私はラグナロードの火星と月と太陽が水の星座に在住しているからか、かなり温泉が好きである。
以前、３０代の頃、夜勤をしていた時に仕事の同僚が桜を見たいと言い出し、それに付き合って複数名で上野に桜を見に行ったことがある。
桜を見た後、次はどこに行くかという話し合いの中で、温泉に行ったらどうかと提案したら、不評だった。
温泉に行くなんて爺さんみたいで、あまり興味がないということだった。
普通の若者は、そんなに温泉が好きではない人もいるようだ。
温泉マニアな人間には理解できない。
今回も色々調べていたら、私の場合、久里浜港からフェリーを使って、金谷港に降りて、それで館山に下って、それから千倉に行くと、その途中で、いくつか温泉があるので、面白そうだと思った。
同時に海岸線を車で走りながら、釣りに適した場所などを探索したら、楽しいだろうと思い、イベントの後では、おそらく時間もなくなり、また疲れて行く気もなくなるので、前日から出発して、1日、費やして館山や千倉周辺をドライブすることにした。
朝8時頃、出発して、10時には久里浜港に着いて、フェリーに車ごと乗り込んだが、船内には平日、金曜日であることもあり、10人に満たない程度の客しかいなかった。
車やオートバイで金谷港に渡る方が多く、皆、おそらく週末、千葉で過ごす計画のようだ。
そして、金谷港に着くと、館山に向かって走り出した。
因みに今回、以前、購入してほとんど使っていなかった、youtuberが動画撮影の際に人気の高いDH5という一眼レフカメラを使って、鑑定場面を撮影するつもりだったが、撮影した動画を見ると、音声が全く入っていなかった。おそらく設定が拙くて、音声の録音に失敗したようである。
従って、今回は、鑑定場面の動画をyoutubeにアップロードすることを考えていたが、音声なしの動画しか残らないという残念な状況である。
鑑定の中には、非常に参考になり、クライアントとの息のあった緊迫した白熱のセッションもあり、終わった直後には素晴らしい動画が取れてうれしいなどと、私は喜んでいたのだが、帰って来て、動画をチェックした所、全く音声が入っていないのを見て、ショックを受けた。
(※その後、音声が入っていないというのは私の勘違いだと分かり、鑑定セッションの一部をアップロード済み）
それと同時にGoproで自動車の運転中に撮影した動画も首にかけて撮影していたが、カメラが上の方を向いてしまい、全く使い物にならなかった。
一応、youtubeを活用している身として、道具だけは立派なものを揃えていたが、それらを使いこなす訓練を受けておらず、私にはボタン操作で簡単に使えるハンディーカムがお似合いだったようである。
フェリーの乗船時間は短く、30分ほどで千葉の木更津の下の方にある金谷港に到着した。
船が着くと、今回、久里浜からフェリーで千葉に行くルートは、初めてだった為、異国の地へ降り立ったような興奮を覚えた。
岸壁には人は全く見当たらず、首都圏の中にあるとはいえ、都会からすれば、日頃は全く省みられない田舎の辺境の地へ降り立った。
これから海岸線を車で走らせるかと思うと、私の心は、浮き浮きと弾んだ。
海を横目で見ながら、車を走らせるのだが、運転しているので、実際、一瞬しか見入ることが出来ない。
そして、館山に着くと、最初の目的地であった南総城山温泉里見の湯に向かった。
色々事前に調べていて、コロナ下で、日帰り温泉を中止している温泉施設もあり、最も館山からの近場で入れる温泉としては、ここしかなかった。
然し、千葉という敷地面積に制限のない広大な空間にあるこの温泉地は、館内施設もなかなか快適に作られており、露天風呂なども良さそうな部類に入るものであった。
入浴中に温泉内で意識不明で倒れている老人がおり、スタッフを呼んで欲しいと頼まれ、急いで風呂を出ると、既に電話を掛けている青年がいた。
後で、その青年と露天風呂で一緒になり、「あのおじさんヤバい状態だったね」「気持ちよく眠っているようにしか自分には思えなかった」などといった世間話が花開いた。
彼は年齢は、おそらく30代で、湘南に住んでいて朝から千葉でサーフィンをしていたという。
温泉は色々調べたが、皆、日帰りが出来ない所などが多く、ここに決めたとのことだった。
私がフェリーで来た旨を告げると、その青年も帰りは是非、フェリーで戻ってみたいということだった。
この温泉に2～3時間はいただろうか。
特に他に行く予定地もなかった私は、少し長めに留まり過ぎてしまったかもしれない。
次の目的地、たてやま温泉、千里の風は、18時以降しか空いていない為、それ程、急いて行ってもしかたがなかった。
海岸線を見て回り、夕方になって、夕日が水平線に拡がっている。
非常にいい眺めである。
これだけの空間を全く一人で味わっている感覚で、周囲には人が一人としていなかった。時々、車が通るぐらいである。
夕日も沈んで来たので、次の目的地、たてやま温泉、千里の風に向かった。
施設は素晴らしい作りで、やはり敷地は贅沢なつくりで、空間がゴージャスに出来ている。
狭い場所に建物や設備がぎゅうぎゅう詰になっていない感覚が非常に良かった。
フロントで聞いてみると、非常に値段もお高い様子である。
ホテルの内湯への日帰り入浴が可能なのだが、私としては、こんなに素晴らしいホテルの温泉に日帰りで入浴できることに大満足だった。
結局の所、興味があるのは温泉だけだからである。
部屋が非常に高い割に温泉が非常に格安であるという落差が目立っている。
そんな訳で、1時間程、この千里の風に滞在して、温泉を堪能した。
この日、私は宿泊先を全く決めていなかった。
今は、インターネットの仲介サイトが発達して、いつでも泊まろうと思えば、簡単に予約できるようになっている。
先に予定を決めるよりも現地で様子を見ながら、当日の直前割引を使って、予約した方がお得である。
そんなことで、早速、私はスマートフォンで、宿泊先を探し始めた。
すると、この温泉の近くに館山リゾートホテルという老舗のホテルがあることが分かった。
朝食付きで、ランクも良かったが、直前割引で、75%引きになっていた。
格安のドミトリーホテルといった選択肢もあったが、やはりもう少し支払って、この千葉の辺境の地の温泉宿を堪能したいとの思いも出て来た。
そこで、ちょうど割引があったので、このホテルを予約することにした。
結局、予約してみて正解だと思った。何故なら、このホテルにも温泉が付いており、非常に豪華な内湯と露天風呂が付いていたからである。
この辺りのホテルは、日が暮れた後に到着するのが良さそうである。
敷地を贅沢に使った建物が、ライトアップされて、あたかもおとぎの国にでも到着したような気分が味わえた。
これは都心のホテルには中々ない演出である。
このホテルに付帯している温泉は、設備自体は古いものの、やはり豪華な内湯と露天風呂で作られており、非常に満足できるものだった。
立ち寄り湯専門の施設とは全く違う贅沢さがそこにはあった。
温泉にいっても他の客は全くおらず、貸し切り状態の温泉を一人楽しんだ。
施設自体は、老朽化していたが、一時期は、高級ホテルとして、他のホテルの追随を許さない時めいた時代があったことだろう。
ホテル内の数少ない客を見ながら、そんな想いに耽った。
翌日は、このホテル自慢（?)のバイキングで、朝食を取り、満足した体で、チェックアウトし、ホテルを後にした。
午前中は、たまたま昨日、通りがかって知った近くの植物園を訪れてみた。
おそらく温泉の熱を利用して、一年中、熱帯雨林の環境を再現しているのである。
館内のガラス張りになった施設には、熱帯の植物たちが、密生して生い茂っており、中には小さな滝も再現されていた。
天皇も行幸したとするモニュメントがそびえるこの植物園はとにかく広かった。
内部の休憩施設では誰もいないステージで、ギタリストと踊り子が、夏場のステージに備えた練習をしていた。
私が突然入っていったので、気恥ずかしい想いもお互いにあったかもしれないが、踊り子たちがハワイアンの音楽に合わせて腕を上に押し上げている様を柱の影から眺めていた。
そんなことで、午前中をつぶして、いよいよ午後から、スピリチャルイベントに合流した。
合流する直前で雨が降って来て、イベント２日間は、ずっと雨降りだった。
従って、イベントの前日に千倉周辺を見て正解だったと思われた。
やはり、この辺りは車で訪れて、海岸線をドライブし、現地で思いついたまま店に入ったり、良さそうな宿に泊まる、そうした旅には最高の場所である。
そんな旅には最高の場所なのだが、中々、用事がなければ訪れなかったと思われる。
やはり、今回はそうした機会を得られた週末のギフト（贈り物）であった。
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