ハマスの戦闘員が、パラグライダーを使って、国境を突破し、イスラエル南部の音楽フェスに侵入し、多数のイスラエル人を殺害、拉致し、現場には250人以上の遺体が残されていたという。
ハマスがイスラエルを大規模攻撃 死傷者1000人超 2023年10月8日 日曜 午前1:35 FNNプライムオンライン パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは7日、イスラエルに対して大規模な攻撃を実施し、1,000人を超す死傷者が出ている。 イスラエルによると7日朝、ガザ地区からおよそ2,200発のロケット弾による攻撃があり、地元メディアによると、これらの攻撃で少なくとも100人が死亡、900人以上が負傷した。 また、イスラム組織ハマスの戦闘員がイスラエル側に侵入し、兵士や市民数十人を人質にしたという。 イスラエル軍もガザ地区を空爆し、198人が死亡、1,610人が負傷したとされている。 イスラエルのネタニヤフ首相は、「われわれは戦争状態にある」と声明を出し、大規模な報復作戦を行うと発表、より多くの犠牲者が出る地上部隊による侵攻が行われるのかが今後の焦点となる。 |
これを受けて、イスラエル側がガザ地区に空爆を行ない、イスラエルの地上部隊がガザ地区国境付近に集結し、ガザ地区への大規模軍事侵攻が迫っている。
現在、双方に死者4000人以上が出ているそうである。
このニュースを聞いた時、直ぐにイスラエルの建国図が思い浮かんだが、乙女座ラグナの建国図で、現在、6室に土星がトランジットし、8室にラーフ/ケートゥ軸と木星がトランジットして、8室にダブルトランジットしていることを思い出し、この配置が戦闘状態をもたらしたと理解した。
6室は暴力のハウスであり、マンデン占星術においては、戦争を仕掛けるハウスであり、自分よりも劣った国に対して戦争を開始するハウスである。
そのことは、アメリカの建国図で、ベトナム戦争を開始したのが、6室に在住するケートゥ期であったことを確認した時に納得した。
そして、8室は逆に自分よりも強い相手の支配に苦しめられるハウスである。
今回、ハマスの大規模奇襲攻撃によって、イスラエルは完全に虚を突かれ、その象徴となるのが、音楽フェス会場に乱入したハマスの戦闘員が、無差別攻撃を行い、イスラエル人たちが逃げ惑う様子を伝える映像である。
この音楽フェス会場の悲劇をグラウンドゼロと呼び、9.11と比較をしていた報道記者もいるが、イスラエル諜報機関は、このハマスの攻撃を事前に察知できず、ハマスの攻撃によって、多大な損害を出している。
これは明らかに8室の象意であることが分かる。
イスラエルの建国データは、アストロデータバンクに載っているが、「1948年5月14日16:00 テルアビブ」である。
M.S.MEHTA著「TIME TESTED TECHNIQUES OF MUNDANE ASTROLOGY WITH OVER 100 ILLUSTRATIONS」では、誕生時間が15:50となっているが、この時間で、作成しても、出生図(D1)、ナヴァムシャ、ダシャムシャのラグナは同じである。
従って、今回は、以前15:50で作成したチャートを使うが、2023年4月28日にイスラエルは、マハダシャーラーフ期に入ったようである。
ラーフのディスポジターである火星は、3、8室支配で12室に在住しているが、7室から見た6室である。
7室は、敵国や取引の相手国を表わし、自分以外の国家を表わしている。
(主権国家は、成立して以降、隣国と戦争ばかり繰り返して来た歴史があり、その為、7室は敵国であり、戦争のハウスである。基本的に国家同士の関係というものは、潜在的に戦争する可能性を秘めていると言える。戦争は、外交関係が破綻した場合の最後の解決手段である。)
7室から見て6室に火星が在住している配置は、暴力の配置であり、特に6室の火星は、敵を粉砕する配置である。
従って、この12室に在住する火星は、敵国から凄まじい暴力を受けることを表わしている。
12室は、外国のスパイなどの工作活動を表わしており、ハマスの戦闘員が、イスラエル側に侵入してきたというのは、まさに12室に在住する火星の表現である。
マハダシャーラーフ期に移行することで、ディスポジターの火星が活性化し、ハマスの攻撃に晒されたというのは、タイミング的に恐ろしいほど、ダシャーが機能している。
トランジットを見ると、現在、木星と土星がこの獅子座に在住する12室の火星にアスペクトして、ダブルトランジットしており、まさに敵国からの凄まじい暴力を表わしていたことが分かる。
つまり、ダシャーとトランジットにおいて、今回のハマスの大規模攻撃は、イスラエルの建国図において完璧に説明することができ、この建国図が、極めて正確に機能していることがよく分かる。
トランジットを見ると、7室(敵国、相手国)の支配星が、8室に在住し、ラーフ/ケートゥから傷つけられて、6室支配の土星、8室支配の火星からアスペクトされており、8室に6-8の絡みが確認でき、戦争状態を表わしている。
特に8室の場合、相手の攻撃に苦しめられる配置であり、イスラエルのマンデン図の8室に在住するラーフにトランジットのラーフがリターンし、土星と火星のダブルトランジットが生じたタイミングであった。
ラーフは、死の神、ヤマ神が司る不吉なナクシャトラであり、武器や暴力を表わすアユダ・ドレッカーナに在住しており、またディスポジターの火星もマガーに在住しているが、火星もまた武器や暴力を表わすアユダ・ドレッカーナに在住している。
イスラエルの建国図を見ると、6室支配の土星が11室に在住し、11室の支配星とコンジャンクトして、11室を激しく傷つけている。
この配置は、近隣の国と常に摩擦があり、常に戦争状態であることを物語っている。
土星は6室の支配星であり、イスラエルにとっては自分よりも弱い、目下の国を表わしているが、その土星がラーフにアスペクトしている。
その為、ラーフ期に自分よりも弱い、目下の敵国からの攻撃を受け、損害を被ったのである。
ナヴァムシャを見てもラーフは11室の支配星と共に2室に在住し、6室支配の土星からアスペクトされて傷ついており、ラーフのディスポジターである金星は6室支配の土星とコンジャンクトし、12室支配の太陽とコンジャンクトしている。
6室支配の土星が、ラーフと共に11室の支配星を傷つけている辺りは、やはり、近隣の国々と紛争状態にあることを意味している。
またダシャムシャを見ると、ラーフのディスポジターである金星は 8室で減衰し、 火星とコンジャンクトしている。
イスラエルでは、ネタニヤフ首相が「われわれは戦争状態にあると声明を発表し、地上部隊をガザ地区の国境付近に集結させ、今にもガザ地区に侵攻しようとしているが、これは国際社会の静止を受けると考えられる。
その為、ラーフのディスポジターである金星が、ダシャムシャの8室で減衰し、3、10室支配の火星と8室でコンジャンクトしているという配置で良さそうである。
中東戦争を振り返る
イスラエルは、1948年から1973年までに第一次から第四次まで、大規模な戦争を4度、経験している。
第一次中東戦争(土星/月→火星)については、イスラエルの誕生と、国境紛争に関連しているというが、まさに土星:月のダシャー/アンタルダシャーのコンビネーションは、国境紛争を表わす6室支配の土星と11室の支配星との絡みである。
第二次中東戦争は、1956年に起こったが、これはエジプトがスエズ運河の国有化を宣言したのに際して、イギリス、フランス、イスラエルが軍事介入したことによって起こっている。
これは国際的な圧力により戦争は短期間で終結している。
この時は、水星/水星期であり、水星はローヒニーに在住しているが、支配星の月は6室支配の土星とコンジャンクトする11室支配の月である。
従って、この戦争では、イスラエルは被害を受けておらず、全く短期間に終わっていることから、ダシャーに強く現れていないことには納得できる。
水星は1、10室の支配星で、12室支配の太陽とコンジャンクトしており、戦争というよりも政治的な動きであったと考えられる。
第三次中東戦争は、1967年(水星/ラーフ)で、6日戦争とも呼ばれるが、イスラエルがエジプト、シリア、ヨルダンとの戦闘で勝利し、領土を拡大している。
第四次中東戦争は、1973年10月6日から行なわれ、ケートゥ/金星期に起こっているが、この時は、エジプトが前戦争での失地回復のため、シリアとともにイスラエルに先制攻撃をかけたことで開始されている。
初戦で、エジプトはイスラエルに勝利し、最終的に敗北し、痛み分けに終わったが、エジプトは軍事的威信を回復し、アラブ石油輸出国機構が、イスラエルを支援するアメリカとオランダへの石油の禁輸を決定するなど、アラブの産油国が、オイルメジャーから価格決定権を奪取するきっかけとなっている。
計4回の中東戦争のうち、イスラエルが大勝利して、領土を拡大したのは、1967年(水星/ラーフ)の第3次中東戦争である。
国際的にこの領土拡大は承認されてはいないが、イスラエルが軍事的に大勝利し、領土を拡大し、実効支配を進めてしまったのである。
アンタルダシャーのラーフ期は、ディスポジターの火星が8室支配で12室に在住している為、 ヴィーパリータラージャヨーガが働いている可能性があるが、マハダシャーの水星は、1、10室支配で、2、9室支配の金星と星座交換をする非常に良い配置で、そうした強い水星の影響下においてであったことは考慮する必要がある。
そして、この時は、チャラダシャーは蠍座/魚座の時期で、蠍座から見て、火星が10室、魚座から見て火星が6室に在住し、AmKも7室に在住するなど配置が良かった。
しかし、今回は、チャラダシャーは、蟹座/天秤座になっている。
天秤座から見ると、国家の重要人物や権力者を意味するAmKの水星や太陽が、8室に在住し、土星やケートゥからのジャイミニアスペクトを受けて傷ついている状況は現在のネタニヤフ政権の苦しい状況を表わしている。
ハマスによるこのような大規模な攻撃の成功を許してしまったネタニヤフ首相は、天秤座のサブダシャーの時期は、野党の批判を受けて、退陣する可能性が指摘されている。
蟹座のメジャーダシャーは、2015年5月から2027年5月まで続くが、蟹座は、6室支配の土星と11室支配の月がコンジャンクトするまさに11室であり、隣国との武力紛争などを表わしている。
マハダシャーラーフ期は、18年間続くが、武装勢力ハマスと、イスラエルとの確執は、マハダシャー火星期にも生じており、2020年にアメリカの仲介でバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、スーダン、モロッコが相次いでイスラエルとの国交正常化を合意した時にも、これに反発したハマスとイスラエルの間で、軍事衝突が発生している。
ラーフ期は、ディスポジターの火星が結果を与える為、ラーフ期は、これまでの火星期の延長でもある。
そうすると、ハマスとイスラエルとの軍事衝突は、これからも続いていきそうな情勢である。
イスラエルに大勝利をもたらした第三次中東戦争 -水星/ラーフ期-
ラーフにも火星にも4室で強いハンサヨーガの木星がアスペクトしており、こうした配置が、イスラエルを保護していることが考えられる。
この木星は定座の月との間で、ムクタヨーガを形成しており、ラーフ/ラーフ期の後は、ラーフ/木星期になる為、こうしたハンサヨーガ及び、ムクタヨーガの効果が発揮されるかもしれない。
またそもそもラーフや火星が、こうしたハンサヨーガやムクタヨーガを形成する強い木星からのアスペクトを受けていることで、イスラエルにとって有利な状況を生みだす可能性がある。
イスラエルが、1967年の水星/ラーフ期にアラブ諸国に大勝利し、領土を拡大したことは覚えておく必要がある。
それは、ラーフのディスポジターである火星が、8室支配で12室に在住することにより、ヴィーパリータラージャヨーガを形成し、更にハンサヨーガを形成し、ムクタヨーガを形成する強い木星からのアスペクトをラーフやそのディスポジターである火星が受けることで、ラーフ期は非常に強力になっているのである。
木星は2、9室支配の金星との間で、4-10軸で、4-9、7-9のラージャヨーガを形成しているが、金星自身は、1、10室支配の水星と、1-9、9-10のラージャヨーガを形成している。
ラーフ期は、そのような強い木星からのアスペクトを受けているということである。
そして、ラーフはバラニーに在住しており、それはヤマ神が司る不吉なナクシャトラであるが、支配星の金星は、水星と星座交換し、1-9、9-10のラージャヨーガを形成する金星であり、しかも木星との間で、相互アスペクトして、4-9、7-9のラージャヨーガを形成している。
ラーフ期は、ラーフのディスポジターである火星が8室の支配星で、ドゥシュタナハウスである12室に在住することによって、最初は、被害を受けて苦しむが、最終的には、勝利して、領土を拡大したり、更に有利な状況を引き出す可能性が高いのである。
そして、蟹座のメジャーダシャーでは、5室支配の土星と11室支配の月が5-11のダナヨーガを形成しており、イスラエルにとっては近隣国との紛争は絶えないが、また和平交渉も進行しており、利得を意味してもいた。
従って、現在、イスラエルは、ハマスの攻撃を受けて、民間人に多数の犠牲者を出し、苦しんでいるが、やがて、ヴィーパリータラージャヨーガが働き、ハンサヨーガやムクタヨーガの木星のサポートも受けて、この機会を逆に最大限のチャンスとして、自らの領土を拡大したり、そこから何らかのアラブ側に対して、有利な条件や利得を引き出す可能性がある。
イランは、今回のハマスの大規模攻撃に関与しないと声明を発表しているが、ハマスの背後にはイランがいて、またイランはロシアにも協力している。
今回のハマスの攻撃は、ユダヤ・キリスト教勢力の世界覇権(ニューワールドオーダー)に対するイスラム原理主義勢力の抵抗である。
これは、9.11にも似ていれば、ロシアのプーチンの軍事侵攻にも似ており、ユダヤ・キリスト教勢力の代表であるアメリカの帝国主義に対する反発である。
アメリカがイスラエルに軍事支援することを表明した為、アメリカは、ロシア、中国、ガザ地区(イスラエル- パレスチナ紛争)に対処する必要が生じ、アメリカの力が分散される事態に陥っている。
ロシアのプーチンは、漁夫の利を得たのではないかと考えられており、メディアの中には、皮肉にもこの攻撃がプーチンへの誕生日プレゼントになったとする見方もある。
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