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森永卓郎が2025/1/28 13:33、癌のため、自宅で亡くなったとニュースが伝えている。
私は昨年2024年末頃に森永卓郎の「ザイム真理教」「書いてはいけない」「官僚生態図鑑」「投資依存症」などのシリーズを全て購入して読み進めていた。
森永卓郎が膵臓がんステージ4で世に問うている真実というものを是非、読まなければという気持ちに急になった。
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メディアに携わるものが決して触れてはならないタブーとして、1.ジャニーズの性加害、2. 財務省のカルト的財政緊縮主義、3. 日本航空123便の墜落事件などを暴露し、私たち国民に示してくれたことは非常に大きな功績である。
余命いくばくかの状態であったからこそ、もはや失うものが何も無くなって、世に問うことが出来たのだとも思える。
特に財務省の緊縮財政主義、常に財務省は日本の財政赤字を強調し、国民から税を搾り取ることばかりを考えて実践している集団であることを非常に分かりやすく解説してくれている「ザイム真理教」などは秀逸である。
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MMT推進派と、財政均衡主義(緊縮財政派)のどちらが正しいのか?
私自身は、MMT推進派が正しいのか、財政均衡主義(緊縮財政派)が正しいのか、未だに分からないでいる。
MMT推進派は、日本経済衰退の理由は、消費税を上げて経済が冷え込んだからで、財源を生み出すために国債を発行して、積極財政を行なうことを推奨する。
自国通貨建てで国債を発行できる日本は、国債を発行し続けても財政破綻しないという理論である。(但し、インフレ率2%以内など制限はある)
この理論の論客は、京都大学教授の藤井聡や、評論家の三橋貴明、経済アナリストの森永卓郎、経済評論家の中野剛志などがおり、またれいわ新選組の山本太郎もMMTという言葉は使わないが、実質的にはMMT推進派である。また以前、れいわ新選組で活動していた大西つねきもそうである。
基本的に2000年代の初頭から銀行システムの不正を訴えて来た作家で、社会活動家の安部芳裕(あべよしひろ)もそうかもしれない。
簡単に言えば、お金は銀行が貸し出しを行なった場合に生み出されるというお金の真実を訴えて来た人である。
(この安部芳裕が当時、盛んに伝えて来たことは今では、現代貨幣理論(MMT理論)として理論化され、アカデミックな世界でも議論されるようになった)
当時、「Money As Debt」という動画が話題となっていたお金が、銀行が貸し出しを行なった場合に生み出される真実を語っている。
市場に流通しているマネーの95%は、銀行間をやり取りされる数字に過ぎず、その数字としてのお金は、銀行が貸し出しをした時に預金通帳に数字を書き込むことで生み出される。
これを信用創造というのである。
お金は基本的に負債としての形でしか生み出されないので、経済発展が可能だった昔は、企業が借金をして、マネーが市場に供給されていたが、今は、企業が収益を上げられないため、銀行からお金を借りたがらない。その為、政府が国債を発行して借金をして、マネーを供給しているというのが実態なのだという。
日本の財政赤字が膨らんできた理由は、企業が銀行からお金を借りて、十分な利潤を上げられなくなったからである。
一方で、財政均衡主義(緊縮財政派)は、日本が国債を発行続け、財政赤字を拡大していくと、いつかデフォルト(財政破綻)が起きる可能性があり、ハイパーインフレになる可能性を指摘する。
例えば、昨年の年末に投資家のジム・ロジャースが「日銀が日本を滅ぼす」という本を刊行していた。
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その内容は、日本の巨額の財政赤字が、日本経済を危機に陥れていると主張する。
政府が発行した国債は、市中銀行が買い上げるが、最終的には市中銀行から日銀が買い上げる為、実質的には、政府から直接、日銀が国債を引き受けているのと全く同じである。
政府が国債の乱発をし、それを日銀が無制限に引き受けるようなことを止めなければ、日本は財政破綻すると主張する。
財務省もこの立場から、財政の均衡を主張し、赤字国債を発行して財源とするのは止めるという立場である。
その為、国民から搾り取る税金を財源としようとするのである。その為、消費税を上げようとする。
どちらが正しいかであるが、ある程度は、両方とも正しいのだと思われる。
安部政権時代に量的緩和によって、巨額の国債を発行し、それを日銀がどんどん引き受けて、市場に1年間辺り、80兆円のマネーが供給された。
それで、安倍政権時代に合計300兆円ぐらいのマネーが供給された。
日本円が大量に発行された為に外国為替交換レートで、日本円の価値が下がり(円安となり)、それで外国からの原材料の輸入によりお金がかかるようになっている。
まして、ウクライナ戦争などで、小麦粉や原油などの供給量が低下し、小麦粉や燃料の買い入れ金額が上がり、それが商品の価格に反映されて、食料品の値段などが高騰しているのである。
やはり、日本が国債を乱発して、財政赤字を拡大しているから、日本が円安になるという因果関係はあると思われる。
安倍政権の量的緩和策は、MMT推進派の理論の実践なのであった。
確かに日本は財政破綻はしないのだが、日本の円安は、安倍政権時代に量的緩和し過ぎて、日本のマネーの供給量を拡大した結果だと思われる。
例えば、仮想通貨なども希少性が高い場合に非常に値上がりするが、発行量が多い場合は値上がりしない。
つまり、MMT推進派が言うように自国通貨建てで国債を発行できる日本は、国債を発行し続けても財政破綻しないのだが、日本円を大量に発行し続けた結果、日本円の価値が下がり、日本国内でしか通用しないものになり、外国との交換レートはどんどん下がっていくことになるのだ。
日本の国民は、日本円という外国ではほとんど価値を持たなくなった日本国内でだけしか通用しないおもちゃみたいなお金で生活していくことになる。
やはり国債を乱発すれば、日本円の価値は下がり、国際競争力を失うのである。
例えば、日本に沢山の資源があり、外国から全く輸入しなくても日本国内の資源や生産活動で、経済が回っていくのであれば、日本国内だけで通用するマネーで、国民が生活していくので全く問題はないが、外国から資源を輸入しなければならないとなると話は違ってくる。
日本が財政赤字で、日本円が大量に発行されていて日本円の価値が低いと、外国から資源が輸入できなくなる。
昔の日本は、貿易黒字で潤っていたから、税金を上げる必要はなかったが、今の日本の産業は、国際競争力を失っており、それで税収が減っているので、財務省は、国民から税金を搾り取って、それで賄おうとしている。
つまり、赤字国債を乱発すれば、結局、最終的には、そのツケは国民に回ってくるのである。
何故なら国債とは、国民の未来の労働生産物を先取りして現金化する行為である。
その国債を返済していくのは、未来の国民の労働なのである。
日本の人口はどんどん減り続けており、技術革新などで生産性も上がらず、その国債の返済力が低下すれば、外国人投資家から見て、日本の国債の価値は下落するが、それはそのまま日本円の価値が下がることを意味している。
国債の乱発とは、やはり、円安に連動しているのである。
MMT推進派と蟹座・愛国民族主義、リバータリアニズムの関係
私は今回、森永卓郎のチャートを作ってみて理解したが、森永卓郎は、蟹座に惑星集中している。
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安部晋三も蟹座ラグナだったが、蟹座の人は、全体のシステムの関連性を考えない為、MMT推進派のような自国通貨建てで国債を発行できる日本は、国債を発行し続けても財政破綻しないという理論を唱えたがる。
現代貨幣理論(MMT)を過信する傾向がある。
だが、それは日本国内でしか通用しないのである。
海外との財や商品の交換という全体的なシステム的な観点を考慮すると、そこには欠陥も出て来るのである。
であるから、外国為替市場や各国の株式市場に精通している投資家ジム・ロジャースのような人間からすると、MMT推進派の理論は危ういのである。
日本の製品が海外であまり売れず、外貨を稼げないということになれば、日本は国内の生産力の範囲内で、分相応の質素倹約的な生活をしていかなければならないことになる。
例えば、ジョン・F・ケネディは、日本の歴史や文化に関心を持っており、「質素倹約」によって財政破綻寸前だった米沢藩を立て直した上杉鷹山を高く評価しているという。
質素倹約、つまり、緊縮財政によって、財政危機を乗り越えようとする姿勢の方が正しいように感じられる。
ただその時に財務省は、国民に高い税金を押し付けて、自分たちは高級公務員として、あらゆる優遇を受けるといった姿勢は批判されるべきである。
(お金がないのであれば、社会保障などは削減せざるを得ないのであり、医者にも掛からないように健康を維持できるように過ごしていかなければならない。国債を発行して借金して、国民が高度な医療を受けるといった贅沢は出来なくなるのは当たり前である。現在の高齢者は未来の日本国民につけを回して、充実した社会保障を受け取っているが、それはまもなく実現不可能になる。消費税を上げて社会保障を充実させるのも間違いであり、国債を発行して、社会保障を充実させるのも間違いである。社会保障のレベルを落とすというのが、正しい選択肢であり、企業や富裕層に税を負担させるのにも限界があるが、より多く負担するのは当然で、官僚が優遇を受けられなくなるのも当然である。財務省の官僚が、消費税を上げて、社会保障の財源にしようとするのは国民にとっては迷惑な話である。)
国債を乱発して、つまり、借金によって財源を確保しようとするMMT推進派の理論は、極端に偏っているのではないかと思われる。
今回、私は、森永卓郎の「ザイム真理教」を読んで、大いに財務省の緊縮財政理論や、安倍晋三がMMT推進派であったことを理解した。
安部晋三は経済産業省出身の人物を登用して、財務省の緊縮財政派からは距離を置いて、国債を乱発して、量的緩和を行なったのである。
そして、MMTは、蟹座が強い人、つまり、自己中心的なリバータリアニズムの人物が、好む理論であることを理解した。
それは森永卓郎のチャートが、蟹座惑星集中であったことから、気づいた発見である。
森永卓郎は、種々検討した所、おそらく牡牛座ラグナである。
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森永卓郎は、2024年4月9日に公開されたインタビューで、結婚後、41年であることを発表している。
つまり、結婚したのは、1983年である。
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1983年のトランジットを見ると、牡牛座ラグナであれば、木星が蠍座7室をトランジットし、土星は天秤座で逆行して、蠍座7室にアスペクトして、7室にダブルトランジットしている。
またラーフ/ケートゥ軸も双子座-射手座軸の2-8軸にあり、結婚生活の軸にあることから、牡牛座ラグナにとって、このタイミングが結婚のタイミングであることを示唆している。
その上で、森永卓郎は、経済アナリストとして、頻繁にテレビ出演し、『ニュースステーション』の番組制作を担当していたオフィス・トゥー・ワンに所属していた。
また映画やドラマにも出演したことがあるというから、芸能人の一種である。
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従って、牡牛座ラグナであれば、ラグナロードの金星が3室に在住し、芸能人に典型的な1-3の絡みが見られ、また3室(芸能)に惑星集中している。
また8、11室の木星が5室に在住し、5-11のダナヨーガを形成し、5室の木星は作家の配置であるが、5室支配の水星も芸能、メディア、文筆の3室に在住している。
従って、テレビに出演したり、本を執筆するのが、仕事になってくる。
彼が今回の一連のシリーズの著作のように暴き系のセンスがあり、世間の裏情報を探る才能があるのは、月がプールヴァアシャダー(金星)に在住しており、ケートゥが、月から5室で、バラニー(金星)に在住している為である。
こうした金星を支配星とするナクシャトラは、諜報のセンスがあり、スパイや探偵のように人が知らない世間の裏側の真実を探り当てることが出来る。
実際、CIAとかモサドとかMI6とか、日本であれば公安警察などのインテリジェンスソサイエティ-には、バラニー、プールヴァパールグニー、プールヴァアシャダーに惑星が在住している人々がいるものである。
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そして、今回、私は、森永卓郎のナヴァムシャのラグナを獅子座に設定した。
森永卓郎は、1980年3月、東京大学経済学部経済学科卒業後に日本専売公社に入社し、管理調整本部主計課資金係に配属され、大蔵省から予算を獲得する為にしょっちゅう呼び出されていた。
その時の経験を私は大蔵省の奴隷だったと振り返り、それで大蔵省(現・財務省)に詳しくなったのである。
1982年に日本経済研究センター総合計画局へ出向し、1984年に経済企画庁に出向するなど、常に公的機関、あるいは半官半民の省庁の外郭団体で、キャリアを積み上げている。
従って、獅子座ラグナで、10室にラグナロードの太陽が在住する配置で納得できる。
しかし、太陽がラーフとコンジャンクトし、6、7室支配の土星からアスペクトされている為、ろくな経験が出来ず、日本専売公社では、奴隷のような経験をしたのである。
一方で、3、10室支配の金星は5室に在住しており、これは映画やドラマに出演もした経歴というものを物語る配置である。
従って、ナヴァムシャのラグナは獅子座で、出生図のラグナは、おそらく、牡牛座ムリガシラー第1パダである。
膵臓癌ステージ4での闘病生活
2023年12月27日、森永卓郎はステージ4の膵臓がんであると公表した。
ダシャーは土星/水星期だが、土星は9、10室支配のヨーガカラカだが、マラカの7室に在住している。
月から見ると、マラカの2、3室支配で12室(入院)に在住している。
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水星は2、5室支配で、通常は2室は敏感な中立ハウスで、5室の吉意に引っ張られる為、マラカとして働かないが、6室支配の金星と絡んでいる為、マラカとなり得る配置である。
そして、このマラカの水星に対して、逆行の土星がアスペクトしている。
つまり、土星も水星もマラカであるが、土星は9、10室支配のヨーガカラカで、水星は2、5室支配で、トリコーナの5室(創作、執筆)を支配していた為、死の間際まで、執筆活動において優れた仕事を成し遂げることが出来たのである。
ナヴァムシでも土星は6、7室支配のマラカで、ラーフ/ケートゥ軸と絡んでおり、ラグナロードの太陽にアスペクトしている。
また水星は2、11室支配のマラカで、ラグナに在住し、マラカの土星からのアスペクトを受けている。
土星は出生図で逆行して、ラーフに絡んでおり、土星とラーフ/ケートゥ軸との絡みが、癌との関連性を表している。
カーラプルシャによれば膵臓は5室が表すが、アンタルダシャーロードの水星は5室の支配星で、土星からのアスペクトを受けている。
森永卓郎は癌の闘病生活中に執筆活動を通して、日本の知られざる真実を我々国民に教えてくれたのである。
それは死を賭しての仕事であった。ご冥福を祈ります。
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