最近、私の身近で国際ロマンス詐欺に該当すると思われる事例が増えている。
例えば、以前、クライアントの方から、国際ロマンス詐欺の事例を伺ったが、知人の女性が、SNS上で連絡して来た外国の男性と結婚する約束をしたが、男性が行なっている事業への投資を頼まれて、自分の家を担保に2000万円など巨額の借金をして、男性に送金してしまったのである。
男性と実際に日本で会う日になって、男性は待ち合わせ場所に現れず、その代わりに行けなくなった理由などをメールで送ってきたというが、その後、暫くして、連絡が取れなくなったという。
それで、その女性は、借金を返済するか、毎月、家賃相当の金額を支払って、家に住み続けるかを迫られて、緊急の家族会議を開いたという。
そのクライアントの方は、その詐欺で騙されたことが発覚した直後の緊迫した家族の現場に立ち会ったのだという。
それ以外でも似たような話があり、国際ロマンス詐欺というカテゴリーに属することが疑われる事例を何例か、聞く機会があった。
グローバリゼーションが進行したせいで、世界のどこからでも比較的裕福で(裕福だった)、貯蓄などのある日本人の女性(男性)をターゲットに詐欺を仕掛けることが可能になっている。
最近、報じられたニュースでは、国際宇宙ステーションに勤務しているという外国人男性と知り合った女性が、その男性が地球に戻るためのロケット費用として、440万円を送金してしまったケースなどもある。
その外国人男性は、「日本に来て人生をスタートさせたい」「私が日本に着いたら結婚してくれませんか」「1000回言っても伝わらないけど言い続ける。愛している」などといったメッセージを送って来たという。
こうしたSNSを利用しない形でも、海外の男性と結婚している日本の女性は、男性との間で、金銭トラブルになっている方が多い。
男性側が様々な理由を付けて、お金を要求してくるのに対して、お金を貢いでいたが、その理由が全て嘘であったことが発覚した事例もある。
日本は、魚座、蟹座、蠍座など、水の星座の象意が強く、情に脆い為、日本の女性は、お金を簡単に送金してしまうのである。
結婚をすればバラ色の未来が開けると期待する女性の心理を悪用して、既に結婚したつもりになっている女性たちは、結婚というゴールの為に男性側の問題を解決してあげる為に簡単にお金を送金してしまうのである。
過去の記事で、サルパドレッカーナ(蛇のドレッカーナ)について言及しているが、サルパドレッカーナは、蟹座の第2、第3ドレッカーナ、蠍座の第1、第2ドレッカーナ、魚座の第3ドレッカーナである。
これらの象意の中でも、特に蠍座の第2ドレッカーナは、夫、配偶者による束縛という象意として現れる。
従って、蠍座の女性が、交際している男性と旅行に行こうと誘われて宿泊先で、女郎に売られて、男性はお金を受け取って、そのまま逃亡したなどといった残酷な物語が、昔からステレオタイプとして存在する。
最近も若い女性たちで、歌舞伎町のホストにはまって、高額なボトルを入れるなど何千万円も借金をして貢いだ挙句、その:借金を支払う為に自分も買春をするといった女性が増えているようである。
こうしたことは皆、感情による束縛であり、水の星座(蟹座、蠍座、魚座)、特にサルパドレッカーナが役割を果たしているのである。
人は皆、欲望があり、その欲望は弱点である。
それは人によって違うが、ロマンス詐欺というのは、結婚したいという願望を利用した詐欺であり、これにのめり込んでいる女性(あるいは男性)は、冷静になって、相手から騙されている可能性を検討することが難しいようである。
こうした国際ロマンス詐欺で、7500万円を騙されたことを告白して話題になっているのが、レディコミの女王・井出智香恵で、先日、Abema TVで、そのことでインタビューを受けている動画を見た。
早速、チャートを作成してみたが、過去の出来事など、種々検討した結果、おそらく、ラグナは牡牛座である。
漫画家としてのキャリア
牡牛座ラグナに設定すると、9、10室支配のヨーガカラカの土星が、3室(デザイン、執筆)に在住し、3室支配の月が、10室に在住することで、3-10の星座交換をしている。
従って、メディア、芸能に関わる仕事を表わしている。
井出智香恵の作品は、いくつかテレビドラマ化もされており、つまりは、テレビの映像作品の原作者でもあるのである。
そして、オリジナルなストーリーも手掛けている為、脚本家、作家の資質も備えている。
それは、2、5室支配の水星が10室に在住し、3室支配の月とコンジャンクトする配置の中で現れている。
つまり、10室と3室の星座交換、そして、3室の支配星と5室の支配星が10室でコンジャンクトする配置が、こうした業界で作品を創造する活動を表わしている。
ラグナロードの金星は、11室で高揚しており、高い評価を受け、自分のネームバリューで生きていく実力を表わしている。
11室から5室(創作)にアスペクトしている為、この辺りでも漫画家として、作品作りに励むような配置である。
8、11室支配で、8室でムーラトリコーナの座にある強い木星は、作品から巨額の印税収入が入ることを表わしているかもしれない。
井出智香恵は、今では売れっ子漫画家で、レディコミの女王と呼ばれるまでになったが、若い頃は、豊島園に就職し、働きながら、ひたすら漫画を描いたという。
そして、1966年に『ヤッコのシンドバット』(井出ちかえ名義、集英社『りぼん』掲載)でデビューしている。
1966年は、ちょうどマハダシャー土星期に移行した後の土星/水星期である。
つまり、上述したように土星は、9、10室支配で3室支配の月と3-10の星座交換をしていると考えれば、この辺りから本格的に漫画家としての仕事がスタートしたことを表わしている。
アンタルダシャーロードの水星も5室の支配星として、3-10の星座交換に絡んでおり、漫画家として、また作家として、活動したことを表わしている。
そして、土星期を通じて、順調に漫画かとしてのキャリアを積み上げていくが、30代の頃、新幹線で隣に座った男性と恋愛して、結婚し、夫の故郷である三重県に転居して3人の子供をもうけたという。
そして、wikipediaによれば、『夫はドメスティックバイオレンスや浮気、浪費が絶えず、妻の原稿料を奪って高級車や不倫相手に注ぎ込み、さらに妻の担当編集者を殴って漫画の依頼が一時途絶え、経済的困窮に苦しめられた』というのである。
そして、1990年代後半に夫の借金を引き受けて離婚している。
夫のドメスティックバイオレンスや浮気や浪費で苦労する
ちょうどこの夫に出会った頃は、30代ということは、1978年以降である。
ダシャーは、土星/ラーフ期以降であるが、土星は、月ラグナから見ると、1、12室の支配星で6室に在住し、1-6の星座交換をしている。
ここで、12室の支配星が6室に在住することによるヴィーパリータラージャヨーガを形成していることは、後々、細かい象意を考察する際に有効である。
土星は、蟹座のアーシュレーシャで、逆行し、蟹座の第3ドレッカーナで、サルパドレッカーナ(蛇のドレッカーナ)に在住している。
アンタルダシャーのラーフは12室に在住し、出費を連想させるが、ディスポジターの火星は、7、12室支配で、4室に在住し、7室にアスペクトバックしている。
この火星は、獅子座のマガーに在住しているが、この火星こそが、このドメスティックバイオレンスや浮気や浪費を繰り返した夫の表示体である。
12室を支配している為、この夫との交際では、非常にお金を出費するのである。
通常、牡牛座ラグナの方にとって、7室の支配星は同時に12室を支配しており、また蠍座ラグナの方にとっても7室の支配星は、12室も同時に支配している。
こうしたラグナの方々は、パートナー関係で、性的な関係(12室)にのめり込みやすく、また巨額な出費(12室)を伴うのである。
蠍座ラグナ、特にアーシュレーシャは、ホストやホステスのラグナであるが、これらの人たちが、パートナー関係で出費する金額は、桁が一桁や二桁違うのであり、通常の一般人の常識を超えているのは、この為である。
このマハダシャー土星期は、1982年までで終わるが、その後も1990年代後半まで結婚は続けているが、その間、ずっと水星期である。
水星は、牡牛座ラグナから見ると、2、5室支配で10室に在住している為、漫画家としての活動は順調に続けていたが、パートナーの7室から見ると、水星は8、11室の支配星であり、不労所得や、パートナーの財産の8室と収入の11室の支配星である為、この頃、パートナー、つまり、井出智香恵氏が稼いだお金で、羽振りの良い生活をしたことが分かる。
そして、1990年代末に離婚をしたというが、その時が、ケートゥ期に移行したタイミングである。
ケートゥは6室に在住している為、このタイミングで離婚が起こったのである。
しかし、ケートゥのディスポジターである金星は、1、6室支配で11室で高揚し、5室にアスペクトしている為、この頃になると、漫画家としての地位を確立したと思われる。
1990年代に『週刊女性』に連載され、嫁と姑の争いを描いた『羅刹の家』は『凄絶!嫁姑戦争 羅刹の家』としてテレビドラマ化された。更に同時期には推理アクション漫画『嫁と姑”超”名探偵』もドラマ化されている。 (wikipedia 井出智香恵より引用抜粋) |
1990年代に週刊女性に連載されたり、作品がテレビドラマ化されている為、水星期の後半ぐらいから、漫画家、作家として、メジャーになったことが分かる。
ケートゥ期、そして、金星期へ -漫画家としての地位の確立 -
そして、このケートゥ期、そして次の金星期において、漫画家として大成はしたが、恋愛などプライベートを充実させたいという欲望も出て来たと思われる。
金星はラグナロードだが、配偶者の表示体でもあり、理想主義の魚座で高揚して、恋愛の5室にアスペクトしている。
理想的な男性との恋愛を夢見るようなスタンスが出て来る時期である。
金星は魚座で高揚しており、女性ホルモン全開で、成熟した大人の女性として、男性との理想的な恋愛に辿り着きたいという願望が渦巻いているような時期かもしれない。
金星はトリシャダヤハウスの6室を支配して、6室は対人関係の欲望を表わし、お金の力で疑似恋愛なども買ったりできる力を表わしている。
情緒的で、官能的、恋愛に甘ったるく、盲目的な牡牛座ローヒニー
そもそも今回は、ラグナを牡牛座のローヒニーに設定したが、牡牛座は、五感の満足を満たすことを追求し、感覚の喜び、官能性を追求する星座である。
そして、月が高揚することから、情緒的で、ロマンティストであり、牡牛座のローヒニーなどは、恋愛に対して甘い情緒を抱きやすく、男性に対して、盲目的な恋愛感情に浸りやすいのである。
その異性などに対するスタンスが、しばしば甘ったるすぎると批判を受けやすい星座である。
例えば、好意を持った男性に対して、「どんな時も変わらぬ愛とか、永続する愛」といったテーマで、盲目的で、甘ったるいメッセージを口にするのが、ローヒニーである。
一方で、魚座の方は、理想主義者で、しばしば現実と理想が解離してしまう星座である。
現実よりも理想の方をリアルだと思ってしまう。
自分に白馬の王子様が現れると、夢見心地になりやすいのが、魚座である。
つまり、ラグナが牡牛座のローヒニーで、ラグナロードの金星が、魚座で高揚することで、非常に官能的で、恋愛に甘い願望を抱き、理想主義的な恋愛を夢見るパーソナリティーをもたらしたのである。
またローヒニーは、ダンス、歌、音楽、芸術、ドラマ、演技と関係するナクシャトラでもある。
そうしたパーソナリティーだからこそ、レディコミの世界で、女性たちが共感しそうな多くの作品を生みだすことが出来たと言うことも出来る。
国際ロマンス詐欺師たちは、こうした結婚願望を抱く女性の心理に熟知していたのか、井出智香恵をターゲットに選別し、複数人で、トラップ(罠)を仕掛けたようである。
レディコミの女王・井出智香恵が、ロマンティストで、官能的であり、理想的な結婚を夢見る願望の持ち主であり、それが弱点であることを熟知した上で、ターゲットに絞り込んでいたとすれば、悪魔的である。
最近は、銀行の口座情報やクレジットカード情報などの個人情報が、海外に漏えいしてしまう事件が後を絶たないが、そうしたことで高額所得者、資産家の住所、氏名、電話番号、メールアドレスなどが、こうした国際犯罪者、詐欺師たちの手に渡っている可能性が高い。
そうしたことで、高額所得の持ち主であるということで狙われた可能性が高いが、結局の所、詐欺で騙したり、騙されたりするのもチャートに描かれているのであり、カルマの発現である。
国際ロマンス詐欺に遭う
2022年1月、井出智香恵は、国際ロマンス詐欺に遭ったことを告白しているが、2018年春頃からおよそ4年に渡って、SNS上のやり取りで、トータルで、7500万円を送金したという。
相手は、アメリカの有名俳優マーク・ラファロを名乗る男で、SNS上で知り合い、海外でも有名であった井出智香恵の源氏物語を友人に勧められて読みファンになったと主張したという。
そして、実際にSNS上で、カメラを使って、顔を見せ合うような局面では、最近、進歩してきたAIによる画像生成技術を使ったのか、実際に本人が話しているように見えたという。
井出智香恵によれば、マーク・ラファロという田舎者風のハリウッドスターからのオファーだったから心が動いたのであり、ブラッド・ピットではそうはならなかったとのことである。
マーク・ラファロが出演したいくつかの作品を見たことがあるが、確かにマーク・ラファロは、少しダサい感じのする田舎臭い俳優で、洗練されたハリウッドのトップスターといった感じではない。
こうした二流の俳優が、既に国際的に有名になっていた井出智香恵にアプローチをしたという、あり得なくもない状況に騙されたと考えられる。
この辺りは巧みであり、ブラッド・ピットのような一流俳優だったら、連絡してくるはずがないと考えてしまったはずである。
金星/土星期 -王が乞食になるか、乞食が王になるかのタイミング-
この2018年春からの4年間は、ちょうど金星/土星期から金星/水星期にまたがる時期で、その大部分は、金星/土星期である。
この金星/土星期は、王が乞食になるか、乞食が王になるかのタイミングであると言われているが、娘と共に借金までして、7500万円を送金した井出智香恵は、明らかに王から乞食に転落したと考えられる。
この金星期は、金星をダシャーラグナとすると、魚座ラグナで、土星が、11、12室支配の機能的凶星となる。
私は以前から、魚座ラグナにとっての11、12室支配の土星の働きについて研究しているが、収入の11室と出費の12室を同時に支配する土星は、これまで稼いだお金を一夜にして失うような象意を持っており、災害的、破滅的(disastrous)な損失をもたらす時期である。
そして、魚座は水の星座であり、献身的で、無償の奉仕をしてしまう星座である。
ナチュラルゾーディアックでは12室の象意を持っており、自己犠牲で、損失する方が板についている星座と言ってもいいかもしれない。
魚座で高揚する金星は、ウッタラバードラパダー(土星)に在住し、ナクシャトラの支配星が、土星である為、これは11、12室支配で、蟹座のアーシュレーシャ、蟹座の第3ドレッカーナ(サルパドレッカーナ)に在住する土星を活性化することがよく分かる。
ダシャー解釈の原則では、この場合、マハダシャーロードの金星が、アンタルダシャーロードの土星のナクシャトラに在住していることから、この場合、アンタルダシャーロードの土星が、優勢に結果を与えるはずである。
つまり、11、12室支配で、5室に在住する土星の象意がこのタイミングで噴き出したのである。
11室は願望成就のハウスであり、強い願望を表わしているが、12室は海外を表わしており、そして、5室は恋愛、ロマンスを表わしている。
11、12室支配で、5室に在住する土星は、ロマンス詐欺で、巨額の損失を被る配置を表わしている。
ヴァラーハミヒラのブリハット・サンヒター(占術大集成)によれば、アーシュレーシャには、「毒」とか、「蛇」とか、「他人の財を盗むもの」といった否定的な象意が見られる。
7 アーシュレーシャー宿には、商品、根茎、根、果実、虫、蛇、毒、他人の財を盗むもの、籾のある穀物、すべての薬草が、 (占術大集成(ブリハット・サンヒター)〈1〉古代インドの前兆占い (東洋文庫) ヴァラーハミヒラ (著), Varahamihira (原著), 矢野 道雄 (翻訳), 杉田 瑞枝 (翻訳)より引用抜粋) |
そして、サルパドレッカーナは、蛇を表わしており、蛇は狡猾で、悪意のある存在の象徴で、前世からの深い否定的なカルマによる束縛の象徴でもある。
従って、それが金星/土星期に噴き出して来たのである。
マハダシャーの金星自体は、11室で高揚して、漫画家としてのキャリアの絶頂にいて、海外にまで名前が知られるほどの高い評価を表わしている。
しかし、金星の質や、細かい所をチェックしていくと、こうした否定的な象意が浮かび上がってくる。
ヴィーパリータラージャヨーガ -転んでもただでは起きない-
しかし、井出智香恵は、昔から、弱い女性が負けたまま終わらせないことを作品のポリシーにしているようである。
それは彼女の生き様にも反映されており、例えば、ドメスティックバイオレンスや不倫、浪費が激しかった元夫への憎悪はドロドロしたレディコミの演出にも役立ち、共感した読者からも感想や体験談が発行元編集部に殺到したという。
つまり、夫との間の酷い体験は、その後の作品作りの中でのインスピレーションとなり、また読者の共感が殺到して、ブレイクして、損失を埋め合わせた感じもあるのである。
井出智香恵は、月ラグナから見ると、ラグナロードで12室支配の土星は、6室に在住し、6室支配の月と、6-12の星座交換をして、ヴィーパリータラージャヨーガ(逆転のラージャヨーガ)を形成している。
弱い女性が負けたまま終わらせないという彼女のポリシーは、ヴィーパリータラージャヨーガによって、実際の自分の人生にも当てはまる傾向かもしれないのである。
そして、今回の国際ロマンス詐欺で騙された件においても、その後、2022年1月に告白した結果、テレビの取材につながって、知名度が上がり、またこの詐欺の体験は、『毒の恋』として、2022年に漫画化したほか、「世界の何だコレ!?ミステリー」で本人のインタビューと共に再現ドラマ化されたという。
つまり、転んでもただでは起きないのであり、完全に取り戻したとは言えないまでも、ある程度、その体験をネタにして、取り戻した様子が見て取れる。
これこそが、ヴィーパリータラージャヨーガなど二重否定の効果ではないかと思われる。
・土星/ラーフ期・・・・ドメスティックバイオレンス、不倫三昧、浪費家の夫との出会い ・金星/土星期・・・・・マーク・ラファロに成りすました男から国際ロマンス詐欺で金を騙し取られる |
彼女は土星期にパートナー関係で酷い目に遭っているが、これを元にして、取り戻す象意もまた土星期に生じているのである。
金星をラグナとした場合の恋愛運
因みに金星をダシャーラグナとした場合にそこには金星期の恋愛運がはっきりと示されている。
まず、魚座の金星から見て、7室支配の水星が12室に在住しており、遠距離恋愛を表わしている。
そして、5室支配の月が12室に在住し、11、12室支配の土星が5室に在住して、5-12の星座交換をしているが、これは海外への投資とか、恋愛による出費とか、色々な意味に取ることが出来る。
また7室支配の水星が、この土星と月の星座交換に接続しており、11、12室の象意と強く結びついており、火星のアスペクトを受けて傷ついている。(これがパートナーによる出費の象意である)
また星座交換によって、5-11の絡みも生み出している。
また11、12室支配の土星は、6室支配の太陽と相互アスペクトして、6-11、6-12の絡みを生み出している。
この金星をラグナとして見た時に6-12室の軸に水星、月、火星が集中し、チャンドラマンガラヨーガも形成されており、肉食系で、かなり積極的にSNS上の恋愛をしたようにも見える配置である。
また5-11室の軸で、11、12室支配の土星と6室支配の太陽が相互アスペクトしている配置も、機能的凶星同士、敵対惑星同士の絡みで、5-11室の富の軸が損なわれている。
ナヴァムシャ
ナヴァムシャを見ると、金星は月から見て、7室支配で6室で減衰しており、火星からのアスペクトを受けている。
金星が6室で減衰している為、パートナーを粉砕する配置でもあり、自分の目下のパートナーとの交際という象意も見られる。
これは自分が優位な立場に立てる田舎者の相手を選んだことに現れている可能性も考えられる。
金星が減衰していることから、本質的に恋愛に対して奥手で、小心な、自信のない面も見られるのではないかと思われる。
12室のラーフ
12室のラーフは、あまりダシャーに登場して来ないが、これも海外での出費など、否定的な象意を持つ重大な配置である。
ラーフのディスポジターが、7、12室支配の火星である為、土星/ラーフ期に元夫と出会ったということだが、そもそも新幹線の中での出会いということが、12室のラーフ的な出会いであり、怪しげな出会いであったと考えられる。
新幹線は密室(12室)であり、またどこか地方など、遠方(12室)へ行く為に乗っていたのではないかと思われるが、通常、12室のラーフの時期は、あれもこれもやりたいが何をしてよいか分からないといった悶々とする時期で、心が落ち着かない時期である。
そして、そのラーフに対して、8、11室支配の木星がアスペクトし、そして、ディスポジターの7、12室支配の火星にもアスペクトしている。
この8、11室支配の木星は、機能的凶星で、ムーラトリコーナの座にあって強いが、悪意を持っている。
従って、この木星がラーフや火星にアスペクトしてもあまり良い象意として現れないのである。
6-8のナクシャトラ交換
この木星は、ムーラ(ケートゥ)に在住し、ケートゥは、ヴィシャーカー(木星)に在住している為、木星とケートゥは、6-8のナクシャトラ交換をしているようである。
マハダシャー金星期は、金星が魚座に在住している為、ディスポジターの木星の象意を経験する時期であるが、この木星は、射手座のムーラで、ムーラトリコーナの座にあり、非常にパワフルだが、悪意を持っていて、ちょうど、資産家を調べ上げて、国際ロマンス詐欺を仕掛けるようなパワフルな詐欺師の表示体と言ってもいいかもしれない。
こうした8、11室支配の木星が、ラーフや火星にアスペクトすることで、出会うパートナーが非常に悪意を持っていて、金を騙し取るような悪人として現れたと考えられる。
従って、このラーフと火星と木星のモクシャハウス(4、8、12室)でのトライアングルが、非常に否定的な注目すべき配置である。
モクシャハウスが凶星や凶ハウスによって傷ついている場合は、自発的な自分の意志ではない強制的な解脱を表わしており、自分が望まない形で、無理やりカルマの解消をさせられることを意味している。
そのように考えると、元夫との出会いも、国際ロマンス詐欺師の犯人との出会いも普通の人には分からない何らかの意味や理由があったかもしれないのである。
このように見て来て、レディコミの女王・井出智香恵は、金星/土星期に巨額のロマンス詐欺事件に遭うカルマがあったと考えられる。
アンタルダシャーロードの土星は、サルパドレッカーナで、マハダシャーロードの金星も土星のナクシャトラであるプールヴァバードラパダーに在住し、結局、サルパドレッカーナに在住している。
今、「井出智香恵」で検索すると、国際ロマンス詐欺に遭った件や、元夫のDVの話など、多くの記事がヒットし、また複数の取材動画が、youtubeなどでも見られることが確認でき、世間的に非常に目立っており、注目されている。
これは、牡牛座ラグナから見て、10室に土星がトランジットしている為である。
井出智香恵は、レディコミ界の橋田壽賀子と言うべき人で、ドロドロした人間の確執などを描くのが得意であるが、それはチャートのこうした惑星配置に基づいているようである。
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