荒川静香が妊娠3か月と報じられている。
荒川静香は2013年12月29日に結婚しているが、現在、妊娠三か月ということは今年の1月頃に妊娠していたようである。
1月の時点で、ダシャーはラーフ/月/土星期からラーフ/月/水星期に移行するタイミングである。
仮にラーフ/月/水星期だとすると、出生図ではラーフは6室に在住しているが、9室の支配星からアスペクトされ、月は5室支配の金星と接合し、水星は9室の支配星である。
ナヴァムシャでは、ラーフは5室に在住し、月は9室にアスペクトし、水星は5室の支配星である。
サプタムシャ(D7)ではラーフは5室に在住して、5室支配の木星と接合し、月はラグナロードの太陽と相互アスペクトし、水星は9室支配の火星と接合している。
子供の出産を出生図、ナヴァムシャ、サプタムシャで何とか説明しようとした結果は上記のようになる。
妊娠した時のトランジットは、木星が双子座で逆行し、土星が天秤座をトランジットしていた。
木星は9室支配の水星にアスペクトし、土星も9室支配の水星にアスペクトして9室にダブルトランジットしていた。
チャラダシャーで見ると、妊娠した時、獅子座/牡羊座であり、獅子座から見ると5室にAK、PK、Amkが絡んでジャイミニラージャヨーガを形成している。
牡羊座から見ると5室に月と5Lの金星がアスペクトし、子供の表示体である木星もアスペクトしている。
月と金星のアスペクトはジャイミニラージャヨーガであるため、5室にジャイミニラージャヨーガが形成されていると言える。
出産するのは妊娠してから10か月後であるとすれば、出産する時期は、獅子座/牡牛座である。
獅子座から見ると牡牛座は9室であり、牡牛座から見ると5室にAK、PK、Amkが絡んでジャイミニラージャヨーガを形成している。PKの火星が牡牛座から見て5室に在住していることがポイントである。
そして出産する時、木星は蟹座に移動して、土星は蠍座に移動するため、5室の支配星にダブルトランジットする。
結婚した時のダシャーは、ラーフ/月/土星期で、ラーフはラグナロードの土星からアスペクトされ、アンタルダシャーの月は7室支配でラグナに在住し、プラティアンタルダシャーの土星はラグナロードである。
ナヴァムシャではラーフは5室に在住し、月は6室の支配星、土星はラグナロードである。
木星は双子座で逆行して、ラグナとラグナロードの土星、7室支配の月にアスペクトし、土星は7室にアスペクトして、7室にダブルトランジットが形成されていた。
チャラダシャーで見ると、獅子座/牡羊座の時期であり、獅子座には結婚の表示体である金星とDKの月がアスペクトしている。
ナヴァムシャでも牡羊座にDKの月が在住し、獅子座から見た7室にDKがアスペクトしている。
オリンピックで金メダルを取った時(SP:2006年2月21日、FS:2006年2月23日)のヴィムショッタリダシャーは、ラーフ/水星期/ケートゥ期である。
マハダシャーのラーフは6室に在住し、アンタルダシャーの水星は6、9室支配で6室にアスペクトバックしている。
然し、この水星は火星、太陽、ケートゥと絡んで傷ついている。
ナヴァムシャではラーフは5室に在住し、水星は5室支配で10室に在住して、4、9室支配の金星と相互アスペクトして、4-5、5-9、5-10のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。
ダシャームシャでは、水星は9室支配で11室に在住し、4、5室支配の土星、ラグナロードの金星と、5-11室の軸で、相互アスペクトしている。また5室には生来的吉星の木星も在住している。
水星のディスポジターである太陽は高揚している。
このダシャームシャを見ると、水星は非常に強いことが分かる。
チャラダシャーを見ると、金メダルを取った時、乙女座/双子座である。
乙女座から見るとAK、PK、Amkが10室にアスペクトし、双子座から見てもAK、PK、Amkが10室にアスペクトしている。
そして乙女座からみた5室には5Lの金星とDKの月が在住しており、5室でジャイミニラージャヨーガを形成しているが、月と金星のコンビネーションはそれだけでもジャイミニラージャヨーガである。
従って、5室の状態は非常によい。
金メダル取得の秘密
チャラダシャーで見ると、荒川静香が金メダルで優勝したことは非常に分かりやすいが、
ヴィムショッタリダシャーだと、特に出生図だけではラーフ/水星期に何故、金メダルが取れたのか、今一つ分かりにくい。
ナヴァムシャや、ダシャームシャを見て、初めて、ラーフ/水星期が強いことが分かる。
このようにナヴァムシャやダーシャムシャに荒川静香が金メダルを取った理由はよく示されているが、出生図からは、何故、荒川静香が金メダルを取ったのか、今一つ分かりにくいと考えていた。
然し、暫くしてはっと気づいたことは、荒川静香のラーフはやはり出生図でも非常に強いということである。(この理由については以下に続く)
金メダルを取った時、トランジットを見ると土星は7室蟹座で逆行し、木星は10室天秤座にリターンしていた。
土星は10室支配の金星にアスペクトし、木星は10室にトランジットして10室にダブルトランジットを形成していた。
また土星が逆行していたので、9室の支配星や6室にもダブルトランジットが形成されていた。
この金メダルを取った時、ラーフ/水星期であるが、ラーフは双子座6室に在住しているが、双子座に在住するラーフは強く、またウパチャヤの6室に在住するラーフは敵を粉砕する配置で、勝負強い配置である。
更にこのラーフは9室支配の水星とラグナロードの土星からのアスペクトを受けている。
ラーフやケートゥは、ケンドラに在住して、トリコーナの支配星からアスペクトを受けたり、トリコーナに在住して、ケンドラに在住するとラージャヨーガを形成するが、ケンドラの支配星とトリコーナの支配星の両方からアスペクトを受ける場合もラージャヨーガを形成する。
従って、この場合、ラーフは双子座で強く、また勝負強いウパチャヤ6室の凶星で、またケンドラの支配星とトリコーナの支配星の両方からアスペクトされて、ラージャヨーガを形成していたのである。
それで分かったことだが、荒川静香は何故、トリノで金メダルを取れたのか、疑問視されているのである。
全く金メダル候補ではなかったし、本人も金メダルを取れるとは思っていなかったようである。
然し、ふたを開けてみると、ミスをしないで無難に演技をまとめた彼女は金メダルを獲得したのである。
例えば、Yahoo知恵袋などに「荒川静香さんはなぜトリノで金メダルをとれたのでしょうか」といったスレッドが立っている。
それに対する答えを見ると、周りの選手がミスをする中で、あえて難しいジャンプは跳ばずに無難なジャンプを流れるような構成でまとめたからだそうである。
サーシャ・コーエン選手やスルツカヤ選手といった金メダル候補がミスをしていく中で、彼女だけミスをしなかったことが大きかったようである。
このことについて、彼女は運がよかったからだと批評されているが、確かに運はよいのであるが、周りのライバルたちが勝手にミスをして負けていくということは、結局、勝負強いことを表している。
これについては私自身、過去に経験があることだが、6室の凶星のダシャーの時期には特に相手に対して攻撃的であったり、特別、相手に闘争心を燃やしている訳ではないのであるが、勝手に相手が自分に対して敗北していったり、ひれ伏してゆくといった経験をしたことがある。
従って、荒川静香が何故、金メダルを取れたのかということは、10室に在住する木星で判断してはいけなかったのである。
荒川静香は6室に在住するマハダシャーラーフ期だからこそ、金メダルを取れたのである。
それは彼女の勝負強さの故である。
全く金メダル候補ではなかった彼女に優勝するチャンスがあるとしたら、それは才能ではないし、技術でもなく、勝負強さであったのである。
彼女は勝負強さというものが何を成し遂げるのかを実証したということになる。
荒川静香の10室に在住する木星だけを見て、その木星にトランジットの木星がリターンをしているという事実だけを見て、それで、彼女が優勝できたとすることは不可能である。
木星はラグナから見ても月からみても3、12室支配の機能的凶星で、10室に在住していても、ラージャヨーガを形成していない。
この木星自体は、海外(12室)でのスケート演技(3室)という象意を表していたとしても、この象意における飛躍や成功は表していないのである。
また木星はナヴァムシャで減衰しているため、この木星が直接的に金メダルをもたらしたと考えるのは難しいのである。
結論を言えば、荒川静香に金メダルをもたらしたのはウパチャヤの6室に在住するラーフの力である。
このラーフがラージャヨーガを形成し、ナヴァムシャやダシャームシャといった分割図で強い配置にある為に彼女は金メダルを取得することが出来たのである。
荒川静香の金メダルは他の選手たちと比べて特別に優れた技術や才能がある訳でもなかった彼女が競技における勝負強さを発揮した賜物なのである。
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