ジェイソン・ステイサム主演の『トランスポーター3』について

最近、ジェイソン・ステイサム主演の『トランスポーター3』をDVDで見たが、彼の特徴は、武骨で不器用な男のダンディズムであり、疲れを知らないスタミナ、せわしなくハードな動き、無駄口をたたかない少ないセリフとか、ポーカーフェイスなどであるのだが、私は彼は典型的な山羊座のタイプではないかと思ったのである。

禿げ上がった頭と、無精ひげ、骨太で骨ばった骨格、決して優美とは言えないせわしなく忙しそうな走りなど、武闘派は武闘派でも、牡羊座のようにリーダーシップがあったり、派手で輝かしい太陽の陽気な魅力ではなく、抑制の効いた土星的な中年のダンディズムが見られるのである。

映画の中で、ジェイソン・ステイサム演じるフランク・マーティンは、

・契約厳守
・依頼者の名前は聞かない
・依頼品を開けない

などの3つのルールを自らに課しており、それを厳格に守ることで、
仕事上では依頼主から大きな信頼を受けている。

自らにルールを課すところなど土星的であるのだが、無口で律儀で困難な仕事でも必ず遂行する激しさが、いかにも山羊座の特徴を示しているのである。

『トランスポーター3』の冒頭の場面で、フランク・マーティンが、釣りをしている場面が出てくるのだが、この素朴に釣りをする姿はいかにも平凡で地味で朴訥(ぼくとつ)な山羊座の男なのである。

物語の中盤で、彼が自分に取り付けられた爆弾を外そうとして知人の天才的なエンジニアの元へ寄り道をするが、それを見て、依頼主が追っ手を放って、工房の中で、格闘となるのだが、フランク・マーティンはそこで恐ろしく強く、かかって来る者たちを容赦なく叩きのめすのである。

例えば、敵の腕の関節を逆に捻じ折ったりなど、敵に対する攻撃は無慈悲でかなり徹底しているのである。山羊座で暴力の表示体である火星が高揚するため、非情でハードなバイオレンスというのは山羊座の得意分野である。山羊座の暴力は手加減がなく徹底的である。

こうしたシーンは北野武監督主演の『座頭市』のバイオレンスを彷彿とさせるのである。

北野武監督のラグナは以前、検証したのだが、おそらく山羊座ラグナで、1室で火星が高揚しているのである。

無口で不器用で、武骨な男のダンディズムと容赦のない徹底した暴力という点で、両者はよく共通しているようである。

そのように暴力的でありながら、決して雑で野卑なわけではなく、白いワイシャツにネクタイとスーツで身だしなみにきちんと気を使う所などが、山羊座のまめで、几帳面な性格がよく出ており、女性に可愛いと思わせる所以である。

『トランスポーター3』の中では、今回、誘拐されて運ぶ対象となった女性・ヴァレンティーナとのラブシーンが出てくるが、いかにも硬派で恋愛が不得手なフランク・マーティンに年下のヴァレンティーナが積極的にアプローチし、悪ふざけをして困らせるという状況設定になっている。

地味で朴訥な山羊座が情熱的なラブシーンを演じるのは難しいので、脚本的に特殊な状況設定をして、何とか恋愛物語に仕立てたようである。

そのような状況設定をしないと、ジェイソン・ステイサム扮するフランク・マーティンは、とても恋愛シーンを演じることが難しいのである。

従って、うまく脚本を書いてあると思ったが、リュックベッソンの脚本である。

彼はこのような幼い純朴な子供の遊び心をいつも表現するように思える。

ジェイソン・ステイサムのその他の作品としては、『アドレナリン』や『デスレース』、『バンクジョブ』などを見たが、皆、キャラクターは同じような山羊座の無口で口数の少ない朴訥な男を演じている。

つい最近まで『ちょい悪オヤジ』という言葉が流行っていたが、中年のダンディズムが、もてはやされる時代であり、ジェイソンステイサムの人気はまさにそうした時流に乗ったものではないかと思われる。

来るべき時代は土星の時代なので、水瓶座や山羊座がヒーローとなる時代なのである。キアヌリーブスが水瓶座だとすると、ジェイソンステイサムが山羊座である。

つい最近までは『ダイハード』などで一躍人気を得たブルース・ウィリスなどが禿げ上がった中年の魅力を発揮していたが、今のオヤジヒーローは、ジェイソン・ステイサムではないかと思われる。


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