非常に山羊座的なパーソナリティーで、いつもあくせく、忙しく働いているイメージで、深刻な表情をして真面目で律儀な所があり、叩き上げの努力の人という土星的なイメージのある人物であると感じていたが、今回、彼は、小泉首相のチャートにおける筋書き通りに叩きのめされたのである。
小林氏の月は小泉首相の乙女座の月と6/8室の敵対関係にあり、まさに彼が小泉首相の敵であったことは明らかである。
※今日の夕刊を見ると、小林興起氏の議員秘書が選挙違反で逮捕されていた。
徹底的に叩きのめされ、さらにとどめを刺されているような感じである。
こうした小泉首相の配置は伝説のボクサー・モハメッド・アリと同じであり、モハメッド・アリも蟹座ラグナで10室で火星と土星がコンジャンクトしている。
モハメッド・アリは強いのだが、対戦相手の猛打もよく受けており、「キンシャサの奇跡」でジョージ・フォアマンを破った伝説の一戦でも、初めは猛打を浴び、最後に逆転勝利したのである。
これは小泉首相にも当てはまり、今回、民主党から、そして、自民党内の反対派からも猛烈に批判され、打たれ続けたが、最後に逆転勝利したのであり、大舞台で、伝説の勝利を収めたモハメッド・アリと今回の小泉自民党圧勝を比較してみると興味深いのである。
ところで、現在、小泉首相はおそらく土星/金星期である。
金星はラグナから7室(10室から10室目)のケンドラに在住しており、4、11室の支配星である。月から見ると、2、9室支配で、5室に在住している。
土星から見ると、2、7室支配で10室に在住しており、いずれにしてもケンドラが絡んでおり、大舞台で活躍する配置をしている。
また7室に金星が在住しているため、多くの女性の候補者を擁立し、政権のパートナーとすることも彼の特徴である。
今回も猪口邦子、片山さつき、佐藤ゆかりなど、優秀な女性陣を擁立し、パートナーシップを結んだ。
然し、一方で、女性を擁立するが、最終的には田中真紀子のように公の場で、叩きのめすというような象意も同時にもっているのである。
これも彼のチャートの特徴である。
また、片山さつきは今回、小泉首相に担ぎ出された一人であるが、彼女は太陽がバラニーで高揚しており、やはり、火星のバラニーへのトランジットの影響で、10室火星の小泉首相のカルマに関連して、このタイミングで小泉自民党に担ぎ出されたのは偶然ではないと思われる。これも10室火星ムーラトリコーナの小泉首相が表している事象と言える。
【今後の小泉首相】
今月、9月28日よりトランジットの土星が天秤座に移行し、木星と土星のダブルアスペクトが彼の10室に形成されるため、彼の公の行動、仕事が拡大発展する傾向を示している。特に火星が出生図で9室を支配する木星のトランジットを受けて、非常に吉星化するのである。
また引き続き、来年の2月までトランジットの火星が牡羊座に留まり続ける為、引き続き、彼が強いリーダーシップを発揮していくのは明らかである。然し、その間、火星の逆行もあるため、彼のリーダーシップが後ろ向きになることも考えられる。
然し、この2/3の議席を獲得した強みを生かして、様々な法案を通すことが出来るため、非常に積極的な政治になることは間違いない。その時に木星のアスペクトの影響で、より肯定的な行動を起こすかもしれないことは期待できる。
そして、おそらく2007年の前半ぐらいに土星/太陽期に移行するのである。
太陽は2室支配で6室に在住しており、月から見て12室支配で4室に在住している。
土星からみて9室目に在住している。他の惑星のアスペクトは受けておらず、射手座6室に在住しているため、この時期には非常に野心的で闘争心旺盛な所を示すと思われる。
そして、次に2008年の前半ぐらいに土星/月期にシフトするが、月は土星から見て4室を支配して6室に在住し、ラグナロードで3室に在住し、9室支配の木星からのアスペクトを受けている。
この時、彼はサディサティであるが土星のアシュタカヴァルガは6/30と非常に高い得点の場所を土星がトランジットしていることになる。
また土星はアートマカラカでナヴァムシャで射手座に在住しているのだが、2008年1月からチャラダシャーは射手座で、射手座アートマカラカの象意が噴出してくることが考えられる。
射手座アートマカラカの象意は地位の転落か上昇であり、もしそのどちらかとすると、転落の可能性が大きいのではないかと前回考えたが、実際には、アシュタカヴァルガの点数が高く、月は1室の支配星で、3室で9室支配の木星のアスペクトも受けているため、自己演出、自己宣伝によって、またもや非常に世間的な栄誉を受ける可能性もあり得ると思われる。
彼の特徴として月が3室に在住して、木星のアスペクトを受けるという配置はジョージ・ブッシュの月が3室に在住し、9室支配の木星がコンジャンクトするという配置と非常に酷似している。アスペクトとコンジャンクトの違いはあるが非常によく似ている。
ジョージ・ブッシュの3室は父親の恩恵でマスコミを味方につけて、大衆への自己宣伝に巧みな配置であると言われている。
またアドルフ・ヒトラーの月が3室に在住し、木星とコンジャンクトしているのであり、彼も大衆に向かって、マスコミを駆使した宣伝活動によってその勢力を拡大したのである。
月と木星の3室でのコンジャンクトは大衆と拡大という2つの象意を表し、またガージャケーサリーヨーガはプロモーション能力を表し、それが3室で形成されることにより、マスコミへの自己宣伝に巧みな配置である。
彼はこの配置により、マスコミを使った大衆操作に巧みだったと言えるが、土星/月期にはその3室在住の月の象意が出てきて、しかも土星が月にトランジットするという非常に興味深い時期に突入するのである。
この時期、彼は7、8室支配の土星が象徴する敵対勢力に再び、攻撃され、彼の名誉は激しく傷つけられるが、その逆境をマスコミを味方につけた大衆的自己宣伝によって、乗り越えて、逆に自己の地位の躍進に利用するのではないかと思われ、この短い期間に彼の地位が激しく上下するのかもしれない。
その土星/月期の後に土星/火星期が続くのであり、この火星期は敵対勢力を粉砕する象意を表している。
【終わりに】
今回の小泉自民党大躍進は火星の影響によるものが大きいと思われるが、この火星は権力をもたらすのであり、全体主義を生み出したのもこの力である。
現在、アメリカでブッシュ政権が誕生し、全体主義的な統治や軍事力による覇権主義を推し進め、マスコミを巧みに利用した情報操作で、自己宣伝し、大衆を煽動する中で、日本の小泉政権も同じように、アドルフ・ヒトラーが解散総選挙によって議席を伸ばしたような強引な手法によって議席を伸ばしているのである。
日本でも小泉首相がマスコミを利用したキャンペーン活動によって、”郵政民営化”などと分かりやすいプロパガンダを広め、改革者であるかのように装い、実際は全く改革をしていないという現状にも関わらず、大衆は彼のカリスマ的な指導力に期待して、票を入れるという状況なのである。(投票率が67%と高めだったことも小泉自民党に有利な方向に流れたようである)
ナチスの宣伝相・ゲッペルスが「嘘も百回つけば真実になる」と語ったように、小泉首相がテレビで常に”郵政民営化”、”改革”と言い続けた結果が、実際は改革などしていないのに改革をしているというイメージを作り上げたのだと思われる。
ジョージ・ブッシュ、小泉純一郎ともに蟹座ラグナであり、魚座ラグナからすると、5室目に該当し、魚座の時代の代表者たちからすると、その息子達である。
つまり、古い時代のエネルギーを代表する者たちである。
彼らは火星の力を自分に最大限に用いることの出来る人物達であり、蟹座ラグナにとって、火星は5、10室支配のラージャヨーガカラカであり、最も社会的成功、達成をもたらすことの出来る惑星である。
そして、この火星の力は全体主義的な力であり、今現在起こっていることは、過去2000年の魚座の時代に用いられた力の最後のフィナーレであり、花火大会で起こる最後の見せ場に当たるのである。
最後の見せ場には花火を集中して打ち上げるのであり、それは一見、花火が最も盛んに見えるにも関わらず、それは花火が終わって静まり返る前の印なのである。
つまり、小泉自民党の躍進はブッシュ政権の力の行使と同時期に起こった同じカテゴリーに属する現象であり、時代の転換期における最後の逆行的動きであると言える。
どんなに良い意図を持とうと、新しく来る水瓶座の時代と水瓶座時代の代表者たちにとっては蟹座は6室目に該当し、水瓶座時代への変化を妨害する敵対者なのである。
小泉首相も郵政民営化というのは彼の郵政大臣時代から持っている持論であり、それなりに良い意図であるかもしれないのだが、蟹座の持つ生来の保存、保護の性質により、彼の郵政民営化は捻じ曲げられた過保護な政策でしかなくなっているのである。
道路公団民営化などにも失敗しているのは彼が生来的に真の改革が出来ない性質であるから出来なかったのである。
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