もう少し単純化してヒラリークリントンの出馬と選挙結果について考えてみたい。
ヒラリークリントンは、夫であるビルクリントンの大統領就任に伴い、ファーストレディーとなった時、マハダシャーは金星期だった。
金星は月から3、8室支配で8室に在住している。
また7室支配の水星も8室に在住であった。
従って、8室が強調されており、夫からの贈与として棚から牡丹餅的にファーストレディーとなった。
金星から見ると10室に土星と火星が在住しており、彼女はファーストレディという立場を利用して、医療制度改革などに奔走したり、政治力を大いに振るった。
ファーストレディーの頃のハードワーカーぶりはよく知られている。
マハダシャー土星期になると、ヒラリークリントンはバラクオバマと選挙で戦い、敗れた後、バラクオバマの要請を受けて、国務長官に就任した。
月から見ると太陽は6室支配で8室で減衰しており、ヴィーパリータラージャヨーガを形成し、特別な法則で、ラージャヨーガ的に働く配置である。
※惑星が3、6、8Hで減衰するか、3、6、8Lが減衰する場合、特別な法則でラージャヨーガ的に働く
この太陽が月から8室でこれらのヨーガを形成しているためにマハダシャー太陽期を通じて国務長官を務めた。
太陽から見ると10室に土星、火星が在住しており、やはり国務長官としての仕事は激務であり、彼女がいつも疲れた様子であったのはテレビのブラウン管を通して確認できたと思う。
彼女はマハダシャー太陽期の終わり頃、国務長官の一期目にして”女性が政界にいることの辛さ”を吐露して退任した。
そして、現在、マハダシャー月期である。
月期は金星期や太陽期のように夫やライバルから贈られる便宜やポジションを利用することは出来ない。
然し、彼女のチャートは本来、そのように棚から牡丹餅的な立場を利用して、政治を行うスタイルなのであり、それが彼女のカルマなのである。
マハダシャー月期には2Lの月が10室に在住しており、初めて彼女は他人のふんどしを借りるのではなく、自分の力でポジションを得なければならない。
それは可能だろうか?
ヒラリークリントンは10室支配の木星が6室に在住してケートゥと接合しており、自分よりも目下の存在(6H)に奉仕する法律家(lawyer)である。
彼女の本職は弁護士であり、教師、カウンセラーである。
月/ラーフ期に彼女は我慢できなくなって選挙に打って出たが、今年の11月に月/木星期に入る。
大統領の仕事というよりも教育者の仕事の配置にしか見えない。
9-10室のダルマカルマラージャヨーガを形成し、ケートゥが識別力をもたらすので、よい教育者、奉仕者になりそうである。
10室の支配星の時期なので、確かに彼女は大舞台に立つことは間違いない。
但し、オバマに負けた時、太陽/ラーフ期だったが、D10の配置は、太陽、ラーフ共に6室に在住している。
太陽もラーフも凶星で、6室に在住しており、太陽はラグナロードなので支配星としての質は高い。
今回は月/ラーフ期であるが、月もラーフも太陽/ラーフ期と同じように6室に在住している。
然し、月は12室支配で6室に在住しており、ウパチャヤの吉星である。
従って、太陽よりも条件が悪いのではないかと思われる。
D10は10室の象意を拡大した分割図であるため、D10に表れた吉凶は重視しなければならない。
従って、ヒラリークリントンの選挙戦は厳しいのではないかと思われる。
現在、月/ラーフ期で、ラーフのディスポジターが金星で金星が太陽と接合しているので、政治的な立場を求めているのではないかと思われる。
然し、月/木星期になると、月からみて木星が1、10室支配で9室に在住し、ケートゥと接合している。
従って、彼女は精神性とか学問とか、真理を求めるはずである。
しかもそれは微細なものである。
この木星は火星を支配星とするアヌラーダに在住しており、アヌラーダの支配星は土星である。
また木星には太陽、金星、水星など全く絡んでいない。
従って、ヒラリークリントンは今年の11月頃には、別人のようになってしまい、選挙に興味を失うのではないか。
通常、ラーフ期から木星期への移行は、憑き物が落ちたように別人のように変化するのである。
考え方とか生き方が変わる人が多い。
今年の11月頃、木星は獅子座をトランジットし、土星は蠍座から獅子座にアスペクトし、獅子座にダブルトランジットが生じるが、獅子座はラグナから3室、月から6室である。
全く強くないハウスにダブルトランジットが生じている。
もし木星が2016年の夏頃に乙女座に移動すれば、乙女座から木星が10室にアスペクトし、蠍座から土星が10室の支配星に接合する。
従って、10室へダブルトランジットが生じるが、10室にダブルトランジットが生じたからといって大統領になれる訳でもない。
私の予想としては、彼女は11月以降に大統領選から離脱して、その代わりに大学教授とか法律家に戻るのではないかと思うのである。
ヒラリークリントン出馬について その2
2015.04.15
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