最近、米パランティアの創業者ピーター・ティールが、来日して、高市首相と会談した姿がメディアの話題をさらった。
米パランティアと言えば、米国防総省と契約し、データサイエンスを駆使し、米軍のAIを活用した次世代のアップデートにおいて中心的な役割を果たしている企業である。
リベラル思想家の多いシリコンバレーの投資家の中では、いち早く、ドナルド・トランプに応援に回り、大方の逆張りをして、現在、現政権において非常に良いポジションに就くことに成功した。「影の大統領」とも言われている。
来日したのは、自らが率いるパランティアが、日本の国防産業に技術やサービスを売り込めるかといったことを探るためかもしれない。
これまでピーター・ティールは表舞台に立つことはほとんどなかったが、ここに来て、方針転換したのかもしれない。
来日して、首相と共に2ショットを撮影されるのは、非常に珍しい光景であった。
にわかにピーター・ティールが表舞台に出て来た為、これまで沈黙していたマスメディアも盛んにピーター・ティールに注目するようになった。
最近、文藝春秋が、フランスの人口統計学者・社会思想家のエマニュエル・ドットとの対談を企画したり、また単独インタビューなども行っている。
その対談の中で、エマニュエル・ドットが言っていたが、ピーター・ティールは、フランスでは”悪魔”と呼ばれているそうである。
確かにデータマイニングという手法を使い、インターネット上に流れる全ての情報を選別して、人間の活動の全てを監視し、米国の安全保障を脅かすような勢力を事前に抹殺することが出来る。CIAや国家安全保障局(NSA)といった米国の諜報機関は、パランティアの技術なくしては成り立たなくなっている。
米国防総省と軍需産業は、常に世界のどこかで戦争が起こることによって、自らの存在意義や生業が発生する。つまり、平和より戦争を望む組織であり、悪の巣窟、物質主義の総本山と考えられているが、その組織にとって重要な技術を提供する会社であるだけにそう言われるのも無理はないものと思われる。
もし世界を支配するテクノロジーを誰が持つかと言えば、中国の共産党政権の他に挙げられる筆頭は、ピーター・ティールである。
彼こそが全体主義社会の独裁者の側に就くはずの人間である。
私は以前からピーター・ティールには注目しており、彼の代表作である『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』も読んで、その思想を研究もした。

ピーター・ティールは、リバタリアン(自由至上主義者)だが、ゼロ・トゥ・ワンの中で、自由競争にはメリットはなく、独占形態が最も優れていると主張していた。
自由競争すると価格競争などに巻き込まれて、贅沢な研究開発費などを使えなくなり、イノベーションなどが不可能になってしまうからである。
従って、資本主義とは別の考え方をしているのかと思い、単純にリバタリアンと断定してしまうのは避けなければならないと考えていた。
資本主義の最前線にいながらも何か社会主義的な深い思想を持っているのかもしれないと考えて、暫く判断を保留にしていた。
また出生図を作成してみたが、ラグナが分からないので、そのまま放置していた。
しかし、最近、ピーター・ティールが注目されるに伴い、改めて、ピーター・ティールのチャートを見てみたが、おそらく、牡羊座ラグナではないかと思われる。
しかも性格的にナクシャトラはバラニーではないかと思われる。ダークな印象もバラニーのものである。
またリバタリアンではなく、社会主義的な思想を深いレベルで持っているのかと考えていたが、そうではなく、やはり、リバタリアン(自由至上主義者)そのものであると考えを改めた。
それは文藝春秋のインタビューの中で、ピーター・ティールが、日本の漫画『ONE PIECE』(ワンピース)に言及しているのを見たからである。
ティールは、『ONE PIECE』(ワンピース)の主人公であるルフィーはキリストであると述べた。
『ONE PIECE』は世界でナンバーワンの海賊になろうという野望を持つルフィーが、様々な個性的な仲間を集めながら、宝を求めて旅をするという物語である。
このルフィーは世界政府に反対しており、そして物語の中では善玉で、行く先々で、人々を助けたり、良い影響を与えている。明らかにルフィーは、正義として描かれている。
敵対する海賊たちが登場するが、それぞれが、非常に個性的で、象徴的に世界の縮図がその作品の中に現れているともいえる。
そもそも海賊というのは、リバタリアンそのものである。
まだ国連や各国の国際的な条約なども未整備の前近代社会において、海賊は、他国の船を襲い、強盗などやりたい放題だった。
例えば、英国はエリザベス女王の時代にスペイン無敵艦隊の侵攻を撃退したのは、「シー・ドッグ(海の犬)」と呼ばれた私掠船員(女王公認の海賊)たちであった。
ドナルド・トランプが出て来て、グリーンランドを取得したいと言ってみたり、またプーチンのウクライナ侵攻、そして、米国によるベネズエラ侵攻やイランとの戦争など、力こそ正義であるといった弱肉強食の社会と化している。
そんな中で、リバータリアン(自由至上主義者)が、社会の前面に出て来て、自らの利益を公然と追求する。
その象徴の一つが、ピーター・ティールの台頭である。
ピーター・ティールの経歴を詳しく知る為の著作として、『無能より邪悪であれ -シリコンバレーをつくった男』マックス・チャフキン著がある。

ピーター・ティールはスタンフォード大学の在学中から、リベラル派の学生や教授たちによる多文化共生主義などを毛嫌いしており、キャンパス内のリベラル偏重な風潮に対抗する保守派の学生新聞『スタンフォード・レビュー(The Stanford Review)』を創刊し、積極的な政治・論争活動を行って保守的な思想を醸成していたことがよく分かる。
また学業や成績において、また知性においてNo.1になりたいという執念が凄まじいのである。
以下に本の内容から一部を抜粋するが、彼は常に一番になることに執念をもやす性格で、人に対してマウントを取り、また法律やルールを守ることを重視していなかった。そして、リベラル派が規則などを押し付けて来る風潮を嫌っており、国連嫌いでもある。これは典型的なリバータリアンの特徴であり、また牡羊座の性格の特徴でもある。
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『優秀な生徒たちを集めたクラスの中でも、ティールの能力が抜きに出ていた。試験は最高得点。それ以外の評価もトップだった。彼の学年の卒業アルバムを開くと、「また会おうね」とか、「友達になれてよかった」といった言葉が並ぶ中、ティールの言葉は異彩を放つ。「みんないつかほんの少しでも僕みたいになれるといいね。」』 (『無能より邪悪であれ -シリコンバレーをつくった男』マックス・チャフキン著 P.24より引用抜粋) |
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『ティールは下級生たちに対し、1科目あたり500ドルでさっと代理受験してやると持ちかけていたそうだ。ティールの上昇志向の強い性格や、スタンフォード大学を退学になるかもしれないリスクを考えれば、それは極めて危険な行為だった。しかし、ティールは全く気にかけていなかった。それまでにも社会の細かいルールを無視してきたのと同様、学校のルールを厳守しなければならないとは全く思っていなかった。それこそが彼を他とは異なる存在にしているのかもしれない。まさに彼は「勝つために生まれてきた」のだ。 (『無能より邪悪であれ -シリコンバレーをつくった男』マックス・チャフキン著 P.27より引用抜粋) |
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『ティールの友達はオタクが多かった。そして、1980年代のオタクの情動として、週末の夜は誰かの家に集まり、ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズを楽しんだ。 ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズは、勝敗よりもファンタジー世界の物語を紡ぐことに重きが置かれているボードゲームだ。(中略) ナレーターはダンジョンマスターと呼ばれ、参加者が持ち回りで務めることになっているが、ティールは常に自分がマスターになることを望んだ。「今になって振り返ると、当時から彼の性格の片鱗が見えていた」と、当時のゲーム仲間は言う。「彼は静かに、でも有無を言わさず、場をコントロールすることを好んでいた。」 (『無能より邪悪であれ -シリコンバレーをつくった男』マックス・チャフキン著 P.18~19より引用抜粋) |
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『1986年の年初、クリスマス休暇から戻ったティールは、成績表が入った封筒を受け取り、自分が平均4.0(オールA)の成績を獲得したことを知った。1年生のトップクラスの成績だったおかげか、会長賞を受賞した。 彼はそれから自分が知る中で、唯一同じ4.0を取った学生のところに行き、自分の方がAプラスの数が多いから「上だ」と主張した。10分間にわたって主張した。』 (『無能より邪悪であれ -シリコンバレーをつくった男』マックス・チャフキン著 P.18~19より引用抜粋) |
ピーター・ティールはスタンフォード大学で哲学を学び、学士の学位を取得した後、スタンフォードロースクールで法務博士の学位を取得した。そして卒業後は、合衆国控訴裁判所で法務事務官、ニューヨークの法律事務所で証券弁護士、スピーチライター、通貨オプショントレーダーとして働くなどしたが、いずれも満足せず、1996年にティール・キャピタル・マネジメントを設立した。
そして、1998年にコンフィニティ(後のペイパル)を共同設立し、2002年に15億ドルでeBayに売却することでブレイクする。
そして2004年にはデータ分析ソフトウェア企業パランティアを立ち上げた。
それ以外にも facebookなど有望なスタートアップに初期段階で資金を提供するなどして、その資産は爆発的に拡大した。
ビットコインにも2014年から約1,500万ドル〜2,000万ドル(当時のレートで約17億〜22億円)を投資しており、2022年前に売却し、約18億ドル(約2,000億〜2,500億円以上)の利益確定に成功したという。
その後、2023年後半に1億ドル(約150億円)投資している。
彼はニュージーランドに広大な土地を取得し、その地下に世界の終わりが起きた際の安全な避難先としてのシェルターを建設している。オープンAIのサム・アルトマンが、いざという場合にその避難所に避難するようティールに誘われたと告白している。
「終末」に備えるというのは、ティールを筆頭にシリコンバレーの富裕層の間のトレンドのようである。
私はピーター・ティールが『ONE PIECE』のルフィをキリストと考えており、世界政府の建設に反対していると知って、彼は典型的なリバータリアンであると認識した。
また、私はピーター・ティールがトルーキンの『指輪物語』を好んで読んでいたことに興味を覚えている。
『指輪物語』のクライマックスのシーンで、火山の火口で、主人公のフロドが指輪を指にはめ、指輪は私のものだと宣言する。
最も高潔で強靭な精神を持っていたフロドですら、最終的に指輪の力に屈して人格が一変し、支配欲に囚われてしまう。これは非常に興味深い人間性の本質を表した場面である。
つまり、どんなに全体主義や支配的体制に反対していたとしても、その者がそうした支配力を手に入れたとき、まさにその人物自身がそうした世界を築いてしまうのである。
ピーター・ティール自身もリベラル派の支配に非常に反発している。そして国連に反発している。もちろん世界政府の建設にも反対している。
しかし、彼自身が支配力を手にした時、彼自身がそのような全体主義的な監視社会を築いてしまうのである。
『指輪物語』の最も重要なシーンはそこであるが、ピーター・ティールは、この物語の中に、自分が将来直面する究極の葛藤を見たのかもしれない。
結局、リバータリアン(自由至上主義者)は自分が規制を受けたり、自由を阻害されることは嫌い、反発するが、もしリバータリアンが巨大化し、力を得たとき、その人間こそが全体主義的な社会を築いてしまうのである。
ピーター・ティールがもし牡羊座ラグナであれば、常にそうした問題に直面するだろうと思われる。リベラル派の規制や支配に反発するが、いざ自分が支配する立場になった時、彼は非常に上下関係にこだわり、厳しい階級社会を構築するのである。
例えば、牡羊座が象徴する英国は、非常に厳しい階級社会である。
王族や貴族、富裕層と、一般庶民は、店の入り口も違っていたり、一般庶民は、ベンツに乗ってはいけないとか、色々階級を区別し、常に上下関係を意識させる社会である。
この英国が、ブレグジットで、欧州連合から離脱したことは偶然ではない。
英国は、リバータリアン的な国家であり、欧州連合から規制を受けることを好まなかったのである。
昔、海賊を公認して用いたような国である。
その英国が大英帝国を築き、世界の7つの海を支配したという歴史は覚えておくべきである。
そこで、ようやくピーター・ティールのチャートの分析に入るが、彼が牡羊座ラグナである場合、いくつかの事実が説明出来る。
まず、ピーター・ティールは同性愛者だが、2017年10月に自分の投資会社で、ポートフォリオマネージャーなどを務める投資家のマット・ダンゼイセンと結婚している。
そして、マット・ダンゼイセンとの間には、2人の養子縁組した子供(娘)がいるという。
2017年10月のトランジットを見ると、木星は天秤座7室をトランジットし、土星は蠍座から7室の支配星である金星にアスペクトして、7室にダブルトランジットが形成されている。
また木星はラグナにアスペクトし、土星は結婚生活の8室をトランジットし、ラグナロードの火星とコンジャンクトして、1室(7室から見た7室)にもダブルトランジットしている。
また牡羊座ラグナにすると、7室の支配星である金星が7室支配の金星にリターンしており、またラグナロードの火星も7室支配の金星をトランジットしている。
ラーフ/ケートゥ軸は、月ラグナから見た1-7軸をトランジットしている。
私はピーター・ティールのラグナのナクシャトラはバラニーだと考えているが、ラグナをバラニーの第4パダに設定すると、ナヴァムシャのラグナは蠍座になる。
結婚した2017年10月は、木星/ラーフ期で、木星とラーフは、ナヴァムシャの7室に在住している為、結婚のタイミングである。
木星とラーフはグルチャンダラヨーガであり、通常の伝統的な結婚ではないことを意味しており、また木星が7室に在住する場合、しばしばパートナーに理想主義を求める為、同性愛者になり易い配置であると言われる。
またナヴァムシャの5室支配の木星はラーフとコンジャンクトしているが、5室の支配星がラーフとコンジャンクトすると、血のつながりのない子供という象意になり、それは養子縁組を表している。
ちょうど結婚した2017年10月は土星が5室にアスペクトし、木星は直前まで5室の支配星とコンジャンクトして、5室にダブルトランジットしていた為、同性愛結婚した後、直ぐに養子縁組で、子供を持つ流れになったのではないかと考えられる。
サプタムシャでも木星はラグナに在住し、ラーフは9室に在住しており、養子縁組で子供を持つタイミングである。
彼はスタンフォード大学で、哲学を専攻したが、その後、ロースクールに入って、法律を学んでいる。
5室に9室支配の木星が在住しているが、9室支配の木星が5室に在住する配置は、哲学や神学を専攻する典型的な配置である。
スコラ哲学の時代、哲学は神学のはしためと呼ばれ、近世・科学革命の時代に入って、分離独立していくが、元々同じカテゴリーを指している。
彼は非常に学問自体に関心が深く、エマニュエル・ドットの「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」といった著作も読み込んでいる。
キリスト教にも造詣が深く、終末論にも通じている。
つまり、そうした哲学、宗教的な知的傾向は、9室支配の木星が5室に在住していることから生じている。
逆行の土星が木星にアスペクトして、木星+土星のコンビネーションが生まれていることも法律を学んだ典型的な配置を意味している。
法律は、理想(木星)を法文書化、法制度化(土星)したものであり、どちらの影響も必要だからである。
例えば、三島由紀夫も5室射手座に木星が在住し、土星がアスペクトしているが、
三島は、東京帝国大学(現在の東京大学)法学部法律学科(甲科)を卒業している。
しかし、その木星は同時に9室の支配星として、2室支配の金星と共に投資の5室に在住して、2-9のダナヨーガを形成し、収入、成功の11室にアスペクトしている。
5室が強く、起業の2室の支配星が5室に在住して、ダナヨーガを形成したり、また7-9のラージャヨーガに接続していることは、彼自身が起業して、スタートアップを成功させたことにも現れている。
彼が起業した会社が、イーロンマスクのX.comと合併し、そして、paypalとなって、後に莫大なキャピタル・ゲイン(株式売却益)を生み出し、それがその後の成功につながった為である。
単に株に投資して稼いだ投資家とは異なる所以である。
5ー11軸で形成されるダナヨーガは強力で、富をもたらすが、5室は健全な意味の事業を育てる投資家を表している。
従って、彼自身が、事業を育て、それを売却した経験を持つのである。
2004年に創業したパランティアも同じであり、彼自身が経営に深く携わっている。
またfacebookの初期の段階での資金調達にも関わっており、彼自身が経営に深くコミットしていたようである。
従って、5室で形成されるラージャヨーガ、ダナヨーガが11室にアスペクトしているということで納得できるのである。
但し、彼のチャートはラグナロードで8室支配の火星が8室に在住していることから、通常の8室が強いウォーレンバフェットのような特徴も有している。
会社に投資して、その後は、会社から不労所得、配当を貰い続けるというスタンスである。
配当で暮らす投資家のほとんどは8室が強いはずであり、ピーター・ティールは月から見た8室に金星、木星が在住して、やはり、8室が強調されている。
5室だけでなく、8室も強調されているのである。
またピーター・ティールが、スタンフォード時代の学生時代からリベラル派の学生や教授たちの多文化共生主義に対抗して、保守派の学生新聞『スタンフォード・レビュー(The Stanford Review)』を創刊して、政治闘争を行なうほど、闘争好きなのは、5室支配の太陽が乙女座6室に在住して、魚座に在住する10、11室支配の土星と相互アスペクトして、5-10,5-11のラージャヨーガを形成しているからである。
ウパチャヤの凶星は敵を粉砕する配置であり、政治闘争は彼の日常なのである。
例えば、彼の同性愛を暴露した米国のゴシップ系ニュースメディアサイト「Gawker(ゴーカー)」に対して、後に「ハルク・ホーガン(元プロレスラー)が、同社に対して、自身のプライベート動画を無断で公開されたとして提訴した訴訟の弁護費用を裏で全面支援(約1000万ドル=約10億円以上)して、Gawker(ゴーカー)を破産に追い込んだ。
これは、法律・メディア史に残る非常に有名な報復劇として語られているという。
彼は裏から糸を引いて操る傾向があるのは、10室支配の土星が12室に在住しているからである。
例えば、facebookの創業まもない時期に彼がfacebookの取締役のメンバーであり、資金調達に一役買っていたなどといったことは全く誰も知らないことである。
完全に裏方で重要な役割を果たして来たのである。
何故、そんな彼が外国である日本の高市首相と共に2ショット写真を取り、メディアに露出したかと言えば、現在、土星が海外の12室をトランジットして、10室の支配星にコンジャンクトし、更に木星が4室蟹座から10室と10室支配の土星にアスペクトして、10室にダブルトランジットが生じているからである。
また同時に11室の支配星にもダブルトランジットが生じている。
その為、彼は米国の安全保障にかかわる重要企業であるパランティアの会長(取締役会会長)を務め、日本の首相と会談し、国賓として迎えられるほどのポジションに立ったのである。
ナヴァムシャのラグナが蠍座であれば10室支配の太陽が10室に在住し、彼が、「影の大統領」と呼ばれる理由も良く分かる。
実際、あたかも米国大統領であるかのように日本に来日して、高市首相に面会したのである。政治家と関り、政治家と対等に付き合うということこそ、強い太陽の特徴がよく現れている。
これは彼が政治的人間であり、支配したり、管理することを幼少の頃から好んでいたことにも一致する。
同性愛傾向をもたらす配置
もう一つ重要な配置であるが、彼は3、6室支配の水星が、パートナーの7室に在住しているが、これも同性愛傾向をもたらす配置である。
水星は性別が、男性でも女性でもなく、中性の惑星であるが、7室に在住する場合、パートナーの好みが、中性的になってしまう。
つまり、パートナーが異性という形のジェンダーと結びつかない配置である。
またケートゥが在住することで、パートナー関係に関して、運命的な出会いや絆など、理想主義的な想いを抱く配置であるが、しばしば幻滅し、裏切られる傾向も示している。
ナヴァムシャのラグナが蠍座であれば、5室に8、11室支配の水星、9室支配の月、ラグナロードの火星が在住し、1-9-11の強力なダナヨーガが成立する。
これが5-11軸に存在することによって、起業し、事業を育てる投資家として、大成功したのである。
ここまで見て来た限りでは、私はピーター・ティールは牡羊座ラグナであると確信している。
彼が国連や世界政府のことを反キリスト(アンチ・キリスト)として批判し、自分を正当化する理由も分かって来る。
そして、『ONE PIECE』のルフィーを自分になぞらえて、彼はキリストであると語る理由も分かって来る。
牡羊座ラグナは、自分の上に君臨し、自分に規制やルールを押し付けて来る存在を嫌うからである。自分が常に上に立っていないと気が済まないのである。
例えば、国連や活動家のグレタ・トゥーンベリを批判する理由は、気候変動が進まないようにCO2の排出削減とか、規制を迫って来るからである。
それが自由に事業を行ない、稼ぎたい、拡大したい、ビジネスの世界で、世界を征服したいと考えている男にとっては、邪魔な煙たい存在なのである。
しかし、ローマ時代の末期に現れた皇帝ネロ、そして、第二次世界大戦を引き起こした独裁者ヒトラーにおけるように反キリスト(アンチ・キリスト)というのは常に右翼の中から現れるのは歴史の事実である。
彼が、国連やグレタ・トゥーンベリ、世界政府を反キリスト(アンチ・キリスト)というのは、まさに自分自身が、反キリスト(アンチ・キリスト)になりつつあることに対する偽旗作戦のようなものである。
もし反キリスト(アンチ・キリスト)が顕現するのであれば、それはまさに世界を支配して、手中に収めた絶対的な独裁者のことなのである。
但し、ピーター・ティールに思想的な影響を与えた『ネオ君主論 民主主義の敗北とテック右派の時代』の著者であるカーティス・ヤーヴィンの主張を考えてもそう言えるが、無責任な官僚や官僚組織が、世界の経営の舵取りを間違えてきたと官僚主義を手厳しく批判する点で、これらの人々は共通している。

リベラル派が築く世界は、政府を巨大にし、無責任な官僚が自分の保身や出世の為に無駄に税金を使う世界に堕落したと考えている。
その為、会社のCEOのように独裁的な権限を持つ人物が、世界の舵取りを行なった方がいいというのが、今のテックライトと呼ばれる人たちの思想である。
シリコンバレーのCEOのような人々がイノベーションを起こして、政治も行っていくのがいいと考えているのである。
プラトンが、『国家篇』の中で主張したように世界は世界の福祉や発展をかなえるのに最も徳性に優れた哲人によって統治されるべきであるというのが彼らの考えである。
「民主主義なんてまっぴら御免だ」というのが、ピーター・ティールの口癖である。
民主主義は、容易に大衆を扇動する政治家の台頭によって衆愚政治に容易に堕落し、そして官僚制度によってその堕落は固定化されるのである。
その堕落した制度を壊し、救いをもたらすことが出来るのは、君主とかCEOとか絶対的な独裁者だけである。
つまり、ピーター・ティールはエリートが統治する社会を目指しているのである。
カーティス・ヤーヴィンは、シンガポールの独裁者で初代首相のリー・クアンユーや、中国の改革開放路線を切り開いた鄧小平は、理想的な成功事例であると考えている。
ピーター・ティールが、独裁的な力を持った時に世界の貧困や環境破壊など諸問題を解決できるだけの哲人的叡智を示せるかは分からない。
むしろ、富と権力に溺れて、堕落してしまうのではないか。
「指輪物語」のフロドのように指輪を手にした途端に支配や権力への欲望が目的化しかねないのである。
今はシリコンバレーの投資家として、「我々は空飛ぶ車を求めていたが、得たのは140文字だった」と主張し、イノベーション、技術革新、科学の発展が停滞していることを嘆いて、科学技術による、よりよい未来を志向する発言をして、進歩主義的な思想家、ビジネスマンとして注目を集めている。
つまりは、根っからの加速主義者である。
しかし、パランティアが、米軍の中枢における重要な存在になりつつある今、反キリスト(アンチキリスト)について語り出したピーター・ティールの発言は、まさに自分自身が、世界の独裁者になりつつあることに対する反動形成なのではないかと思うのである。
つまり、自分に後ろめたさがある為に反キリスト(アンチキリスト)について語り出したのである。
終わりに
リベラル派、そして民主主義が築いた無責任な官僚体制が、多くの無駄や誤りをもたらしているのは間違いないことである。
しかし、独裁者に全てをいだねるのはリスクがあり過ぎる。
独裁者が、リー・クアンユーや鄧小平のように比較的良い政治を行なってくれる保証はない。
非効率であっても民主主義が大事なのは今後も変わらないのである。
しかし、民主主義とは名ばかりで、官僚が実際の政治を行ない、政治家は何も変える力を持たないような体制も問題である。
国民監視のもとで、全ての責任を担うCEOのような存在は必要かもしれない。
但し、もし無能ならすぐに交代させる権限は、国民が持つという前提の話においてである。
今現在、資本主義は隆盛を極め、その頂点に達している。
労働組合は解体され、リベラル派は絶滅の危機に瀕している。
資本家は資本を蓄積し、利益を極大化し、労働分配率は最低水準である。
従来の民主主義が終わり、世界は、ヒエラルキー(階級社会)に向かっているのは間違いなさそうである。
またこれまでの民主主義も純粋な民主主義であったとはとても言えないものである。
代議制民主主義など、民主主義とは呼べない代物である。
今も昔も純粋な民主主義など存在したことは未だかつてなかったのである。
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