ハリウッドを追放されたハーヴェイ・ワインスタイン氏のチャートについて


前回の記事『リベラル派の逆襲 ―ハリウッドセクハラ告発パンデミックの理由―』で、何故、突然、ハリウッドで、ハーヴェイ・ワインスタイン氏のセクハラが告発され、過去の男優によるセクハラ被害の暴露ツィートが相次ぎ、それが世界に飛び火する事態にまで発展しているのかについて、私は、それが水瓶座や双子座にダブルトランジットが形成されたからであることを述べた。

特に水瓶座にダブルトランジットしていることが最も重要である。


例えば、水瓶座が左翼リベラルの星座であることは、オノ・ヨーコ(ジョン・レノンの妻)のチャートを検討した時によく分かるのである。



彼女は金星/土星期の時は前衛的な芸術作品を創作活動に没頭していたが、金星/水星期になると以下のように反戦運動、黒人解放運動、女性解放運動などの急進的な政治運動に傾斜していくのである。


1971年9月に二人は新しい活動の場を求めてロンドンからニューヨークに移り住む。アルバム『イマジン』(”Imagine”)の発表直前のことだった。

同年10月にニューヨークのエバーソン美術館でオノの芸術活動を集大成した個展『ジス・イズ・ノット・ヒアー』(”This Is Not Here”)を行なう。一方、二人はニューヨークの前衛芸術家、反戦運動家、黒人解放運動家、女性解放運動家などと交流を深め、急進的な政治運動に傾斜していった
1971年から1972年にかけて、二人は反戦文化人の即時保釈を求める集会や北アイルランド紛争に抗議するデモ行進へ参加、また、刑務所で起きた暴動の被害者救済コンサートや知的障害を持つ子どもの救済コンサートなどにも積極的に出演した。

1973年4月、二人は架空の理想国家「ヌートピア」の建国宣言のイベントを行うが、掲げた理想は、度重なる国外退去命令で挫折する。そのようななか、1973年10月、レノンはロサンゼルスに移り住み、二人は別居する。後に、レノンはこの期間を「失われた週末」と述懐している。この別居期間中にオノは、アルバム『無限の大宇宙』(”Approximately Infinite Universe”)とアルバム『空間の感触』(”Feeling the Space”)の2枚のフェミニスト・ロック・アルバムを発表。また、女性解放を主張し日本語で歌唱しているシングル・レコード『女性上位万歳!』が日本で発売された。
(wikipedia オノ・ヨーコより引用抜粋)

これは水星が6室(闘争)で水瓶座(共産主義、リベラル、左翼)に在住しているからである。


また水瓶座が強調されている人が、労働組合運動に力を入れていたり、共産党で活動しているようなケースも経験し、水瓶座=左翼リベラル、共産主義(平等思想)という図式は、私の中では、今では基本的な認識になっている。


また前々回の記事で、米テレビ司会者オプラ・ウィンフリーのチャートにも触れたが、彼女は、リベラル左翼政党である民主党の大統領候補・バラク・オバマの支持を早期に表明し、当選に大いに貢献したのは、ダシャムシャのラグナである水瓶座に太陽、金星が在住しているからである。

それは水瓶座に在住するマハダシャー太陽期の出来事であった。





水瓶座が、リベラル左翼の星座であることが分かった所で、興味深い事例が、セクハラ告発の当事者であったハーヴェイ・ワインスタイン氏のチャートである。






チャンドララグナで見ると、月が射手座で、3室に6、11室支配の金星が在住し、飽くなき欲望を表わすラーフとコンジャンクションしている。


3室はトリシャダヤハウスであり、食欲、性欲、睡眠欲などの肉体の低次の欲求を表わし、特に3室に金星が在住する場合、快楽主義者になり、性的欲望などを抑えることが難しくなるのである。

またラーフの在住は、その欲望を過剰な形で強めてしまう。

インドに『カーマ・スートラ』という男女の性愛について記された古典があるが、3室は、カーマハウス(3、7、11室)の中の一つである。


まず、ワインスタイン氏の惑星配置の中で、最初に目に付くのは、この配置である。


3室というのは、性的欲望を満たしたいだけである為、特に真剣な交際などではなく、相手は誰でもいいのである。


酒やタバコなどのような嗜好品と同じような気軽な感覚で、性的欲望を満たすことを求めていく。


金星は快楽主義の惑星であり、娯楽を表しており、それが3室(肉体の低次の欲望)に在住してラーフ(飽くなき欲望)と接合すると、性欲を安易に満たそうとする快楽主義者に変貌する。

そして、ラーフが働くと、快楽を得ても決して満足することがなく、次から次へと新しい快楽を求めていく。


ハーヴェイ・ワインスタイン氏は、セックス依存症と診断され、カウンセリングを受けるらしいが、この3室で金星とラーフが接合する配置は、まさにセックス依存症のコンビネーションと言ってもいいかもしれない。



ここで金星は、月から見た場合に6、11室の支配星になることが重要である。


従って、彼が性的に強要した女性たちから訴訟(6室)を起こされたのである。


そして、ワインスタイン氏の水瓶座に在住する6室支配の金星に10月26日から(2ヶ月前から効果を発揮した)木星と土星のダブルトランジットが形成されたためにこのタイミングで複数の女優や会社の女性社員にセクハラ行為で訴えられたのである。


そして、ニューヨークタイムズ誌のスクープ記事をきっかけにワインスタイン氏のセクハラ被害に遭ったと言われる女優たちが次々に名乗りを上げることになった。


その後は、既に世間でも知られているようにSNSで、「#me too」として、ツィートする人が連鎖的に後を絶たない状況であった。


あるメディアは、その現象を「パンデミック」(感染症、伝染病)とし表現したが、私もニュースの記事を読んで、自分の被害体験を告白、暴露する人々は、かなり熱狂に冒されており、狂信的であるように思われた。


これを引き起こしているのは、ワインスタイン氏の金星にラーフがコンジャンクションしているからである。


6室支配の金星は、ワインスタイン氏より立場の弱い人物を表わしていたり、あるいは、11室も支配している為、ワインスタイン氏と同じ位の社会的地位にある人々を表している。


特に今回は6室支配の金星がラーフと絡んでいる為にワインスタイン氏より立場が弱く、セクハラされて屈辱を受けた女性たちが、気が狂ったように熱狂的にワインスタイン氏を非難し始めたのである。


従って、6室支配で3室でラーフと接合する金星は、ワインスタイン氏の「病的な性的欲望」と「病的なほど熱狂的にワインスタイン氏を告発する被害者の女性たち」の両方を表していると言える。




このようにチャンドララグナからは、今回のセクハラ告発騒動が必然だったことが分かる。


そして、その被害者の女性たちは、その告発の活動をリベラル左翼的な連帯にて行ったのは、金星が水瓶座に在住しているからである。


こうした女優たちのリベラルな連帯の輪が、2018年1月7日の性的暴力や抑圧に抗議する式典としてのゴールデン・グローブ賞の授賞式につながったのである。


このように見ると、今回の騒動も、予めカルマ的に起こることが決まっていたことが分かる。




更に私はハーヴェイ・ワインスタイン氏のダシャーを検討していくうちに分かったことは、彼はおそらくマハダシャー木星期の最後にいて、次にマハダシャー土星期に移行する直前にいるということである。


出生図を00:00:01で作成すると、現在のダシャーは木星/木星期であり、23:59:59で作成すると、現在のダシャーは木星/ラーフ期(マハダシャー木星期最後のアンタルダシャー)である。


今回の騒動は彼の水瓶座に在住する金星やラーフの象意として起こっている為、マハダシャーはラーフ期ではないかと思ったが、意外にもハーヴェイ・ワインスタイン氏は現在、マハダシャー木星期であった。


そうすると、アンタルダシャーが重要になるが、今回の事件で、彼の人生が大きく変化し、二度と元には戻りそうにないことを考えると、次に彼はマハダシャー土星期に移行していくと考えるのが自然である。


そうすると、出生時間は、23:59:59に近い所にあり、ダシャーは木星/ラーフ期で、6、11室支配の金星とコンジャンクションするアンタルダシャーのラーフの象意として今回の出来事が起こったということで説明が付く。


マハダシャーの木星と金星は絡んでおらず、ラーフは木星から見て12室に在住し、3、8室支配の金星と12室でコンジャンクションしている。


12室はインターネットなども表わすため、SNSなどを通じて、ハーヴェイ・ワインスタイン氏の悪事が暴露され、ネット上に拡散されたことを表しているかもしれない。

3室はメディアであり、8室は破局やカタストロフィー、優位に立つ相手を表しており、ワインスタイン氏を困惑させる不特定多数の告発者を表している。


おそらくワインスタイン氏自身にとっては、自分の部屋に行きこもって、自分に対して為された暴露ツィートなどを読んで深く悩んでいる状況を表している。



この現在が、木星/ラーフ期であるという観点から出生時間を23:59:59に設定すると、ラグナは、蠍座のジェーシュタとなる。


ナヴァムシャ1つ分遡るとラグナはアヌラーダになってしまうが、おそらく、ワインスタイン氏のラグナのナクシャトラはジェーシュタではないかと思われる。


何故なら、アヌラーダのように社交的な様子はないからである。


また表面上は、真っ当なプロデューサーを装い、裏では、女優たちに性行為を強要していたという所などの性格の二面性などが、ジェーシュタ的である。

ジェーシュタは沢山の世俗的なものを蓄積しているナクシャトラであり、女優たちに自分を告発しないという誓約書にサインさせるなど、やり方が老獪である所などもジェーシュタ的である。


そして、ラグナをジェーシュタとする場合、ダシャムシャのラグナが射手座となり、土星は12室に在住する。





従って、マハダシャー土星期になると、彼はキャリア的に終わりを迎えることを意味している。


まもなく、土星期に移行するが、彼は二度と、ハリウッドの第一線では活動出来ない。



このように考えると、ワインスタイン氏のラグナは蠍座で、ナクシャトラはジェーシュタの第一パダである。



ハーヴェイ・ワインスタイン氏のラグナを蠍座に設定した上で、このラグナで正しいかどうかであるが、2010年8月29日に妻のジョージナ・チャップマンとの間に女児が誕生している。





女児が誕生した時、ダシャーは木星/金星期である。


マハダシャーロードの木星は5室の支配星で、9室支配の火星とコンジャンクションし、アンタルダシャーロードの金星は9室に在住している。


5室支配の木星は若干、傷ついているが、子供の誕生の条件を満たしている。



またこの時、木星は魚座5室をトランジット(リターン)し、土星は乙女座をトランジットして、ラグナと5室と11室にダブルトランジットが形成されていた。


5室にダブルトランジットが形成されている為、子供の誕生のタイミングである。


また特に5室支配で5室の自室に在住する木星に木星がリターンしていたタイミングであり、子供が誕生しやすいタイミングと言える。



またワインスタイン氏には、同じく映画プロデューサーの弟ボブ・ワインスタインがいるが、蠍座ラグナに設定すると3室支配の土星が11室に在住しており、兄弟姉妹の中で、最年長か、最年少の配置である。


つまり、兄弟姉妹がいるという配置であり、こうしたことも参考になると思われる。




この蠍座ラグナで検討すると、ワインスタイン氏の5室には2、5室支配の木星、10室支配の太陽、そして、8、11室支配の水星が在住しており、5-10のラージャヨーガ、2-5、5-11のダナヨーガを形成している。

水星は減衰しているが、8室の支配星が減衰している為、パラシャラの例外則で、ラージャヨーガ的に働く配置であり、また減衰する水星はディスポジターの木星とコンジャンクトしている為、ニーチャバンガラージャヨーガを形成している。


減衰する水星のディスポジターである木星は、月から見てケンドラに在住し、また減衰する水星が高揚する星座の支配星(すなわち水星)は月から見てケンドラに在住している。


このように減衰する水星はニーチャバンガラージャヨーガの条件を3つ満たしており、強力なニーチャバンガラージャヨーガを形成している。



このように5室が強いため、ワインスタイン氏はクリエイターとして才能溢れる人物である。


wikipediaによれば、今までにプロデューサーとして以下の映画を手掛けてきたと記されている。


プロデュース作品
『パルプ・フィクション』
『イングリッシュ・ペイシェント』
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
『恋におちたシェイクスピア』
『ギャング・オブ・ニューヨーク』
『シカゴ』『キル・ビル』
『マスター・アンド・コマンダー』
『コールド マウンテン』
『華氏911』『アビエイター』
『イングロリアス・バスターズ』
『英国王のスピーチ』『アーティスト』
『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』

(wikipedia ハーヴェイ・ワインスタインより引用抜粋)


上記の作品は、皆、かなりヒットした作品ばかりであり、プロデューサーとしての才能の程が伺えるのである。


減衰する5室の水星が発揮するラージャヨーガ的な働きとは論理によらない直観とかインスピレーションである。


3室のパラシャラの例外則によるラージャヨーガ的な働きやニーチャバンガラージャヨーガは何か奇想天外な普通でない作品作りに生かされるはずである。


例えば、ハリウッドの異端児であるタランティーノ監督で制作した『パルプ・フィクション』などに見られるかもしれない。


『パルプ・フィクション』は人間が無意味に死んだり、偶然によって事態が進行したりする不条理劇であるが、あらすじの論理的な展開というものがないのである。


この辺りは、減衰した水星の特徴が、自らがプロデュースした作品の中に表れたと言うことができる。



このように5室は才能に溢れているが、3、4室支配の土星が11室からアスペクトしており、マハダシャー土星期に移行すると、土星期は、彼のクリエイターとしての才能の表現を制限すると考えられる。


自身が設立したワインスタイン社を解雇され、ハリウッドから追放されたからには当然の話である。



この蠍座ラグナに設定すると、7、12室支配の金星が4室でラーフと接合しており、7室はパートナーのハウスであり、12室はベッド上の快楽のハウスであり、やはり、性的なニュアンスが出て来るのである。


女優コートニーラブは2005年にワインスタイン氏のホテルで開くプライベートパーティーに誘われても行ってはいけないと訴えていた。


つまり、4室で、7、12室支配の金星とラーフがコンジャンクションする配置とは、女優たちを誘って行われるワインスタイン氏のプライベートパーティーを表していると考えられる。


そのプライベートパーティー(4室)において、4室を構成するラーフや金星は、月から見た3室に在住するラーフや金星でもあり、ワインスタイン氏の欲望の恰好の捌け口になったということである。


ワインスタイン氏が才能ある5室の惑星群によって作品作りをする過程において、起用した女優たちに性的な強要をしていたというのは、5室をラグナとした場合に3、8室支配のラーフが12室でラーフとコンジャンクションしている配置に表れているかもしれない。


つまり、女優を自宅に呼びつけての密室での打ち合わせなどにおいて、そうした性的な強要などが行われていたと解釈でき、またメディアの記事によれば、実際にそうであったようである。



このように見てくると、ラーフと金星のコンジャンクションとそれらに絡むハウスが決定的に重要である。


ラーフと金星の象意にハウスが絡むことによって、そこから様々な状況を読み取ることが出来る。







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