大王製紙元会長・井川意高と言えば、106億円をカジノで“溶かして”会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕され、4年の実刑判決を受けた人物として有名である。
最近、youtubeに盛んに露出して、また自身のカジノ狂いを懺悔した著作『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録(双葉社)』や堀江貴文との共著『東大から刑務所へ(幻冬舎)』、『熔ける 再び そして会社も失った (幻冬舎) 』などを出版し、ギャンブル狂いで、106億円を溶かすといった誰もしたことがない経験を売りにして、社会復帰を果たしている。
この井川意高の出生のラグナを検討した所、太陽ラグナで上手く説明出来るようであり、蟹座ラグナの可能性もあることが分かった。
材料としては、大学3年生の時に東京大学ヨット愛好会で出会った井川陽子夫人と結婚し、40歳の時に離婚していることである。
その間に3人の子供をもうけたが、興味深いことに離婚後も表面上はそのままで、刑務所にいる間も元夫人は家にいたという。
刑務所から出る直前に元夫人は近所のアパートに引っ越して、土日に長男のご飯を作る為に井川意高の家を訪れているという。
離婚した後も腐れ縁が続いていることは一つのポイントである。
堀江貴文らと親しくしており、会社から金を借りて、それをギャンブルにつぎ込んで、逮捕収監されている辺りは、自由奔放に自己中心的に生きる蟹座のリバータリアニズムを感じさせる。
大学3年生の時は、21歳頃で、1985年頃だが、ちょうどマハダシャー土星期に入った直後の土星/土星期である。
蟹座ラグナであれば土星は7、8室支配で8室に在住し、この時期に結婚したことが分かる。
また離婚した40歳は、2004年頃だが、ちょうどマハダシャー水星期に移行した直後であるが、蟹座ラグナであれば、水星は3、12室支配で2室に在住している。
水星は12室の支配星で、7室から見た6室の支配星で、8室に在住している。
12室の支配星は7室から見た6室の支配星である為、このタイミングで離婚したことが分かるが、直ぐに関係が切れて絶縁するのではなく、その後も表面上は同じままで、家に住み続けたり、子供のご飯を作りに井川意高の家に訪れている辺りは、7室から見た6室支配の水星が8室に在住しているからかもしれない。
蟹座ラグナから見てもラグナロードの月が7、8室支配の土星と8室でコンジャンクトしており、こうした配置の人物は、パートナーとは離婚しても完全に縁が切れずに腐れ縁が続いていくのである。
井川意高は、マカオのカジノでの賭けで巨額の借金を被り、借金返済と更なる賭け金のために大王製紙の子会社7社から2010年に約23億5,000万円、翌2011年4月からの半年間に約60億円を個人的に借り入れている。
この時がちょうどマハダシャー水星期の後半に差し掛かった頃で、水星/火星、水星/ラーフ期辺りなのである。
アンタルダシャーの火星やラーフに注目である。
まず、マハダシャーの水星は3、12室支配の水星で、2室に在住していることから、これは海外で、巨額の出費、損失を被り、実家の井川家の家族全員を巻き込むことを表わしている。
結局、莫大な借金を返す為に井川家が7割以上保有していた大王製紙株を北越紀州製紙に全て売却する等して自己破産せずに全額返済したのだが、一家の資産を全て、蕩尽し、井川意高の父親も取締役の弟・井川高博も解任され、井川家は、大王製紙から追われることになったという。
これは水星が3、12室支配で、両親、家族、財産の2室に在住し、8室支配の土星からアスペクトされている為である。
3室は食欲、性欲、睡眠欲のハウスであり、ギャンブルという娯楽に興じて、それで、一家の財産を蕩尽してしまったということである。
これは会社は三代目が潰すとよく言われるが、宗教的に言えば、一家の罪穢れを解消する為に三代目の放蕩息子が、使われたということかもしれない。
カルマ的にそのように解釈されるパターンに当てはまっている。
この井川意高が、ギャンブルに狂った配置は、蟹座をラグナとした場合の12室に在住するラーフ、金星、火星の配置である。
このラーフ、金星、火星の配置は、狂人を生み出す配置であり、狂った色情などももたらす配置である。
12室の火星は巨額の資金を海外のカジノに注ぎ込むエネルギーを表わし、4、11室支配の金星が12室に在住している為、財産、収入を海外のカジノに注ぎ込んだことを示している。
ラーフはそうした配置に更に油を注いで、過激にする役割を果たしている。
井川意高は、精神鑑定で、ギャンブル依存症だと診断されているが、自身もギャンブルで味わった”脳髄が痺れる感覚”を味わいたくて、ギャンブルにはまったと述べている。(実際、資料として抜粋したインタビュー記事では、その辺りのことが詳細に語られている)
通常、双子座は株式市場や為替市場などで、これらも広義の意味で、現在の賭博場である。
もっと直接的なものがカジノであるが、本質的には同じである。
そこに巨額の資金を投入して、全て”溶かした”というのは、この双子座12室に在住する火星、金星、ラーフで表わされている。
また12室の火星、金星、ラーフは、六本木などで夜毎に酒宴して藤原紀香などの女性タレントや田丸麻紀などのモデル、熊田曜子などグラビアアイドルらと派手に広く交流していたことを表わす配置でもある。
借金返済と更なる賭け金のために大王製紙の子会社7社から2010年と、2011年4月からの半年間に約60億円を個人的に借り入れた時のアンタルダシャーが、火星期やラーフ期であったことが注目である。
この頃、カジノに狂って、やめられなくなっていたことがよく分かる。
2013年6月26日に最高裁判所が、執行猶予なしの懲役4年の実刑判決を確定し、社会復帰促進センターに収監されている。
井川意高の場合、病気と認定されて、普通の刑務所ではなく、アルコール依存症などと同じような扱いで、社会復帰センターに収監されたようである。
そして、2017年6月に刑期満了して、社会復帰した直後にマハダシャーケートゥ期に移行するが、ケートゥのディスポジターは6、9室支配で10室に在住する木星である為、自身の経験を元に社会的に発言をしたり、提言をするような活動をし初めている。
木星はメディアの3室支配の水星にアスペクトし、月から3室に在住している為、メルマガや出版という形で、自己表現するようになったことが分かる。
井川意高は、以下のように週刊文春のインタビューの中で、今までの人脈や経験を活かして、できる範囲で人助けができたらうれしいなと思っていますと述べている。
そして、現在は、経営者の時の経験を活かして、知り合いの会社のコンサルティングをしているという。
――最後に今後の目標を教えてください。 井川 経営者をやっていたのでいまはその時の経験を活かして、知り合いの会社のコンサルティングをしています。そうやっていままで自分が築いてきたもので、周りの人の役に立てることがあるならそれをやっていきたいなという感じですね。 経営者をやっているときは「自分のことは自分でやれよ」と思ってたんですが、刑務所に入ったらいろんな人が心配してきてくれて。その時に「ああ、人に頼っていいんだな」と思ったんですよね。それから、人に何か頼まれても「いいですよ」と言えるようになったんです。人に助けられるのも、助けるのもいいものだなって。だから自分も今までの人脈だったり経験を活かして、できる範囲で人助けができたらうれしいなと思っています。 (「人間って遊園地の1日券を持って生まれてくるようなものだと思うんです」 カジノで106億円失った大王製紙元会長が“絶望しなかった”ワケ 井川意高インタビュー #2より引用抜粋) |
これは明らかにケートゥのディスジターの木星が、9室支配で10室に在住している効果である。
双子座12室のラーフ、火星、金星
この双子座12室に在住するラーフ、火星、金星がギャンブル狂いをもたらしたということは、一つの知識として覚えておくべきである。
仮にラグナが間違っていたとしても太陽ラグナからきちんと機能している。
また仕事運を見る場合、表示体の太陽をラグナとして見たりするが、井川意高は仕事とプライベートがあいまいで、子会社7社から巨額の金を個人的に借り入れたというのは、会社の立場を利用したということでもある。
従って、太陽ラグナから見た時に会社の金をギャンブルに使い込んだことも現れたと考えることもできる。
私自身、太陽が蟹座のプシュヤに在住しており、12室に土星、水星、ケートゥが在住しているためか、FXや仮想通貨などで損失を出したことを考えると、非常によく理解出来るが、ポジションを取った時の興奮状態、そこで利益が出た時の興奮状態というのはよく分かる。
それが忘れられない経験となり、損失してもそれがもう一度、味わいたくて、何度でもお金が無くなるまではまってしまう心理状態もよく分かる。
ラーフ、火星、金星のコンビネーションであれば、より過激な表現となったであろうことは理解できる。
ギャンブルをした時の脳髄の興奮状態を味わいたいという激しい欲求を表わしているような配置である。
行動主義心理学の研究などで、レバーを押したネズミに報酬を与える実験などでは、報酬を得られたネズミは、報酬が得られなくてもいつまでもレバーを押し続けることが分かっている。
一番、強固に条件付けが生じるのは、不定期に報酬が与えられる場合であり、その場合、ネズミは報酬がない時でも、レバーを押す行動が弱まっていく度合いは少なく、ずっと押し続けることが確認されている。
またギャンブル依存症の人にインタビューすると、報酬そのものには関係なく、ギャンブルしている時の自分を忘れて夢中になっているその無の状態が味わいたくて行っているという報告もある。
双子座は風の星座であり、臭いや触覚といったより物質的原始的な快楽ではなく、マインド内の興奮や刺激、スリルといったより抽象的なものを求める星座であり、その辺りが関係していることは明らかである。
非常に興味深いことだが、井川意高は、収監されていた間にディーラーと文通して、限定版のフェラーリなど20台ぐらいの車を買い、それを渋谷のセルリアンタワーの地下駐車場に止めて、1台辺り8万円、計100万円の駐車代を支払っていたが、結局、車に乗るのが楽しかったわけではなく、刑務所内で「車に乗ってどこにいってみようか」と考えている時間が楽しかったんだと振り返っている。
つまり、12室双子座のラーフ、火星、金星は、現実的な五感に直結した楽しみを求めているというよりも脳内の刺激を求めていたということである。
一つ言えることは、蟹座ラグナで、12室双子座に惑星集中している場合、株式投資やFX、カジノといった分野で、巨額の損失を出す典型的な配置である。
大王製紙元会長・井川意高氏の今
今の時世なのか、井川意高は、特別背任で実刑判決を受けたが、カジノ(バカラ)で106億円を溶かした伝説を作った男として、今では尊敬さえされている。どんな分野でも”普通”や”平均”を飛び抜けて逸脱した人物は、人々の尊敬を集める。
また借金は結局、井川家の資産である7割の株式を全て売却することで返済し、最終的には問題解決している。
王様のように自分の会社の子分である子会社から金を借りて、ギャンブルで負けたが、確かにそれは犯罪というよりも病気である。
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