グレース・ホッパー -プログラミングの母-


世界の銀行や保険会社、また政府の基幹システムなどは、COBOL(コボル)という言語で書かれたレガシーシステムである。

これらは現在も現役で動いているシステムであるが、開発された1959年頃からずっと稼働しており、特に壊れないため、そのまま動かしているのが現状である。

長い年月の間に、法改正や業務ロジックの変更、例外処理、システムのバグなどに対応するためのパッチ適用を積み重ねて運用されてきた。

しかし、長年の運用を経てコードが膨大かつ複雑化しているため、今ではその中身がどうなっているか誰も把握できなくなっている。COBOL技術者も高齢化によって年々引退しているため、COBOL言語を理解し、システム内のコードが何を意図して記述されたかを深く理解している人が少なくなっている。

こうしたCOBOLで書かれたレガシーシステムを、Javaなどのより新しい高級言語に書き直すというプロジェクトも度々行われているが、その多くは失敗しているという。

例えばイーロン・マスク氏は、米国の政府効率化省(DOGE)の活動において、政府の歳出削減と近代化の一環として、米国政府が抱えるCOBOL記述の基幹システムを生成AIの活用によりわずか数ヶ月でJavaなどの現代的な言語へ一括移植するという、極めて野心的な計画を打ち出したようである。

しかし通常、数千万行規模の基幹システムをJava化するには、移行後のデータ精度や例外処理などを検証するため、5年から10年単位の膨大な並行運用期間が必要となる。そこで安全性が確かめられて初めて、実際の移行が可能になるのである。

例えば、米国社会保障局の基幹システムは、6,500万人以上の米国人への年金支払いや給付金計算、社会保障番号の発行などを担っている。

万一バグや計算間違いなどが発生すれば、国民への年金支給が即座に停止する事態が生じる。

そうしたリスクがあるため、IT業界やエンジニア、セキュリティの専門家から猛反発を受け、その計画は頓挫したそうである。



プログラミングの母
このCOBOLというプログラミング言語が開発されたのは1959年頃である。初期のコンピュータ科学における「プログラミングの母」と称される伝説的人物、アメリカ海軍少将のグレース・ホッパーが1955年に開発した「FLOW-MATIC」という言語をベースとして開発された。



FLOW-MATICは、「世界で初めて『英語に近い文章』で事務処理(ビジネス計算)ができるように設計された高級言語」という点で画期的であった。

そして、それをベースにしたCOBOLという言語も、非常に英語に近い形で理解できる分かりやすい言語になっている。

このCOBOLという言語が今現在も世界の銀行、保険会社、政府などの基幹系システムを動かしている。こうしたシステムは1日あたり約3兆ドル(約450兆〜500兆円)を処理しており、世界のマネー総量の3割から5割近くはCOBOLシステム上を流れていると言っても過言ではないという。

すなわち、現在の資本主義を成り立たせている重要なプラットフォームを担っているのがCOBOL言語である。



このことを考えると、COBOLの基盤を作ったグレース・ホッパーという女性は極めて重要な人物に違いなく、どのようなチャートや惑星配置を持ち、どのような能力を備えた女性なのか、非常に関心が湧いた。

そこで早速、出生図を作成してみた。

グレース・ホッパーは、1906年12月9日(出生時間不明)、ニューヨーク州ニューヨーク生まれである。



出生時間が分からないため、12:00で作成してみたところ、非常に興味深いことが分かった。

土星が水瓶座でムーラトリコーナの座を持ち、ナヴァムシャでもムーラトリコーナに在住してヴァルゴッタマである。

そして出生図では、その土星に対して双子座から木星が片側アスペクトしている。

土星に対して木星が一方的にアスペクトする配置は「救済のヨーガ」と呼ぶこともでき、社会に対して極めて多大な貢献(社会を救済)をする配置の一つである。

すなわち、木星はダルマの惑星であり9室の支配星に相当するが、土星はカルマの惑星であり10室の支配星に相当する。

したがって、土星に対して木星が一方的にアスペクトする配置は、9-10の絡みによるダルマ・カルマ・ラージャヨーガのような効果を発揮し、社会の発展や福祉に対して非常に貢献する配置となる。


この配置が水瓶座で形成されているという点が重要である。


水瓶座は、国連などの国際的な組織や、国際的な金融システムとそのネットワークの表示体である。



月ラグナから見ると、5室支配の土星が6室でムーラトリコーナの座にあり、そこに4・7室支配の木星が10室からアスペクトして、4-5、5-7のラージャヨーガを形成している。

つまりこれは、地球の文明社会を支える基幹システムを創造することに貢献したという配置である。

さらにナヴァムシャを見ると、より驚くべきことに土星と木星が水瓶座に在住し、しかも月や太陽も在住している。水瓶座に4つの惑星が集中している状態である。

これこそが、世界のシステム構築に貢献した女性のチャートということで、非常に納得がいった。水瓶座はプラットフォームを管理・構築する星座だからである。

春分点が水瓶座に移動するにつれてプラットフォームビジネスが盛んになり、GAFAMといった米国企業が一社総取り的にプラットフォームを拡大してきたのもそのためである。

この強い水瓶座の配置こそが、グレース・ホッパーを世界のプラットフォームの創造者にした理由である。

ちなみに、グレース・ホッパーの経歴を見ると1930年に結婚したとある。



1930年のトランジットを見ると上記のような配置であり、土星は射手座をトランジットし、木星が牡牛座で逆行して射手座の土星にアスペクトし、射手座にダブルトランジットが生じている。

射手座を7室と考えれば双子座ラグナ、また射手座を1室(7室から見た7室)と考えれば射手座ラグナと捉えることもできる。

また、木星と土星のダブルトランジットは乙女座にも生じており、乙女座ラグナや魚座ラグナの可能性も生じる。

したがってラグナの可能性はいろいろ検討できるが、グレース・ホッパーが数学と物理学の修士号(※実際はイェール大学で博士号も取得)を持ち、プログラミングの天才であることを考えると、やはり双子座ラグナ、もしくは乙女座ラグナの可能性が浮上する。



そして離婚したのが1945年とあるが、1945年のトランジットを見ると1月13日の時点で土星が双子座で逆行し、木星は乙女座で逆行していた。

そうすると、このタイミングで6室にダブルトランジットが生じたのは乙女座ラグナの場合である。

乙女座ラグナであれば、木星は乙女座で逆行して6室にアスペクトし、土星は双子座で逆行して6室にアスペクトするため、6室にダブルトランジットが生じる。

双子座ラグナの場合、そのように6室へのダブルトランジットは生じない。



乙女座ラグナであると考えると、5室にケートゥが在住しており、これがプログラミングの才能を表している。

12:00のチャートでは月が乙女座に在住していたが、ラグナを乙女座に設定すると月は獅子座に移動する。

したがって、乙女座のチャンドララグナから見た5室のケートゥではなくなるが、乙女座ラグナから見た5室のケートゥという配置となり、やはりプログラミングの才能を表すことになる。

10室支配の水星が太陽とコンジャクト(接合)しており、政府(海軍)の仕事を表している。

グレース・ホッパーがプログラム開発に携わり、COBOLの基礎を開発するなど重要な仕事をしたのは、マハダシャー木星期である。

木星は既に述べたように土星に対して一方的にアスペクトし、いわゆる「救済のヨーガ」を形成している。

グレース・ホッパーはいくつか重要な仕事をしており、1952年には世界初のコンパイラ(A-0)の開発を行っている。

コンパイラとは、人間にとって分かりやすい言語(高級言語)を、0と1の機械語(マシン語)に翻訳するプログラムである。

これも乙女座ラグナであれば木星/土星期あたりに行った仕事であり、文明社会への偉大な貢献と言える。



また上述したように、1955年にCOBOLの前身となるFLOW-MATICの開発を行っているが、この時期も木星/水星期あたりである。

そしてCOBOLが完成(規格化)したのが1959年で、木星/金星期か木星/太陽期あたりである。

重要な仕事は、すべて木星期に行われている。

なお、グレース・ホッパーには、初期の大型コンピュータ(Harvard Mark I)の継電器(リレー)に本物の蛾(ガ)が挟まり誤作動を起こした際、それを日誌に貼り付けて「本物のバグが発見された(First actual case of bug being found)」と記したエピソードがあり、「バグ(Bug)」という言葉を広く普及させた人物としても知られている。

コンピュータ業界に身を置いていれば「バグ」という言葉は日常茶飯事として使われているが、その言葉を最初に用いた業界の先駆者であるというのは実に素晴らしいことである。

まさに「プログラミングの母」と呼ばれる所以である。





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