
日本製鉄が、USスチールの買収に成功したようである。
アメリカ政府に黄金株を保有させ、拒否権を保持することを提案し、巨額の投資を約束し、安全保障上の懸念も払拭するなど、アメリカに有利な取引を成立させ、USスチール社員の雇用を守ったという形で、トランプを最大限持ち上げ、花を持たせたことが、買収成功のポイントであったとされる。


これは日本の愛国者からすると、国威発揚となる出来事である。
日本製鉄のホロスコープを描くにあたっては、いくつかの注目すべきデータがある。
戦後に財閥解体されて、旧・日本製鉄(日鉄)の後継会社として、1950年4月1日に発足した八幡製鐵株式会社(Yawata Iron & Steel Co., Ltd.)である。
日本の製鉄業の歴史を見ると、まず、1901年に福島県に明治政府の殖産興業政策の象徴的存在として、官営八幡製鐵所が創業されている。
そして、1934年に官営八幡製鐵所を中心に、民間の製鐵会社を統合して、日本製鐵株式会社(日鉄)が創立されている。
1945年に敗戦して、連合国軍総司令部(GHQ)による独占禁止法と財閥解体政策により、八幡製鐵、富士製鐵、輪西製鐵、釜石製鐵などの4社に分割されている。
この4社に分社化された時、1950年4月1日に八幡製鐵株式会社が誕生している。
この官営八幡製鐵所の流れを汲む八幡製鐵株式会社と、住友グループの鉄鋼メーカー・住友金属工業が2012年10月1日に合併して、新日鐵住金株式会社となり、2019年4月1日に社名変更して、現在の日本製鉄株式会社になっている。
つまり、注目すべきは、財閥解体後の1950年4月1日に設立された八幡製鐵株式会社と、2012年10月1日の合併と、2019年4月1日の社名変更などである。

また官営八幡製鐵所が操業を開始した1901年2月5日も根本的な日本の製鉄業の開始時期として意味があると考えられる。
これらの5つのマンデン図を順番に見ていくが、会社の設立時間は、分からないため、10時や11時、13時で試すのが有効に思われる。
今回は、それぞれのマンデン図を10:00で作成してみた。

まず、1950年4月1日のチャートだが、現在、土星/月期で、土星と月は獅子座でコンジャンクトしているが、対向の水瓶座から金星と木星がアスペクトしている。
土星はナヴァムシャで高揚して、強いことが分かる。

住友金属工業と合併した2012年10月1日のチャートは、現在、ケートゥ/土星期で、まもなく、金星期に移行する直前である。
金星はナヴァムシャで牡牛座で定座に在住し、月から見て4、9室支配で4室でマラヴィアヨーガを形成している。
このチャートのナヴァムシャは非常に強く、金星が定座で、木星や水星が高揚している。
金星のディスポジターである水星は、乙女座で定座に在住し、月から見て、7室のケンドラで、バドラヨーガを形成している。

因みに乙女座というのは、日本の建国図における10室に在住する土星を象徴しており、戦後の日本の重化学工業を表している。
ものづくり大国日本の基幹的産業である製鉄業は、この10室の土星の象徴している。

次に2019年4月1日の社名変更時のチャートを見てみるが、現在、ちょうどマハダシャーラーフ期に移行した直後で、ラーフ/ラーフ期である。
ラーフは、双子座で強くなり、またヴァルゴッタマでもあるが、ディスポジターの水星は、水瓶座で金星とコンジャンクトしており、良い配置と言える。
月から見て、5、10室支配の金星と9室支配の水星が、5-9、9-10のラージャヨーガ、ダナヨーガを2室(財政、財産)で形成している。
月は29°5’付近であるが、仮に月が水瓶座であったとしても金星は、4、9室支配のヨーガカラカで、5室支配の水星とコンジャンクトして、4-5、5-9のラージャヨーガ、ダナヨーガをラグナで形成している。
またラーフには、射手座で鄭座の木星と土星がアスペクトして、強力なサポートを受けている。
ナヴァムシャにおいてもラーフのディスポジターである水星は、牡羊座で木星とコンジャンクトしており、ダシャムシャでも、ラーフのディスポジターの木星は、月から見て、ハンサヨーガ及び、ガージャケーサリヨーガを形成し、ケンドラに位置する高揚する水星や金星のサポートを受けている。
以上、重要なタイミングのどれを見ても、今のタイミングは吉兆に見えて、良さそうに見える。

それでは、官営八幡製鐵所が創業された1901年2月5日のチャートだが、金星/金星期に移行した直後で、金星はヴァルゴッタマで強く、強い友好星座に在住し、ディスポジターの土星は射手座で定座に在住する木星とコンジャンクトして強い配置である。
月から見ると、5-7のラージャヨーガを形成しており、土星は水瓶座にアスペクトバックして強い。
ダシャムシャでは、金星は減衰しているが、木星や水星からアスペクトされて、ニーチャバンガラージャヨーガを形成している。
あまり、はっきりしたことは分からないが、注目すべきタイミングを調べてみた所、いずれも良さそうな配置に思えた。
アメリカの民主党政権やリベラル派勢力の方が、長年、年次改革要望書などを毎年、日本に突き付けて来て、市場開放の要求など、日本にとって厳しい要求を突き付けて来た。
日本の半導体産業など全て潰してきたのは、アメリカの民主党、リベラル勢力である。
ジョー・バイデンなどは、「私たちが日本の憲法を書いた」と発言し、日本を明らかに属国扱いしている。
それに比べると、ドナルド・トランプは、日本がアメリカに投資してくれて、雇用を確保してくれれば、それ程、うるさいことは言わない。
結局、ドナルド・トランプが大統領に就任した今は、実は、日本にとってのチャンスである。
トランプはなるべく、海外で無駄な出費を行ないたくない為、海外への軍事支援などにも消極的である。
もし今年2025年、そして、2026年、2027年に中国が台湾に軍事侵攻したり、尖閣の領有権を脅かすことになれば、日本は本当の意味で、覚醒し、安全保障など、米国に頼らずに自らの国の力で、行なわなければならなくなる。
それが日本の戦後の軛からの脱却を意味している。
明治政府の殖産興業政策、富国強兵の象徴たる官営八幡製鐵所の流れを汲む日本製鉄が、USスチールを買収し、世界一の鉄鋼メーカーに返り咲こうとすることは、何か、戦前の日本の復活を象徴するかのようである。
例えば、戦前の大日本帝国憲法施行時の建国図では、2028年9月からマハダシャー木星期に移行するのである。

この日本の戦前の建国図も現在も機能していると考えられ、この木星期は、戦前においては、1907年~1924年に該当するが、日本は、満州に進出して、南満州鉄道を建設したり、海外に版図を拡大していったのである。
この時期は、日露戦争に勝利した後であり、韓国を併合し、中国に進出し、対華二十一カ条を突き付けて、中国に権益を拡大したり、第一次世界大戦に参戦して、シベリア出兵し、ワシントン会議では、アメリカ、イギリスに次ぐ、海軍力を保持した。
社会的にも労働運動や女性解放運動などが盛んになり、文化的にも発展した時期である。
例えば、ここ最近、日本の鉄道メーカーの海外からの受注も堅調である。
2024年6月 日本車輌製造/JR東海 台湾高鐵(N700S系ベース車両、技術コンサル) 2024年12月 日立レール 英FirstGroup向けインターシティ車両(納入2027年〜) 2025年3月 JR東日本 インド高速鉄道向けE10系新幹線導入プロジェクト(検査車両をインドに提供) 2025年5月 東京メトロ・住友商事 ロンドン・エリザベスライン運営(2025年5月〜 最大9年半) 2025年6月 JR東海 Renfeと提携、新幹線技術共同展開 2024年5月〜2025年 Hitachi Rail Ontario Line車両受注、Thalesから信号事業買収(世界51か国拡大) – 三菱重工 Crystal Moverなどで各国導入済(シンガポール、UAE、米国など) |
この日本製鉄のUSスチール買収の成功は、何か日本の飛躍、戦前の日本の建国図が示すカルマを上昇の弧において、繰り返しているようにも思えてくる。
そうした日本の躍進の象徴なのである。
【備考】
米国の帝国主義(グローバリゼーション)を推し進め、世界政府を樹立しようとする勢力は、伝統的に共和党政権よりも民主党政権の方に顕現している。
CFR(外交問題評議会)、CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)、国防総省(ペンタゴン)、軍需産業(ロッキード・マーチンなど)、ウォール街(大手投資銀行)、連邦準備制度(FRB)などアメリカのディープステイトと呼ばれる組織は、国家安全保障上、日本の半導体産業をつぶしにかかった。
これらの勢力は、グローバリゼーションを推し進めた結果、アメリカ国内の製造業を空洞化し、国内の雇用を削減し、貧富の格差を拡大した。
現在、ドナルド・トランプはこれらの勢力と戦い、再び、アメリカを偉大にする為に国内に製造業を取り戻し、米国民に雇用を確保することを目標にしている。
そうした中で、結局、日本製鉄がUSスティールを買収することを認め、巨額の投資を米国内に呼び込むことは、米国の国益にかなっており、かつ、トランプの理想や政策にも合致していたのである。
もし、USスティールを別に名乗りを上げていた米国内の企業が買収した場合、従業員を解雇し、設備や工場を切り売りしたり、財務状態を健全化し、手っ取り早く、転売するなど荒稼ぎしていたと考えられる。
これこそが、ディープステイトの中の特にウォール街(大手投資銀行)が行なうやり方である。
USスチールの従業員たちは、これに反発し、日本製鉄の買収により、雇用が維持される方が、ありがたいと考えていた。


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