宇多田ヒカルの母親である藤圭子が飛び降り自殺をしたとの報道がなされている。
宇多田ヒカルの出生図を見ると、月が魚座にあり、月は母親の表示体であることから、
月をラグナとして母親のことを検討することができる。
月をラグナとすると、現在、11、12室支配の土星が天秤座をトランジットして、
木星が双子座から天秤座にアスペクトして8室にダブルトランジットを形成している。
この8室天秤座にはトランジットのラーフが在住して、月からみた2-8室の軸を占めている。
更にトランジットの火星が減衰する蟹座からアスペクトしており、ラーフ/ケートゥ、土星、火星のほとんど全ての凶星が8室に絡んでいることが分かる。
8室は寿命のハウスであり、例えばラーフ/ケートゥが2-8室の軸をトランジットする時期は人からのサポートが得られない惨めな時期である。
この月から8室へのトランジットの凶星の集中というものはかなり母親にとって苦しい時期であることを示している。
と同時にこの今の時期は宇多田ヒカルにとっても苦しい時期のはずである。
母親の死後、3日経っても消息が不明で、どこにいるのか分からないといった状況は、
宇多田ヒカルにとっても今は突然の母親の死に直面に人と係わり合いを持ちたくない時期なのである。
特に8室は孤独な瞑想修行者の精神的挫折のハウスであると、K.N.ラオ氏の著書にも書いてあるが、8室は心がすさみ、人と社交的に振る舞うことも出来ない。ただ一人でじっと身に降りかかってくる災難に耐える時期なのである。
つまり、月からみて土星が8室を通過する時期は母親にとって苦しい時期であり、その本人にとっても家族の不幸とか突然の災難、相続問題などによって頭を悩ませる時期である。
宇多田ヒカルは山羊座ラグナであるようだが、この山羊座ラグナであるためのデータソースが分からない為、今回は出生時間はネット上に出回っているニューヨーク AM1:07に設定してある。
仮に山羊座ラグナだとすると、宇多田ヒカルは2002年の水星/水星期に結婚しており、トランジットの木星は7室蟹座を通過し、土星は6室から7室支配の月にアスペクトしていたため、ダブルトランジットが7室に形成されている。
チャラダシャーでも乙女座/射手座であり、乙女座から7室にはDKの月が在住し、射手座から7室にアスペクトしていることから、山羊座ラグナでいいと思うが、このデータソースが何処からのものだが分からない。
山羊座ラグナから見ると現在、母親の4室にはケートゥがトランジットしており、土星がアスペクトしている。
従って、山羊座ラグナであると考えると、現在、母親に関して寂しい経験をする時期であるということが表示されている。
また4室を母親のラグナとした場合でも7室にラーフと土星がトランジットし、木星、火星もアスペクトして、7室のマラカハウスにダブルトランジットしている。
現在、宇多田ヒカルが水星/ラーフ期ならば、ラーフは母親の表示体である月からみた4室に在住しており、ラーフのディスポジターは水星で、水星はケートゥと接合し、土星からアスペクトされている。
つまり、この月から4室目に在住するラーフは宇多田ヒカルの母親運のことを示しているが、ラーフの場合、ディスポジターが重要であるため、水星の状態を見ることが必要である。
水星は12室でケートゥと接合し、12室支配の土星からアスペクトされている。
宇多田ヒカルはよく母親に会いたいという歌詞を書いて歌っていたというが、以下の記事からも母親が近くにいなくて寂しい様子が伝わってくる。
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宇多田ヒカル「お母さんに会いたい」幼い頃から寂しさ
1983年6月30日、ニューヨークから帰国する藤圭子と長女・宇多田ヒカル
2013年8月24日 06:00 スポニチ
最愛の母・藤圭子さんを失った宇多田ヒカルは、沈黙を貫いている。宇多田は幼い頃から離婚と結婚を何度も繰り返す両親をいつも黙って受け止めてきた。しかし、3年前に音楽活動を休止する直前のラスト作品で「お母さんに会いたい」と歌っていた。天国へ旅立った母への思いは語らずとも、多くの歌に込められている。
宇多田が2010年8月に活動休止を発表してからちょうど3年。今年4月から月に1度のラジオDJを始め、気分も乗ってきた中での突然の悲報。藤さんにどんな理由があったにせよ、愛娘の復帰への機運に明らかに水を差すことになった。
でも、それは今に始まったことではない。00年6月。宇多田の初アルバム「First Love」が800万枚を超える空前の売り上げを記録し、米コロンビア大学に合格するなど“宇多田フィーバー”に沸いていた中、照實氏との離婚を決断。5日後に翻意したものの、宇多田のショックは計り知れなかった。
藤さんと照實氏が繰り返した結婚と離婚は計6、7回とされる。宇多田に「Be My Last」(05年発表)という曲がある。その中で「母さんどうして 育てたものまで 自分で壊さなきゃならない日がくるの?」と、何度も離婚する藤さんに訴えるように歌っている。
そんな、つらく寂しい思いは幼い頃からだった。ニューヨークでの生活を安定させるため、日本で場末のキャバレーなど地方回りをして稼ぐ藤さんは、娘の知らぬ間に仕事へ出掛けていた。宇多田は「Letters」(02年発表)で「いつも置き手紙 ああ夢の中でも 電話越しでも ああ声を聞きたいよ」と歌っている。
宇多田の周辺は「彼女はママのことが大好きで、歌手としても最も尊敬していた」と語る。でも、そんな思いはいつも、うまく届かなかった。
宇多田の休業前ラストアルバムに収録されている「嵐の女神」(10年発表)は、タイトルそのものが藤さんだ。「嵐の女神 あなたには敵(かな)わない」と歌い始め「お母さんに会いたい」と強く求める。「分かり合えるのも 生きていればこそ 今なら言えるよ ほんとのありがとう」と、まるで今回のことが起こるのを恐れていたかのような歌詞もある。だが、その声はもう届かない。
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この母親の居ない寂しさは12室でケートゥと接合し、12室支配の土星からアスペクトされている水星がよく表わしている。
因みに藤圭子が現在、どのような心理状態であったのか、出生図を作成して検討してみたが、
様々なラグナを検討した結果、おそらく藤圭子のラグナは蟹座でナクシャトラはアーシュレーシャ辺りである。
藤圭子を何故、蟹座ラグナに検討したかというと、まず歌手であり、独特のハスキーボイスを特徴としていたことから、
2室に金星とケートゥが在住していると考えられるからである。
人生が波瀾に富んでいても2室に金星が在住しているだけで歌手になれる要素が十分にあると考えられるのである。
そして、もう一つは彼女が歌手を突然、引退して、ニューヨークに移住したタイミングである。
移住は12室が表わしているが、蟹座ラグナにすると、1979年にアメリカに渡ったタイミングが、
ちょうどマハダシャー水星期への移行のタイミングである。
水星は3、12室(海外)支配で12室に在住している。
その前に土星期の真ん中辺り1971年に土星/太陽、土星/月期辺りに前川清と結婚しているが、これは翌年直ぐに離婚している。
土星は7、8室支配であり、土星期に結婚したことは理解できる。
またアンタルダシャーの太陽、月、火星といった惑星が皆、12室に在住しており、6室にアスペクトしているため、
結婚はおそらく彼女が離れる、あるいは去っていく形で終焉した可能性が高い。
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多額の現金没収騒動
2006年3月3日、ニューヨークのJFK国際空港にて米国司法省麻薬取締局により多額の現金を没収された。内訳は、4149枚の米100ドル紙幣、5000カナダドル、5000オーストラリアドル(計約4900万円)であった(機内に持ち込める現金やトラベラーズチェックは100万日本円や10,000米ドルまで)。
麻薬犬による検査で、現金からは微量の規制薬物が検出される。米国司法省麻薬取締局は、現金が麻薬取引のためにすでに使われたか、あるいは使われる意図があったと結論付け、全額を没収した。(wikipediaより引用抜粋)
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藤圭子は娘の宇多田ヒカルの楽曲がヒットして、急に大金が転がり込んできたのだが、そのお金をギャンブルや世界中を飛び回り、ファーストクラスのチケット代や高級ホテルの宿泊代などで5億円ほども使ってしまったとインタビューで述べている。
従って、彼女には海外で派手に豪遊し、多額の金銭を出費したという象意が現れていなければならない。
また2006年3月3日にニューヨークのJFK国際空港にて米国司法省麻薬取締局により麻薬取引の嫌疑をかけられ、多額の現金を没収されたりもしている。これは後に名誉が回復されたが、こうした海外でのトラブルで金銭を損失するという象意は12室が凶星によって傷ついていることによる。
藤圭子の12室ではラグナロードの月、太陽、水星が在住し、火星が在住して、8室支配の土星がアスペクトしている。
つまり、この火星と土星という二大凶星によって傷つけられており、また8室の支配星が絡んでいたが為にこのようなトラブルに巻き込まれたといえる。
然し、この12室に在住する火星は5室、10室支配のラージャヨーガカラカであり、また欲望のハウスである6室などが絡んでいなかったためにそれ程、凶意は強力ではなく、そのため、犯罪に巻き込まれたり、犯罪を犯したりすることなく、無事に嫌疑が晴れることとなったのだと考えられる。
私も経験があり過去のブログにも書いているが、12室が凶星によって傷ついていると海外旅行で詐欺に遭ったり盗難に会ったりして、非常に大金や高価な物品を失うのである。
従って、この12室の象意についてはよく理解しているため、この藤圭子のケースでもやはり同じ12室の象意が強く出ていると思われた。
また藤圭子の歌詞は非常に憂いを帯びた孤独で日の光の下を生きることができず、日の目を見ることが出来ない女性の心を綴ったものが多いのであるが、非常に怨恨の情を綴ったものが多いのである。
【藤圭子の歌詞一覧】
生命ぎりぎり 夜に疲れた恋に疲れた蝶々
あなた任せのブルース 誰かに頼って生きなけりゃ
東京流れもの 風が吹いたら吹かれます雨が
私は京都へ帰ります 小雨さみしい博多の街へ
聞いて下さい私の人生 聞いて下さい私の人生
面影平野 女一人の住まいにしては私の
可愛い女 まるで私の人生にたのしいこと
螢火 藤圭子 季節はずれの螢火を宿した
おもいで酒 無理して飲んじゃいけないと
みちのく一人旅 ここでいっしょに死ねたら
舟唄 藤圭子 お酒はぬるめの燗がいい
さすらい 泣いてくれるな流れの星よ
怨み節 花よ綺麗とおだてられ
網走番外地 春に春に追われし花も散る
アカシアの雨がやむ時 アカシアの雨にうたれて
今日でお別れ 今日でお別れねもう逢えない
カスバの女 涙じゃないのよ浮気な雨に
知りすぎたのね 知りすぎたのねあまりに私を
雨がやんだら 雨がやんだらお別れなのね
霧の摩周湖 霧にだかれてしずかに眠る
例えば、『明日から私は』という歌詞を見ると、
あきらめました あなたのことは
何も云わずに 身を引くわ
帰るあなたを待ちながら
今日も生きてる 女がいる
愛せないのよ 愛せないのよ
もうこれ以上
どうして二人 出会ったかしら
さだめ哀しい 霧の夜
愛し合っては いけないと
強く心に 言いきかせ
いつかおぼれた いつかおぼれた
あなたの愛に
あきらめました あなたのことは
水に流して旅に出る
どこか小さな町に行き
そこで私は暮らしたい
すべて忘れて すべて忘れて
これから独り
その内容は12室の象意に満ちあふれている。
彼女の歌詞からは、我慢して我慢して全てを失って報われない、
そして諦めて、断念して、全てを捨てて、遠い所に行きますという歌なのである。
実際、彼女がこのような歌ばかり歌ったことは彼女自身の人生がそうした生き方で彩られていたことから来たものである。
俳優でも歌手でも、その人のキャラクターにふさわしい役柄や歌詞を与えられるものである。
藤圭子は再婚した宇多田照實氏と結婚と離婚を7回繰り返したというが、おそらく、それは藤圭子が世捨て人のようで、
夫婦生活に適応できずに放浪癖があったり、独りで過ごしたくなる癖があって、彼女が自ら去っていくことで結婚が破綻し、
また暫くすると再会し、また暫くすると別離するといったように不安定な関係性を繰り返して来たからであると思われる。
これは12室に惑星集中している人の特徴ではないかと思われ、特にラグナロードが12室に在住した人の特徴ではないかと思われる。
相手が求めてきても自分自ら退いていくのがラグナロードが12室に在住している人なのである。
またそれと同時に出生図を見るとラーフ/ケートゥ軸が2-8の軸にあり、8室の支配星が火星からアスペクトされている。
月、太陽からみても8室と8室の支配星に火星がアスペクトし、また金星からみても8室と8室の支配星に土星がアスペクトしている。
ラグナ、月、太陽、金星からみた7室と7室の支配星、8室と8室の支配星がいずれも傷ついていることから、
結婚生活が安定しなかったことがよく分かる。
パートナーからの保護に恵まれていないため、それで自ら独りになる道を選ぶというsingle womanの特徴が多く見られる。
然し、藤圭子のチャートの8室支配の土星には木星がアスペクトしており、これがラグナからみても月、太陽からみても金星からみても8室に恩恵を与えている。
この木星は9室の支配星であり、おそらく彼女の自慢の娘である宇多田ヒカルのことを表わしているのである。
1993年に藤圭子は夫の宇多田照實氏と共に有限会社ユースリー・ミュージックという音楽製作会社を設立し、
1995年には藤圭子、宇多田照實氏、宇多田ヒカルの3人でユニット「U3」を結成し、インディーズでレコードを発売している。
おそらく宇多田ヒカルが夫婦の結婚生活を維持する接着剤となって家族の幸せをこの時に感じることができたのだと考えられる。
ちょうど水星/木星期、水星/土星期の辺りである。
おそらく水星/木星期の間はよかったが、水星/土星期に移ると、いろいろ夫婦間の問題が起こってきたと想像できる。
そして、藤圭子は1997年ぐらいからマハダシャーケートゥ期に入るが、この後で娘の大ブレークにより、彼女に大金が転がり込んでくることになる。
そして、2006年3月の金星/金星期には、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港にて大金を没収されている。
4900万円もカバンの中に現金で所持しており、この時の彼女の羽振りがいかによかったかを物語っている。
金星のディスポジターは太陽で太陽は12室に在住して土星からアスペクトされているため、彼女はギャンブルや海外での放浪に金銭を出費したのである。ダナヨーガも出来ているのでギャンブルで稼いだりしたこともあるのかもしれないが、然し、結局、12室であることから、最終的には使ってしまい、おそらく残らないのである。
彼女がお金を没収された時に「ラスベガスのボランティア団体に寄付するつもりだった」と述べたことは、おそらく本当ではないかと思われる。
何故なら、12室には5、10室支配のラージャヨーガカラカの火星と、ラグナロードの月が在住しているからである。
ダルマハウスの支配星が絡んでいることから、出費の目的にはかなり霊的、精神的な目的も含まれていたと思われるからである。
因みにこの蟹座ラグナに設定すると、彼女が宇多田ヒカルを産んだのは水瓶座/双子座である。
水瓶座から見るとPKの火星が5室に在住し、双子座にはPKの火星が在住しているため、子供が誕生するタイミングとしては完璧である。
従って、上記に述べてきたような理由によっても、私は藤圭子のラグナが蟹座であると考えている。
そして、恋愛関係などが世間の常識からはるかに逸脱しているため、おそらくアーシュレーシャではないかと考えている。
ダシャーバランスもアーシュレーシャに設定すれば、問題なく一致しているように思われる。
彼女の悲報が伝えられた時、おそらくダシャーは金星/ラーフ期である。
金星はマラカに在住し、ラーフは8室に在住して2室に絡んでいると言う事ができるが、
ディスポジターの土星は2室支配の太陽にアスペクトしている。
マラカと絡むアンタルダシャーの時期である。
おそらくこのラーフが問題なのはラグナから見た8室に在住しており、これはパートナーから得たい、
サポートを受けたいという激しい渇望があるにも関わらず、それが満たされないという激しい苦悩に襲われる時期である。
つまり、人間関係の悩みである。
そしてラーフの場合、ディスポジターを見なければならないが、ラーフのディスポジターである土星は7、8室支配のマラカであり、
3室から12室に在住するラグナロード、月、太陽にアスペクトし、12室の惑星群にアスペクトしている。
従って、藤圭子はこの金星/ラーフ期に人の親切やサポートを渇望しつつ、それが満たされないという激しい苦痛を感じながら、
月や太陽にアスペクトする土星の影響下で、心理的な抑鬱を感じつつ、全てを終わらせる、現象界の全てを捨てるという選択をしたということが考えられる。
トランジットの木星は5月末から12室に入室し、一つの周期の終わりを表わしていた。
土星は天秤座で逆行し、双子座にアスペクトして、双子座にダブルトランジットを生じており、まさに12室の象意、肉体からの離脱を表わしていたのである。
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