ホイットニー・ヒューストンが亡くなったそうだ。ニュースが伝えている。
以前、ケビンコスナーと共演した『ボディーガード』を映画館に見に行った記憶があるが、
あの時のホイットニー・ヒューストンは歌唱力は素晴らしく、命を狙われる歌姫という役どころもよく、
映画のテーマソングも良かった。あの頃が一番、輝いていたのではないかと思われる。
然し、その後の活躍などはあまり見ていなかったが、再び、週刊誌などで見たのは、大麻など薬物中毒や夫のドメスティックバイオレンスで、変わり果てた姿だった。
アストロデータバンクによれば、彼女の出生データは、以下のようであり、ロッデンレーティングは、AA(ダブルエー)であり、信頼できるデータということになっている。
Houston, Whitney
9 August 1963 at 20:55
Newark NJ, USA, 40n44, 74w10
EDT h4w (is daylight saving time)
このデータでチャートを作成すると、ラグナは水瓶座である。
現在、彼女は月/ケートゥ期を通過していた。
マハダシャーロードの月は6室支配の機能的凶星でマラカの2室に在住し、土星、火星からアスペクトされている。
月はマラカに在住する機能的凶星で、2つの凶星からアスペクトされている非常に困難な配置にあったと言える。
同室する定座の木星は逆行して、2つの凶星からアスペクトされ、また11室を支配する機能的凶星であるため、
それ程、保護の力を発揮できない。
アンタルダシャーロードのケートゥは11室に在住して、火星からアスペクトされ、また逆行の土星と絡んでいる。
そして、ディスポジターの木星は2室に在住しており、マラカと絡んでいる。
マハダシャー、アンタルダシャー共にマラカと絡んでいる。
このように水瓶座ラグナだと月のマハダシャーがかなり大変な時期となる為、おそらくこの出生時間で正しく水瓶座ラグナで正しいのだと思われる。
彼女が『ボディーガード』に出演して、まさに映画で演じた歌姫そのものだったあの当時は、金星/土星期だった。
金星は4、9室支配のラージャヨーガカラカで、ラグナロードの土星と相互アスペクトして、木星からのアスペクトを受けていた。
ナヴァムシャでは金星は同様に4、9室支配で、ラグナでも月ラグナでも太陽ラグナでも、4、9室支配で11室から5室にアスペクトしている。
出生図では金星は月からみて3室支配で5室に在住しており、この金星期に映画に出演した事がよく理解できる。
『ボディーガード』で新曲6曲を収録したサウンドトラックは全世界で4,200万枚を売り上げたそうだが、この頃の繁栄はD1やD9などに見られるような金星の強さによるものである。
『ボディーガード』の後にも、主演映画「ため息つかせて」(1995年)、「天使の贈り物」(1996年)が公開されて、ボディーガードに及ばないものの、こちらもヒットしたようである。この時のダシャーが金星/水星期である。
そして、この金星/水星期にボビー・ブラウンと結婚し、子供を授かっているが、水星は5室(子供)の支配星で7室(配偶者)に在住しており、ダシャーのタイミングはぴたりと一致している。
1998年にはアルバム「マイ・ラブ・イズ・ユア・ラブ」をリリースして、高評価を得ているが、この頃は金星期最後のアンタルダシャーである金星/ケートゥ期であった。
そして、彼女の強い金星期が終わり、太陽期に入った途端に彼女の人生に異変が起こっている。
まず、2000年にベストアルバムを発売するが、時を同じくして、大麻所持で逮捕されている。
この頃がおそらく太陽/ラーフ期である。ラーフは5室に在住して、アルバムのリリース(創作活動)を表していたと思われるが、ラーフは太陽から12室に在住しており、12室は逮捕監禁を表している。
この頃、既に太陽期に入ってから4年の年月が過ぎており、ボビーブラウンとの結婚生活が4年を迎えていたが、大麻やコカイン等の常用やボビーブラウンの暴力、あるいは激しく体重が落ちて健康を著しく損なっている様子が週刊誌などで報じられ、その外見の変わり様には皆、ファンならずとも心を痛めたと思われる。
太陽は7室支配のマラカで6室に在住しているが、ディスポジターの月はマラカに在住し、また在住するナクシャトラであるアーシュレーシャの支配星である水星はマラカの7室に在住している。またマラカの木星からアスペクトを受けている。
この木星は上述したようにあまり保護の力を発揮できそうにない。
この太陽に絡むハウスや惑星が、彼女の結婚生活を物語っている。
威張る夫(太陽)やその夫との夫婦喧嘩や暴力(6室)、そして、その過程で、寿命をすり減らし(2室)、健康をひどく損なったことが理解できる。
D9でも、太陽は7室支配のマラカでラグナに在住して、ラグナロードの土星と星座交換して、ラグナと絡むことにより、健康を損なう配置である。そして、6室支配の月やマラカの2室支配の木星とも同室して、肉体や健康というテーマに傷がついている。
然し、この太陽期はまだウパチャヤの凶星でもあるため、彼女も何とか頑張って耐えたのだと思われるが、2004年にマハダシャー月期に入ると、彼女は施設に入ってリハビリ生活を送ることになる。
月は6室の支配星であり、この6室の支配星は文字通り、離婚の表示体であるため、離婚申請を裁判所に提出し、ボビー・ブラウンとの結婚生活に終止符を打っている。
然し、この月は6室支配でマラカの2室に在住し、土星、火星からアスペクトされて激しく傷ついており、これはマハダシャー太陽期に健康や寿命を激しくすり減らしたことを物語っている。
瀕死の状態で、保護施設に駆け込んで、それでもその2室には自室の木星が在住しているので、彼女はアルコール・薬物依存からの復帰プログラムを受けて、専門家の保護の下で過ごすことになっている。彼女にとってみれば安全な家庭的な環境(2室)を得たということかもしれない。
そして、2008年6月にアルバム「アイ・ルック・トゥ・ユー」を発売し、復活を果たしたが、この頃は、月/木星期である。
木星は自室に在住する2室の支配星で高い評価を表す11室の支配星でもある。
そして、木星は月から5室にアスペクトしたり、ナヴァムシャでは同じく2、11室の支配星で、ラグナ、月、太陽からみて5室にアスペクトしている。
従って、この時期に一時的に復活するだけの力を木星がもたらしたと思われる。
週刊誌などを読んでいても彼女の復帰を喜ぶ声が、この頃、聞かれたのを覚えている。
但し、それでも木星は逆行したり、火星や土星からアスペクトされ、マラカの支配星でもあるからか、公演中にコンサートで息が切れたり、呼吸器の感染症で入院するなど、いろいろ、健康が危うくなる危機にあっている。
木星の11室の高い評価という象意は働いているが、やはり、傷ついているので健康面など、いろいろ問題が出てきたのである。
そして、月/水星期になると、破産寸前(8室)であると報じられるなど、再び、状況が厳しいことを示す報道が続いたようである。水星はマラカに在住する8室の支配星で、月から6室に在住し、またディスポジターの太陽も6室に在住している。またナヴァムシャでもラグナ、月、太陽からみて8室の支配星で8室に在住している。
そして、その次が、現在の月/ケートゥ期であった。
彼女はカリフォルニア州ビバリーヒルズのビバリーヒルトン・ホテル4階の部屋で容体が急変した姿で発見され、救急隊が蘇生処置を施すも、まもなく息を引き取った。
おそらく彼女は何ら言葉を発することなく、静かに息を引き取ったであろうと思われる。
然し、ケートゥは11室に在住して高い評価を表しているからか、彼女の死が報道されると多くの音楽関係者がその死を悼んでいる。
ここに悲しい程にまで、運命どおりに忠実に生きた女性の人生がある。
栄光の金星期、そして夫との苦労が耐えず薬物により健康や寿命を蝕まれた太陽期、そして、輝きを失った月期。
私は、以前は分からなかったが、今回、検証をしてみて、彼女の出生時間が正しいことを確認した。
もし彼女がマハダシャー太陽期になる前にジョーティッシュの鑑定を受けに来たとしたら何を伝えるだろうか。
おそらく鑑定を受けに来るのは、金星期の終わり頃であり、マハダシャー太陽期の自分をかすかに感じ始めた頃である。
今までの栄光の余韻に浸りながらも、これからやってくる未来の気配をかすかに感じ始めた頃である。
その頃にこれから自分に何が起こるかを真剣なまなざしで聞きに来るだろう。
自分の心の奥底で感じる予感が本当なのか、あるいは気のせいなのか、それを確かめにくるだろう。
話し手の目を覗き込んで、その目は真剣そのものである。
その時に鑑定師は何を言うだろうか、あるいは言うことが出来るだろうか。
実際、このようなケースはよくありがちなケースである。
今、絶頂の中にいてまだ余韻に浸っているその彼女にこれから厳しい人生が待っているとはなかなか言うのは難しいし、また言ってそれが彼女にとって何のためになるのかと思うし、分析した結果をそのまま伝えても、それに何の意味があるのか全く意味が見出せない。
但し、私は今までの鑑定では、それでも、全く事実無根なことを相手に伝えて、相手にまるっきり自分が予想する事実と違うことを言うというようなことはしていない。
例えば、この頃、既にボビーブラウンとの交際がスタートしていて、もうまもなく結婚することを彼女が伝えて来たとしたら、ボビーブラウンのチャートを見てから、
「おそらくボビーブラウンと結婚するだろうと思います。但し、結婚生活はそんなにスムーズには行かないかもしれないので、気をつけてください」
と伝えるかもしれない。
月期のことについては「まだ月期は先の話なので今言っても意味がありません」と言うかもしれない。
実際、まだ太陽期も体験していないホイットニーヒューストンに月期のことまで言うのは不可能である。
またこの時点で、出生図に正しい客観的な判断が下せるのかというスキルの問題も出てくるが、またそれは別の話である。
後付けで起こった出来事を解釈するのと、何もない所から、象意を導き出すのとは全く違う作業である。
結果としては「太陽期は7室の支配星の時期だから結婚すると思うが、6室に在住しているので、喧嘩が絶えなかったり、離婚の危機があったり、争いが多くなる可能性がある」と伝えるかもしれない。
但し、最後に「そういう傾向はあるかもしれませんが、あまり気にしないで下さい。良いことも沢山ありますから。」といって締めくくるだろう。
実際、それは本当である。いくらよくないマハダシャーの時期でも、アンタルダシャーやプラティアンタルダシャー、そして、更に細かいダシャーを検討していけば、ヨーガカラカの支配星の時期がやって来たり、良いことも起こるからである。
全体的にはよくない時期でも、よいことも起こるというのは本当である。
そして、一番、大事なことはよいことがやってくるのも、わるいことがやってくるのも、それは運命だから仕方がなく、受け入れるしかないということを理解してもらうのが重要だと思うのである。
つまり、これからよいことがやってくるなら、それは喜ばしいことであるが、然し、わるいことがやって来たとしても、それが来ることを諦めてそれを達観した態度で迎え入れることである。
大事なことは何が起こるかではなく、起こることをどのように受け止めるかという心構えの問題である。
起こることは変えられないが、それを受け止める心のあり方は変えることができるのである。
実存主義哲学ではないが、事実は変えられないが、事実に対する主観の解釈や対し方は変えられるのである。
人は遊び半分で運命学に触れるかもしれないが、それはほんの入り口であり、自分の運命を改善する方法とか、いろいろ探求し始めてもがき始めて、最終的に何らかの考えなり、哲学や、実践に辿り着くかもしれず、それが運命学の出口かもしれない。
ジョーティッシュで自分の未来のわるい時期を知ることは”悲しみ”である。
私も自分で実践していて、自分のチャートを見て、自分がいつ頃、よい時期がやってきて、わるい時期がやってくるかが分かるのだが、わるい時期が事前に分かり、そして、それが実際にやってくることは悲しみである。
特に弱い惑星のダシャーなどが来る時には惨めである。
それがやってくる前に周囲にも憂鬱な気分を吐露したりもするのである。
然し、最終的にその運命を諦観して、勇気を出してその時を迎える以外にはないのであり、そのような心構えになることこそが運命学の出口である。
ラオ先生もジョーティッシュはサーダナ(修行)であるが、いずれ霊的実践をするようになり、次第にジョーティッシュはしなくなるという事を言っているが、それが上記に述べたことである。
運命学は、新しい主観や解釈、新しい世界観と出会うための扉なのである。
最後に一つ付け加えるとそのように主観、心構えが変わった時に本当に運命を変えるための下地が出来たのだと言える。
自分の運命について全く気にもしなくなった人こそ、もっとも運命を変える可能性のある人である。
ホイットニー・ヒューストンについて、上記で、
『栄光の金星期、そして夫との苦労が耐えず薬物により健康や寿命を蝕まれた太陽期、そして、輝きを失った月期。』
と書いたが、彼女の過去の写真をいろいろ検索していて、栄光の時期の彼女と、苦しい時の彼女の写真が両方とも出てきたが、それを見ていて、彼女は『輝きを失った』ことはなかったのだと思えた。現象の世界の中でもがき苦しむ姿は、カルマによる一時的な仮の姿であり、移ろい変化する姿に過ぎない。
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ホイットニー死去 ドラッグ、アル中、DVと闘った世界的歌姫
2012年2月12日 デイリースポーツオンライン
2010年1月、ワシントンで、音楽関係の賞を受賞した米人気女性歌手ホイットニー・ヒューストンさん(AP=共同)
「オールウェイズ・ラブ・ユー」など数多くのヒット曲を出し、米音楽界最高の栄誉、グラミー賞を6回受賞した米女性人気歌手のホイットニー・ヒューストンさんが11日、死去した。48歳だった。ロサンゼルス近郊の高級住宅地ビバリーヒルズのホテルの客室で死亡しているのを11日、警察当局が確認した。死因は不明。
CNNなど米メディアによると、12日の第54回グラミー賞の発表・授賞式に出席するためロサンゼルスに滞在しており、11日夜はグラミー賞のパーティーに出席するとみられていた。
滞在していたビバリー・ヒルトン・ホテルから911(日本での119番)通報があったのは11日午後3時43分。3時55分、死亡が確認されたという。広報担当者によるとホイットニーさんのボディーガードが遺体を発見したという。
ドラッグ(薬)にアルコール依存症、前夫ボビー・ブラウンからのDV…さまざまなものと闘い続けた世界的な歌姫が48歳の若さで逝った。
ホイットニーさんは2000年にはハワイで大麻を所持しているのが見つかり、訴追され、薬物依存症患者の更生施設に入った。02年には米テレビにコカインなどの薬物やアルコールの依存症に苦しんでいることを告白。04年には更生施設に入り、昨年5月には再びドラッグとアルコール依存症の治療のためリハビリ(更生)施設に入ったと伝えられていた。
03年には夫(当時)のボビーがホイットニーさんの顔を殴り頬や唇に裂傷を負わせた暴行容疑で逮捕、起訴された。ボビーはそれまでも麻薬所持や交通違反で数回逮捕されており、06年にホイットニーさんが離婚を申請。07年に離婚が成立するなど、トラブル続きの結婚生活でもあった。
ホイットニーさんは米ニュージャージー州生まれ。歌手ディオンヌ・ワーウィックはいとこ。子どものころから教会で歌い始め、10代からモデルとしても活躍した。1985年に「そよ風の贈りもの」で歌手デビュー。よく通る高音の歌声が人気を集め、「すべてをあなたに」などヒット曲を連発した。
アルバムやシングル、ビデオを合わせた売り上げは1億7千万枚に上る。
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ホイットニーさん急死に悲しみの声続々
デイリースポーツ 2月12日(日)17時52分配信
米人気女性歌手のホイットニー・ヒューストンさんが11日、48歳の若さで急逝したことを受け、音楽業界からは悲しみの声が次々と寄せられている。
米CNNに対し、米を代表する歌手アレサ・フランクリンは「今は何も言えない。あまりの驚きと衝撃で。テレビから流れてくる映像が信じられないの」とコメント。有名音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズは「悲しみに打ちひしがれている。彼女ほど才能にあふれた唯一無二の存在はいない」と哀悼のコメントを寄せた。
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