2013年の日本のヒンドゥーニューイヤーチャートを作成してみた。
天秤座ラグナで、ラグナで土星が逆行し、ラーフ/ケートゥ軸と絡んで、火星がアスペクトしている。
木星からのアスペクトはなく、ラグナが激しく傷ついている状態である。
ラグナロードの金星は6室で高揚しており、火星と接合して、逆行する土星からアスペクトされている。
ラグナとラグナロードが激しく傷ついている。
1室は国民や国家の一般的な状態を象徴するハウスである。
そして、6室には金星、火星、太陽、月、水星と5つの惑星が集中し、6室支配の木星が8室に在住し、6室と8室で星座交換している。
M.S.Mehta氏の「Mundane Astrology」(p.60)には以下のように記されている。
———————————————————————————————————————————-
Condition of the cabinet: Malefic planets here show dissensions in the cabinet. it also mean shuffle and reallocation of portfolios
among ministers. benefic planets in the first house give good health, happiness and prosperity while malefics planets cause trouble
and disasters.
important and tragic events take place in the country when malefic planets aspect the ascendant. there is discontent and trouble all
around.
———————————————————————————————————————————-
1室への凶星の在住は政府内での不和を示し、内閣改造や閣僚間でのポストの再配分などを意味するようである。
また1室への凶星の在住は障害や災害を引き起こし、もし凶星が1室にアスペクトしていたら、国家に重大な悲劇的な出来事が起こり、不満とトラブルが至る所にあると書かれている。
自民党が大勝し、安部政権が誕生したが、TPP交渉について意見の不一致があったり、積極的に財政出動するのかどうか、必ずしも意見が一致している訳ではない。
因みに日本経済新聞の1/1付けの記事『「劇薬」にきしむ安倍官邸 竹中再登板の舞台裏』によると、安部晋三は、経済学者の竹中平蔵を再起用するのだという。
そして、これに麻生太郎副総理兼財務相が反対している。
竹中平蔵と言えば、「規制緩和」、「構造改革」を唱えてグローバリゼーション、新自由主義(ワシントンコンセンサス)を推進し、米国の帝国主義的な経済政策の片棒を担いだ人物である。この竹中平蔵を再起用というのは、早くも閣僚内での不和を招いていると言える。
今、書店の経済学のコーナーには、グローバリゼーション、新自由主義を批判する書籍で溢れているのに、この竹中平蔵を起用したというのは、時勢に逆行した人選である。
2013年の安部政権の政権運営を象徴する出来事であると考えると、非常に懸念される事態である。
麻生太郎は高橋是清が行なった積極財政に習い、国債は国民の債権であり、資産であるとの理論により、国債を発行して積極的に財政出動して景気を刺激する政策を行なうことを検討している。
———————————————————————————————————————————-
麻生財務相、景気回復を優先 消費税増税先送りも
2012.12.28 11:31 産経ニュース
増税のタイミングを誤れば、景気が失速しかねない消費税。麻生太郎副総理兼財務・金融相は「景気が悪い中では上げない」と述べ、あくまでも
増税よりも景気回復を優先させるとの考えを強調した。
予定通り増税するかは、来年10月までに最終判断する方針だが、日本経済は今春から景気後退局面に入った可能性が大きい。このまま景気が低
空飛行を続ければ、平成26年4月に予定している消費税率の8%への引き上げが先送りされる方向だ。
今年8月に成立した消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法は「経済状況の好転」を条件としているが、民主党政権は増税に前向きな
姿勢を示してきた。麻生氏の発言は、民主党政権とは一線を画し、「強い経済の再生なくして財政再建もない」(安倍首相)とする自民党政権のス
タンスを明確化させた。
一方で、麻生氏は、財政の悪化に歯止めをかけるために、新規国債発行枠を44兆円以下にすることや国債費を除く歳出の大枠を71兆円以下に
抑えることを定めた民主党政権下のルールについて、「自民党政権として新しい方針を作らねばならない」と明言。財政政策の転換を印象付けた。
景気の底上げに向け、大規模な24年度補正予算案を編成する方針を強調。財源確保のため、新規国債発行枠44兆円には「こだわらない」として
国債の追加発行も辞さない姿勢を示した。
これに対し、財務省は十分な税収を確保できない中、野放図に借金が膨らみかねないことに警戒感を強めている。
———————————————————————————————————————————-
しかし、現在は高橋是清の時代とは違うので注意が必要である。戦前の財政出動は軍事増強などが出来た時代である。
資源が枯渇して環境破壊が世界的に進んでいるので、戦争経済のような大規模な破壊や大型公共事業が出来る時代ではない。
それらを行なうことで環境への負荷が高まり、更に大きなコストが必要となる。
再び、M.S.Mehta氏の「Mundane Astrology」から引用するが、惑星集中している6室の象意は以下のようなものである。
———————————————————————————————————————————-
sixth house
Armed Forces, territorial attacks – war, labour classes, labour unions, strikes and clash with labour, state loans and debts.
Medical and other para medical services, doctors and nurses, diseases in general.
National food supplies, places where records are kept, librarians, bookkeepers, and computers, animal husbandry, service class,
servants, underprivileged.
第6ハウス
軍隊、領土攻撃 – 戦争、労働者階級、労働組合、ストライキと労働者との衝突、都道府県のローンや借金。
医療およびその他のパラメディカルサービス、医師や看護師、病気一般。
国家の食物供給、記録が残される場所、司書、帳簿係とコンピュータ、畜産、労働者階級、使用人、恵まれない人々。
———————————————————————————————————————————-
この象意群から考えると、
やはり、2013年は中国との尖閣諸島での緊張が高まり、国債を発行することによって借金が増加し、財政赤字が拡大すること、及び、雇用の問題で、デモやストライキが頻発したりといった情勢が出現することが考えられる。
このデモやストライキというのは、欧州の状況を見ても分かるように世界的な規模の運動として、資本主義システムそのものへの問題提起として高まる可能性を秘めている。
つまり、外は国境紛争、内側でも階級闘争、労働運動というように暴力的な状況になることが考えられる。
6室は国民の怒りであり、労働者の批判や反発であり、国家は国民の食糧問題や雇用問題、健康管理について献身しなければならない。
6室は奮闘(struggle)のハウスであることから、2013年は厳しい一年になりそうである。
この1年は産みの苦しみであり、そして、来年になると全く異なった情勢が出現してくる。
今まで多くのチャートを見る機会があったが、ヴィムショッタリダシャーのマハダシャーの切り替わりが、2012年~2014年の間に生じ、このタイミングで人生に大きな変化が訪れる人々が非常に多いのである。
その変化というものはよい変化であり、ヨーガカラカのマハダシャーで配置もいい所にあり、このタイミングで、人生に肯定的な変化が生じるケースというものをかなり見た気がする。
そのため、私はこの2013年を資本主義社会の転換の年であると位置づけている。
最悪の状態になった時に初めて、それを変えようとする行動につながることがしばしば個人の人生でも起こる。
2013年というのはそうした意味では大変な年であり、今年を一生懸命に乗り越えて来年を迎えたときに必ずやいいことがあるのだ。
コメント