米国のリアリティー番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』で人気を博しているテレビスター・キム・カーダシアンがフランス・パリの借家で、強盗に遭い、10億円相当と推測される宝石類などを盗まれたと海外のニュースが報じている。
この事件を見て、アストロデータバンクを調べた所、キム・カーダシアンの出生データが出生時間も含めて掲載されていた。
出生データは、Rodden Ratingで、AAとなっており、出生時間は正しい可能性が高い。
チャートを作成すると、キム・カーダシアンは、ラグナが蠍座ジェーシュタであり、現在のダシャーはケートゥ/太陽期である。
通常、犯罪に巻き込まれる場合、6室と8室の絡みが見られることが多い。
つまり、犯罪に巻き込まれるということが意味するのは、犯罪者と被害者の争いであり、人間関係の問題である。
しかもこの場合、犯罪者は力づくで被害者から財産を奪い取るという意味で、暴力を表している。
またそうした犯罪者の暴力の結果、被害者は多額の金品を損失することから12室(損失)も絡んでいなければならないと考えられる。
また財産を盗まれた人物のチャートを調べる時、過去の検証では6室の支配星のダシャーを経過していることを何度か確認している。
6室とは目下の者からの批判を表しており、盗みとは貧乏人の金持ちに対する卑屈な抗議行動を意味しているのである。
もし平等がある程度、実現されている社会があるとすればそうした社会においては盗みということは起こらない。
そうした社会の中では正義が実現しているからである。
因みに欧米において、「正義」とはほとんど「平等」と同じ意味である。
従って、盗みが発生し、盗みの犯罪者と被害者が発生するというのは、何らかの「正義」や「平等」という尺度における不均衡が生じていると考えられる。
それがおそらくカルマ的な背景である。
例えば、阪神大震災とか東北大地震のような大災害の際に日本では一般市民の盗みや暴動がほとんど起こらないと言われているが、それは日本人自身の国民性の問題ということがあったとしても日本は比較的平等が実現されていて、格差というものがそれ程、生じていないからである。
然し、市場原理が進み格差が拡大するにつれて、日本でも振り込め詐欺などの犯罪が多発するようになっている。
こうした詐欺行為も盗みと同じであり、貧しい者の豊かな者への卑屈な抗議行動である。
決してそうした犯罪が正当化されるものではないが、詐欺や盗みを働く犯罪者の論理の中に金持ちは、有り余る程のお金を持っているのだから、そこから少し頂戴してもそれは悪いことではないという犯罪を正当化する犯罪哲学があるのである。
社会が構造的かつシステマティックに不平等を促進する場合、そうした犯罪哲学によって犯罪を正当化する人々が出てくるのである。
そうした人々は奪われたものを暴力によって奪い返すという思想であり、暴力による共産主義革命とか、そうしたものと非常に似通ってくる。
キム・カーダシアンは、現在、ケートゥ/太陽/木星期にいるが、ケートゥのディスポジターである土星は、月から見ると、11、12室支配であり、ラグナロードで、10室支配の木星と接合している。
魚座ラグナにとって、土星は11室(富)と12室(損失)を同時に支配することによって、収入を大きく損なう表示体となる。
これは惑星が11室と12室を同時に支配するケースは魚座ラグナにおける土星だけである。
従って、魚座ラグナの人は、収入を稼いでも一夜にして失うことが多いのである。
そして、12室とは7室(対人相手)から見ると6室の支配星である。
次にアンタルダシャーの太陽は月から見ると6室の支配星である。
そして、8室で減衰して、3、8室支配の金星は月から6室に在住している。
従って、6室と8室で星座交換している。
次にプラティアンタルダシャーの木星は11、12室支配の土星と接合している。
チャンドララグナから見て、ラグナロードの木星は6室と8室の星座交換の中に巻き込まれていない。
あくまでも11、12室支配の土星と接合しているだけである。
従って、身体に危害は与えられなかったと考えられる。
キム・カーダシアンはテープで口を塞がれ、腕を拘束されてバスルームに押し込められたが、それ以上の危害は与えられなかった。
ラグナから見てもラグナとラグナロードには暴力の絡みである6室と8室の支配星は絡んでいない。
ケートゥのディスポジターである3、4室支配の土星が11室からラグナにアスペクトしているのみである。
太陽は1室の表示体であり、身体の表示体であるが、その太陽は12室に在住しており、8、11室支配の水星と接合して、土星と火星に挟まれて、パーパカルタリヨーガを形成している。
12室は監禁を表しており、土星からアスペクトされることや、凶星に挟まれている(パーパカルタリ)ことは、身体の拘束を表していると考えられる。
キム・カーダシアンは強盗の被害を受けた際に実際に身体の拘束を受けているため、その象意は主に太陽によって表されたと考えられる。
然し、ラグナから見ても月から見ても6室や8室、そして、土星や火星などがラグナロードに緊密に重ねて絡むような状況ではなかったために身体を拘束されはしたが、身体に危害を受けることはなかったようである。
アンタルダシャーの太陽は10室(行為)支配で12室(監禁、出費)に在住し、11室(利得)支配で12室(損失)に在住する水星と接合している。
その為、彼女は宝石類を犯罪者に盗まれて、それらを失うだけで、済んだようである。
月から見て、ラグナロードの木星も11、12室支配の土星と絡んでいるが、太陽と同様に6室や8室の絡みに加わっていない。
2016年8月11日から木星が乙女座に入室したが、現在、まだ2ヶ月弱しか過ぎていないため、木星のトランジットの影響が獅子座に残存している状況である。
従って、木星は12室支配の金星に接合し、土星も12室支配の金星にアスペクトし、12室にダブルトランジットが生じていたと考えられる。
また木星のトランジットの効果が獅子座に残存していると考えると、木星は獅子座から6室牡羊座にアスペクトしている。
一方で、トランジットの土星は6室支配の火星にコンジャンクションしている。
従って、現在、6室(暴力)と12室(監禁、損失)へのダブルトランジットが生じていると考えられる。
特に8室の表示体である土星がラグナとラグナロードの火星をトランジットしていた為に身体が拘束されるような目にあったのではないかと考えられる。
また事件のあった10月3日のトランジットを調べると、金星と月がラグナから見て、12室をトランジットし、木星、水星、太陽が月から見て12室支配の土星の上を通過していたことが分かる。
またトランジットのラーフは7、12室支配の金星にコンジャンクションしている。
金星は月から見ると、3、8室支配でもあり、8室や12室へのラーフの影響があることが分かる。
以前、『ムトゥ踊るマハラジャ』という映画の中で、ラジニカーントが扮するマハラジャが、『盗むよりも盗まれる方が罪深い』というセリフを語っていた。それがそのマハラジャの父から伝えられてきた家訓であるという設定であった。
こうしたヒンドゥー教のカルマの思想が、南インドの大衆娯楽映画の中に普通に登場する所が凄いと思われる。
実際、大金を盗まれる人は、過去に自分がそれに見合うだけの不正な獲得(貪欲な貪り)を行ったようなカルマ的負債があったことが推測されることになる。
例えば、芸能人が宝石類を盗まれるという事件が時々起るが、盗まれた人々は本来、被害者であるにも関わらず、罪深く、不徳な印象が漂い、あまり、視聴者や一般市民から同情されないという出来事が度々起こる。
今回も米国のネットユーザーたちは、キム・カーダシアンの強盗被害事件について、非常に辛辣なメッセージを送ったそうである。
それに対して、セレブたちが、注意を促したとニュースで報じられている。
因みに盗まれた人が、過去生で盗んだかもしれないという理論は、あくまで推測であり、軽々しく言うことはできない。
カルマの法則はそこまで単純ではないと予想され、実際にどのような過去の原因が、どのように結果を生み出したかは誰にも分からない。
然し、一つ言えるのは、今生で経験するほとんどの全てのことは、必ず原因があるのであって、今生に原因がないならば、過去生に原因があるのである。
過去生に原因はなく、物事は偶然によって起こるか、少なくとも物事の原因と結果は今生の範囲内に留まっていて、それは唯物論で説明できるという立場なら、ジョーティッシのハウスの理論とダシャーで、何故、盗難に遭うことまでが予測できるのか説明できない。
それらは、あるタイミングで起こることが決まっていて、そのように運命づけられていた。
従って、それは運命学で予測することが出来たという場合に、その事態を説明できるのは、カルマ論以外にはない。
然し、現実社会を生活していく分には、犯罪者は追跡して逮捕され、法律で裁かれなければならない。
そして、犯罪者は刑法によって裁かれ、罰を受ける。
それが現実社会における正義の行使である。
但し、人間の理性や知恵が、唯物的な範囲内に留まらず、原因を前世や形而上の世界にまで拡大する場合、正義というものは、まず、社会の格差の是正によって、もっと包括的に根本的に為されなければならない。
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