イランは1月8日早朝、報復措置として米軍が駐留する隣国イラクのアサド空軍基地などをミサイル攻撃した。
メディアは第三次世界大戦の危機を報じたが、トランプ大統領は報復はしない旨を発表し、事態は収束したかに見えている。
然し、イラクは米国との緊張が高まっていた最中、革命防衛隊の誤射によって、ウクライナの航空機を撃墜してしまい、イランの指導部が11日、ウクライナ機撃墜を認めたことを受け、首都テヘランで抗議デモが勃発している。
イランのロウハニ大統領は、ウクライナの旅客機撃墜について責任のある者はすべて処罰すると言明している。
イラン、旅客機撃墜で指導部に抗議デモ 革命防衛隊を批判 2020年01月12日16時31分 時事ドットコム 【ベイルート時事】イランがウクライナ旅客機撃墜の責任を認めたことを受け、イラン各地では11日、それまで事実を隠蔽(いんぺい)していた指導部などに抗議するデモが行われた。首都テヘランでは約1000人が参加し、最高指導者ハメネイ師や、誤射による撃墜を犯した精鋭部隊「革命防衛隊」に対し「恥を知れ」と気勢を上げた。 報道によると、抗議デモはテヘランをはじめ、南部シラーズ、中部イスファハン、西部ハマダンなどで発生。インターネット交流サイト(SNS)では、治安部隊がデモ隊に催涙ガスや放水で強制排除を試みる様子を撮影した動画が出回った。 デモ隊はさらに、米軍に3日殺害されたイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官の写真を引き裂くなどして怒りを表明した。 ロイター通信によれば、改革派指導者のカルビ元国会議長は、ハメネイ師が撃墜の責任を取って辞任するよう訴えた。イラン国内でも、米国との緊張が高まっていた時に当局が旅客機の離陸を許可したことを疑問視する声が上がっている。 |
イラン大統領、ウクライナ機撃墜は「許せない過ち」 関係者を逮捕 2020年1月14日 18:05 Reuters Staff [ドバイ 14日 ロイター] – イランのロウハニ大統領は14日、テレビ演説で、革命防衛隊が誤射したミサイルによるウクライナの旅客機撃墜について、責任のある者はすべて処罰すると言明し、「悲劇的な出来事」を徹底的に調査すると語った。 同大統領は「許せない過ちだ。撃墜が1人の人間の責任ということはあり得ない」と述べ、「イラン軍が間違いを認めたことは最初の良い一歩だ。二度と同じことが起きないという確信を人々に与えなくてはならない」とした。イラン政府にはウクライナ機の墜落で「命を落としたイランやその他の国々の国民に対して責任がある」と付け加えた。 一方、同国の司法当局は、ウクライナ機の墜落に関わった複数の人物を逮捕したことを明らかにした。同当局の報道官はこれ以上の詳細を明らかにしていない。 |
こうしたイランと米国の緊張やイランのウクライナ航空機撃墜と国内のデモなどの一連の出来事が、イランの建国図上で、説明できるかどうか調べて見た所、実際、それは明確に表れているようである。
イランの建国図は、アメリカの傀儡政権であったモハンマド・レザー・シャーの専制体制に反対して、亡命中の精神的指導者・ホメイニを中心として起こされたイラン革命によって1979年4月1日にイラン・イスラム共和国が樹立された時のものである。
※尚、イランの建国図の時間は『Time Tested Techniques of Mundane Astrology with over 100 illustrations』M.S.Mehta著に掲載されているデータを用いている。
この建国図で見ると、ラグナは蟹座で、現在、木星/金星期である。
ラグナ、あるいは、ダシャーラグナの木星から見て、金星は、4、11室支配で8室に在住し、ケートゥとコンジャンクトして、7、8室支配の土星からアスペクトされている。
まず、11室は国家の要人、重要人物を表わしており、11室支配の金星が8室に在住して、ラーフ/ケートゥ軸や7、8室支配の土星によってアスペクトされて傷つけられていることは、国家の重要人物が暗殺されることを表わしていたと思われる。
また11室は通常は友人、同僚のハウスであり、国家のマンデン図においては、国際関係を表わすハウスである。
その11室の支配星が8室に在住し、ラーフ/ケートゥ軸、7,8室支配の土星からアスペクトされて傷ついていることは、国際関係が悪化することを表わしている。
そして、8室は要人の暗殺などを表わすハウスである。
もう一つのウクライナ航空機の撃墜だが、イランの指導層も困惑させるようなイランの革命防衛隊の誤射によるものだった。
まず4室が乗り物だとすれば、水瓶座は航空とか航空機を表わす星座であり、4室支配の金星が水瓶座8室に在住して、ケートゥとコンジャンクトし、7、8室支配の土星によってアスペクトされることは、誤射による航空機の墜落を表わしていたと考えられる。
4室の支配の金星がケートゥと絡んで水瓶座8室で傷つけられていることは、ケートゥが誤謬とか、誤診断を表わす惑星であり、4室や金星が乗り物、水瓶座が航空を表わし、8室が破局、災難を表わすハウスであることから、今回の誤射による航空機の撃墜を表わしていたと考えられる。
また4室は国民や議会を表わすハウスであることから、イラン革命防衛隊の誤射によるウクライナ航空機の撃墜に対して、国民は困惑し、デモを起こし、議会も困惑して、大統領が関係者の逮捕を宣言するまでに至った。
そして、こうしたことによって、イランの国際社会での評判は落ちて、行き詰まりを迎えたのである。
7室はマンデン図においては戦争、外交関係を表わすハウスであり、8室は暗殺などを表わすハウスである。
国内の重要人物が、外国のドローン攻撃によって、暗殺されたのは、11室支配の金星が8室水瓶座で、ケートゥ、土星からアスペクトされているからではないかと思われる。
7、8室支配の土星にアスペクトは、外国からの攻撃を表わしており、その攻撃が、ドローンというAI兵器によるものであったのは、水瓶座に在住しているからである。
このように現在のイランの情勢は、イランのマンデン図から説明することができる。
トランジットの土星や木星、惑星群が6室を通過し、12室にアスペクトしていることは、6室が外国からの攻撃や国民のデモ活動などを表わし、イラクの反撃なども6室で表される為ではないかと考えられる。
このように現在のイラン情勢は、ダシャーやトランジットから説明することが出来る。
このイランの緊迫した状況は、木星/金星期(2019年9月~2022年5月)の間は傾向として続くと思われる。
因みにトランプ大統領は、7ヶ月前にソレイマニ司令官の殺害を承認していたようである。
ソレイマニ司令官殺害、7カ月前に承認か イラン情勢悪化でトランプ氏―米報道 2020年01月14日14時31分 時事ドットコム 【ワシントン時事】米NBCニュースは13日、米当局者らの話として、トランプ大統領が7カ月前にイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官の殺害を承認していたと報じた。米国内では同司令官殺害の根拠をめぐり、政権が主張する「差し迫った脅威」に懐疑的な見方が広がっている。半年以上前から殺害を認めていたのであれば、政権側の根拠が崩れる可能性もある。 米軍、別のイラン幹部も標的 ソレイマニ司令官殺害時 当局者は「これまでに多くの選択肢が大統領に提示されてきた」と指摘。その上で、ソレイマニ司令官殺害も「ある程度前から」選択肢に加えられていたと指摘した。 昨年6月に米軍の無人機が革命防衛隊によって撃墜された際、当時のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)とポンペオ国務長官はトランプ氏にソレイマニ司令官殺害を進言。だが、トランプ氏は米国人が殺されない限り、殺害を承認しないと応じた。 同月にはソレイマニ司令官殺害に関する大統領指令書が発出されたが、作戦は大統領の最終的な承認を必要とするという条件が付けられたという。 |
7ヶ月前と言えば、2019年7月頃であり、ちょうど木星/金星期が始まった2019年9月の2ヶ月前である。
タイミング的に木星/金星期が、この現在のイラン情勢を作り出したことが理解できる。
因みにイランの建国図では、月が牡牛座に在住している為、チャンドララグナから見ると、金星は10室に在住している。
その為、イランは今、国際的に注目されているのである。
今後のイラン-アメリカ情勢
2020年1月24日以降、トランジットの土星が射手座から山羊座に移動し、木星も3月30日に射手座から山羊座に移動して、木星と土星のダブルトランジットが山羊座-蟹座軸で形成される。
2月25日以降、冥王星も射手座から山羊座に入室して、火星も3月22日以降、射手座から山羊座に移動する。
従って、2020年3月30日以降、山羊座に木星、土星、火星、冥王星がトランジットしていることになる。
イランの建国図では、山羊座は7室に該当するが、7室は外国との交易や外交関係を表わすハウスであるが、戦争(※戦争も外交関係の一種)なども表わすハウスである。
その7室に木星、土星、火星、冥王星がトランジットすることは、外国との緊張関係が想定される。
山羊座はアメリカの建国図では6室に該当し、6室には領土的攻撃や労働者階級のデモなども表わすハウスである。
アメリカは現在、ラーフ/ラーフ/水星期(2019/12~2020/5)で、ラーフのディスポジターは7室に在住する月である為、好戦的である。
プラティアンタルダシャーの水星は2、11室支配で12室に在住して傷ついており、やはり、国際関係の悪化、戦争による出費を表わしている。
イランの建国図では、アンタルダシャーの金星期は、2022年5月17日まで続く為、アメリカとの緊張関係が更に増していく可能性がある。
蟹座に木星と土星がダブルトランジットするようなタイミングというのは、民族主義、国家主義が台頭し、国家は自国の国益を追求する為、国際関係においては非常に戦争の危機が高まる時期である。
国家だけではなく、一般市民も自分の身の安全や利益の追求など、各々が追求する状況となり、個人主義的(リバータリアニズム的)な態度や行動傾向で支配されるのである。
そのような状況の中では、ビットコインなども上昇していくので、ソレイマニ司令官が暗殺され、イランが対米報復攻撃をした今現在、ビットコインは上昇傾向にある。
以前、トランプ大統領がシリアをミサイル攻撃した際にもビットコインが上昇したのを覚えておられる方もいると思うが、戦争の緊張が高まると、リバータリアニズム的な雰囲気によって支配され、リバータリアニズムの体現であるビットコインは上昇する。
2020年は、世界的に国家主義、民族主義、個人主義が台頭し、自分の実力で成り上がろうとする一般市民の動きが活発化すると考えられる。
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