シンプルで美しいジャイミニ占星術のロジック

先日の日曜日に沖縄の友人にジャイミニ講座をしてもらったのだが、
ジャイミニのチャラダシャーを計算するプロセスを実践して、また彼女の経験を色々話してもらい、非常に有意義な勉強会であった。

その中でガンジーが何故、早婚なのかジャイミニのチャラダシャーを使って説明するくだりがあった。

実際、ガンジーの早婚についてチャラダシャーで説明するロジックは明快であり、非常に鮮やかである。

それは非常に簡潔で美しい。

Gandhi_chart

ガンジーは13歳で結婚しているが、天秤座ラグナにDKが在住し、ラグナロードの金星が自室に在住しているため、
12年経過した後、次の蠍座にはUPが在住し、DP、DKNがアスペクトしているため、結婚したのだという、この論理は明快で美しい。


この同じロジックが、iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授についても当てはまる。

20歳の時に高校2年時(17歳)から交際していた知佳夫人と結婚しており、典型的な早婚タイプである。

YamanakaShinya_chart

乙女座ラグナでラグナロードの水星が自室で高揚しており、最初のダシャーが12年、次の天秤座のダシャーも支配星の金星が自室に在住しているため、12年である。

天秤座にはDKの金星が在住し、DKNと、UPがアスペクトしているので、天秤座の時期に結婚したのである。

この場合もロジックは明快である。


山中伸弥教授のラグナついては、私は過去の経歴を用いて、パラシャラ方式を主に用いて、ダシャーの検証と時刻修正を行ない、結婚時のチャラダシャーについても検討して確認はしたが、補足的に用いたに過ぎない。

パラシャラ方式で過去の経歴を時間をかけて検証した結果、乙女座ラグナであると結論を出したが、

もしジャイミニに精通した人であれば、ジャイミニだけでも、ラグナを乙女座であると確信できるかもしれない。


これはパラシャラ方式でもジャイミニ方式でも言えることであるが、ダシャーを手計算で出さなければ本当の意味で、
ダシャーシステムに精通することが出来ないのである。


例えば、チャラダシャーを手計算で導くことに精通していれば、最初のチャートの一瞥で、ラグナや2室(あるいは12室)に惑星が集中している配置が、チャラダシャーの流れから見て、人生の始まりに色々なイベントが集中して起こったことを示している。

その中にDKやUPといった結婚を表わすパラメーターがあれば、結婚もその時期に起こった可能性を示唆している。

この論理はシンプルで明快であるが、チャラダシャーをラグナから順番に手計算で出していなければ、こうした発想は生まれてこない。

これはヴィムショッタリダシャーについても言える。


ジョーティッシュの学習の当初は、様々なチャートを見て、ジョーティッシュの法則を身につけたいため、
チャートはソフトで出してしまうのが手っ取り早い。

この段階では計算ばかりして、チャートを出すのにあまりにも苦労しすぎると、チャートを読む楽しみが失われてしまう。

そして、法則についての学習が捗らなければ、ジョーティッシュそのものへの興味が失われてしまう。

然し、ある程度、ジョーティッシュをマスターした後はむしろ、手計算による学習が必要になると言える。

それは学習の過程で、一つの学習の壁というものにぶち当たるからである。


つまり、ジョーティッシュというものは、チャートの惑星配置やダシャーやトランジットを計算するその過程自体が、そのシステムの一部である。

何度も計算を繰り返してチャートを出力したり、ダシャーを計算すると、ジョーティッシュマインド、あるいは、ジョーティッシュ脳と呼べるような思考の回路が形成されるのである。

こうしたプロセスを繰り返して訓練されたマインドは、チャートを見た瞬間に様々なことに気づき、より深い鑑定を可能にするのである。

こうした計算を繰り返すことによって得られたマインドは、いつチャートを見たとしてもその中から何らかの洞察や発見を導き出すことが出来る。

それに比べれば、ソフトを使って、チャートを描いてからの分析というものは、内容的に乏しいものになる。

こうした非常に切れ味の鋭いジョーティッシュマインドを形成することが最終目的とするならば、計算はなるべく自分で暗算で行うべきなのである。

ソフトを使ったとしても、惑星の支配と在住を調べて、それをラグナ、月、太陽から繰り返し、ポジションやアスペクトやコンジャンクションを何度も繰り返して見ていれば、それなりに頭の中で、惑星やラグナ、トランジットの惑星の操作が可能になる。

然し、更にチャートそのものを天文暦で作成し、ダシャーも手計算で導き出せば、更に質の高い、マインドが形成されるのではないかと思われる。


私も日頃は時間もないのでソフトで計算してしまうのだが、そうすると、今後、能力は更に伸びていかないのではないかと感じている。

それが学習の壁である。


年がら年中、頭の中で計算を繰り返している人だけが得られる思考の回路を頭の中に作る事が重要である。

そうした計算を繰り返すことによって、直感(直観)というものが降りて来ると、ラオ先生も言っている。


ジョーティッシュ学習の壁を破り、更にスキルアップするには面倒で避けたい計算を繰り返さなければならない。

そのため、私の今後のセミナーなどでは、出来るだけ、手計算で、チャートを出力したり、ダシャーや分割図を導き出す訓練を行うような内容にしていくつもりである。

 


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