プーチンの今 2
2022.03.01
ロシアとウクライナが停戦交渉に入ったが、双方の主張がかみ合わず、交渉の成立には至らなかった。
その間、着々とロシアはキエフへの侵攻を進めている。
キエフへ向かう道路が64Kmに渡って、ロシアの軍用車両の列で埋め尽くされているとニュースが報じられている。
ここで、ウクライナには、本当にネオナチがいて、親ロシア系住民に対するジェノサイドが起こっていたのか、その辺りが勉強不足であった為、オリバー・ストーン監督の『ウクライナ・オン・ファイヤー』という作品を視聴した。
そもそもウクライナでソ連の圧政に苦しんでいた人々はソ連に進撃するナチスを解放者として迎え、積極的に協力者となった歴史があり、そうした人々の残党が、アゾフ連隊という義勇兵の集団となり、ウクライナ内務省管轄の国家警備隊に採用されているようである。
オリバー・ストーンは、以前から『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』などの作品で、アメリカの歴史を批判的に捉えている。
あるいは、『オリバー・ストーン オン プーチン』といったプーチンに密着取材したドキュメンタリー作品も撮っている。
これらの作品を通して、ロシア側の言い分や、カラー革命で打倒された政権の指導者の言い分などにスポットを当てている。
オリバー・ストーンの論旨は、東欧や中央アジアで起こったカラー革命というのは皆、パターンが同じで、アメリカのCIA(ネオコン)がNGOなどを通じて、民衆に資金援助をするなどして、人工的に起こした革命だったということである。
それでウクライナのオレンジ革命(2004年)もアメリカの関与が疑われ、民主主義を求めるシンボル的市民の犠牲者さえも意図的に作り出された可能性が疑われている。
然し、そうした謀略は本当だとしても、おそらく民主主義を求める国民の声は元々あったのである。
アメリカのCIAなども何も民衆の間に民主主義に対する要望や期待がない所では何も工作活動出来ないと思われる。
アメリカのユダヤ系金融資本家の利益というのは、資本主義、民主主義体制であってこそ、確保されるため、その国を市場化する為に西側体制に組み込みたいのである。
だから社会主義体制を革命で民主主義体制にすることは、自由を希求するまともな一般市民の要望であり、グローバル金融資本家の要望でもあり、利害が一致している。
中東のチュニジアのジャスミン革命で始まったアラブの春もfacebookで民衆によって広げられた純粋な革命運動だったが、そこにもCIAが暗躍したというのは、有名な話である。
大事なことは、民衆の西側の民主主義体制に対する望みがあり、それで、アメリカがそれを利用して、工作活動を仕掛けたということである。
アメリカが全く何も要望のない所に入り込んで行って、西側の民主主義体制を売り込んだ訳ではないのである。
バラ革命(2003年)、チューリップ革命(2005年)にしても民衆の独裁政権による不正選挙への嫌悪や民主主義への要求が、起こした革命で、やはり、歴史的に見て、社会主義体制は、生産が上手く行かない為、経済的に国民の生活に不満が出るが、その不満を抑え込む為に独裁的な中央集権的な官僚機構、秘密警察などによって監視体制を敷き、また不正選挙に手を染めないと維持できないのである。
プーチンのロシアは、そうしたカラー革命の手法を使って、どんどんNATO加盟国を増やしてきたアメリカの上手いやり口の中で、劣勢に立たされていて、西側諸国になびいてゆくウクライナを止めることが出来ず、ついに軍事力を使って、力づくで、ロシア側陣営に引きとどめ、核兵器で世界を脅す所にまで追い詰められたということである。
ロシアの独裁体制には民衆として何も魅力がなく、西側諸国の民主主義体制の中には、選択の自由があり、またNetflixやfacebookなど、シリコンバレーが生み出すような魅力ある文化で溢れている。
ロシアはソフトパワーで負けており、戦車は作れても自動車一つ作れないという所で、ソ連の時代に既に西側に敗北していたと言える。
それをプーチンの時代に少し盛り返して、西側に完全に敗北し、飲み込まれてしまうのを遅らせることには成功したが、大きな流れの中では、西側に飲み込まれていくという流れとなっている。
それをプーチンが、最後のあがきで、核兵器などを誇示して、必死に抵抗しているのだ。
現にプーチンは、国内のSNSを使えなくしたり、反戦運動などを厳格に取り締まらなければ体制を維持できないという所で、大衆のニーズを満たしていないのである。
主権国家は常に平常時から戦争を行なっており、アメリカのCIA(ネオコン)が、東欧や中東に革命を起こして、独裁政権を倒し、民主主義陣営に組み入れるための謀略が行なわれている。
然し、それでも民衆は、独裁体制よりも民主主義体制の方が、まだましなのではないかと思う。
グローバル金融資本家による新自由主義で格差が開き、分断が生まれていることもよくないが、軍事独裁などで、民主主義がなく、不正選挙や汚職がはびこるような社会もよくない。
因みに独裁者が有能であれば、新自由主義の横暴から国民を守ることは可能である。
オルガリヒを排除したりして、国民の国富が海外に流出しないように防ぐことが出来る。
然し、独裁者は、独裁者で居続ける為に民主主義を否定し、不正選挙や汚職に手を染め、国民の言論や反対運動を厳しく取り締まることになる。
結局は、独裁者は、国益を促進し、国民の富を増やすことも出来るが、汚職で、自分の富もしっかりと蓄える。
プーチンが宮殿を所有している話も有名になっている。
やがて、今回のプーチンのように独裁者の頭がおかしくなったとしても誰も独裁者を止めることができない。
特に今回のウクライナ侵攻という判断は、核兵器で脅すしかアメリカに対抗することができないぐらい追い詰められたことを表している。
そこまで追い詰めたアメリカにも責任がある。
スピ系の人々は、プーチンはディープステイトと闘う英雄で、今回のウクライナ侵攻は、ウクライナに潜伏するハザールマフィアを討伐する為だというのである。
ハザール・マフィアというのは、ネオコン(CIA)に資金援助を受けたネオナチということになるのだろうか。
それは本当かもしれないが、然し、プーチンは独裁者であり、独裁者には独裁者で居続けたいという欲望があり、自分の欲望から行動しているだけである。
アメリカと戦うのは、それが自分の安全や利益につながるためであり、国益と自分の利益が一致しているのが、独裁者である。
だから単純に英雄として理想化していいのか疑問である。
民衆のために行動している訳ではなく、自分の為に行動している。
改めて、プーチンのチャートを見て、思ったのは、プーチンは最近、リベラル派の悪意に晒されていたのではないかということである。
国際政治学者の三浦瑠麗のチャートでプーチンと同じように8、11室支配の水星が12室に在住する配置を思い出した。
三浦瑠麗は、江の島の帰り道で、ワゴン車に誘拐されて強姦されたという過去があり、それはマハダシャー水星期に移行した後の水星/金星期であった。
三浦瑠麗の場合、8、11室支配で12室に在住する水星期は、このように酷い体験をもたらしている。
また三浦瑠麗は、SNSを通じて、友好的でないリベラル派からの悪質な攻撃を受けている。それは以前の記事に詳しく書いている。
その他に三浦瑠麗は、北朝鮮の工作員が、米朝開戦になった場合、日本でテロ活動を開始するリスクについて発言すると、北朝鮮メディアが三浦瑠麗を名指しで批判するといった出来事も経験している。
とにかく、8、11室支配の水星期というのは、悪意でいっぱいの人物からの攻撃に晒されるのである。
特に三浦瑠麗の場合は8、11室支配の水星が12室に在住し、さらに6室支配の火星から傷つけられていたからだと思われるが、プーチンも似たような悪意に晒されているのかもしれない。
「NATOのリーダーたちが攻撃的な発言をしている」として、核抑止力部隊を厳戒態勢に移すよう命令している。
あたかもプーチンに対して偏見でいっぱいの西側指導者たちの悪意に晒されているかのような発言である。
こうした似たような配置から類推すると、プーチンの心理状態が明らかになってくる。
プーチンがマハダシャー水星期になってから、NATOへ加入したいゼレンスキー政権の動き、NATO加盟に向けてのアメリカの動きが活発化して来たのかもしれない。
特にバイデン政権になってから、バイデンが「プーチンは人殺しだと思う」と述べた発言あたりから、アメリカとロシアの関係が急激に冷え込んだことも関係しているかもしれない。
プーチンがバイデンと会談した時、いつもは会談に遅れて到着するプーチンが、先に着いて待っていたという場面も報じられた。
あたかも自分よりも強い相手に対して緊張しているかのような振る舞いである。
ウクライナの独立を推し進めてきたバイデンは、プーチンにとって自分を追い詰めようとする侮れない相手なのかもしれない。
バイデンのラグナロードの火星が12室に在住し、同じように8、11室支配の水星とコンジャンクトする配置は興味深いが、ラグナロードが天秤座に在住している配置からは、プーチンの8、11室支配の水星の表示体となっている。
一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領のチャートを見ると、双子座に木星が在住し、2-8軸で星座交換し、ダナヨーガを形成している。
これは明らかに西側諸国の金融資本家から利益を得られるような配置である。
例えば、西側各国が次々と武器や支援物資の提供を申し出ているのを見ると、棚から牡丹餅の8室の象意が強いことから来ていると分かる。
こうした緊急時だけでなく、平常時からこうした金融資本家からの支援が受けられやすい配置なのだと思われる。
5室の支配星が8室に在住し、8、11室支配で双子座に在住する木星と星座交換している配置からすると、西側の資本主義の価値観にかなり染まっていて、分かりやすく言えば、ユダヤ系金融資本家、フリーメーソン、新世界秩序グループ(世界政府の樹立を目論む)に完全に従う人物である。
また蟹座に月と火星が在住していることを考えると、愛国民族主義者であることも分かる。
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