まず、白鵬が貴ノ岩に注意や指導をしていた時に貴ノ岩がスマートフォンをいじっていたということで元横綱・日馬富士が先輩が話している時にその態度は何だということで、平手打ちやリモコンで殴るなどの暴行を働いたようだが、殴っている内に日馬富士が感情がエスカレートして、暴力が行き過ぎた感じがあったかもしれない。
そして、日馬富士は自身の暴行の事実を認めており、暴行の責任を取って引退した。
こうしたリンチ、暴行は、体育会系の部活動などではよくあったことである。
先輩が後輩に玉ひろいさせたり、スポーツ器具の手入れをさせたり、飲み物を作らせたり、徒弟のように扱うのである。
例えば、私も中学生の時に所属していた体育会系の部活動で、練習が終わった後に先輩たちに「お前ら今日はヤキね」などと言われて、学校の中庭に集められ、その時、生意気なやつとして目を付けられている者は殴るなどの暴行を受けるのである。
私は生意気だということでよく殴られた。
然し、それを先生に告げ口したりする者はいなかった。先公にちくったらタダじゃすまさんぞと言われていたからである。
警察沙汰になるほどの暴力ではなかったが、先輩が威張り、後輩が絶対服従するのは当たり前の文化であった。
もし先生に告げ口したとしてもそれは、内々に処理されたと思われる。
部活動の指導担任自らが暴力を振るうような風潮だったからである。
先輩や教師からの後輩や生徒への暴力は、警察沙汰にするようなことではなかった。
もし当時でも死亡者がでるような事件となったら、それはさすがに警察沙汰になったかもしれないが、多少の暴行なら、全く外部には漏れなかった。
しかし、今の時代は教師が生徒に暴力を振るえば直ぐにそれは外部に報告され、そして、訴訟になったり、社会的な問題となってしまう。
従って、教師は一切、暴力を振るえなくなっている。
そのように現在の社会は変わってきている。
封建的な家族共同体というものが崩壊し、人間が赤の他人同士に近くなっている(個人主義の発達)ので、何か問題が起こったら外部に報告して、警察や教育委員会、裁判所など、外部の第三者機関に裁いてもらおうとするからである。
昔であれば、なるべくそうした不祥事は外部に漏れずに家族共同体の内部で処理されて来たのである。
つまり、兄弟喧嘩や家族同士の喧嘩にわざわざ警察が介入しないのである。
これが古い体質の相撲協会には、今だにこうした体質が残っており、弟子が先輩から暴行を受けて死亡するといった事件も起こってきた。
その時に2つの価値観が対立するのである。
つまり、こうした不祥事は相撲協会内部の不祥事として、内々で処理すべきであり、警察が出て来るものではないという考え方と、警察や裁判所が積極的に関与して、社会的に裁くという考え方である。
相撲協会はこうした不祥事を警察沙汰にせずに内々で処理してしまおうとするはずである。
従って、貴ノ岩が受けた暴行被害をうやむやにしてしまう。
それが嫌であったから、貴乃花は警察に通報して傷害事件として、告訴したのである。
それは理解できるのである。
しかし、話はもう少し複雑である。
貴乃花は以前の理事長改選の時に八角と共に次期候補となり、多数決で八角に敗れ、八角理事長から降格人事を与えられたことの恨みというものがまず前提としてあったようである。
そして、日頃からの恨みの感情というものがあり、この弟子が暴行を受けた機会というものを好機ととらえて、警察に訴えて刑事事件にし、相撲協会の八角理事長の体制に打撃を与えたいという下心があったはずである。
あるいは、少なくとも八角親方体制がこの不祥事を揉み消させることに協力せず、刑事事件として社会的な判断を仰ぎ、八角理事長の体制を揺るがしたいという考えがあったはずである。
純粋に弟子のことを思ってということではなく、相撲協会の聴取に協力しないで無言を貫いたというのは、それらの動機が半分ずつ混じったものであったと考えられる。
つまり、貴乃花は弟子の暴行事件を自らの権力闘争の手段として利用したようである。
従って、世間の評価としては、貴乃花の態度はおかしいとする意見なども見られるのである。
然し、相撲協会の隠蔽体質というものも既に過去の実績から明らかであるため、貴乃花は被害者であるのに相撲協会から今回の件で、降格人事にされるのはおかしいとする相撲協会の対応を批判する意見も見られるのである。
芸能人の中のご意見番や評論家や有識者の間でも意見が真っ二つに分かれている。
例えば、ビートたけしは、貴乃花が相撲協会に報告するのではなく、警察に通報したのは正しいとして、相撲協会側を批判している。
デヴィ夫人は、日馬富士の暴行は、教育や指導の際の必要悪であったとして、日馬富士を擁護している。
貴乃花が相撲協会に提出した医師の診断書には「(1)脳震とう(2)左前頭部裂傷(3)右外耳炎(4)右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」などが記載されているが、診断を担当した医師にインタビューすると、重症ではないとの証言も出てきている。
そうすると、貴乃花が貴ノ岩が受けた暴行を過度に誇張して、相撲協会に報告し、事件性を高め、警察など第三者機関を介入させて、相撲協会を揺さぶるという意図があるという判断となる。
そうすると、世間の評価としては、貴乃花の野心も汚らしいということになってくるのである。
貴乃花のこうした態度は、今に始まったことではない。
実は、2010年1月に理事選に立候補した時も今までの相撲協会で行われてきた慣例を破って、そこに個人主義や競争原理を持ち込んだのである。
wikipediaには以下のように記されている。
2010年1月場所後に行われる理事選に立候補することを表明し、2010年2月の相撲協会理事選挙は10人の改選で5つある一門ごとに理事候補を調整して無投票で決定することが慣例となっており、二所ノ関一門は既に現職理事の放駒と二所ノ関のほか、新人の鳴戸が立候補を予定しているが、これに貴乃花親方が加わって4人の投票になるところであった。2009年12月から一門で候補者選定会議が行われ、4人の中で最年少であった貴乃花親方に対して立候補を断念させる方針に傾き、貴乃花親方は2010年1月8日に一門を離脱し単独で理事選に出馬することを正式に表明した。一部マスコミでは「貴の乱」と称した。 2010年1月17日の1月場所8日目、6年半振りに大相撲中継で正面解説を務め、テレビの前で所信表明。同年1月19日には二所ノ関一門は緊急会合を開き、貴乃花を支持する間垣、阿武松、大嶽、二子山、音羽山、常盤山の親方6人および間垣部屋、阿武松部屋、大嶽部屋の3部屋は事実上破門された。既に一門からの離脱を明らかにしていた貴乃花親方と貴乃花部屋に対しても、同様の措置が執られた。同時に二所ノ関一門からは現職の放駒と二所ノ関のみが立候補することになり、鳴戸は事実上立候補を断念せざるを得なくなった。 4期(8年)ぶりに評議員の投票で11人が10人の理事を争う形になった。武蔵川理事長はこの騒動に対し厳しく批判するなど話題になった。固めている票は上記7親方の票だけで当選ラインの10票まで届いていないために苦戦が予想され、他一門からの票の上乗せを目指すことになった。2月1日の理事選の投開票では落選という予想に反し、上記7親方の票以外にも3票の上積みがあり、結果10票を得て当選した(落選は大島親方)。新理事会の結果、理事長は武蔵川親方の続投となった。なお貴乃花親方のことを、一部のマスメディアは「相撲協会の革命児」と報道している。 (wikipedia 貴乃花より引用抜粋) |
つまり、それまでは、誰が理事になるかは、各一門ごとの話し合い、談合によって決められてきたのであり、実質的に競争というものは行われていなかったのである。
投票が行われる前に誰が理事になるかを話し合いで決めていたのである。
しかし、貴乃花はそれに反旗を翻して、自分が所属していた一門を離脱し、理事に立候補したのである。
談合や話し合いというのは、封建的な家族共同体の中で行われる物事を決定するやり方である。
然し、純粋に投票行為に行って選出されることを望むのは、競争原理であり、家族共同体の秩序を壊して、「個」として振る舞おうとする態度である。
従って、貴乃花は、良く言えば、封建社会の談合体質に挑戦するパイオニアなのであり、古い秩序の破壊者である。
悪く言えば、個人としての欲望をストレートに表現する自分勝手な個人主義者である。
何故、貴乃花がこのように相撲協会の家族共同体の秩序に従わないかと言えば、それは、彼の両親との関係や家族関係が壊れているからである。
例えば、貴乃花の出生図を見ると、4室が激しく傷ついている。
4室にケートゥが在住し、3、6室支配で逆行する水星が在住し、10、11室支配の土星がアスペクトして傷つけている。
また4室支配の月と6室支配の水星は4-6の星座交換をしている。
4室が破壊されていると言ってもいいのである。
4室は心の平安や母親運、住まい運を表しているが、これらが貴乃花には決定的に欠けているのである。
貴乃花は、母親の藤田紀子(当時:藤田憲子)氏と断絶状態が続いており、もう何年も話をしていないという。
野球評論家から出た噂で、若乃花と貴乃花は、本当の兄弟ではないという話があるのである。
兄の若乃花は、紀子氏と二子山親方の子供であるが、貴乃花は、若い頃の輪島大士に似ており、母親の憲子氏と輪島が浮気して出来た子供ではないかというのである。
貴乃花は、この噂を真に受けているという。
そうしたことで、貴乃花は、母親に対しての非難の気持ちに満たされ、母親によって与えられる家庭の安らぎというものがないのである。
兄に対してもライバル心、競争心で満ちている。
力士の子供であれば、自分が所属する家庭が相撲部屋であり、またその延長として、相撲協会がある訳であるが、貴乃花にとっては家庭が壊れてしまっており、母親との関係や兄との関係が成立していない。
家庭内で既に孤立していたのである。
従って、家族共同体への帰属意識も生まれないし、その延長としての相撲協会への愛着も生まれないのである。
相撲協会で安定した居場所を得ることができない。
貴乃花には自分という個人があるだけであり、個人主義的に生きるしかないのである。
だからこそ、個人主義、競争原理を相撲協会に持ち込んだのである。
そんな風にも解釈できる。
4室が6室と星座交換していれば、心(4室)が競争心(6室)に満ちているのである。
従って、いつも頑なな様子で、人に敵対しており、攻撃的な態度が多いのである。
何故、今回、貴乃花が、自分の野心的な目的として、弟子の暴行事件を利用したのかと考えているかというと、貴乃花は、牡羊座ラグナで、現在、11室に水瓶座に土星と木星がダブルトランジットしているからである。
土星は射手座から、木星は天秤座から11室の水瓶座にアスペクトしている。
月から見ると、水瓶座は6室である。
11室は自分の地位や肩書きを求める貪欲さを表しており、そこはまた月から見た6室でもある。
また11室は6室から見た6室目であり、6室の本質のハウスである。
その為、貴乃花は、八角理事長との間に権力闘争を繰り広げているのである。
貴ノ岩が受けた暴行を刑事告訴したのは、相撲協会に打撃を与える為であり、八角理事長に責任を取って辞任させる為である。
つまり、これは八角理事長に対する攻撃なのである。
明らかにそれが意識されていることは間違いないのである。
警察に通報して、相撲協会に暴行事件を報告しないというのはセットであり、八角理事長への攻撃なのである。
貴乃花のチャートについて詳細に吟味していくと、貴乃花は、10室に在住するマハダシャーラーフ期に横綱に昇進している。
ラーフはケンドラの10室に在住し、トリコーナの5室支配の太陽からアスペクトされている為、ラージャヨーガを形成している。
またラーフは10室の支配星のように振る舞っている。
10室は最も高い地位や大舞台を表している。
従って、この時期に横綱になって注目を浴びるようになったのである。
然し、ラーフは3、6室支配の水星からアスペクトを受けており、横綱になってからの貴乃花は、怪我に苦しんで良い成績を安定して得ることが出来ていない。
例えば、ラーフ/土星期やラーフ/水星期など、機能的凶星のアンタルダシャーの時期に貴乃花は怪我や不調に苦しんでいる。
このラーフ/土星期に懇意にしている整体師に洗脳されているのではないかなどとメディアで報じられたが、土星はナヴァムシャで8、9室支配で3室に在住しており、土星が8室(支配者)と9室(師匠)を支配していることから、師匠のような人物として整体師が貴乃花に多大な影響を振るっていたのである。
また貴乃花は、1992年11月27日に宮沢りえとの婚約を発表して、”世紀のカップル誕生”として話題になったが、2ヶ月後に婚約を解消するという出来事が生じている。
この時、ラーフ/ラーフ期であった。
ラーフは、ナヴァムシャで8室に在住しており、こじれた複雑な悩ましい関係を表している。
この婚約は、宮沢りえが結婚を望んでいるというよりもむしろ、宮沢りえの母親が望んでいるという歪んだものであった。
2-8の軸に在住する惑星の時期の結婚というものは、どこか家同士の結婚、あるいは、結婚生活を重視したものになっているはずである。
本人同士の恋愛結婚というよりも親同士の話し合いなどの関与の度合いが強いのである。(相撲協会は伝統社会なので、そのような傾向が強くなると考えられる)
その後、1995年5月に元フジテレビアナウンサーの河野景子と結婚しているが、この時は、ラーフ/木星期である。
アンタルダシャーの木星は7室の支配星である。
従って、結婚のタイミングである。
然し、木星は12室に在住しており、やはり、少し変わった結婚であったと思わざるを得ない。
依然としてマハダシャーは8室に在住するラーフ期であり、やはり、結婚生活が重視されているのである。
つまり、相撲部屋の女将というのは、ほとんど結婚というよりもその役割の仕事に就職したようなものである。
そういう結婚は2-8の軸が重視され、また7室の支配星が12室に在住していることは、一緒に行動する時間があまりないということかもしれない。
そんなことから、ナヴァムシャの8室にラーフが在住していることが逆に納得できるのである。
また出生図で7室(パートナー)支配の金星が3室に在住しているが、3室は芸能を表している。
この配置はパートナーが芸能界の人である配置である。
従って、宮沢りえと婚約したし、また河野景子と結婚したのである。
パートナーと一緒にメディアに出演するといった配置もこの配置である。
おそらく横綱になる前のマハダシャー火星期が若き貴乃花にとっての最も良い時期(黄金時代)だったと思われる。
この時、”若貴フィーバー”などと言われ、メディアでも盛んに取り上げられ、若貴兄弟は相撲界のスターであった。
ダシャムシャ(D10)を見ると、火星は5、10室支配のラージャヨーガカラカで3室に在住している。
最も筋力が充実している時期であり、力が漲っているイメージである。
出生図でも火星はラグナロードで5室に在住して、1-5のラージャヨーガを形成し、火星は9室支配の木星によって、アスペクトされており、父親であり、親方でもある二子山親方の指導や保護を受けながら、横綱への階段を登って行ったのである。
因みにダシャムシャの3室に惑星が集中しているが、相撲はスポーツであり、3室の象意である。
また3室は芸能のハウスでもあり、若貴兄弟は、芸能界のスターでもあった。
それで3室に惑星集中しているのである。
然し、3室はドゥシュタナハウスでもあるため、マハダシャー火星期、そして、ラーフ期において、それ程、素晴らしい成績が残せた訳ではない。
横綱として本当に素晴らしい成績を残したと言えるのは、例えば、千代の富士のような力士のことである。
若貴兄弟は、実力も持っていたが、実力よりも人気が先行して、国民のアイドルになっていた面があり、それは3室への惑星集中が物語っていると思われる。
ラーフ/金星期に引退して、第2の人生が始まる訳だが、この時から指導者への道が始まったのであり、新しいデビューの時期であるとも言える。
そして、マハダシャー木星期になった木星/木星期に理事選に立候補するのである。
然し、既に上述したようにそれは相撲協会で行われてきた慣例を破るものであり、一門を離脱して単独での立候補であった。
一部マスコミでは「貴の乱」と言われたのである。
これは、ダシャムシャで木星が減衰している為ではないかと思われる。
減衰した木星は、非伝統的な態度を示すのである。
ある意味、革新的であり、古い伝統社会の秩序や掟には従わず、また指導者たちに対して、反発的でもある。
然し、木星はガージャケーサリヨーガを形成し、ニーチャバンガラージャヨーガを形成している。
その為、相撲協会の関係者を巻き込んで、騒動を起こし、最終的に理事に当選している。
このことで、一部のマスメディアは、貴乃花を「相撲協会の革命児」と報じたようである。
この悪運の強さというものは、やはり、木星が減衰して、ニーチャバンガラージャヨーガを形成しているからである。
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