米女優シャロン・ストーンについて、もう一つ述べたいことがあるが、
シャロン・ストーンが、2008年5月25日に第61回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットで中国で起きた四川大地震について尋ねられた時に「中国の日頃の行いに対するカルマかもしれないと発言して、中国共産党当局を怒らせて、中国への入国禁止となった事件のことである。
この時点では、まだ米中対立が表面化していない時期であり、ハリウッドは、巨大な市場を持つ中国に対して媚を売り、中国人に受けるように映画のキャストを一部、中国人にしたりと、媚びを売りまくっていたように思われる。
今となっては米国は公然と、中国締め出し政策を行っており、頑強に中国に敵対する行動を取っているが、この時はそうではなかった。
四川大地震に関する発言 2008年5月25日、第61回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットで、香港のテレビ局エンターテインメント・ニュースの取材に対して、多くの批判を受ける発言を行った。それは、中国で起きた四川大地震について尋ねられた際の彼女の以下のような評論だった。 「中国のチベット人に対する態度は好ましく思っていません。他者に対し思いやりを持てない中国の対応に憂慮しています。なにかよくないことをしたとき、悪いことが起きたっていうことあるでしょ?地震が起きたとき、これはカルマかもしれない、って思いました。私は、チベット政府から、四川大地震に対する支援を表明する手紙を受け取っています。 その手紙は私を泣かせました。たとえ誰かが不親切であったとしても、人のために尽くさなければならないこと、常に謙虚に学ばなければならないことを教えられました。」 この発言により、香港及び中国国内で非難が噴出し、インターネット上ではストーンの出演映画や中国向けの広告塔を務めているクリスチャン・ディオールの不買運動呼びかけの書き込みがなされた。29日に謝罪声明を出したが、クリスチャン・ディオールは中国向けの広告中止を決定した。なお、四川はチベット族が多く住む地域でもある。 (wikipedia シャロン・ストーン) |
この時、シャロン・ストーンは、自らが出演する映画や、広告塔を務めるクリスチャン・ディオールの不買運動などが起きて、キャリア的に大きな障害にぶつかり、そのことで、収入面にも影響が及んだと考えられる。
しかし、この時、他に先駆けて、中国非難を行なったことは、今では画期的なことであり、英雄視されるほど、価値ある行為である。
この時期のダシャーは、金星/土星期であり、通常、王になるか、乞食になる時期だが、獅子座ラグナの場合、マハダシャーロードの金星もアンタルダシャーロードの土星も機能的凶星になる為、むしろ、乞食になる時期であると言える。
金星は既に別の記事で述べたように3、10室支配の機能的凶星で、火星とコンジャンクトし、土星、太陽に挟まれて、パーパカルタリヨーガを形成し、激しく傷ついている。
土星も6、7室支配で5室(演劇、舞台芸術)に在住して、ラグナロードの太陽にアスペクトしており、収入や評価の11室や財産、同じく収入(事業で稼ぐ)や財産の2室にアスペクトして、これらのハウスを激しく傷つけている。
女優として、映画のプロジェクトに参画できる機会が減り、そのことで、評価に傷がつき、収入や財産を増やす機会を失ったと解釈できる。
マハダシャーロードの金星から見ても、土星は1、2室支配で12室に在住しており、収入、財産にとって、マイナスとなったことが分かる。
ナヴァムシャでは、土星は月から見て、3、8室支配で5室に在住し、5、6室支配の土星と5-8の星座交換をして、女優としての映画製作に中断がもたらされたことが分かる。
ダシャムシャでも、土星は11、12室の支配星で、10室に在住して、既に検証したように木星は本来は、10室でハンサヨーガを形成し、仕事上のブレイクを示しているが、それを傷つける12室の支配星として明らかに仕事の損失を意味している。
このようにダシャー解釈上は、それは不幸な出来事であり、出来れば避けたかったが、しかし、道義的に考えて、それは言うべきことであったし、また思ったことを正直に言った方が、それは自己実現や成長をもたらす結果となる。
従って、すべきことを行なった結果、このように乞食に転落するといった金星/土星期の洗礼を受ける場合もあるということである。
その場合は、それは避けられなかったが、それはすべき行為であったし、また後から考えて、それはまた違った評価になってくる場合もある。
またシャロン・ストーンの人生は、まさに障害の連続であり、傷だらけの人生であるが、それでもそれらの経験をすべきでなかったとは考えられない。
それらの経験は非常に価値あるもので、それらの経験はユニークなもので、また学びでもあり、経験することそのものに意義があった。
一番、良くないことは経験しないことである。
人間が生まれてきた理由として、寿命が来るまで、様々なことを経験することが非常に重要であり、経験するために生まれてきたと言っても過言ではない。
そして、経験とは、良い経験ばかりでないのは当たり前であり、良い経験だけ出来る人間はこの世にはいない。
出来れば、良い経験だけ味わいたいと思うが、経験には良い経験も不遇な経験も必要であり、あらゆる経験が必要である。
あらゆる不遇や障害を経験すること自体が学びと言ってよく、そういう意味では、人生に失敗はないのである。
シャロン・ストーンの人生は、障害、困難の連続だが、それを乗り越えてきたということが、彼女の現在の価値に現れていると思われる。
しかし、そのように思えるのは、やはり、神というものを信じていて、輪廻転生やカルマの法則によって、この一生の経験は、次の人生に続いていくという信仰があるからである。
この世界は物質だけであり、倫理、道徳などは存在せず、この人生が一度きりで、それで終わりで、この世が快楽だけを追及すればよい世界なら、そうした考えは生まれて来ない。
ジョーティッシュは、何がいつ起こるかなど、理論的に正確に明らかにするが、そこにはその出来事の道徳的解釈や価値観などは全く含まれていない。
ただ機械的に何が起こるかを明らかにするだけである。
しかし、その倫理的、哲学的意味や、その行為の価値というものは、その行為を行う主体の思いや行動、判断、思想など、全く違う原理によって、決まるのである。
人間の主体が決めるといってもいいかもしれない。
惑星は、何かを引き起こすが、それに対する人間の主観は全く自由であり、それをどう解釈するかとか、それを人生の中で、どう意義づけるかなどは全くその人の自由である。
ひたすら苦痛を避けて、悪い事が起こらないようにそれを事前に避けるように振る舞うこと、例えば、神経質に運命を調べて、悪い運命を避ける為のあらゆる開運的努力をすることなどは、病的であり、行動を萎縮させるので、あまり良いこととは思えない。
むしろ、悪いことが起こったとしてもそれは経験として必要なのであり、歓迎するぐらいでもいいのである。
もちろん、自ら不幸を招くような行動はしないが、自分の考えに基づいて何らかの行動を起こした結果、それが問題を生みだしたとしてもそのこと自体は全く問題ないのである。
シャロン・ストーンの困難の連続の人生を見て、そして、それが彼女にもたらした意義や効果ということを考えた時にそのように思うことができた。
シャロン・ストーンが非常に個性的な人生を歩んでいて、様々な豊かな人生経験を積んでいると思えたのである。
凡庸で、人生に何も起こらなかったということの方が問題である。
獅子座の典型
シャロン・ストーンのラグナは、獅子座プールヴァパールグニーであり、快楽主義であり、人生を直感的に奔放に楽しみながら、天真爛漫に快楽に従って、本能的に歩んでいるように思える。
しかし、金星が傷ついていることから、ラグナがプールヴァーパールグニーであることは、尚更、金星というものが彼女の人生を象徴するものとなっている。
B級映画の常連で、成功できないタイプで困難の連続であっても、ダシャーの良いタイミングによって、一発屋かもしれないが、自分が主役となって輝くような見せ場は生み出されたようである。
『氷の微笑』の配役は、まさに獅子座ラグナにとってのはまり役だったと言える。
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