小室哲哉引退について


小室哲哉が1月19日午後に記者会見を開き、週刊文春にスクープされたA子さんとの不倫騒動のけじめとして作曲家としての引退を表明した。

会見では、妻であるKEIKOの介護生活について赤裸々に語り、また突発性難聴など身体の衰えや才能の枯渇などを訴え、これまで作詞、作曲家としての活動に対する限界を感じていたようだが、今回の不倫騒動をきっかけに引退への決意に繋がったようである。



引退を表明した現在、小室哲哉は、土星/木星期で、マハダシャー土星期の最後のアンタルダシャーの時期である。

このマハダシャーロードの土星とアンタルダシャーロードの木星にトランジットの土星と木星がリターンしている特別なタイミングである。

つまり、土星と木星の両方が同時に出生の配置に戻ってくるタイミングとは、誕生してから60年後(60歳)である。


これを世間的には『還暦』と呼んでいるが、土星と木星が誕生した位置に戻って来るタイミングとは一つの周期の終わりであり、人生が一区切りついたということである。



土星は、ラグナ、月から見て、9、10室支配のヨーガカラカで、8室に在住しており、8-9、8-10の絡みが見られる。


9室とはダルマハウスであり、人生の目的のハウスであり、喜びやインスピレーションを表わすが、それが8室に在住して失われている。


そして、10室の支配星が8室に在住しているので、仕事の行き詰まり、中断(すなわち引退)なのである。


木星は8、11室支配で6室に在住しており、これは今回の不倫騒動などに見られる対人関係上の依存関係を表している。


おそらくこの木星は、看護師のA子さんの表示体ではないかと考えられる。


医療の専門知識を持つA子さんに頼り、お金を支払って、サービスを受けるという関係性がこの6-8の関係である。


7室支配の火星が12室に在住し、その火星に木星がアスペクトしている為、KEIKOが入院する病院に見舞いにも来てもらったということではないかと思われる。


このアンタルダシャーの木星のディスポジターである金星がラグナロードで6室支配の金星であり、それが7室に在住している。


従って、A子さんから医療行為を受けながら、同時にパートナー関係のような要素が出てきたと考えられる。



今回、マハダシャーロードの土星は8室に在住し、アンタルダシャーロードの木星は8室の支配星である。


そして、土星が8室にトランジットし、木星が8室の支配星にトランジットしているため、8室にダブルトランジットしており、また木星と土星は10室や2室にもダブルトランジットしている。


8室と10室にダブルトランジットが形成されているため、今、これだけ世間の注目を浴び、人生の挫折とも言える状況に陥っているのである。


小室哲哉の引退とは、今回の会見を見ても分かるように挫折としての引退なのである。




小室哲哉は、会見の中でも語っているように1993年~2000年ぐらいまでが、全盛期で、2000年以降は、事業の失敗や巨額の借金、創作活動における産みの苦しみなどに直面している。

ちょうどマハダシャーが木星期から土星期へ切り替わった頃である。





ナヴァムシャ(D9)を見ると、木星は9室支配で5室にアスペクトしており、4、11室支配の金星と相互アスペクトして、4-9、9-11のラージャヨーガ、ダナヨーガを5-11室の軸で形成している。


1993年~1995年末ぐらいまでの木星/金星期が最も輝いた時期である。


マハダシャーロードの木星とアンタルダシャーロードの金星が相互アスペクトして、ラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している為である。





そして、ダシャムシャ(D10)を見ても木星は5、8室支配で10室に在住し、3、10室支配の金星と5-10室で星座交換している。


このマハダシャー木星期に小室哲哉は、多くのヒット曲を世に送り出した。


特に木星/金星期に送り出したのである。



ダシャムシャの5室と10室で星座交換している配置は、小室哲哉がクリエイターであり、作詞、作曲家であることを表している。





5室は音楽を表わし、金星は音楽の表示体である。


この5室に在住する金星と星座交換するマハダシャー木星期に小室哲哉の作詞、作曲の才能は、最高のパフォーマンスを発揮した。


然し、マハダシャー土星期になると、土星は6、7室支配で5室に在住しており、創作活動(5室)に奮闘(6室)をもたらした。


アイデアが出て来なかったり、音楽が思うように生み出せない苦しみをもたらしたのである。



結局の所、2001年5月5日以降のマハダシャー土星期に入ってからは、小室哲哉はずっとこの調子なのである。


最も創造性や才能を発揮した1993年~1995年末、そして、2000年ぐらいまでの作品と比較されてしまい、その時の作品よりも良いものが生み出せないという葛藤が常に付きまとっているのである。



これが小室哲哉自身が会見の中で語っている才能の枯渇の問題である。



然し、土星は5室に在住している為、才能の枯渇に悩んだとしても楽曲を作り続けなければならないのである。





これは2020年5月5日以降にマハダシャー水星期に移行した後でも同じである。


水星は2、11室支配で5室に在住している。


従って、今度はお金を稼ぐために曲を作り続けなければならない。



小室哲哉のダシャムシャの5室を見ると、金星、水星、土星、火星が集中し、金星は木星と星座交換している。


この射手座に集中する惑星が、小室哲哉の才能を表しているが、土星や火星が絡んでいる為、シンセサイザーなどを使ったテクノサウンドなのである。


そして、非常にテクニシャンであり、万人に広く受け入られる楽曲を作ったという意味で、その才能は、同じく5室に惑星が集中している三島由紀夫や村上春樹と似ている所がある。

素朴ではなく、技巧的で上手いのである。


然し、小室哲哉自身が、曲がヒットした頃から20年以上が経っているので、才能が枯渇し、自分でも飽きてきている、みなさんも飽きてきていると、悲しいことに自ら率直に述べている。


つまり、最も自分が創造的であった頃の自分を模倣する段階にまで到達してしまったということではないかと思われる。



水星は出生図でも5室の支配星で、8室で、9、10室支配の土星とコンジャンクションし、ナヴァムシャでも3、12室支配で、10室で、7、8室支配の土星とコンジャンクションしている。



土星期と比べて、良くなったとは言えない配置である。


基本的にこの土星期の19年間に行ってきた楽曲作りを更に水星期になっても続けていかなければならないということではないかと思うのである。



小室哲哉も今は過度の失意の中で、『引退』の言葉を口走ったが、結局、音楽の才能を持って生まれてきた以上、今後も音楽以外のことは出来ないのではないかと思うのである。



それが小室哲哉のマハダシャー水星期である。







因みに小室哲哉は、2008年11月4日に大阪地検特捜部に5億円の詐欺容疑で逮捕されている。


全楽曲806曲の著作権を10億円で譲渡する仮契約を関西地方在住の個人投資家男性と締結し、前妻のASAMIの著作権使用料の差し押さえを解除する費用として、5億円を受け取ったが、実際には、著作権の一部は譲渡済みで、実際には著作権を持っていなかったことから、投資家から刑事告訴された為である。


この時、小室哲哉は土星/金星期である。


何故、この土星/金星期に刑事告訴されたのか考えると、マハダシャーの土星とアンタルダシャーの金星は絡んでいないため、土星からの金星の配置が重要となる。


土星から見ると金星は6、11室支配で12室に在住しており、6室の象意が確認出来るため、投資家から刑事告訴されたのである。


また11室支配の金星が12室に在住しているということは、この時期、小室哲哉は出費が激しくて借金の返済などに苦しんでいた時期である。


この配置からは、そうした小室哲哉の経済的な苦しさが伝わってくる。


金星はラグナから見ると、1、6室支配であり、ディスポジターは12室に在住し、12室支配の火星からアスペクトを受けている。


従って、6室の象意、12室の象意が強調されている。



また凶星のマハダシャーの時期にそれと絡まないヨーガカラカのアンタルダシャーの時期は悪いという有名な法則がある。


金星はラグナロードで、生来的吉星でもある為、良さそうに思うが、この場合、金星は悪いということである。



木星/金星期は、小室哲哉は1993年~1995年末の楽曲がヒットを飛ばした最もブレイクした時期であった。


従って、アンタルダシャーの金星期は一見良さそうに思えるが、然し、マハダシャー土星期におけるアンタルダシャーの金星期は良くないのである。


これについては私もその当時はよく分かっていなかったが、土星と金星が絡んでいないため、土星からの位置関係が重要となり、金星は土星から見て6、11室支配で12室に在住するその配置の象意が強く出て来るのである。


また土星/金星期は、土星/土星期のように働くということも機能していると考える必要がある。


但し、土星/土星期として考える場合、パッと見では、どこにも6室の象意が出てこない為、小室哲哉が刑事告訴された(6室)象意はどこにあるのかと考えてしまう。


然し、土星のディスポジターが8、11室支配の木星で6室に在住している為、ここで6-8の絡みが生じ、また木星は11室の支配星でもある為、不正な(6-8)利得(11室)が生じたと考えることが出来る。


従って、ここでは、土星から見た金星のPACからも説明できるし、また土星/金星期を土星/土星期のように考えて、土星のディスポジターの理論で説明することもできる。



また土星/金星期の場合、アンタルダシャーの金星は、アヌラーダに在住し、土星を支配星とするナクシャトラに在住している。


従って、この場合、マハダシャーの土星の方が優勢に働くと見なすべきである。


そうすると、土星のディスポジターの理論で、8、11室支配の木星が6室に在住することによって刑事告訴を受けたと考えることが出来る。



音楽家として成功した木星/金星期の場合、マハダシャーの木星は天秤座に在住して、金星の星座に在住している為、アンタルダシャーの金星が優勢に働いたと考えることが出来る。


従って、木星の配置が本来持っているはずの8-11室支配で6室に在住する凶意は、それ程、発揮しなかったと考えることが出来る。



このように小室哲哉の木星/金星期と、土星/金星期の比較というのは、非常に興味深い研究テーマである。



小室哲哉は成功していた1993年~2000年のマハダシャー木星期に総資産が100億円を超えていたが、浪費家で、金遣いが粗かった。


ロサンゼルスへの渡航費に2000万円かけたり、ベンツやフェラーリを30台以上所有し、プライベートジェット機を保有。


売れたアーティストには高級外車やカジノで豪遊するなどしていたそうである。



これは、木星が8、11室の支配星であるが、6室に在住して、7、12室支配で12室に在住する火星と相互アスペクトしている為である。


11室の支配星が12室の支配星と6-12室の軸で、相互アスペクトしていた為に入ってきた収入を全て浪費したようである。


その際、7室支配の火星が12室に在住しており、配偶者による出費という象意もあり、前妻の慰謝料への支払いもあったが、また後に再婚したKEIKOも小室哲哉の浪費癖を諌める感じでもなく、この配置からは一緒になって豪遊したのではないかと考えられるのだ。



この木星期に海外事業にも投資したが、それも失敗して、70億を超える負債を負ってしまったようである。


この配置も7、12室支配で12室に在住する火星と、8、11室支配の木星が相互アスペクトしている為に生まれた出費である。



木星が結局の所、6室に在住して12室にアスペクトしているためにどれだけ稼いでもその稼いだお金を豪快に使ってしまうという配置のようで、金は常に不足し、借金体質であったことが理解できる。


そして、金に困ると、月利5%も取るような高利貸しのような人物からお金を借りるという無謀な行為も行っている。



その高利貸しのような人物への金利の返済に充てるために巨額詐欺事件を起こしてしまったようなのである。



おそらく木星期の途中で、借金に頼っての豪遊生活を送っており、木星期の間は収入もあったため、問題はなかったが、土星期になって収入が減ると、金利の支払いに苦しみだしたということである。



8、11室支配で6室に在住する木星は、6-8の絡みがあり、お金が絡む貸し借りの人間関係、支配と服従の人間関係を表しているのである。



それで、この時期、前妻への離婚慰謝料を背負い、海外の事業で負債を抱え込み、高利貸しの負債も抱え込んだのである。



これがマハダシャー木星期の実態である。



つまり、収入が良かった木星期に後に苦しむことになる種は播いていたといえる。



逆に言えば、6-8の絡みをヴィーパリータラージャヨーガとして捉えれば、借金をして豪遊ができるという配置であると言える。






・金銭感覚が普通でない人のチャートの特徴とは


つまり、こういうことが言えると思うが、金銭感覚が普通でない人(浪費癖が激しい人)のチャートにおいては、必ず、11室と12室が強く絡んでいるのである。


11室と12室が星座交換しているような場合であれば強力である。


そして、6室(借金)と12室(出費)の軸が強調されているはずである。




・8室の凶星


また8室に凶星が在住している場合、7室から見た2室である為、パートナーにとってのマラカハウスとなり、パートナーの健康を損なう配置である。



KEIKOが2011年10月24日にくも膜下出血と診断された時、ダシャーは土星/太陽/土星期であった。



土星は蠍座の7室をラグナとすると、3、4室支配で、マラカに相当する敏感さ(※3室[8室から見た8室]を支配している為)があり、マラカの2室に在住している。



従って、小室哲哉の9、10室支配の土星は、ヨーガカラカで、2、5室支配の水星とコンジャンクトして、5-9、5-10のラージャヨーガを形成し、一見良さそうに思えるが、8室に在住している場合、土星や水星が支配するハウスの象意が傷つくと共にパートナーにとってそれは良くない配置であることは無視することが出来ない。



8室で土星と水星がコンジャンクションしているが、この土星と水星は度数も近く緊密にコンジャンクションしている為、ナヴァムシャでも同じ10室に在住している。


蟹座ラグナにとって、土星は7、8室支配で10室で減衰しており、3、12室支配の水星とコンジャンクションしているが、対向には2室支配で4室で減衰する太陽と相互アスペクトしている。


然し、ここには全くラージャヨーガは形成されておらず、しかも吉星の絡みもなく、木星からのアスペクトもない状態である。


減衰する土星と減衰する太陽の相互アスペクトは、ニーチャバンガラージャヨーガであると言われ、また土星は8室支配で減衰している為、パラシャラの例外則によるラージャヨーガ的な働きが期待できるがここで、それが何を指すのかはよく分からない。



これらの例外法則を考慮するよりも先にケンドラに在住する減衰した凶星で、何もラージャヨーガを形成しておらず、吉星の保護も働いていないという点を考慮すべきかもしれない。



従って、マハダシャー木星期とマハダシャー土星期のギャップが非常に大きいのが小室哲哉のチャートである。



2000年代初めに週刊誌にて、小室哲哉の落日が揶揄される記事が掲載されたが、それはマハダシャー土星期への移行が始まった時である。



小室哲哉は、まもなくマハダシャーの土星期が終わろうとしている為、まもなく19年の歳月が経過しようとしている。



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