2024年度 東京都知事選 結果検証 -小池百合子が三選したロジックを検討する-
2024年度 東京都知事選で、小池百合子の落選を予想していたが、蓋を開ければ、小池百合子は、291万8015票を獲得して当選した。
2位は、石丸伸二で、165万8363票で、3位は、蓮舫で、128万3262票だった。
小池百合子は自民党と公明党からの組織票を得て、あと無党派層の支持もある程度、取り付けた。
最も無党派層の支持を取り付けたのが、石丸伸二で、次にそれよりも少し少ないが、ほぼ石丸伸二に匹敵するぐらいの無党派層からの支持を取り付けた。
年齢別で見ると、小池百合子の支持者は、60代とか、70代とか、高齢者が多いのに対し、石丸伸二の支持者は、20代、30代など、ネット世代の若年層が多かった。
つまり、今回、小池百合子が当選したのは、自民党、公明党の組織票と、ある程度の高齢のテレビ世代の無党派層の支持を受けたことが決定打となった。
選挙の結果が出た後で、今頃になって、大手メディアが、小池百合子が、街頭演説で、激しいやめろコールなど、聴衆のヤジを受けていたことを報じ始めた。
小池百合子の291万票という獲得票数も前回の選挙では、360万票を獲得していたことと比較すると、かなり票を減らしている。
蓮舫は不調であったので、そうした票のかなりの部分が、石丸伸二に流れたと推測される。
小池百合子は、現在、木星/水星期で、水星は、月から見た3、6室の支配星で、蟹座4室に在住し、ラーフ/ケートゥ軸と絡んで傷ついている。
従って、小池百合子に対する風当たりも強く、学歴詐称疑惑で提訴されたり、また上述したように演説会場で、やめろ!やめろ!と激しいヤジを受けた。
それらは、この水星が、月から見て、3、6室支配の機能的凶星であることが、もたらしたと推測できる。
その前の木星/土星期は、小池百合子に圧倒的な力とパワーがあって、他の候補者を寄せ付けず、360万票を獲得して、再選したのであり、それは土星が月から見て、10、11室支配で6室に在住し、11室の支配星が6室に在住し、ウパチャヤの凶星で、選挙などの競争において敵に打ち勝つ配置をしていたからである。
また月から見て、9、10室支配のヨーガカラカで、5室に在住しているという強さもあった。
このように木星/土星期よりも木星/水星期の方が、出生図においては、パフォーマンスが落ちているのだが、それでも当選した理由はどこにあるのか、それを改めて検討してみると、それは水星が、ナヴァムシャ(D9)やダシャムシャ(D10)で、10室が絡むラージャヨーガやダナヨーガを形成していたからではないかと思われる。
小池百合子に関しては、以前から繰り返し、そのラグナを検討してきたが、ナヴァムシャやダシャムシャのラグナは水瓶座ラグナではないかと推測していた。
これらのラグナである場合、ナヴァムシャでは、水星は5室支配で、10室支配の火星と共にラグナで、1-5、5-10のラージャヨーガを形成し、またダシャムシャでは、水星は5室支配で、10室に在住して、5-10のラージャヨーガを形成し、また2-5、5-11のダナヨーガも形成している。
木星と水星がダシャムシャの10室でコンジャンクト
最も重要なことは、ダシャムシャ(D10)において、マハダシャーロードの木星が、アンタルダシャーロードの水星とコンジャンクションしていることである。
分割図において、マハダシャーロードとアンタルダシャーロードがコンジャンクションしている時、特にそれがケンドラやトリコーナで、ラージャヨーガもしくはダナヨーガを形成している場合などにその分割図のテーマを成就させるような顕著な結果をもたらすという、そうした分割図の読解におけるセシャドリアイヤーが主張する原則が働いたと考えられる。
もしダシャムシャのラグナが水瓶座であれば、10室で、木星と水星がコンジャンクションしていることになるが、仮にラグナが、
水瓶座ではなかったとしても、マハダシャー木星期に小池百合子は、東京都知事として、執務を行い、再選していることを考えると、木星は、ケンドラやトリコーナなど、良いハウスに在住している可能性が高く、10室に在住している可能性は、非常に高い。
小池百合子が初当選したのは、2016年7月31日で、その時は、ラーフ/月期で、その直後にラーフ/火星期(2016/8/16~)に移行している。
2016年9月16日に政治団体「都民ファーストの会」を立ち上げ、2017年9月25日には、自らが代表となる新党「希望の党」の結成を発表し、9月26日に民進党と希望の党の合流が協議された。
東京都知事に当選してから、ラーフ/火星期に移行し、立て続けに政治団体「都民ファーストの会」や新党「希望の党」などを結成しており、この時の政治力は、アンタルダシャーの火星から来ているものと推測されるのである。
ラーフのディスポジターである水星は、ダシャムシャで10室に在住し、火星はダシャムシャのラグナに在住していたと考えれば、この時の躍進に説明が付くのである。
また小池百合子は、実際にそうであるかは別として、芦屋で生まれ、貴族の家柄に生まれたようなセレブ的な雰囲気を醸し出している。
これは小池百合子の出生図のラグナが、クリティッカー(太陽)だからではないかと考えている。
太陽を支配星とするナクシャトラは、貴族的で、高貴な家柄で生まれたようなセレブ感が漂うのである。
そして、小池百合子は、東京都知事に当選すると、さっさと政治団体「都民ファーストの会」を立ち上げて、自民党から離党したり、また国会議員時代は、政界渡り鳥と呼ばれたように常に力のある政治家(細川護熙、小沢一郎、小泉純一郎)の元を転々とした。
利用価値がないと見なせば人との関係もさっさと切り捨てるが、先日の乙武洋匡の擁立の際も乙武洋匡が落選したら、その後の事務所での挨拶にも顔を見せなかった。
このように決断が鋭く、人との関係をだらだらと続けるのではなく、見切りを付けた際は、さっさと切り捨てる性格は、ナイフやカッターを象徴するクリティッカーの象意である。
もし出生図のラグナがクリティッカーであれば、牡牛座におけるクリティッカーは、第2パダ~第4パダの3通りである。
ナヴァムシャのラグナで言えば、山羊座、水瓶座、魚座の3通りである。
興味深いことにこの場合、ナヴァムシャのラグナと、ダシャムシャのラグナは、この山羊座、水瓶座、魚座において、連動して同じ星座となるのである。
政治団体「都民ファーストの会」や新党「希望の党」を結成したのが、ラーフ/火星期である為、火星が12室に位置する魚座ラグナというのは考えにくい。
従って、ナヴァムシャとダシャムシャのラグナは、山羊座もしくは水瓶座になるのであるが、おそらく水瓶座ラグナではないかと考えた。
何故なら、ダシャムシャのラグナが山羊座の場合、3、12室支配の木星が11室に在住し、6、9室支配の水星とコンジャンクトするが、何もラージャヨーガやダナヨーガを形成せず、この配置で、東京都知事になれるか疑問が生じるからである。
ダシャムシャで、火星がラグナに在住しているからこそ、火星期に「希望の党」を結成して、民進党との合併を模索するような政界再編につながる大きなことを模索したと言える。
そうすると、連動して、ナヴァムシャのラグナも水瓶座になるのである。
そのようなナヴァムシャとダシャムシャのラグナに関する分析を過去に行ったことを今回、すっかり忘れていた。
つまり、理詰めで考えた所、小池百合子のナヴァムシャとダシャムシャのラグナは水瓶座ラグナである可能性が極めて高いのである。
小池百合子のダシャムシャのラグナが、水瓶座であれば、マハダシャー木星期は、2、11室支配の木星が10室に在住し、5、8室支配の水星とコンジャンクトして、10室で、2-5、5-11のダナヨーガを形成している。
上述したようにダシャムシャで、マハダシャーロードの木星とアンタルダシャーロードの水星が、その分割図のテーマを表わす10室でコンジャンクトして、ダナヨーガを形成する配置は、ダシャムシャの仕事や地位というテーマに関して、顕著な結果を与えることになる。
従って、小池百合子は、木星/水星期において、出生図が示すように批判や聴衆のヤジに苦しみながらも三選を果たしたのである。
また今回、小池百合子は、無党派層からもある程度の支持を受け、特に高齢の人々から支持を受けた。
つまり、沢山のヤジも受けたが、人気も高かったと言える。
無党派層から得た票数は、石丸伸二とほぼ数の上では互角であった。但し、年齢層が石丸伸二よりも高い人々から支持を受けていた。
このように小池百合子がある程度、無党派層からの支持を受け、人気があったのは、月から見た3、6室支配の水星が、一方で、ラグナから見ると、2、5室支配で、ラグナロードの金星と共に3室蟹座で、1-2、1-5のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成していたからであると推測する。
強い蟹座は大衆からの人気を表わし、特に高齢の60代、70代といったテレビ世代の主婦たちからの人気を集めていたのである。
このように出生図上でも、ラグナから見て、水星は、蟹座3室で、1-5、1-2のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成し、更にナヴァムシャでも1-5、5-10のラージャヨーガを形成し、更にダシャムシャの10室で、ダナヨーガを形成していたからこそ、小池百合子は今回、当選を果たしたと言える。
繰り返しになるが、このうち、ダシャムシャの10室で、マハダシャーロードの木星とアンタルダシャーロードの水星が、コンジャンクトしていたことは、最も重要である。
ジャイミニスキーム
そして、小池百合子のチャートをジャイミニスキームで見た時がまた驚きなのだが、改めて見ると、小池百合子は、都知事選の直後から、水瓶座のメジャーダシャーに移行するのである。
水瓶座は、仕事や地位を表わす10室で、水瓶座から見た10室にはAmKの水星とDKの金星がジャイミニラージャヨーガを形成した状態で、アスペクトしている。
10室にAmKがアスペクトしている為、やはり、キャリア上の上昇がある時期である。
しかし、ラグナから見ると、AmKの水星やDKの金星は、6室に在住し、大衆からの批判を受け続けることを物語っている。
またGK(グナティカラカ)の月が、10室にジャイミニアスペクトすることもキャリア上の批判や障害を物語っている。
批判を受け続けるが、それでも、高い地位に就いたのは、AmKの水星とDKの金星が、10室にジャイミニアスペクトしているからである。
このようにして、ジャイミニスキームでは、小池百合子が、都知事に三選した理由をよく説明することが出来る。
しかも、今後、どのような都政を行っていくか、都民から批判を受け、試練の多い、都政になることも明確に物語っている。
一方で、これまでの魚座のメジャーダシャーの時期を見ると、魚座から見て、AmKの水星やDKの金星は、5室に在住し、10室にはアスペクトしておらず、3室、12室、9室にアスペクトしている。
何故、今まで東京都知事をやって来れたのか疑問が生じるような配置である。
MKの土星やAKの太陽が、10室にジャイミニアスペクトしていたからと考えるしかないかもしれない。
このように見て来ると、ジャイミニスキームでは、小池百合子は、三選目にして、最も批判を受け、困難を経験しながら、それでも首長として都政を行っていく時期に突入していくようである。
予測が外れた要因
何故、このように小池百合子の苦しみながらの三選を予想出来なかったのかと、非常に残念に思っている。
小池百合子のラグナを以前の検証で、正しく牡牛座に修正し、学齢詐称疑惑を示す配置なども検証済みであった。
このように改めて復習をした所、小池百合子が当選した理由を上手く説明することが出来た。
以前、ナヴァムシャとダシャムシャのラグナを十分に検討した上で、水瓶座に修正したことはすっかり忘れてしまっていた。
一番、大きな要因は、私自身、小池百合子にうんざりしていたという点が大きいかもしれない。
特に太陽光パネルの設置義務化などの政策は、都民の選択の自由を制限する点で、非常に良くないと考えている。
行政がそうした都民の自由なライフスタイルにまで口を出すべきではないと考えている。
今後、小池百合子が都政を行なう場合、首都防衛という観点から、防空壕のようなものを作ったり、土建屋が儲かるだけの無駄なインフラを構築するのではないかと危惧している。
またプロジェクションマッピングは投資になっていないという石丸伸二の批判もあったが、電通の子会社などに儲けさせて、都民の為にならないその場しのぎの人気取りの政策は非常に好ましくないと考えている。
小池百合子に落選して欲しいと思っていた点と、蓮舫が勝利するとミス鑑定した結果、小池百合子が三選出来ない理由を探し、5室の支配星の役割を過剰評価したこと、既に知っていた原則を見逃したことなどが、今回、予測を外した要因である。
全くの先入観なしで、あらゆる可能性が存在するという心的にニュートラルな状態で、法則やロジックを厳密に適用していくということが必要である。
何らかの結論があって、その理由を探していくといった逆の手順に陥った場合、間違えてしまうのである。
そうした間違えに陥る場合、現象の表面的な見た目に振り回されたり、雰囲気に飲まれてしまうことになりがちである。
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