先日、芸能誌FLASHを立ち読みしていたら、中野裕太というタレントがいることが分かった。
何でも「ニーチェを超える天才」というフレーズで売り出しているらしく、3歳の頃、ジョン・スチュアート・ミルの「自由論」を読み、精神の自由がないと親に訴えたという。また小学2年で論語を読み、小学3年生の時にニーチェの「悲劇の誕生」と出会ったという。
また小学時代は両親の教育方針が厳しく9歳まで毎日勉強させられたようである。
またイタリアやアメリカに留学した経験もあり、日本語・英語・フランス語・スペイン語・イタリア語の5ヶ国語を話すことができ、早稲田大学を特待生で入学し、主席で卒業しているという。
チャートを作成して、そうした経歴を見ていると、中野裕太のラグナは、直ぐに分かった。
彼は双子座ラグナである。
根拠としては、語学がそれ程までに堪能であるからには5室にケートゥが絡んでいなければならないのである。
ケートゥは天秤座に在住しているので天秤座を5室に持ってくると、ラグナが双子座である。
これだけである。
そうすると、ラグナロードで4室支配の水星が5室に在住して、1‐5室、4-5室のラージャヨーガが形成され、水星は友好星座で強く、その水星にケートゥが絡んでいる。
水星は教育の表示体であり、またコミュニケーション、知性の表示体である。
その水星が5室で強い配置でラージャヨーガを形成して、ケートゥと絡んでいる。
このことが早熟な知性を表わしていたと思われる。
双子座ラグナに設定すると、生まれた時は水星/金星期付近であり、既に生まれた時から水星期であったため、それで知的に早熟で、哲学などの書物に触れることが出来たのである。
そして、その次は1998年から2005年までケートゥ期である。
ケートゥは水星と絡んでいるため、ケートゥ期も質の高い教育を受けたり、語学に堪能になったのはこの期間と言えるかもしれない。
実際、高校時代にアメリカに留学し、大学時代にイタリアのミラノ大学に留学しているが、高校時代はケートゥ期である。
5室にはケートゥと水星が在住しているが、そこに更に冥王星が在住している。
冥王星は力を与え、関係する象意を極限まで高めるため、従って、単に2ヶ国語を話せるといったレベルではなく、平均的な語学力をはるかに凌駕している。
それではニーチェを超えたというフレーズについてはどうだろうか。
ニーチェの知力は5室に在住する自室の木星と対向の乙女座で高揚する水星が相互にアスペクトする配置から来ている。
ギリシア、ローマの豊富な古典の知識と、古典文献学の分析的な能力が花開いたものだ。
中野裕太は、水星が5室で強いため、分析的能力には強いのだが、おそらく木星が絡まないので、おそらく、古典の知識をそれ程、持っていない。彼の才能は主にケートゥとの絡みで語学力の方に向かったと思われるのだ。
ニーチェを超えたというのはタレントとしての売り出し文句である。
ここまで真剣に検証する必要もないのだが、中野裕太の早熟な知性というのは本物であり、特に語学力については相当のものを持っているというのはおそらく本当で、嘘偽りはないのである。
然し、ニーチェを超えることはそう簡単には出来ないのであり、これは、ちょっとしたお遊びだといえよう。
18歳で高校生だとすると、高校に入学したのが2003年であり、高校時代はケートゥ期であったが、2005年から金星期が始まっている。
中野裕太は大学在学中に友人の紹介でモデル事務所オフィス夏に入所し、大学4年生の時にアルベール・カミュに出会い、役者を志した(wikipedia)とある。
大学時代はおそらく2006年ぐらいから始まっているため、マハダシャー金星期である。
金星は5室支配で3室に在住して、火星と接合している。5室は演劇、舞台のハウスであり、3室はメディア、映像、パフォーマンスのハウスである。
従って、モデル事務所に所属して、役者を目指したというのは理解できる。
wikipediaによれば、2010年11月号『Numéro TOKYO』で、篠山紀信撮影によるヘアヌードが掲載されたとされている。
モデルとしての活動が何故か、過激にセクシャルな方向性に向かっているのは何故なのか。
それは金星に6、11室支配の火星が在住しているからである。
金星が性的なハウスである12室の支配星で、火星が欲望を表わす6室や11室の支配星で、トリシャダやドゥシュタナの絡みが生じている。
金星と火星の絡みはセクシャルな絡みである。
この絡みについては高岡早紀と全く同じで、彼女がセクシャルな作品が多いのと全く同じ理由によるものである。
然し、高岡早紀の場合は金星と火星の絡みが5室で生じている。中野裕太の場合は3室で生じている。
高岡早紀が日本アカデミー賞を受賞したこともある本格的な女優であるのに比べて、中野裕太がただのモデルでタレントであるというのは、このハウスの違いによるものである。5室の方が格が上であり、創作、創造的芸術に関わるのは、5室なのである。
3室はモデルとしてメディア媒体に露出したり、タレントのようにメディア媒体に露出することを表わすが、創造的活動にはなりにくい。
だから演劇とか舞台というのは創造的活動であり、それらは5室の象意である。単に雑誌やテレビに出演するというのは媒体で大衆の目に消費されるだけでそこに芸術性は見られないのである。
また実際、中野裕太は俳優としての仕事をしているのではなく、「ニーチェを超えた天才」という名前で売り出しているタレントである。
俳優かタレントかの違いが5室と3室の違いである。
現在、彼が主にタレントとして、バラエティー番組に出演しているというのは彼の金星が3室にあるためである。
双子座ラグナに設定した時のダシャーバランスだと、マハダシャー金星期になると同時に中野裕太がモデル事務所に入所して、役者の世界を志しているため、おそらく、双子座ラグナで間違いないのである。
彼は高校時代が、ケートゥ/土星期 ⇒ ケートゥ期/水星期だったため、高校時代は留学などして質の高い教育に触れ、勉学に務めていたことが分かる。
然し、大学時代には金星期に移行しているので、芸能界というものとの縁が出来始めたといえる。
また金星は3室に在住しているため、この時期から遊びを覚えたと言うことが出来る。
少なくとも、今の中野裕太は、タレントであり、哲学者ではない。
ニーチェは西洋近代科学を生み出したプラトンから始まる形而上学の流れ、進化、進歩、真善美という人間精神の営み、キリスト教という価値観を全く逆転させた天才であり、非常に知的にタフで、エネルギーに溢れた哲学者である。その本質は力であり、彼の意志の力が、既存の価値観を受け入れることに逆らったと言える。
そのような哲学者を超えることはそう簡単には出来ない。
それを「ニーチェを超えた天才」といった軽さで、売り出し文句に採用するのは、おそらく3室金星の芸能タレントのセンスなのである。
今、中野裕太は間違いなく、3室に在住する金星期である。
しかしながら、中野裕太の語学力や哲学的な才能、早熟な知性といったものは本物である。
渡辺謙も英語の特訓をして、その英語力により国際派俳優として認められたが、双子座ラグナで、ラグナロードの水星が5室に在住することはコミュニケーション能力を非常に高めるようである。
また彼の演技力、表現力は5室に水星、太陽、火星が在住して、5室が強いことから来ている。
中野裕太も今は、タレントかもしれないが、おそらく2021年~2024年の金星/水星期には、俳優としての大きな仕事が出来るのではないかと思うのである。
水星は5室に在住して11室にアスペクトし、金星からみて2、11室支配で3室に在住している。
11室が絡む時は高い評価を受ける時である。俳優としての高い評価を受けられるのは、おそらくその時である。
この時、土星が8室から5室にアスペクトし、木星は9室から5室にアスペクトして、5室にダブルトランジットが生じ、更に翌年、木星が10室に入室して、土星が10室にアスペクトすることで10室にダブルトランジットが生じる。
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