ウクライナ情勢 -焦るプーチン-




最近、ウクライナ情勢で、西側の支援を受けたウクライナ側が、ドンバス地域の占領されていた地域を奪還する動きが盛んであり、ロシア軍は、迅速なウクライナ軍の侵攻に準備する間もなく、戦車や弾薬など武器を置いたまま撤退する動きなども見せている。


そして、クリミア大橋で、爆発事故があり、プーチンは、ウクライナの特殊部隊の仕業であるとし、報復措置として、ウクライナ全土にミサイル攻撃を仕掛けた。


これは西側諸国から大きな非難を受けたが、劣勢になったプーチンが、自らの面子を保つために行なった可能性が高く、プーチンの焦りが見られる行動だとの指摘がある。


プーチンはロシアで、予備役の招集を始めたことから、国内でも反対運動が起こり、国外脱出を企てるロシア国民が後を絶たない。


ようやくロシア国民もロシアが敗北していることに気付き始めているようである。


天秤座への太陽イングレス図を見ると、ロシアとウクライナのイングレス図では、ラグナに違いが生じており、明らかに国家の命運が分かれている。



モスクワで作成した太陽イングレス図と、キーウで作成した太陽イングレス図





まず、モスクワで作成した天秤座への太陽イングレス図は、国家の権力者や指導者を表わす太陽が8室(行き詰まり、苦悩)に在住し、減衰して、ケートゥとコンジャンクトし、11、12室支配の土星からのアスペクトを受けて、激しく傷ついている。


これをロシアの軍隊(公務員)を6室の支配星と考えた場合も6室の支配星が8室で減衰し、ケートゥとコンジャンクトし、12室支配の土星からのアスペクトを受けて傷ついている



但し、ラグナロードの木星はラグナでハンサヨーガで強く、12室支配の土星のアスペクトを受けて傷ついてはいるが、それ程、弱いとも言えない。


また4室では、2、9室支配の火星と5室支配の月が在住し、特にこの配置も悪いとは言えない。


7室は、外国、あるいは、敵国を表わすが、4、7室支配の水星が7室に在住し、火星、逆行の土星からのアスペクトを受けており、3、8室支配の減衰する金星とコンジャンクトしており、7室、8室は激しく傷ついている。



これは相手国(ウクライナ)に打撃を与えていることを示すと共に外国、敵国との戦争状態を表わしているが、4室、7室支配の水星が3、8室支配の金星とコンジャンクトし、土星、火星などの凶星から傷つけられている状況は、併合を宣言したドンバス地方が、ウクライナに奪還されるなどして、ロシア側の占領が上手く行っておらず、行き詰まりに陥っていることを表わしている。







一方で、キーウで作成した天秤座への太陽イングレス図では、水瓶座ラグナとなり、7室支配の太陽が9室で減衰し、ケートゥとコンジャンクトし、ラグナロードで、2室支配の土星からアスペクトされて傷ついている。


7室支配の太陽は外国、敵国を表わす為、これが減衰していることは、ロシア側の苦境を表わしている。


太陽は9室に在住しており、特にウクライナ側の指導者が行き詰まりに陥っているようには見えない。


4室支配の金星は、8室で減衰しており、国土の混乱を意味しているようには見えるが、2-8軸が非常に強い為、西側の支援に恵まれて、物資などに余裕があるように見える。



一つ興味深いことは、太陽イングレス図を作成した時にナヴァムシャまでチェックすると、そこに非常に両国の命運が現れているように見えることである。






例えば、モスクワの天秤座への太陽イングレス図では、ラグナで11室支配の太陽が減衰し、火星とコンジャンクトし、土星からのアスペクトを受けている。


これはロシアを応援する国が少なくなっており、中国やインドなどもロシアと距離を置き始めたことに現れているように感じられる。


またラグナロードの金星は、12室で減衰し、3、6室支配の木星とコンジャンクトし、ラーフとコンジャンクトして傷ついており、土星、火星によって挟まれてパーパカルタリヨーガを形成している状況は、ロシアの悶々とした苦境や行き詰まり状態やロシア国民がどんどん国外に脱出している状況なども暗示しているように見える。





一方で、キーウで作成した天秤座への太陽イングレス図では、ナヴァムシャでは、ラグナロードの金星が5室に在住し、5室支配の水星がラグナに在住し、1-5の星座交換をしており、8、11室支配の木星が在住して、5室で、ダナヨーガを形成している。



国民の文化的な状況が改善していることを暗示すると共にまた6室で、4室支配の太陽が減衰し、7室支配の火星が6室に在住する状況は、敵を粉砕する配置である。


力づくで、領土を奪還したり、戦争の勝利を暗示しており、敵国に対して戦いを優位に進めているように見える配置である。



マンデン占星術で使用する様々なチャート、新月図や太陽イングレス図などもナヴァムシャに何か重要な情報が現れているように思える配置となっている。



マンデン占星術において、マンデン図のナヴァムシャの配置に注目することを解説する書籍などもあり、これだけ鮮やかに違いが浮き彫りになるのであれば、極めて重要である。



太陽が天秤座に移動するのは、2022年10月17日である為、この解釈が正しければ、まもなく、プーチンの敗北、苦境が決定的となる瞬間がやって来そうである。





ロシアの建国図を見ると、現在、6室支配で11室支配の月とコンジャンクトして、11室を激しく傷つけている土星にトランジットの土星がリターンしている。


ダシャーはラーフ/月期で、11室支配の月が6室支配の土星、ラーフによって激しく傷つけられている為、隣国への領土的野心を燃やし、隣国との紛争を表わしている配置である。


そして、木星は7室をトランジットしているが、7室には3、8室支配の火星が在住しており、6室支配の土星がアスペクトして、7室で、6-8の絡みが生じている。



現在、土星と木星のダブルトランジットが7室に生じている状況である。


土星が山羊座を抜けていく最後のタイミングは、このロシアの建国図で、土星と火星が7室で形成する戦争のカルマが激しく噴き出すタイミングである。



まもなく、2023年1月26日からラーフ/火星期になるが、そもそもロシア連邦が建国した時、ソビエト連邦が分裂した為、旧ソビエト連邦内で、内乱が勃発していた状況であった。



そして、マハダシャー火星期においても暫くそれが続き、プーチンは、チェチェン紛争をKGBを使った工作活動などで鎮圧し、オルガリヒを逮捕したり、追放するなどして、国内を平定した時期である。


そのことから考えると、ラーフ/火星期は、ロシア国内で、権力闘争や内乱やクーデターなどが起こる可能性があり、ロシア国内が騒乱状態になりそうな時期である。



火星は8室の支配星で、6室支配の土星がアスペクトしているが、8室は国王や権力者の死や暗殺、失脚などを暗示するハウスである。



マハダシャー火星期の時は、プーチンはまだ権力者ではなく、権力はエリツィンなどが保持しており、そのエリツィンが退場する際にエリツィンに指名される形で、プーチンが出て来ている。



火星期は、プーチンが国内の権力闘争で、勝ち抜いて、大統領にまで上り詰めた時期である。



だから火星期にプーチンが失脚するとも安易に考えることが出来ない。





2006年以降のラーフ期の始まりは、ロシアがグルジア戦争(2008年)を起こした時期である。


国際社会は、調停に動いたが、停戦合意がなされた後も戦闘は続き、ロシア議会は、ジョージア(グルジア)の領土であった南オセチアとアブハジアの独立を承認して、ウクライナは、事実上、ロシアに領土の一部を奪い取られた形となった。


2014年のロシアによるクリミアの併合も民族問題を上手く利用して、住民投票、独立宣言などを経て、ロシアがクリミアとセヴァストポリを併合する流れとなっている。


今回、ドンバス地域の併合は、国際社会にとっては三度目の正直である。



これまでは、黙認する形で、ロシアの暴挙を認めて来たが、今回は、西側諸国は、ロシアに騙されないという強い決意がある。



ロシアの民族紛争を利用した領土の拡大は、マハダシャーラーフ期から起こったのである。


ラーフのディスポジターが6室支配の土星で、11室支配の月とコンジャンクトする配置が、民族紛争を利用して、近隣国から領土を奪い取るという配置である。



まもなくマハダシャーラーフ期が終わるため、プーチンの領土拡張の試みも終わりを遂げるはずである。



プーチン失脚と、ロシアの新しい政治体制は、どのように築かれるのか、そして、ロシアのマハダシャー木星期は何を意味するかは、まだ今の所、分からないが、ウクライナが現在、領土の奪還を進めているが、株式市場の大暴落や世界恐慌が生じ、アメリカが戦争の継続が難しくなり、バイデンも認知症の問題などが出て来て失脚して、アメリカが梯子を外すことで、ウクライナも戦争の継続が難しくなり、ロシアがそれまでに占領していた地域が、ロシアに既成事実として組み込まれることになる可能性があると考えている。



従って、現在、プーチンが劣勢で、ロシアに敗北の兆しが見えてきたというが、実際にはまだドンバス地域の大部分をロシアが占領している事実がある。



プーチンは退いて、後に続く、政権がウクライナと停戦合意して、ウクライナはドンバス地域のある程度の部分を奪われた形で、幕引きが図られる可能性があると考えている。


ロシアは結局、戦争によって得をする形になり、国際社会はロシアを止めることが出来ないのである。


そのような結論はうれしくないが、そのように考えないと、ロシアの建国図のマハダシャー木星期を理解することができない。


ロシアは、結局は、戦争という力の論理、リアリズムで勝利を収めたということになる。



あるいは、新しい政治体制が生まれたタイミングで、このロシア連邦のマンデン図が有効でなくなるという可能性もあり得る。


ラーフ期と木星期は、全く連続性がないのであり、ディスポジターのつながりもなければ、在住するナクシャトラの支配星としてのつながりもない。


ラーフと木星は、6-8の位置関係にあり、全く繋がりがない。



従って、ラーフ期の後、どのように木星期につながっていくのかが全く理解ができないのである。



この辺りは、どうなるかじっくり見極めていきたいと考えている。




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