スリランカ連続爆弾テロについて -シンハラ人、タミル人、ムーア人 26年の民族的確執-


昨日(4/21)、スリランカの大都市コロンボなどでキリスト教会や高級ホテルで計8回の連続爆弾テロが起きている。


テロによる死者が290人にも及び、その中には日本人も含まれているという。


日本人1人死亡=連続爆弾テロ、死者290人-スリランカ
2019年04月22日12時15分 時事ドットコム

【ニューデリー時事】スリランカの最大都市コロンボなどのキリスト教会や高級ホテルで21日、テロとみられる計8回の爆発が起きた事件で、河野太郎外相は22日、東京の外務省で記者団に対し、日本人の被害について1人が死亡、4人が負傷していると明らかにした。一方、スリランカ警察は22日、テロによる死者数が290人に達したと発表した。ロイター通信が伝えた。

日本政府関係者によると、死亡した日本人はスリランカ在住者だった。ロイター通信は、外国人の死者数について、少なくとも32人と報じた。米英両政府も自国民の死亡を確認した。

ロイターによると、警察当局者は「爆発のほとんどは自爆テロによるものだ」と語った。当局は容疑者13人を拘束し、背後関係を調べているが、動機も含め実行犯の実態は明らかになっていない。ウィクラマシンハ首相は、容疑者について「地元の者とみられる」と語ったが、外国とのつながりも調べている。
 爆発はまず21日午前、キリスト教のイースター(復活祭)を祝う教会や、外国人の利用者が多いコロンボの五つ星ホテルで6件が相次いだ。午後になってコロンボ近郊のホテルでさらに1件が発生。当局がコロンボの住宅に捜索に入った際にももう1件起きた。

スリランカというと仏教の国で、平和で、アーユルヴェーダなどをしにバカンスを楽しみに行くといったイメージがあるが、そんなスリランカで、大規模な連続爆弾テロが起こったことに非常に驚かざるを得ない。


然し、調べてみれば、1983年にシンハラ人とタミル人との大規模な民族対立が起こって、全土にわたって暴動が繰り返され、26年に亘る内戦が繰り広げられたというので、平和なイメージはごく最近のものである。


wikipediaによれば、スリランカは、1948年2月4日にイギリス連邦内の自治領(英連邦王国)として、セイロンという国名で独立している。

その後、1972年に仏教を準国教扱いにする新憲法を発布し、共和制に移行し、国名をスリランカ共和国に改称したと記されている。


1978年に議院内閣制から大統領が執行権を行使する大統領制に移行し、スリランカ民主社会主義共和国という現国名に改称したようである。



アストロデータバンクには、1948年2月4日の最初の英領内の自治領としての独立時と、1972年の新憲法発布、共和制への移行時のデータがあったため、まずは、1948年2月4日の最初の独立時の建国図を作成してみた。





まず、チャートを作成してみると、非常に驚いたが、今回のテロリズムの理由を瞬時に読み取ることが出来た。



このマンデン図によれば、スリランカは2018年9月15日からマハダシャーがラーフ期に移行しているが、ラーフは牡羊座のバラニーに在住し、土星からのアスペクトを受け、ディスポジターの火星は8室で逆行し、逆行する土星のアスペクトを受けている。



4室は国土や不動産、教会や大学などの建物などのインフラ関係、愛国心や民主化運動を表わし、また議会なども表わし、国民感情や国民生活などに関わるハウスである。



ラーフが4室に在住して土星がアスペクトすることによって4室が激しく傷ついている為に爆弾テロで、教会やホテルなどの国内の重要な不動産、インフラが破壊されたのである。



またディスポジターの火星が8室(災難、苦悩)に在住していることも、国土が荒廃し、国民生活が混乱に巻き込まれることを示している。



まず基本的にスリランカが26年間にも亘って、内戦によって国民生活が不安定化したのはこの配置の為である。



またラーフは、牡羊座のバラニーに在住しているが、バラニーは反体制組織や諜報機関などを表わすナクシャトラである。




スリランカのシンハラ人とタミル人との民族対立の歴史の中に今回のテロリズムの原因が潜んでいると考えられる。



シンハラ人とは、元々北インドから移住してアヌラーダプラ王国を作ったとされる人々であり、上座部仏教を信仰し、総人口のうち約7割を占める人々である。



一方で、スリランカ・タミル人の原型とは、 南インドのタミル・ナードゥ地方から断続的に移住してきた人々であり、古くから南インドに住みついている土着のインド人である。



インドには古くからドラヴィダ系の土着のインド人が住んでいたが、北部からアーリア人が侵入して来たのである。



因みにwikipedia インド・アーリア人には以下のように記されており、戦闘的な狩猟民族が、土着のドラヴィタ系の平和なインド人の住む地域に侵入してきたと理解できる。


インド・アーリア人は、馬曳戦車を駆使し、青銅製の武器を使い、鎧を身にまとっていたため、戦闘においては強力で、さまざまな争いに打ち勝ったものと考えられている。

(wikipedia インド・アーリア人より引用抜粋)


シンハラ人とは、ドラヴィタ系とアーリア人の混血ということから、おそらくアーリア人という範疇で考えることが出来る。


そして、タミル人はドラヴィタ系の土着の昔からのインド人である。




シンハラ人には、一部にはキリスト教徒も含まれており、おそらく今回のキリスト教会へのテロの標的になったものと思われる。



1977年に総人口の7割を占めるシンハラ人を主体とする中道右派政党の統一国民党 (UNP)が選挙に勝利して政権を取得し、資本主義の導入、経済の自由化などを推し進めて来たのである。



その後、1983年からシンハラ人とタミル人に対する大規模な民族対立が26年間も続いていることを考えると、この国内の混乱とは、欧米と結託して、資本主義政策や経済の自由化政策、特に最近では、市場原理主義政策による国内の政治運営についてのタミル人の不満と、シンハラ人に対する武装蜂起が、スリランカの民族対立の本質である。



今回のテロで欧米人が使うキリスト教会や高級ホテルなどが標的にされたのは、市場原理を押し付けてくる欧米と、欧米と結託し、欧米の価値観を持ちこむシンハラ人に対する武装蜂起だからである。



wikipedia スリランカによれば、『1983年: シンハラ人とタミル人との大規模な民族対立が起こって、全土にわたって暴動が繰り返された。これ以後、2009年に至るまで長期にわたる事実上の内戦状態が継続した。シンハラ人とムーア人の対立、シンハラ人内部の対立も激化する。』と記されている。


上記でシンハラ人と対立したムーア人とは、イスラム教を信奉するムスリムであり、8世紀から15世紀にかけてスリランカに住み着いたアラブ人商人達であるという。




つまり、スリランカの内戦とは、シンハラ人(アーリア人)と、タミル人(ドラヴィタ系土着インド人)、ムーア人(イスラム教)との三つ巴の戦いである。



そして、今回のテロとは2009年に治まっていた国内の内戦のぶり返しであり、おそらく人口の3割しか占めていない少数民族であるタミル人(ドラヴィタ系土着インド人)やムーア人(イスラム教)の反体制武装組織によるシンハラ人やシンハラ人の背後にいる欧米人に対する犯行なのである。



290人犠牲、捜査本格化=謎の実行組織-スリランカ連続爆弾テロ
2019年04月22日14時24分 時事ドットコム

【ニューデリー時事】スリランカで日本人を含む290人が犠牲になった連続爆弾テロから一夜明けた22日、治安当局は拘束した13人を正式逮捕するなど捜査を本格化させた。警察筋がAFP通信に語ったところによると、13人は同じ過激派に属し、最大都市コロンボ内外の2カ所で拘束された。ただ、テロの実行組織やその動機など事件の背景は不明のままだ。

事件ではスリランカ在住の日本人1人が犠牲となり、4人が負傷した。日本政府は職員を新たに派遣し、爆発に巻き込まれた邦人の保護などに当たる。

 ロイター通信によると、21日に起きた8件の爆発のうちコロンボの3件と近郊ネゴンボの1件が同じ午前8時45分(日本時間午後0時15分)に発生。その5分後にコロンボでもう1件、さらに15分後、東部バティカロアで1件起きた。高い精度で実行された同時多発テロだった可能性が疑われている。

 AFPによると、最後の爆発は、警察が踏み込んだ家で起きたという。容疑者の自爆で警官3人が巻き添えになった。さらにコロンボの空港で「簡易爆弾(IED)」とみられる爆発物が見つかり、21日夜までに処理された。

 警察内部では今月に入って「イスラム過激派『ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)』が、いくつか目立つ教会と、インド大使館を狙い自爆攻撃を計画していると外国の情報機関が報告してきた」と警告する文書が回覧されていた。NTJは昨年、仏像を破壊する事件を起こしたとして捜査関係者の間ではその名を知られていた。


この牡羊座のバラニーに在住するラーフのマハダシャーに移行したことによって、地下に潜伏していた反体制組織が活動を開始したということなのである。



そして、再び、過去の内乱状態の時のように国内の平和を脅かし始めたのである。



そして、それは2016年半ば頃から牡羊座に天王星が入室し、世界の右傾化が始まり、民族主義、国家主義、国家社会主義が勃興して来たこととも関係している。



スリランカのマンデン図のラーフに天王星がトランジットしているのである。







そして、もう一つは、現在、やはり射手座に土星、木星、ケートゥが集中し、火星がアスペクトして、射手座にトランジットの惑星のエネルギーが集中していることである。射手座には木星と土星のダブルトランジットが成立している。



射手座はスリランカの建国図で、12室に該当し、12室はマンデン占星術によれば、秘密の敵、秘密の計画、地下活動、外国のスパイ、敵によるスパイ活動、破壊活動家、陰謀、テロリスト、戦争と損失、暗殺などを表わすハウスである。



従って、今回の連続爆弾テロは、この12室の象意そのものである。



この連続爆弾テロに外国の勢力、例えば、イスラム原理主義などの支援があったのかどうかは分からないが、そうした可能性も考慮することが出来るのである。


何故なら、12室は外国のスパイという象意もあるからである。



日頃、欧米諸国に対して恨みのある勢力が外国からスリランカ国内の反体制活動を支援しているかもしれないのである。





因みにバラニーは非常に凶暴なナクシャトラであるが、CIAとかKGBとかMI6とかモサドとか諜報機関の最前線で働く人物はこのナクシャトラに惑星が在住している人が多い。


例えば、元イギリス海軍の情報部に所属し、退職後、007(ジェームズ・ボンド)などスパイ小説を書いたイアン・フレミングなどは、月がバラニーに在住しているし、CIAに所属していたことのあるデヴィッド・ロックフェラーは火星がバラニーに在住している。


CIAは戦後のアメリカの第二の植民地政策において重要な役割を果たし、諸外国の反体制運動を組織したり、アメリカに従わない国家指導者を暗殺したりして来たが、アメリカのそうした活動は、諸外国にとっては12室に該当するのである。



因みにブリハットサンヒター 第15章 星宿の分野には以下のように記されている。


27 バラニー宿には、血のついた肉を食べる人、残酷な人、殺戮・捕獲・破壊を好む人、籾のある穀物、低い家系に生まれたもの、精神の弱い人が属する。

(占術大集成(ブリハット・サンヒター)〈1〉古代インドの前兆占い (東洋文庫) ヴァラーハミヒラ (著), Varahamihira (原著), 矢野 道雄 (翻訳), 杉田 瑞枝 (翻訳)より引用抜粋)

この象意を見ると、『血のついた肉を食べる人、残酷な人、殺戮・捕獲・破壊を好む人』など不吉な象意が列挙されており、外国で爆弾テロなどの工作活動などに従事するCIAなどの諜報員の象意そのものである。




因みに1972年にスリランカで新憲法を発布し、共和制に移行した時のデータでマンデン図を作成してみたが、このチャートだと、現在、マハダシャーが木星期で、木星/金星期である。







木星は月から見た4室の支配星で、3、8室支配の火星からアスペクトされており、木星、土星、ケートゥが4室をトランジットして、火星も4室にアスペクトしている状況である。


月から見た3、8室支配の火星は10室に在住しており、その火星にトランジットのラーフがコンジャンクトし、土星や木星がアスペクトして、3、8室支配の火星にダブルトランジットしている。


そして、この火星のディスポジターの水星は8室のバラニーに在住して、8室と10室で星座交換している。



こちらのチャートでも今回の連続テロのことが説明できるようである。




今年中は、射手座に土星、木星、ラーフ/ケートゥ軸などがトランジットし、木星は一旦蠍座に逆行して、再び、年末に射手座に入室していくが、射手座はスリランカの12室である。



今年中はスリランカはテロリズムに巻き込まれる危険性があると言えるのである。



もし射手座が土星や火星、ラーフ、ケートゥによって傷つけられ、そこにラグナロードが絡んでいたり、あるいは、ジャイミニのロジックで、傷ついたAKやGKが絡んでいたりする場合、飛行機でスリランカまで跳躍して楽しもうとした矢先にこうしたテロリズムに巻き込まれる可能性があるということが出来る。



そうした場合、飛行機の墜落に例えられるような悲劇になりかねない。









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