モーツァルト ーフリーメーソンの参入儀礼(イニシェ―ション)を知り尽くした男-


以前、作曲家モーツァルトのチャートを作成した時に興味深いことに気付いた。


モーツァルトの出生データは、1756年1月27日 20:00 オーストリア・ザルツブルグであり、アストロデータバンクでAAで、信頼できるデータであると思われる。



この出生データでチャートを作成すると、獅子座ラグナのチャートで、6室惑星集中となる。


モーツァルトのような天才的な作曲家であれば、音楽の表示体となる金星や月、5室、5室の支配などが強調されているとイメージしていたが、実際のチャートでは5室に惑星は在住していない。


但し、ラグナから見た5室の支配星と月から見た5室の支配星が同じ木星で、ヴァルゴッタマで強いことから、この木星がモーツァルトの作曲の才能を表わしていると思われる。


木星はチトラー(火星)に在住し、チトラーは一つの専門分野を磨き上げて、人間国宝のような職人のナクシャトラである。


従って、このモーツァルトの乙女座チトラーに在住する木星が、モーツァルトの繊細な職人技のような楽曲をもたらしたと考えられる。


ラグナから見た5室支配の木星は2室乙女座に在住し、作曲を通して、お金を稼ぐ配置であり、月から見て5室支配の木星は11室に在住する配置は、作品が高い評価を受ける配置である。


5室には4、9室支配のヨーガカラカの火星が11室からアスペクトしており、この火星も音楽の創作に影響を与えたと考えられる。


因みにモーツァルトと言えば、フリーメーソンであったことは有名で、晩年に作曲した『魔笛』はフリーメーソンの参入儀礼(イニシェ―ション)の秘密について表現した作品である。


アリスベイリーによれば、春分点が双子座にあった時にフリーメーソンにとって重要な二本の柱が建てられたといった記述がある。





フリーメーソンといえば、双子座は金融資本家の星座でもあるため、フリーメーソンと金融資本家は、同列で論じられるのである。


私は双子座がフリーメーソンの星座であるということは以前から繰り返し述べている。


このモーツァルトの9室支配の火星が双子座に在住して、5室にアスペクトする配置は、フリーメーソンから大いにインスピレーションを受け、それが作品作りにも反映されたことが納得できる。


音楽の表示体は、金星であるが、金星は3、10室支配で水瓶座に在住し、ケートゥとコンジャンクトしている。


水瓶座もフリーメーソンのような博愛的共同体を表わしており、ケートゥの絡みは、繊細な音楽表現を表わしていると考えられる。



更にナヴァムシャをよく調べて、モーツァルトの経歴と比較すると、このナヴァムシャのラグナが正しいことがよく理解できる。




ラグナは天秤座であるが、10室支配の月が6室に在住し、3、6室支配で12室に在住する木星と相互アスペクトしている。


6室の月は、無償の奉仕の配置であり、ただ働きの配置である。



wikipediaを見ると、モーツァルトは、人から邸宅に招かれて行なった演奏会にて、絶賛は受けるが、しばしば報酬を出し惜しみされたと記されている。

またwikipediaには、それ以外にも報酬がわずかなものであったという記述が見られる。

晩年には、借金の依頼を頻繁に行っており、決して、裕福とは言えず、収入はわずかで常にお金に困っていたようである。



出生図での6室への惑星集中やナヴァムシャでの6-12室の軸での月と木星の相互アスペクトは、常にお金を稼ぐことに苦労したことを表わす配置である。



ナヴァムシャで、5室支配の土星が7室で減衰し、ケートゥとコンジャンクトしているが、土星はディスポジターの火星が月からケンドラに在住し、土星が高揚する星座の支配星である金星が月からケンドラに在住している為、ニーチャバンガラージャヨーガの条件を2つ満たしている。


この土星は、大胆で型破りでかつ繊細なモーツァルトの作曲の才能を表わしたのではないかと考えられる。



映画『アマデウス』などでは、しばしば女性に手を出すのが早いような描かれ方をしていたが、ナヴァムシャではラグナロードの金星が3室に在住し、7室支配の火星とコンジャンクトしており、これは快楽主義者で、音楽のレッスンなどで女性を気軽に口説くような配置と言えるかもしれない。




フリーメーソンから霊的、精神的インスピレーションを受ける配置


因みに私がモーツァルトのチャートで最も強く印象付けられたのは、ナヴァムシャの9室で自室に在住する強い水星である。


この9、12室支配の水星が11室支配の太陽とコンジャンクトして、9-11のダナヨーガを形成している。





12室を支配している為、モーツァルトはフリーメーソンからモクシャ(解脱)のインスピレーションを得たのである。



そして、9-11のダナヨーガを形成している為、フリーメーソンの同胞団の中で、しばしば生活を助けられたり、仲間から面倒を見てもらえたことを表わしている。



フリーメーソンは、モーツァルトにとって霊的な学びを得る場所であると共に仲間と社交をする重要な物質的、霊的な育みの場であったのである。



wikipediaによれば、モーツァルトは、1784年の金星/水星期にフリーメイソンリーの慈善ロッジ(ウィーン)に入会している。


アンタルダシャーの水星は、ナヴァムシャで9室の支配星で9室に在住しており、霊的師匠(グル)の導きによって、フリーメーソンに入会したと考えられる。



結婚と子供の誕生

その直前の1782年8月3日の同じ金星/水星期にコンスタンツェ・ヴェーバーと結婚している。


金星は、ナヴァムシャのラグナの支配星であり、水星は金星から見た7室に在住しており、月から見て7室の支配星である。





また出生図では、金星は7室に在住し、水星は2室(結婚生活)の支配星である。



1783年6月に長男が誕生しているが、旅行中に死亡している。ダシャーは金星/水星/金星期である。





サプタムシャ(D7)を見ると、金星は5室の支配星であるが、8室支配の太陽のアスペクトを受けており、水星は9室の支配星で11室に在住し、ラグナロードの土星からアスペクトを受けている。


そして、1784年に第2子のカール・トーマス・モーツァルトが誕生しているが、おそらく1784年1月16日~6月19日まで、金星/水星/ラーフ期で、6月19日~11月4日までが金星/水星/木星期、11月4日~1785年4月17日までが金星/水星/土星期である。


この第2子のカール・トーマス・モーツァルトは成人しており、長男が死亡したことを考えると、プラティアンタルダシャーの違いとして現れたということが分かる。


長男は、金星/水星/金星期で、金星に8室支配の太陽がアスペクトしていたことが乳幼児期に死亡したことの原因である。


第2子のカール・トーマス・モーツァルトは、プラティアンタルダシャーがラーフ期か、木星期、あるいは、土星期に生まれているが、ラーフはサプタムシャのラグナに在住し、木星は9室、土星も9室に在住している為、この中のいつ生まれていても問題ないことを表わしている。



このように結婚や子供の誕生が説明できるため、このチャートで良さそうである。


wikipediaには、モーツァルトのパトロンは、フリーメーソンであるとはっきりと書いてあり、それは出生図で4、9室支配のヨーガカラカの火星が双子座に在住している配置、あるいは、ナヴァムシャで9、12室支配の水星が9室双子座で、11室支配の太陽とコンジャンクトして、9-11のダナヨーガを形成していることに現れている。



フリーメーソンに入会

モーツァルトがフリーメーソンに入会したのは、1984年の金星/水星期であるが、次の金星/ケートゥ期の後、直ぐにマハダシャー太陽期に移行している。





このマハダシャー太陽期において、モーツァルトは、フリーメーソン内の人間関係に深く関わっていったことが容易に想像できる。



何故なら、太陽はナヴァムシャで11室支配で9室支配の水星と双子座でコンジャンクトしているからである。



11室は資格や肩書きを表わす為、おそらくフリーメーソン内で、高位の位階に階級が上がったのではないかと考えられる。



その高位の位階から俯瞰したイニシェ―ションの真実について、晩年の1971年に『魔笛』という作品に結実させることが出来たのである。


そして、作品を結実させた後、1971年12月5日の太陽/金星/ラーフ期にウィーンで死去している。


死因は、全身の浮腫と高熱、ウィーン市の公式記録では「急性粟粒疹熱」である。



モーツァルトは、マハダシャー太陽期を通して、フリーメーソンでの交友を深めていくが、マハダシャー太陽期になった1786年10月以降から借金依頼を頻繁に行うようになったとwikipediaに記されている。

出生図では太陽はラグナロードで6室(病気、負債、訴訟)に在住しており、マラカの6、7室支配の土星と、マラカの2、11室支配の水星と6室でコンジャンクトしている。




映画『アマデウス』では、青白い顔をして、仮面舞踏会に参加して、おどけて演奏し、酒に溺れて病んでいく晩年の姿が描かれている。



そんな中で、『魔笛』という作品が作られたのである。



そして、おそらくこの頃が、マハダシャー太陽期なのである。



太陽は出生図ではラグナロードで、6室でマラカの土星と水星とコンジャンクトしており、ナヴァムシャでもマラカの11室の支配星(天秤座ラグナにとっては太陽はマラカ)である。



この太陽期にどんどん心身を病んでいったのだが、フリーメーソン内部での社交を深めていったのもこの頃である。



映画『アマデウス』より



そうすると、この仮面舞踏会は、フリーメーソンのパーティーであることが推測される。



馬など、動物の仮面をかぶって、どこか退廃的な雰囲気の漂う、この仮面パーティーの様子が、フリーメーソンなのである。


ここでは、フリーメーソンの否定的な面、カトリック教会から忌み嫌われる側面が描かれていると考えられる。


実際、死に際して聖職者たちが来るのを拒み、共同墓地に埋葬されている。


アマデウスでも描かれていたようにモーツァルトの天才に怖れをなした宮廷楽長アントニオ・サリエリらのイタリアの音楽貴族達が裏でモーツァルトの演奏会を妨害したため、収入が激減したとする説があるそうだが、確かにラグナロードの太陽が6、7室支配の土星や2、11室支配の水星とコンジャンクトする配置は、敵に囲まれていたことを表わしている。


映画『アマデウス』より


そして、それが借金や病気に結びつき、それが死に至らしめた原因の一部でもあるのである。


そのことは出生図の配置によく現れており、まさにこれがモーツァルトのチャートであることは間違いないようである。



モーツァルトのナヴァムシャの9室双子座定座に在住する水星は、モーツァルトが、フリーメーソンの入会儀礼(イニシェ―ション)に精通していたことを示すものであるが、私のチャートにも同じ配置があるため、何故、自分がフリーメーソンにこれ程までに惹かれ、その秘密について追及したのか理解することができた。





アリスベイリーの一連の著作は、フリーメーソンの秘儀を扱ったものであり、『イニシェ―ション』という題名の書籍も刊行されている。


またH.P.ブラヴァツキーも当初、フリーメーソンの養子ロッジに加入して活動していたのであり、ブラヴァツキーの知識とは、フリーメーソンの知識と言ってもいいかもしれない。


神智学自体が、フリーメーソンの知識を基盤にしているのである。





特に書籍だけを読んだ訳ではなく、こうした世界に自然と縁を持つようになったのが、この配置の為であると理解出来る。


また特に私は、アリスベイリーの著作の中で記されていた3人のユダヤ人が物質を手放すようにというマスターの教えに背いて、マスターを殺害して埋葬したという悲劇の物語に非常に惹きつけられたのである。



この3人のユダヤ人の子孫が後にフリーメーソンの最初の伝統を築いた人々であるというのである。



そして、これについての考察を私は『デヴィッド・ロックフェラーとフリーメーソンについての考察』の中にまとめた。



そして、最近、ルドルフ・シュタイナーの『神殿伝説と黄金伝説 シュタイナー秘教講義より』を読んだ時にこのフリーメーソンで語り継がれてきた悲劇の物語が、ヒラム・アビフの神殿伝説を指していたことが分かった。



ルドルフ・シュタイナーによれば、フリーメーソン内部では、殺害されたヒラム・アビフを疑似体験するために石棺に横たえられて起き上がらせられるような儀式を行なうそうである。


私の考えでは、フリーメーソンには、このように物質を捨てるように指示したマスターの教えに逆らったというユダヤ人の基本的な性質が浸透しており、そのユダヤ人の性向が資本主義を発展させ、性愛や物質を謳歌する文化を発達させたのである。


その為、フリーメーソンの仮面舞踏会には、どこか退廃的な雰囲気が漂うのである。




大本教の出口王仁三郎とフリーメーソン

大本教という宗教団体があるが、その教祖である出口王仁三郎のチャートを見ると、魚座ラグナで、ラグナロードの木星が双子座に在住している。





4室に在住する木星は、アシュラムを形成する配置であり、まさに宗教団体を作る配置であるが、この出口王仁三郎は、ユダヤ人に多大な関心を抱き、多くのことを語っているが、ユダヤ人を一目置くと共にユダヤ人を警戒する複雑な心境を示している。



それはラグナロードで、10室支配の木星が双子座4室に在住して、ラーフがコンジャンクトしているからである。



4室にラーフが在住し、4-10軸にラーフ/ケートゥ軸が在住して傷つけているためか、出口王仁三郎は、天皇のように振る舞いだしたため、当時の内務省に教団施設をダイナマイトで爆破されている。



この4室でコンジャンクトする木星とラーフは、グルチャンダラヨーガなのである。


従って、出口王仁三郎は、その著作の中で、ほとんどユダヤ人、フリーメーソンについては悪く書いておらず、日ユ同祖論などを記していたが、最終的には、反フリーメーソン的な分析を行ったようである。



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