2022年2月15日、英国のエリザベス女王の次男であるアンドリュー王子から性的暴行を受けたとして、米国人女性バージニア・ジュフリーが起こしていた民事訴訟は、王子が女性に1200万ポンド(約18億円)の和解金を支払うことで、決着したことを今年2022年2月のニュースが報じていた。
アンドリュー王子の買春スキャンダルは、2014年12月29日にフロリダ州ウェストパームビーチの地裁に対して、原告のバージニア・ジェフリーによって、アメリカ人実業家ジェフリー・エプスタインから、1999年から2002年の間、アンドリューを含む複数の男と性的関係を持つよう強要されたとする訴状が提出されたことによって浮上した。
アンドリュー王子は、2022年1月13日の時点で、審理却下請求が無効とされ、民事訴訟となり、軍の名誉職と慈善団体などのパトロン(後援者)の役職を女王に返上し、2019年以来の公務停止に加えて王室メンバーとしての公的地位を事実上全て失う事となり、今後は、メディアにおいて王族の敬称である「ロイヤルハイネス」(殿下)も使われないことになった。
2月17日付のニュースによれば、2月15日に18億円の和解金を支払うことで、和解に至ったという。
調べてみると、アンドリュー王子の転落が起こったのは、2019年11月19日放送の英BBCの番組ニューズナイトに出演した時で、この時が、金星/土星期である。
王族としての称号の剥奪、すなわち、まさに文字通りの意味で、「王から乞食への転落」であるが、金星/土星期、あるいは、土星/金星期が、乞食から王に上昇するか、王から乞食へと転落するかの危険な時期であるという、まさにその事例に合致していることが分かった。
この番組で、アンドリュー王子は、エプスタインとの親交について語り、エプスタインを娘の誕生パーティーに招待していたことを明らかにしたというが、エプスタインには、この時、既に未成年に対する性的虐待の容疑で逮捕状が出ていたという。
そして、インタビュー放映後に多数の企業がアンドリュー王子との協力関係の中断を決定し、アンドリュー王子が名誉総長を務めるハダーズフィールド大学で総長辞任を求める学生運動が起きたという。
2日後の21日、アンドリュー王子は王族としての公務から退き、230の後援団体からも身を退くことを明らかにしている。
金星/土星期になる前の2015年辺り、金星/木星期辺りは、まだ王室がアンドリュー王子の疑惑を否定する声明などを出しており、まだアンドリュー王子の転落は始まっていなかった。
アンドリュー王子の転落が始まったのは、まさに金星/土星期からである。
私は、金星や土星の配置を含めたどのような惑星配置がアンドリュー王子への告発を生み出し、そして、転落をもたらしたのかに興味を持った。
2014年12月29日の告発で、アンドリュー王子の買春スキャンダルが発覚した時、ダシャーは、金星/木星期である。
金星と木星は生来的吉星なのに何故、こんなに悪いことが起こったのかという初心者の疑問に対して、惑星の機能的吉凶の重要性を理解する為の事例の一つに採用できるかもしれない。
金星は、4、11室支配の機能的凶星で、7室で高揚する火星と絡んで傷ついている。
木星は6、9室支配で6室に在住し、一応、9室の支配星でもあるが、7、8室支配の土星と6室支配の木星が6室でコンジャクトして、6室で、6-8の絡みや、6-7の絡みなどが生じている。
6-8の絡みがある為、暴力的な支配と服従の犯罪的絡みが見られ、また6-7の絡みは、パートナーとの争いを示唆している。
マハダシャーロードの金星が機能的凶星で、悪い配置を持ち、アンタルダシャーロードの木星も悪い配置で、マハダシャーとアンタルダシャーは絡んでおらず、マハダシャーから見て、アンタルダシャーは12室目に在住しているということで、非常に良くない時期である。
この場合、アンタルダシャーの支配星が9室の支配星であることはほとんど役に立たない。
マハダシャーが機能的凶星である場合は、それと絡まないアンタルダシャーロードの時期は、トリコーナの支配星でも悪く、ヨーガカラカだと最悪だからである。
木星は6室の支配星だが、7、8室支配の土星と絡んで、まさに被害を受けた原告の米国人女性バージニア・ジュフリーの告発を表わしている。
7室の金星と火星は、月ラグナから見ると、7、12室支配の金星が、ラグナロードで6室支配の火星と3室でコンジャンクトしており、3室は食欲、性欲、睡眠欲のハウスである。
従って、マハダシャー金星期に性的欲望が噴き出したことがこの配置から推測される。
アンドリュー王子が、実際に告発されたのは、1999年から2002年の間の出来事で、この時のダシャーは、ケートゥ/金星⇒太陽⇒月⇒火星⇒ラーフ⇒木星⇒土星期辺りの出来事である。
主にマハダシャーがケートゥ期の出来事である。
ケートゥは9室に在住しているが、ディスポジターは、6、9室支配で6室に在住する木星で、7、8室支配の土星とコンジャンクトしている為、出生図のレベルでは、まさに被害者との間で、6-8、6-7の絡みが象徴するカルマを作っていた時期である。
ナヴァムシャではケートゥは8室に在住しており、ディスポジターの月は8室に在住している。
8室は結婚生活のハウスであり、カーラプルシャ(宇宙的身体)では、性器に該当するが、何か性的なニュアンスを帯びており、その8室支配の月にケートゥがコンジャンクトして失望などを表わしている。
更に2、3室支配の土星がアスペクトして、8室や8室の支配星を傷つけている。
これはおそらく公式な夫人との結婚生活に不満がある配置であるが、それが性犯罪に走らせた原因とも考えられる。
確認すると、この8室に在住するケートゥ期に移行したタイミングで夫人と離婚している。
離婚したことで、結婚生活が満たされなくなったか、あるいは、結婚生活が満たされない(失望した)ので離婚したということのどちらも説明できる配置である。
然し、その後、2004年7月からマハダシャーが金星期に移行しており、ナヴァムシャを見ると、金星は6、11室支配で2、3室支配の土星と3-11の星座交換をし、5、12室支配の火星とコンジャンクトしている。
この配置が非常に性的な煩悩にまみれた配置である。
6室支配の金星は、目下の立場にある女性、愛人を表わし、3室は食欲、性欲、睡眠欲の配置であり、しばしば性欲を満たす為だけの行きずりの関係なども表す配置である。
不倫のハウスなどとも言われている。
11室は、クラブやサークルを表わしており、これはジェフリーエプスタインの個人所有の島リトル・セント・ジェームズ島(エプスタイン島)におけるアメリカ国内外の著名な政財界の幹部たち御用達の買春クラブを表わしていると言えるかもしれない。
5、12室支配の火星が3室で金星とコンジャンクトする配置は、そうした欲望の実現に対して熱情を与える配置であり、5室は恋愛感情などを表わし、12室は性生活のハウスである。
従って、6、11室支配の金星が2、3室支配の土星と、3-11の星座交換をして、5、12室支配の火星とコンジャンクトする配置は、アンドリュー王子が、エプスタイン島での買春行為にのめり込んだ時期ではないかと考えられる。
つまり、米国人女性バージニア・ジュフリーに告発された1999年から2002年の間の出来事とは、アンドリュー王子がまだこうした生活にのめり込み始める最初のタイミングであり、配偶者との結婚生活の不満から徐々にこうしたことに関わるようになった時期であると考えられる。
出生図の配置から考えると、この時期に後々の告発につながるような恨みを買うような暴力的な行為があった可能性も考えられる。
その後、おそらく、アンドリュー王子は、2004年7月からマハダシャー金星期に入って、こうした買春行為にますます派手にのめり込むようになったのである。
以下の記事がそれを物語っている。
アンドルー王子は「セックス中毒」、元愛人ら暴露本で証言 執筆 Mashup Reporter 編集部 -2020-09-22 Mashhup Reporter 英国王室やスターのスキャンダルの裏側に迫る暴露本『Sex, Lies and Dirty Money by the World’s Powerful Elite(世界の権力者のセックスと嘘とダーティーマネー)』の著者、イアン・ハルペリン(Ian Halperin)氏はPage Sixに対して、英国王室のヨーク公アンドルー王子の元愛人らが、王子は「セックス中毒」「限界がない」など、様々な証言をしたと語った。 同書では、故ジェフリー・エプスタイン被告と親交のあったアンドルー王子を取り上げている。ハルペリン氏は、エプスタイン氏の紹介でアンドルー王子と知り合った十数名の元交際相手に聞き取りを行なったという。 同氏は「ほとんどの女性はアンドルーを完璧な紳士として描いており、彼女たちは、それは合意の上でのことだったと話している」と語った。1人の女性は「王子が極めて大胆な恋人で、ベッドでは限界がなかった」と打ち明けたという。この女性は「アンドルーは寝室で私の世界を変えてくれたけど、その後二度と彼からの連絡はなく、失望した」と話したという。 元愛人の1人は、アンドルー王子が常にチャールズ皇太子の2番手だったためにセックス中毒になったと話した。この女性によると、アンドルー王子は自分と兄の関係を、ウィリアム王子とハリー王子との関係に例えていたという。ウィリアム王子はチャールズ皇太子と同様、王室の器として見られていたが、自身とハリー王子は問題児で、これがプレイボーイの道に進むことになった。注目されることがなかったことで、美しい女性たちをベッドに連れて行くことが、彼を特別な気分にさせていたと、元交際相手は語ったという。 エプスタイン事件との関係についてハルペリン氏は、アンドルー王子が未成年の少女と性的関係を持ったという証拠をつかむことができなかったとしつつ、「エプスタインがアンドルー王子に少女を提供していたことは間違いなく、まさにそれこそ2人が友人だった理由だ」と述べた。また「彼は赤毛に対する執着が強く、エプスタインはスカウトを雇って、王子と会う前に、赤毛の美女を得るために街中を偵察させていた」と語った。 アンドルー王子はエプスタイン氏との関係は純粋なビジネス目的だったと主張しているが、ハルペリン氏は、王子が次第に故エプスタイン被告に恐れを感じ始めるようになったと主張。「エプスタインは人々の情報を入手し、それを当事者に不利になるよう利用していたこともあった」と述べ、「2011年に2人が最後に会った際、アンドルー王子はエプスタインに対し、自身のことについて決して暴露しないで欲しいと、土下座して懇願した」と語った。 エプスタイン事件の告発者の1人、バージニア・ロバーツ・ジュフレさんは、昨年NBCの番組で、17歳だった2001年に、ギレーヌ・マクスウェル被告のロンドンのタウンハウスで、アンドルー王子との性行為を強要されたと証言した。ジュフレさんは、その後もニューヨークにあるエプスタイン氏の自宅や、ヴァージン諸島にある物件でアンドルー王子と性行為を強要されたと話している。 |
このような記事によるエビデンスがなかったとしても、チャートの惑星配置からそのように推測することができる。
2014年12月29日に告発されるまでの10年間、おそらく、エプスタイン島の常連メンバーのようになって、派手に買春を繰り返していたと考えられるのである。
1999年から2002年に1度だけ偶発的に起こった出来事などではなく、マハダシャー金星期には、エプスタイン島の買春クラブの常連メンバーだったのである。
従って、そうした金星期の間の出来事は全く告発されずにアンドリュー王子自身も既に忘れていたかのようなケートゥ期(1999年から2002年)に犯した罪(播いた種)が跳ね返って来たということかもしれない。
写真から見ると、どことなくぎこちない感じであり、まだこうしたことに慣れていない感じがある。
こうしたことは度々起こることである。
意外な形で、意外な人物からの告発を受けるということである。
2004年頃からアンドリュー王子が派手に買春行為に耽っていたことからすると、10年以上前のケートゥ期の出来事であり、本人自身も忘れているような時の出来事である。
然し、カルマは意外な時に意外な形で降りかかってくる。
因みにアンドリュー王子は、1986年7月23日にセーラ・ファーガソン (ヨーク公爵夫人)と結婚しているが、この時、水星/金星期である。
然し、1996年の水星/土星期に離婚している。
水星は、7室の支配星である為、結婚をもたらしたが、6室に在住しているので意見の不一致があり、関係は結婚の当初から良くなかったと考えられる。
8室にケートゥが在住し、土星がアスペクトしていることを考えると、結婚生活も満たされたものではなかったと考えられる。
アンタルダシャーの土星期に離婚しているが、土星は6室の支配星と星座交換し、8室にアスペクトして傷つけている。
従って、パートナー関係も調和がなく、結婚生活も満たされない為、離婚したことが分かる。
その後、8室に在住して、8室の支配星とコンジャンクトして8室を傷つけているケートゥ期に移行する為、結婚相手がいない満たされない日々が暫く続いたことが考えられる。
そうした時にジェフリー・エプスタインと知り合うきっかけなどがあり、エプスタイン島の政財界の幹部御用達の買春クラブとの繋がりが生じたと考えられる。
既に言及しているが、このケートゥ期は、出生図ではケートゥが9室に在住し、ディスポジターの木星が6室に在住し、7、8室支配の土星とコンジャンクトして、6-7、6-8の絡みを生じている。
この配置が表わす象意が、金星/木星期、あるいは、金星/土星期に噴き出したと言えるかもしれない。
6室に在住する土星は、目下の者への暴力を表わしており、この暴力の反発を受けたことになる。
金星/土星期の転落 -王から乞食へ-
アンドリュー王子が何故、金星/土星期に破壊的な転落が起こったかと言えば、出生図のラグナと月、ナヴァムシャのラグナと月から見て、金星と土星の両方が、機能的凶星だからである。
ナヴァムシャでは、金星は6、11室支配の機能的凶星で、マラカでもあり、2、3室支配の機能的凶星で、マラカの土星と3-11の星座交換している。
3室、6室、11室全てがトリシャダヤハウスである。
月から見ても4、11室支配の機能的凶星の金星が、7、8室支配の機能的凶星の土星と4-8の星座交換をしている。
アンドリュー王子は、王室メンバーとしての公的地位を全て失い、法的に認められた形で収入を得ることができない。
かといって、一般市民として、働く訳にも行かず、何も公務が出来ない状態で、他の王室メンバーの援助によって生活しなければならない立場となっている。
つまり、乞食、物乞いの立場になったのである。
これは金星/土星期や土星/金星期について言われている古典の言及が、見事に文字通りの意味で、機能している事例である。
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