豊洲移転問題「都庁全体の責任」 石原氏会見 2017/3/3 15:52 (2017/3/3 17:01更新) 日本経済新聞 石原慎太郎元東京都知事は3日午後、築地市場(中央区)の豊洲移転問題について都内で記者会見した。石原氏は、1999年に自身が都知事に就任した時点で「豊洲移転は既定路線だった」と説明。東京ガスとの用地買収交渉は当時の副知事で側近の浜渦武生氏らに一任していたとして、詳しい経緯などは「報告も相談も受けていない」とするなど、従来とほぼ同じ主張を繰り返した。石原氏は冒頭、「都議会の百条委員会(の証人喚問)に呼ばれているが、それまで待てない。座して死を待つつもりはない」と強調。「行政の最高責任者として、移転を裁可した責任は認める」と述べる一方、「都庁全体の責任。議会も含めてみんなで決めたことだ」とも話した。 経緯が不透明だとの指摘もある豊洲の用地買収については「私は専門家ではない。つかさつかさの人が専門性を踏まえて判断し、上申した」と繰り返した。 豊洲の土地購入費の返還を石原氏に求めている住民訴訟で、「石原氏に責任はない」としてきた都の従来方針を小池百合子都知事が再検討する考えを示していることに対しては「衆知を集めたことに、個人の責任を問われるのはおかしい」と反発した。 豊洲移転を延期した小池知事の対応は「安全と安心を混同している。専門家が豊洲が安全だと言っているのに信用せず、無為無策で放置した」と厳しい口調で批判。「(豊洲市場のランニングコストに)余計なお金を使うのは理解できない。この責任は彼女にある」と指摘し、「小池さんは豊洲に移転すべきだと思う」と強調した。 |
会見で石原慎太郎が主張していたことは、以下の2点に要約される。
・豊洲移転は都議会も含めて皆で、決めたことであり、都庁全体の責任であり、個人的責任を問われるのはおかしい。 ・詳しい具体的なことについては副知事や側近、専門家にまかせていた為、自分は下から上がってきたことについて裁可せざるを得なかった。 |
石原慎太郎の「都庁全体の責任。議会も含めてみんなで決めたことだ」という主張は事実ではないかと思われる。
全体的な印象として、石原慎太郎は「部下にまかせていた」あるいは「覚えていない」といった主張により、語らないことにより嘘をついている印象であった。
「皆で決めたこと」という責任逃れの発言は、案外本音なのであり、それが都知事としての真実であったと考えられる。
おそらく都議会のドンと呼ばれる内田茂氏を初めとした自民党東京都連などの力が強く、彼らとの馴れ合いの都政の中で、彼らの利権に誘導されるがままに最もお金が動く政策が、都民や築地市場の人々の意向を無視して進められた印象である。
築地市場を豊洲に移転した後の跡地が、東京オリンピックの関連施設となるため、そこに巨大な利権が発生する。
つまり、豊洲への移転の利権と東京オリンピック関連施設建設の巨大な利権が発生するのである。
従って、自民党東京都連は何が何でも築地市場を豊洲に移転しなければならなかったのである。
因みに都議会のドンこと、自民党東京都連の内田茂氏が監査役を務める関連会社が、移転の工事とオリンピック関連施設建設工事を受注していたことが明るみになっている。
”都議会のドン”が役員の会社 豊洲新市場の工事も受注 週刊文春 8月16日(火)16時1分配信 都議会のドン”といわれる内田茂都議(77)が役員を務める会社が、築地市場の移転先となる豊洲新市場の電気工事を受注していたことがわかった。8月17日(水)発売の週刊文春で詳しく報じる。 東京都議会議員・内田茂都議(77)は、落選中だった2010年から地元・千代田区に本社を置く東光電気工事の監査役に就任。 東京都議会議員・内田茂都議(77)の所得等報告書、関連会社等報告書を総合すると毎年数百万円の役員報酬を受けているとみられる。 築地市場の移転を巡っては、自民党東京都連の幹事長だった内田茂都議(77)が都議会対策を仕切り、2012年3月、移転に関する予算案が都議会特別委員会で可決され、大きく進展した。 予算成立を受け、都財務局は豊洲新市場関連工事の入札を実施。 2013年12月、新市場の管理施設棟の電気工事を約37億9000万円で落札したのが、東光電気工事を中心とするJV(ジョイントベンチャー)だった。 東光電気工事は、複数の東京オリンピックの施設工事も受注しており、内田茂都議(77)が復活当選する2013年までは700億円前後だった売上高は、2014年には約1000億円へと急成長している。 地方自治法第92条の2では、地方議員が自治体の事業を請け負う企業の役員を兼ねることが禁じられている。 さらに、同法127条では、前項に違反した場合、議員を失職することが定められている。 「ただ、失職させるには、議会で出席議員の3分の2以上の同意が必要であると定められており事実上、空文化しています」(自民党都議) 東京都議会議員・内田氏、東光電気工事は以前、小誌の五輪施設受注に関する取材に対し、口利きを否定。 今回、豊洲新市場の受注について確認を求めたが、回答はなかった。 東京都の小池百合子新知事は、築地市場の移転問題について、選挙戦の最中に「一歩立ち止まるべきだ」と述べていた。 16日に築地市場、豊洲新市場を視察した上で、結論を出すとしており、決断が注目される。 (週刊文春2016年8月25日号『スクープ速報』より) |
つまり、石原慎太郎の「都庁全体の責任。議会も含めてみんなで決めたことだ」という主張は、私が一人で決めたんじゃなくて、内田茂氏や自民党東京都連の人々皆で推進したのであって、私は認可するしかなかった。
私だけが悪い訳じゃないというのが本音である。
但し、それについて裏で操っている責任のある人々の名前を上げることは出来ないのである。
せいぜい言うことが出来たのは、副知事で側近の浜渦武生氏に一任していたという一点である。
この副知事の浜渦武生氏が内田茂氏や自民党東京都連と共に築地市場の豊洲への移転を推進していたようである。
リーダーシップ(司令官)の表示体は火星である。
管理職、特に司令官となるような強い力を持つ人の責任は、創造的破壊を行なうことである。
築地市場について側近に一任して何をしているか薄々知っていながら自分は関知しないとする黙認の姿勢、下で決定したことに対して認可するだけの消極的態度は、リーダーシップを取る立場にある人の場合、大きな怠慢となり、逆に後から共犯者としての罪を問われることになることが分かる。
この場合、創造的破壊とは、築地市場の豊洲移転案件を白紙に戻すことであり、馴れ合いの人間関係を破壊することである。
これをするには、内田茂氏や浜渦武生氏や自民党東京都連との対立など様々な軋轢が生じるが、これが行えないと真のリーダーにはなれない。
そして、これを行なわなかった場合、後から巨大な責任が問われてしまう。
行動しなかった責任が問われてしまう。
石原慎太郎の全て部下に一任していて自分は関知しなかったという姿勢はそういう意味で、消極的な姿勢で行動しなかった責任が問われることになった。
このような馴れ合いの人間関係を破壊することが出来るのは、独裁者型のリーダーである。
小池百合子は最初からそのようなスタンスで都知事に立候補したので、この創造的破壊を行なえるのである。
因みに石原慎太郎は、私は以前、検証した結果、射手座ラグナに修正している。
今回、記者会見の場に引きずり出されたのは、現在、射手座から見た10室に木星と土星がダブルトランジットしているからである。
10室へのダブルトランジットはあらゆる人から知られ見られる大舞台を意味している。
今回の会見の注目度は非常に高く、かなりの人々がこの会見に注目したはずである。
こうした出来事は10室にダブルトランジットが生じているタイミングで起こることである。
そして、現在、おそらくマハダシャー水星期の最後のアンタルダシャーである水星/土星期なのである。
マハダシャーロードの水星は1、10室支配で10室で9室支配の太陽と9-10のラージャヨーガを形成している。
この太陽と接合する強い水星は都知事として4期の途中まで務めてきた長い政治活動を表している。
そして、マハダシャーの水星期が継続している為、彼の政治活動はまだ終わっていなかったのである。
今回の会見は、政治家としての活動が継続していることを表している。
そして、アンタルダシャーの土星期は非常に困難な時期である。
土星はマラカの2、3室支配で2室に在住し、6、11室支配の金星と5、12室支配で8室で減衰する火星からアスペクトされている。
マラカの土星期であるため、会見での石原慎太郎の話す姿は弱々しく健康状態の悪化を表している。
2、3室支配の土星が2室(スピーチ)に在住し、6、11室支配の金星や火星からアスペクトされている為、真実を語らない(虚偽を語る)姿勢として現れている。
3室支配の土星が6、11室支配の機能的凶星の金星や火星からアスペクトされているが、これは今回の会見でも記者たちから手厳しい質問が浴びせられたが、メディア(3室)から厳しい批判に晒されていることを表している。
マハダシャーロードの水星から見ると、土星は5、6室支配で5室で逆行して、3、8室支配の火星、2、9室支配の金星と相互アスペクトしている。
まず6室の支配星が5室に在住している為、築地移転問題において建設した豊洲に移転しない小池百合子が悪いの一点張りであったが、自分が正しく相手が悪いとする姿勢のマインドは、5室と6室が絡む場合に形成される。
思い込みが激しいマインドとなるのである。
石原慎太郎は、今回の会見の為、自宅を出る際に「果たし合いに出かける昔の侍の気持ち」と心境を語っているが、そうした思い込みも5室と6室が絡んでいるマインドから出ていると考えられる。
基本的に自分自身には全く非がなく相手が悪いという主観的なマインドである。
そして、3、8室支配の火星が5、6室支配の土星と相互アスペクトして、6-8の絡みが生じていることはマインドの混乱やメディアとの確執を表していると考えられる。
また2、3室支配の土星が逆行して、ラグナから10室にアスペクトしているが、10室では8室支配の月が10室支配の水星と接合している。
元々、太陽と月は8室を支配しても悪影響はもたらさないとパラシャラは述べている。(但し、ラオ先生は本当かどうか分からないと述べている)
この石原慎太郎の8室支配の月は敏感な中立ハウスであるとして考えると、バドラヨーガの水星と9室支配の太陽と接合しているので、それ程、悪い絡みは見られない。
然し、2、3室支配の土星が逆行して、10室にアスペクトし、8室支配の月と10室支配の水星の絡みにアスペクトしている。
従って、土星のマハダシャーやアンタルダシャーの時期に職務上のスキャンダル(8室)の要素が出て来ると考えられる。
石原慎太郎は、土星/土星期になった時、新井将敬の選挙活動を妨害(黒シール事件)し問題となっている。
そして、メディアからもこの時、批判を受けている。
これは土星が3室(メディア、マスコミ)支配で8室(スキャンダル)の支配星と絡む、10室と10室の支配星(行為)にアスペクトしているからである。
この事件は、保守系の人々からも批判を受け、政治スキャンダルに発展した。
また1995年4月の土星/火星期に突然の議員辞職を表明している。
土星期に議員辞職(中断、変化)していることから、土星は8室と8室の支配星にアスペクトし、火星は8室に在住している。
今回、会見があったのは水星/土星期で、土星は逆行して、10室に在住する8室支配の月にアスペクトしており、また木星と土星のダブルトランジットが10室と8室の支配星に形成されている。
従って、会見では苦しい責任回避の答弁に終始し、非常に歯切れの悪い行き詰まりの状況が示されていた。
石原慎太郎が会見で、「責任回避の答弁を繰り返した」ということ自体が、政治スキャンダルの一つと考えることが出来る。
石原慎太郎は、今回の会見や都議会への証人喚問へ呼び出されて苦しめられた後、2017年のいずれかの段階で、マハダシャーケートゥ期に移行するはずである。
そうすると、ケートゥは月、太陽から見て12室に在住し、4、7室支配で12室(隠遁)に在住する木星と接合している。
ケートゥ期になると引退して、静かに生活していく印象である。
ケートゥはラグナから見ても9室に在住して、ラグナロードで4室支配の木星と接合している。
この配置には苦悩が見られないため、石原慎太郎の豊洲移転の責任問題は、会見や都議会での証言という形で説明責任を果たした後、収束していくものと思われる。
但し、ケートゥ期はディスポジターの太陽が結果を表すため、太陽は9室支配で10室に在住し、10室支配の水星と接合している。
従って、今後も政治的な活動を継続し、また太陽が9室の支配星であることから、政府絡みの教育、啓蒙活動に取り組む可能性がある。
今回は、石原慎太郎の水星/土星期に噴出したカルマであり、土星に絡む火星や金星が全て2-8室の軸に在住しており、土星は5室支配の火星に8室からアスペクトされている。
5室は過去世の功徳を表し、2-8室の軸は先祖の深い因縁を表している。
今回の問題を石原慎太郎はコントロールできないのである。
それは8室が絡むため、長いものに巻かれる形で石原慎太郎に訪れた。
自民党都連の内田茂やその関係者との因縁から逃れられず、都知事としての権限も彼らとの関わりの中で制限されたかもしれない。
伝統的に全てに責任を取るリーダー不在の馴れ合い政治が日本の伝統である。
その馴れ合いの中に協調して適応するのであれば、それを壊すまでの権力は都知事にはなかったに違いない。
スケーブゴートとして会見に臨み、本来、関与した人物全てが裁かれるのを代表して、石原慎太郎がセレモニーとして裁かれた。
石原慎太郎の「都庁全体の責任。議会も含めてみんなで決めたことだ」という発言は、
「皆で決めたことで、私には権限がなかった。私がだけが悪い訳ではない。皆が悪いのである。」という叫びであった。
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