百田尚樹について -『永遠の0』は魚座の献身、自己犠牲を表現した作品だった-



放送作家の肩書きを持ち、ベストセラー作家でもあり、右翼言論人として、度々、韓国、中国に対して、強硬な発言をする百田尚樹のチャートである。


2006年『永遠の0』で小説家としてデビューし、2012年の時点で、100万部が売れている。







その著作は、2019年12月の時点で、2000万部の大ベストセラーになっている。


出生図を12:00で作成すると、ラグナは牡牛座、月が双子座の29°54’で、プナルヴァスの第3パダとなり、ナヴァムシャの月も双子座となる。


然し、月が双子座であれば、リベラルな価値観を持つと思われる為、ウルトラ保守である百田尚樹は、月が蟹座側に在住していると考えられる。


時間を少し進めて月を蟹座側に移動すると、12:10位で、月は蟹座に移動し、ラグナは牡牛座となる。


また出生時間を23:59:59に設定すると、月は蟹座7°15’で、プシュヤとなり、ラグナは天秤座である。


つまり、もし百田尚樹が蟹座の月であれば、ラグナの取り得る値は、牡牛座~天秤座の6通りである。


そこで、百田尚樹が、2006年に『永遠の0』でデビューし、大ベストセラー作家となった時期は、マハダシャー金星期だが、金星期に作家になりそうなラグナはどこかという判断になる。


すると、双子座ラグナの可能性が浮上した。





双子座ラグナに設定すると、金星は5室支配で10室で高揚し、この時期に創造性を発揮して、作家として大舞台に立ち、有名になったことを説明できる。


(※但し、5室支配で10室で高揚する金星は、音楽家、演奏家の配置でもある:例、ラビ・シャンカール)


月ラグナから見ると、金星は4、11室支配で、9室で高揚し、3室(文筆)にアスペクトするが、9-11の絡みは、受賞したり、高い評価を受けて、作家であれば本がベストセラーになるような状況を表わしている。





魚座の金星が日本人の魂の琴線に触れた


因みに5室支配の金星が魚座で高揚する配置は、百田尚樹が著作に表わす世界観、作品の物語の質も表わしている。


デビュー作『永遠の0』は、第二次世界大戦中のゼロ戦の勇者の物語であり、仲間を助ける為に自分が犠牲になった男の物語である。


そのテーマは、自己犠牲、献身、家族愛などであり、まさに魚座のテーマである。





この作品が、100万部のベストセラーになったのは、自己犠牲、献身という魚座のテーマが日本人の心に深い共感を呼び起こすからである。



一方で、水瓶座というのは、魚座から見て12室目であり、魚座を損失する星座である。


従って、水瓶座の中には、魚座の自己犠牲、献身という美徳、その純粋な美しさを理解する要素は全くない。


第二次世界大戦で、日本を真珠湾攻撃に導いたのは、コミンテルン(共産主義インターナショナル)であり、アメリカの政府高官の中にソ連のスパイが多数いたことをヴェノナ文書が明らかにしている。


ルーズベルトは、ソ連のスターリンを同志と考えており、戦後の世界の統治の分担まで考えていた。


また外交問題評議会が容共主義で、第二次世界大戦後の共産圏の急拡大を推進し、アメリカとソ連が世界を二分する冷戦体制を作りだした。


こうしたコミンテルンと外交問題評議会は、水瓶座や双子座が象徴している。


日本の満州での勢力拡大、大国としての台頭を阻止する為にコミンテルンと外交問題評議会が連携して対日政策を行なったと言える。


つまり、第二次世界大戦とは、魚座の日本と、水瓶座の勢力(国際共産主義+外交問題評議会)との戦いだったと言える。



然し、占星術の原理として、魚座は水瓶座に勝ち目はないのである。


徐々に水瓶座に移行していく社会に対して、日本人の保守の中に根強い抵抗があり、古い佳き伝統、価値観に固執する傾向として現れている。


それで世界の右傾化の流れの中で、日本会議(神道連合)を背景に持つ安倍政権が成立する中で、百田尚樹が重用され、『永遠の0』が100万部のベストセラーになったと言える。


これは西欧世界において理性偏重、合理主義に対して、ロマン主義が勃興してきたことに比較できる。




ラブアタックへの出演と結婚


wikipediaやネット上の情報によれば、百田尚樹は、1976年~1979年の大学在学中に朝日放送の恋愛バラエティ「ラブアタック!」に10数回も出演している。

そして、その「ラブアタック!」の同窓会で、夫人と出会い、1986年前後に結婚している。







この時期は、マハダシャー水星期に該当するが、水星は1、4室支配で8室(結婚生活)に在住し、月から見ると、メディアの3室を支配して、7室(パートナー)に在住している。


従って、この時期、交際相手を求めて、何度も番組出演したことは、この8室に在住するラグナロードの水星で説明できるように思われた。


1985年は、山羊座8室に木星がトランジットし、蠍座から土星が山羊座にアスペクトして、8室や1室にダブルトランジットが生じ、月から7室にも生じていた。




金星期の作家としてのブレイク


2006年に『永遠の0』で小説家としてデビューした後、2012年には販売部数が100万部を突破している。





その間、金星/月⇒火星⇒ラーフ⇒木星と推移している。


つまり、小説家としてのブレイクは、金星が表わしている。





「殉愛」騒動

因みに2014年に百田尚樹は、関西で人気の司会者、ラジオパーソナリティーのやしきたかじんの最晩年を描いたノンフィクションを執筆したが、やしきたかじんの長女から出版差し止めと損害賠償を求める訴訟を提起された。


wikipediaによれば、長女は、「殉愛」の中で否定的に描写されたことや、やしきたかじんの未亡人が「無償の愛を注ぎ、相続においても何も求めず謙虚な姿勢を示してきたという作品の基調はそもそも事実に反する」と主張したようである。

それに対して、百田尚樹は、「たかじん氏の娘が出版差し止め請求の裁判を起こしてきた。裁判となれば、今まで言わなかったこと、本には敢えて書かなかったいろんな証拠を、すべて法廷に提出する。一番おぞましい人間は誰か、真実はどこにあるか、すべて明らかになる。世間はびっくりするぞ。」と発言して応戦している。





訴訟を提起された2014年11月21日は、金星/土星期であり、土星は8、9室支配で訴訟の6室に在住し、減衰するラーフとコンジャンクトして傷ついている。


然し、ラーフは6室で減衰して、敵を粉砕する配置であり、パラシャラの例外則によるラージャヨーガ的な効果を発揮しており、8室支配で6室に在住する土星は敵に対して強い配置で、ヴィーパリータラージャヨーガを形成している。





小説家引退

その後、2019年6月12日に百田尚樹は、小説家引退を宣言している。


この時は、金星/水星期だが、次のマハダシャー太陽期に向けたダシャーチッドラに入っている。


おそらく太陽期が近づくにつれて、小説家としての創造性は出し切ったと感じたのかもしれない。





そして、2021年11月現在、ダシャーは太陽期に移行している。


最近は、「百田尚樹チャンネル」というyoutube配信を行なっているようである。


この投稿は、2年前ぐらいに始まっており、ちょうど小説家引退を宣言した頃である。


太陽は、3室支配で、3室に在住する10室支配の木星と相互アスペクトしている。


太陽は3室にアスペクトバックして強い。


また太陽は金星と水星によって挟まれており、シューバ・ウバチャリヨーガを形成している。


このyoutube配信で、主に社会や政治についての言論活動を行っているように見える。




10室の支配星が3室に在住し、3室支配の太陽と相互アスペクトする配置は、放送作家として、テレビなど放送業界に携わって来たことを示している。


然し、放送作家の仕事は、放送における台本を量産する仕事であり、小説家としての活動よりも質が劣る印象である。


5室支配の金星期の終わりが、小説家としての活動の終わりを示し、3室支配の太陽が、ユーチューバーとしての活動をもたらしたと考えられる。





夫人とテレビ番組を通じて、知り合い、結婚したのは、7室の支配星が3室に在住し、3室支配の太陽と相互アスペクトして3室に強く絡んでいるからである。


そして、「ラブアタック!」に10数回出演し、それがプロデューサーの目にとまり、仕事を得ることにもつながったのは、10室の支配星が3室と強く絡んでいるからである。



百田尚樹のチャートについて見ていた所、双子座ラグナにすれば、『永遠の0』のようなゼロ戦の勇者を描いた自己犠牲の物語が、魚座で高揚する5室支配の金星の表現として説明可能なことに気づいた。



そして、双子座ラグナにすれば、月は蟹座でヴァルゴッタマになり、百田尚樹の右翼民族主義的な思想信条を理解することができる。



蟹座は個人主義であり、地縁、血縁などに強い執着を示し、家族を大事に思うが、自分の身内と外部の者との間に障壁を築くパーソナリティーである。



百田尚樹の本がよく売れるのは、日本が水の星座(魚座、蟹座、蠍座)で表される国であり、保守の国だからである。



日本には、西洋世界が推進してきた合理主義、理性主義、リベラリズムなどは中々根付かない。





百田尚樹プロフィール


1972年(16歳) 高校進学 大阪府か奈良県へ引っ越し

1976年(20歳) 浪人を経て同志社大学法学部に進学(5年在籍した後、中退)

1976年~1979年 大学在学中に朝日放送の恋愛バラエティ「ラブアタック!」に10数回も出演した

朝日放送プロデューサー松本修に目をかけられ、放送作家となり、『探偵!ナイトスクープ』のチーフライターを25年以上に渡り務めているほか、『大発見!恐怖の法則』などの番組の構成を手がけた

1979年(23歳) 恋愛バラエティ番組「ラブアタック!」の同窓会で妻と出会う

1986年(30歳前後)結婚し、子供誕生

2006年『永遠の0』(太田出版)を発表し、小説家としてデビュー

2009年『BOX!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた

2012年10月15日付オリコン“本”ランキング文庫部門で『永遠の0』が100万部を突破(文庫部門では13作目)

2013年『海賊とよばれた男』で本屋大賞を受賞

2013年9月『週刊新潮』にて『フォルトゥナの瞳』を連載

2013年10月9日 第26回日本メガネベストドレッサー賞文化界部門を受賞

2013年11月11日~2015年2月28日 NHK経営委員(1期のみ務める)

2019年6月12日 小説家引退を宣言

2019年12月 著作の累計発行部数が2000万部を突破




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