マハダシャーの支配星をラグナとする技法について、インド占星術を行っている人であれば誰でも知っていると思うが、その重要度や優先度については十分な検討がなされているか疑問である。
例えば、先日のちょっとした出来事についての検証結果がある。
以前、某パーティに参加した時に配っておいた私の名刺を見て、連絡してきた人がいた。その人とホテルの喫茶店で待ち合わせをして会った時のダシャーが、金星/金星/太陽/金星/月であった。
その人は高齢の女性だったが、会った時のプラーナダシャーが
月期であったからか、喫茶店のテーブルを挟んで座っている場所がくつろいた家のような雰囲気で、和やかに話は進んだ。
高齢の女性は母親(4室、月)の雰囲気を醸し出していた。
会ったのが16:15前後だったが、18:00頃から金星/金星/太陽/金星/火星期にシフトしたのである。
プラーナ火星期にシフトして暫く経ってから、もう話も済んだのでそろそろ帰ろうかという時にその女性から、お土産を貰ったのである。また、その場のお茶代など出して貰ったのだが、
そうした細かい所もチェックポイントである。
そして、その後、某氏の誘いである学会に参加して、それの費用等を出してくれたのである。これも全く思いがけない贈与であった。
もちろん女性からお土産を貰ったときも別に何か貰おうとなんて考えていた訳ではないのだが、思いがけないタイミングでいきなり、贈与されたのである。
こうした出来事は小さなエピソードだが確かに8室の象意である。そして、これはプラーナダシャーの火星がラグナから見て8室の支配星であることで納得できる。
然し、過去のプラーナ火星期の検証では家を掃除したり、何か密室で力仕事をしたり、エネルギーを密室で費やしているような象意は多かったのであるが、物をもらえたりするような記録がそんなに多かった記憶がないのである。
従って、今回のプラーナ火星期にはっきりと生じた8室(棚からぼたもち的な贈与)の象意は、金星から見て4、9室支配の火星が8室に在住していた効果が大きかったと思われたのである。
従って、私は火星がラグナから8室の支配星であるということよりもむしろ、金星をラグナとした場合に金星から8室にラージャヨーガカラカの火星が在住している効果が、ラグナから8室の支配星であることと、同じかそれ以上に機能したものと思ったのである。
人が一生の間に起こる様々な出来事を当てるのにはダシャーラグナを使う必要があるのであり、それが意外にもかなり重要なのではないかと思うのである。
ラオ先生もダシャーラグナを使って様々なことを読み取れるというようなことを語っている。
もし出生のラグナだけで、あるいは月、太陽から見たダシャーの支配星だけを検討していたら、いつも結果は同じようなものになるはずであるが、人生の中のいろんな時期に様々なバリエーションが生まれるのはダシャーラグナが様々に変わることによって、同じダシャーの支配星の支配と在住が様々に変化するからである。そのようにして、人生の複雑さが得られているのである。
つまり、出生のラグナは最も重要ではあるのだが、ダシャーの支配星から見たラグナというのはそれと同じぐらいに重要であり、月や太陽から見た支配や在住よりも重要である。
そして、何か未来に起こる出来事を予言したいのであればダシャーラグナを使う必要があるのである。
例えば私は今現在、金星/金星/太陽期であるが、太陽は5室の支配星で最近、確かに私はセミナーに参加したり、学習の機会に恵まれている。そして、マハダシャー金星期で、2、7室支配の金星が5室に在住しているため、お金にも恵まれてきており、パートナーや娯楽というような象意も現象化してきている。
然し、ダシャーラグナの金星から見ると、アンタルダシャーの金星は3、10室の支配星であり、私は金星期になってから、安定した職を得て今までより仕事に熱中しているのは、むしろこちらに現われているのではないかという気がするのである。また3室の象意である短距離旅行の機会も多くなっている。
つまり、ラグナから2、7室支配で5室に在住している金星の象意と同じくらい、ダシャーロードの金星から見て、金星が3、10室支配で1室に在住していることで生じる3室、10室の象意も強く出てきているように思われるのである。
そんなことから考えると、今年の年末に金星/金星/火星期が訪れるのである。その頃に何か思いがけない、棚からぼたもちな収入や贈与があるかもしれないと今から期待しているのである。
今回の検証からするとおそらく金星/金星/火星期は期待をしていないタイミングで突然に何かをもらえたりするという象意であるが、然し、もうこのことを知ってしまったので金星/金星/火星期に何かをもらえることを私は既に期待している。
ダシャーロードをラグナとする技法の重要度について
2007.08.23
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