石原慎太郎は、再度、トランジットで検証してみて、やはり射手座ラグナで正しいと分かった。
以前、検証した際にはナヴァムシャのラグナまで追求してはいなかったが、政治家である為、10室に太陽が在住している配置が相応しいと思い、獅子座ラグナに設定していた。
石原慎太郎が亡くなったのは、2022年2月1日で、ダシャーは、ケートゥ/木星期であるが、アンタルダシャーの木星は、傷ついたラグナロードであるが、出生図では特にマラカと絡んでいる訳ではなく、9室に在住しており、このタイミングに亡くなったようには見えない。
実際は、ケートゥ/土星期に亡くなったのではないかと思われた。
何故なら、土星は、射手座ラグナにとっては、2、3室支配のマラカで、マラカの2室に在住し、マラカの6、11室支配の金星と相互アスペクトして、更に火星からの傷を受けて激しく傷ついているからである。
またケートゥから見ても土星は、6、7室支配のマラカである。
ケートゥ/土星期は、2022年4月16日に始まるため、これをもう少し早めて、少なくとも亡くなった2月1日には、ケートゥ/土星期が開始しているように修正する必要がある。
その為にナヴァムシャのラグナを蠍座に移動すると、2月1日はケートゥ/土星期に含まれた。
ナヴァムシャのラグナを蠍座もしくは射手座に移動すると、2月1日がケートゥ/土星期となる。
死去当日に長男の石原伸晃が会見にて、石原慎太郎が、膵臓癌を患っており、闘病していたが、2021年10月に再発していたと明らかにしており、死因は膵臓癌であったようである。
膵臓の表示体は木星で、一部は金星が担っているが、マハダシャーのケートゥは木星を傷つけている。
アンタルダシャーの土星は、マラカの2、3室の支配星で、マラカの6、11室支配の金星と相互アスペクトし、膵臓の表示体である金星を傷つけている。
更に火星がこれらの土星や金星とコンジャンクションやアスペクトして傷つけている。
トランジットの土星は現在、この石原慎太郎の2、3室支配の土星の上を通過しており、マラカの土星がリターンして、アンタルダシャーロードの土星とコンジャンクトし、このマラカの象意が顕現するタイミングになっている。
従って、石原慎太郎は、ダシャーの解釈で、ケートゥ/土星期に亡くなったと考える方が納得できる。
それでは、ナヴァムシャのラグナは蠍座か、射手座のどちらになるかだが、いくつかの過去の出来事のタイミングを見て検証すると、蠍座ラグナではないかと思われる。
例えば、ラグナを蠍座に設定すると、結婚したのは、1955年12月で、ラーフ/水星/金星期であり、マハダシャーのラーフとアンタルダシャーの水星は7室に在住し、プラティアンタルダシャーの金星は7室の支配星である。
因みに結婚した相手の女性とは、母同士が知り合いだった関係で出会い、結婚したということで親同士の縁が介在する見合い結婚に近かったことが分かる。
wikipediaによれば、石原慎太郎は、阿川佐和子との対談で以下のように述べている。
「まあね、面倒臭いからしちゃったんですよねえ。今でいうラブホテルから二人で出てくるのを親戚に見つかって、おっかないおばあさんにいいつけられちゃった(笑)。それで、呼びつけられて“切れるか結婚するか、どっちだ?”って言われて、しょうがないから”結婚します”って決心しちゃったのよ(笑)」と述べている。 (wikipedia 石原慎太郎より引用抜粋) |
このように結婚にお互いの親が介在する場合、8室が絡んでくるが、アンタルダシャーの水星は8室の支配星で7室に在住していることから、こうしたエピソードが発生したことが分かる。
因みにこの同じ時期に『太陽の季節』が『文學界』に掲載され、第1回文學界新人賞を受賞し、東宝の入社試験にも合格し、助監督としての内定を得ている。
このように受賞経験や入社試験に合格して、入社の資格を得ていることから、11室が強いことが想定されるが、蠍座ラグナであれば、アンタルダシャーの水星が、8、11室支配で、9室支配で高揚する月とコンジャンクトすることで、9-11の強力なダナヨーガを形成している。
マハダシャーのラーフはやはり7室で高揚し、9室支配の月と10室支配の太陽とコンジャンクトして、ラージャヨーガを形成し、その上で、9-11のダナヨーガを形成する11室の支配星と絡んでいる。
従って、蠍座ラグナに設定すれば、このタイミングで受賞した理由が説明できる。
然し、射手座ラグナにすると、ラーフと水星は6室に位置することになり、6室は離婚の配置である為、このタイミングでの結婚が説明出来ない。
仮に結婚した場合でもあまり長続きする円満な結婚とはならないはずだが、石原慎太郎は、晩年に至るまで円満な結婚を持続させている。
そして、蠍座ラグナであれば、5室支配の木星が11室に在住して5室にアスペクトバックし、高揚した金星と相互アスペクトする為、この配置が、作家としての才能を表している。
もし射手座ラグナに設定すると、5室支配の火星が11室に在住し、5室にアスペクトバックするが、強い火星は、マーケティングや営業の才能や知識を表わすとしても、文学的な素養や古典の知識などを与えることはない為、射手座ラグナでは作家としての石原慎太郎を説明することができない。
石原慎太郎は、亡くなる前のケートゥ期において、『新解釈 現代語訳 法華経』という本を出版し、仏教の経典に対する素養を示している。
この辺りの知的関心は5室に木星の影響がなければ、出てこない特徴である。
また石原慎太郎が、東京都知事に四選して、12年以上都政の長の立場にあったのは、主にマハダシャー水星期である。
前回記事で、東京都知事に出馬したのは、常に11室にダブルトランジットしていたタイミングであることを説明したが、水星は、8、11室支配で、9室支配で高揚する月とコンジャンクトして、9-11のダナヨーガを形成し、10室支配の太陽とコンジャンクトすることで、それで政治家として行政の仕事に携わったことが説明できる。
11室の支配星が強い状態にあったからこそ、水星期を通して、東京都知事の地位を維持できたと考えられる。
因みにナヴァムシャのラグナを蠍座に設定すると、ダシャムシャは獅子座ラグナになるが、水星は2、11室支配で2室で定座に在住し、ラグナロードの太陽とコンジャクトして、1-2、1-11のダナヨーガを形成している。また5室支配の木星からのアスペクトを受けている。
従って、水星期を通して、東京都知事の役職に留まったのである。
但し、ダシャムシャでは水星は2室に在住して、2室に惑星集中している。
通常、2室は、起業のハウスであり、起業家が自分のビジネスを行なうハウスである。
石原慎太郎は、東京都知事在職中に自分の息子たちに仕事を発注したりして、都政を私物化しているとする批判があった。
また石原慎太郎が進めたプロジェクトとして、新銀行東京を設立して、そこから審査の緩い融資で、都民の500億円の税金を経営状態がよく分からない会社にばら撒いた。
これが回収不能となって、新銀行東京、別名「慎太郎銀行」は、154億円の赤字を計上した。
年商5億円以下の中小・零細企業を対象に、わずか3日間の審査のうえ、無担保無保証融資を行う甘いビジネスモデルで、多くの融資が焦げ付いたのである。
これは都知事の権限を利用して、銀行を設立し、好き放題に都民の税金を融資するという、石原慎太郎の個人ビジネスである。
このように都政を私物化したことは、このダシャムシャにおける2室への惑星集中に良く現れていると思われる。
それでは、子供の誕生は、サプタムシャで説明できるかということになるが、ナヴァムシャのラグナを蠍座に設定すると、サプタムシャのラグナは、双子座となり、ほぼ子供の誕生のタイミングを説明することが出来た。
例えば、第一子(石原伸晃)は、1957年4月19日のラーフ/水星期に誕生している。
ラーフは、5室の支配星とコンジャクトし、水星はラグナロードでラグナに在住している。
第二子(石原良純)は、1962年1月15日のラーフ/太陽期に誕生しているが、太陽はラグナに在住し、ラグナロードとコンジャンクトしている。
第三子(石原宏高)は、1964年6月19日のラーフ/火星期に誕生しているが、火星はラグナにアスペクトしている。
表示体の木星から見ると、5室の支配星である。
第四子(延啓)は、1966年生まれで、木星/木星期に誕生しているが、木星は子供の表示体で、ラグナにアスペクトしている。
従って、蠍座ラグナでサプタムシャは説明できる。
当初、ナヴァムシャのラグナを獅子座ラグナに設定していたが、獅子座ラグナだと、サプタムシャのラグナが、魚座になってしまい、子供の誕生のタイミングが説明出来ない。
従って、石原慎太郎は、出生図のラグナが射手座プールヴァアシャダー第4パダであり、ナヴァムシャのラグナは蠍座、ダシャムシャのラグナは獅子座、サプタムシャのラグナは双子座ではないかと思われる。
但し、こうした結果が出てきたものの、石原慎太郎のナヴァムシャが、蠍座ラグナであるとは直感的には分かりにくい。
然し、理詰めで、可能性を狭めていくと、この結果しか考えられなかった。
この結果は、今後も更に様々な過去の出来事のタイミングを使って、検証していきたいと思っている。
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