ウクライナ越境攻撃 -ロシアの不意を突く大胆不敵な作戦-



ウクライナが8月6日にロシアの国境に位置するクルスク州への越境攻撃を開始し、28集落を制圧し、1000平方キロを制圧したと、ニュースが伝えている。





(日本經濟新聞より引用抜粋)




クルスク州では18万人が避難し、隣接のベルゴロド州でも1万人の住民が避難したという。


既にロシアは、ドネツク、ルハンスク州に侵攻して、塹壕を掘り、地雷原を構築し、ウクライナは容易にそのロシアの支配領域を解放できない。






(BBCより引用抜粋)




当初、ウクライナにロシアが軍事侵攻した際、直ぐにキーウが陥落すると見て、西側諸国は事態を静観していた。


その後、ウクライナが、侵攻したロシア軍を撃退し、撤退させた為、西側諸国の本格的な軍事支援が始まったが、途中、アメリカの議会が、ウクライナへの軍事支援の予算が可決せず、西側諸国の軍事支援が停滞している間にロシアは、ドネツク、ルハンスク州に防御陣地を構築し、ウクライナが容易に領土を取り戻せない状況を作ってしまった。


そして、つい最近まで、ウクライナは深刻な砲弾不足に悩まされていた。


しかし、ロシアは、人海戦術で、多大な兵士の犠牲を払いながら、ウクライナへの侵攻を続けているが、わずかに侵攻出来ているのみである。


砲弾が圧倒的に不足していたウクライナに対して、アメリカを始め、西側諸国の軍事支援が、再開され、特にロシア領内の空港や弾薬貯蔵庫、石油施設などへの長距離ミサイルATACMSによる攻撃などで、ロシアは軍事的にも経済的にも追い詰められて来ている。


ロシア側は、ここに来て、車両も兵士も不足してきており、上手く募集できなくなっている。


そうした中で、ウクライナがロシアに逆に越境攻撃を仕掛けるというのは、非常に効果的な作戦である。


ロシアとしては、前線のドネツク、ルハンスク州の陣地に兵員を集中している為、越境付近は手薄になっており、スカスカの状態で、ウクライナ軍は容易に1000平方キロメートルも侵攻することが出来た。(不意を突かれたロシア軍は大量に投降し、数千人単位の投降者が発生している)


ロシアは、ドネツク、ルハンスク州に対して、隣接のクルスク州、ベルゴロド州から攻撃を仕掛けており、それらの拠点を叩くと共に前線への兵站を遮断し、更にロシア側が、前線から兵員を後方に再配置しなければならなくなるとしたら、前線の部隊は手薄になって来る。


そのようにロシア軍の拡散を招き、クルスク州、ベルゴロド州に多数の避難者、難民が生まれることによって、プーチン政権への国民の不満が高まり、政権を不安定化させるという狙いもあるようである。


この作戦は、ロシアが占領した防護陣地を中々奪還できないウクライナによる発想を転換させた非常に効果的な作戦である。


そして、ロシアの領土を占領してロシアと同じように防護陣地を構築してしまえば、ロシア側は容易にそれを奪還することが難しくなり、停戦となった際にウクライナ側としては、領土返還交渉の材料とすることが出来る。


ロシア側としては、ウクライナが自国の領土に侵攻して来るとは思ってもみなかった為に全く備えが出来ておらず、地雷原も何もないため、容易にウクライナは侵攻出来ている。


取られた領土が取り返せないなら、逆にロシア側の領土を奪って、それを等価交換の駆け引きに利用するという非常に大胆不敵な発想である。







この作戦は、ウクライナが攻め込んで来るとは全く考えてもいなかったロシア側に衝撃を与えており、プーチンが、緊急に幹部を集めて、対応を協議しているという。



ウクライナ戦争は非常に重要な局面に入って来ており、プーチン政権は、いよいよ追い詰められている。





プーチンのチャートを見ると、2024年10月8日に水瓶座のメジャーダシャーに移行するが、水瓶座から見ると、AmKの土星は8室に在住し、また外交上の取引相手や政治権力を表わす太陽も8室に在住している。



従って、このタイミングで、侵略戦争を遂行するプーチン政権に行き詰まりが生じると以前から予想していたが、それがいよいよ現実的なものになってきたと言える。



プーチン政権は、兵員が不足している為、越境攻撃してきたウクライナ軍に上手く対応できないのであり、前線から兵を後ろに戻すとしたら、軍事侵攻自体が終わりを迎えてしまう。



考えてみると、エフゲニー・プリゴジンのワグネルが、モスクワを目指して進撃した時、プーチンは、「裏切り行為だ」として、動揺の色を隠せなかったが、プーチンはウクライナの領土を奪取することに集中している為、自国の国境からモスクワまでの防御については全く盲点になっており、モスクワに進撃してくる部隊に対しては、割と脆弱なのかもしれない。





ロシアの建国図は、ソビエト連邦が崩壊した後にエリツィンが、ロシア連邦を打ち立てた時のものである。



このチャートでは、2024年2月13日以降のマハダシャー木星期において、ロシアが広大な領土を獲得するのか、それともマハダシャーラーフ期とのディスポジターによる連続性が全くない為、政治体制が崩壊し、全く新たな国家が誕生するのかどうかなど、複数のシナリオが考えられた。



現実的にロシアはウクライナを占領して、実行支配しており、停戦になった時にウクライナはロシアに領土を割譲することが迫られる可能性が高い。



アメリカを始め、西側諸国の軍事支援がいつまで続くか分からない為である。



軍事支援が滞ったら、ウクライナは停戦しなければならない。



今回の作戦は、アメリカの大統領選挙の結果が不透明な中で、アメリカの軍事支援が停止した場合に備えて、ロシアとの外交交渉のカードを獲得しておくという作戦のようにも思える。



ロシアはマハダシャー木星期に広大な領土を獲得する可能性が高いが、しかし、改めて検討した所、逆に領土を失うことを示す配置もあることに気づいた。



4、7室支配の木星が10室に在住し、4室にアスペクトする配置は、明らかに領土の獲得を表わしているが、しかし、その4室支配の木星は、3、8室支配の火星と、6室支配の逆行の土星によってアスペクトされ、生来的凶星で、しかも6室や8室の支配星の絡みによって激しく傷ついており、ロシアは獲得した領土を安定的に保てないことを示唆している。



また月ラグナから見ると、木星は3、12室支配で6室に在住しているが、3、12室支配の木星は、領土を失うことも表わしている。



因みに12室支配の木星が6室に在住することは、二重否定のヴィーパリータラージャヨーガであり、敵を損失し、敵が協力者になることを示している。









ロシアの軍事侵攻において不可解なのは、アメリカのウクライナへの軍事支援が煮え切らない態度で、ロシア領内の攻撃を許可しないなど、本気でウクライナを勝たせる気があるのか分からないような態度で、一貫していることである。



これは核戦争にエスカレートしない為に慎重に行動しているとも考えられ、プーチン政権を感情的に刺激しないで、徐々にロシアの力を割いていく作戦なのかもしれないが、アクセルとブレーキの両方を踏んでいるようなもので、ウクライナにとっては、非常にやりにくい状況である。



こうしたことは、ロシアにとってヴィーパリータラージャヨーガなのではないかなどと考えたりもするが、実際、どうかは分からない。




しかし、このように木星が3、12室支配で、3室は4室を損失するハウスで、12室は損失のハウスであり、3、12室支配の木星は、明らかに領土の損失のハウスである。



そうすると、ロシアにとっての木星期は、領土を獲得する時期であると同時に領土を失う時期なのかもしれない。



それは今回のウクライナによる越境攻撃が効果的に成功しているのを見て、そのように思った。









ナヴァムシャを見ても、ラグナから見て、3、12室支配の木星が4室に在住しており、3、12室支配の木星は領土の損失を表わしている。



木星が4室に在住することは領土の獲得を表わしているが、その木星が3、12室の支配星であることは領土の損失も伴っている。




従って、マハダシャー木星期というのは、ロシアにとっては領土の獲得と損失を表わす吉凶混合した矛盾した時期なのである。



そして、マハダシャー木星期が今後、長く続くことを考えると、この矛盾は停戦した後も長期的に続いていくことが考えられる。







因みにウクライナの建国図を見ると、2013年8月2日からマハダシャー木星期に移行しており、ちょうどこの直後にロシアが、クリミアに侵攻している為、この頃に既に侵略戦争は始まっていたのである。




このウクライナにとって木星期は、木星が3、12室支配で、8室に在住している為、領土を失うことを示していたのである。




つまり、3、12室支配の木星は、領土の損失を表わす配置であり、ロシアの建国図(D1)の月ラグナから見た3、12室支配の木星、またナヴァムシャでの3、12室支配の木星から、ロシアが領土を失うことを表わしている。




そうした観点で、ウクライナの越境攻撃を見ると、納得できるものがある。




ロシアにもウクライナと同じ配置があり、ロシアがウクライナにしたことは、ブーメランのようにロシアに返って来ている。







因みにロシアの建国図で、行為を表わすダシャムシャを見ると、8、11室支配の木星が9室で減衰し、ラーフとコンジャンクトして、不道徳なグルチャンダラヨーガが形成されている。




ロシアのウクライナへの侵略行為や、ウクライナ市民への虐殺行為、ウクライナの子供たちの連れ去り行為などは、既に国際司法裁判所によって、戦争犯罪に認定され、プーチンと、今回のウクライナ侵攻のイデオロギストたちは、戦争犯罪者として国際指名手配されているが、この配置を見ると、ロシアは、ラーフ期や木星期において、不道徳な行為に手を染めることを示している。




このロシアの建国図は、極めて、細かい部分までロシアの現状を示しているように思われ、マンデン占星術の精度について、また考えを新たにさせる発見をもたらしてくれている。



またこの戦争が、今後、どのように集結していくかは見ものである。





プーチン政権のXデー



取りあえず、2024年10月8日以降にプーチンのウクライナ侵攻などの執政が行き詰まりを迎えることが予想される。



それはチャラダシャーの推移によって正確に現れると考えている。




この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA